絶望を払う者~狂気の神々vs愉快で〇〇な仲間達~   作:葉月華杏

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二六九話

Re:

 

 

『《降伏しろ、ラフィンコフィン!!》』……と、カッコ良く言ったのは良いものの。その直ぐ後は、ブチギレたラフィンコフィンとの乱戦と相成りました。

そして、開幕戦早々三人が戦線離脱。

弱いぞ!?とは言わないで上げて下さい。

敵の猛攻を回避してたら、いつの間にか囲まれちゃったんです。それで、敢えなく討ち死に。彼等は弱かったのではなく、とても運が悪かっただけなのだ。戦線離脱転生者、平均LUK100に対して50~70程度。スキルか、称号に《悪運》でもあれば結果は変わっていたハズ。

だから、弱いぞ!?なんて言わないで上げて下さい。

その後、しばらく拮抗して作戦通り俺を殿にして転生者組後退。現在は、《瞬動術》を駆使して全力疾走中です。この為だけに、転生者達も《瞬動術》を修得してます!この為だけに!!大事な事なので二回言いました。

だがしかし!ヤヴァイ!!追い付かれる!?

わかっていた事だけど、レベルアッパー(チートツール)で強化されたラフコフメンバーのAGIの高い事、速い事。思わず、追い付かれるかと思って肝を冷やす。時折止まって、何人か先行して来る奴等を蹴散らせつつ、集まって来たらドン!と大ジャンプして《天駆》で空を駆ける。ただ、ジャンプするだけだと投擲の的になるのでここら辺は自嘲する事なく全力を尽くす。

つか、狂気に染まった眼で睨まれるのも殺気をガンガン飛ばしてくるのもメッサ怖いです。いやー、獲物を追う彼等は生き生きしてますよね!途中、何人かの転生者が挑発じみた事をして死に掛けたりしますが、何とか助けて走ります。ああ、因みに俺の言葉が敬語なのは余裕が無いのとヤヴァイストレスに晒されているからであって深い意味はありません。つーか、師範代達のせいとも言います。ええ、死に物狂いで『生きたい』と願い続けた結果……地の文までも命乞い仕様に成り果ててるだけです。……助けて!

 

「死ぬっ!!」

 

「死ねぇ!!」

 

「そんな合いの手、いらねぇ!!」

 

「ヒャッハー!!」

 

「何処の世紀末覇者だよ!?」

 

「シャアアアァァァ!!!」

 

「ええぃ!?って、毒使い!?」

 

振り向けば、いつの間にか背後にジョニー・ブラックが居て毒滴るナイフを振り回していた。まあ、そこそこ速いけど《神速》使った俺の敵でも無いのでアッサリ回避。

適当に、赤目のザザに向けて蹴り出したので二人仲良く転がっていた。それを確認しつつ、小ジャンプ。《天駆》で、ちょっとアクロバットを披露して周囲を見回せば上手く囲まれ掛けていた。

 

「アブネ!」

 

「チッ!」

 

慌てて、その包囲網から離脱した俺はプーの背後に降り立って殴り掛かってやった。しかし、空振る……視線が交差し、かち合って睨み合う。プーは、俺を見下しても無ければ侮ってもいなかった。ただ、強敵が現れた事に口角を吊り上げる。その様子に、俺はゾッと悪寒を感じた。やはり、コイツは狂っていやがる!ここで逃がせば、SAOの二の舞だ。迷いは一瞬、ここで仕留める!!

 

ーーーこの距離、貰った!!

 

 

ーーー魔力強化Ⅲ!

 

   ーーー《震脚》!!

 

 

地面を激しく踏み鳴らし、その衝撃で発生した震動で相手を攻撃する究極奥義!本来ならば、天高く吹き飛ばす攻撃だが……俺は、地面を踏み抜き陥没させた挙げ句、プーと共に落とし穴?の中へ。畜生!《踏み台の宿命》をスッカリ忘れてたぜ!!幾つかの技を使って、プーの猛攻を何とか外して離脱した俺はそのまま天を駆けて逃げ出す事に成功する。仕留め損なった(泣)。

大人しく、《ゲート・オブ・バビロン》で《クレイモア》にしておけば良かったと後悔。クソッタレ!以下略。

色々な感情と、思考と考察が入り交じって混乱する。

プーを仕留め損なった後悔が、俺をネガティブな思考へと追いやって行く。だが、今はそれどころでは無くなったので後回しにするが心に厄介な痼が残ってしまった。だが、今は他の転生者達を師匠に指定された場所へ逃がす必要がある。適当に、ラフコフの奴等を挑発しつつ徹底的にフォローに回って馬鹿共を逃がすのだった。

つーか、挑発しておいてコケるとか無いだろ!?

敵と転がった転生者の間に割って入って、一撃目を剣の腹を殴って反らす。返しの刃は、掌で下から掬い上げる様に叩き上げた。そして、バックステップを踏みつつ空いた手で馬鹿を掴んで離脱。

 

「このアホンダラァ!!」

 

「サーセン!!」

 

「そんなに死にたいなら、プーの目の前に投げ捨ててやんよ!?」

 

「か、勘弁して下さい!マジ、死んじゃいます!!心が!!」

 

「こっちも、死ぬかと思ったわ!!次は、見捨てるからな!?」

 

「はい!でも、助けてくれてありがとうございます!!」

 

見捨てても良かったけど、なんとなく見捨て切れなかった。だって、助ける事が出来るから……助けられるのに、見捨てるなんて何か嫌だったんだ。だから、危険を犯して助けてしまう。

ウヒャー!と、二人揃って駆け抜けて仲間の元へ合流。回復薬を飲んで、HPを完全に回復させた奴等と入れ替わり反転迎え撃つ。

そんな、面倒な戦いの繰り返しだった。

だからこそ、ラフコフの奴等は疑問も持たずに追い掛けて来たんだと思う。もしかすると、気が付いていたかも知れないが……どっち道、転移門が使えなかった時点で下層へ行く唯一の道である迷宮の入り口である階段へ向かうしかない。何回目かの、戦略的撤退を経てついに回復アイテムが尽きた。

 

「か、回復アイテムが!!」

 

「こ、こっちも無くなった!!」

 

「くっ……これまでか」

 

「諦めるな!!」

 

「走れ!走れ!!」

 

後退中に回復をしつつ、反撃を繰り返していた俺達だったが……アイテムが尽きて、反撃出来なくなる。その上、追い付かれて一人また一人と仲間が討たれ敗走を余儀なくされた。今は、ただひたすら走っているだけで段々ラフコフの奴等に囲まれつつある。

そして、俺以外の全員が討たれ……適当に、追い付かれず離れる事のない距離を保ちながらジグザグに移動中です。つーか、合流地点は何処ですか!?そろそろのハズなんだけど、周囲を見回すがそれらしき砦の影も形もなかった。とうとう、囲まれて空に逃げる事も抜け出す事も出来ない状況に追い込まれてしまう。

 

「ひゃははは!手間かけさせやがって!!」

 

「ヘッド、どうやって殺ります?」

 

「クックックッ……そうだなぁ……」

 

「へ、ヘッド、アレやろうぜ!的当てゲーム!!一人一本ナイフ投げて、最後まで生きていたら解放してやるってヤツ!!」

 

「そう言って、真っ先に頭狙って殺しちまっただろ!?」

 

「あーん、バラしちゃダメッスよ!折角、楽しめると思ったのに……」

 

デジャヴ?どっかで、聞いた様な会話をしているラフコフ幹部。多分、アニメの中だったかも知れないけれど……さて、どうして逃げ様か?つーか、師匠はどこ行った!?ラフコフとガチ会った辺りから、全然姿を見ないんですけど!?それとも、行き着く先間違った!?でも、一本道だったよね!?等と、混乱しているとラフコフ1メンバーの頭が吹き飛んだ。それと同時に、ドン!という爆発音(銃声)が聞こえてプーを含むラフコフ数名が動きを止める。

その瞬間、周囲の風景が一瞬で砦へと変化した。

 

「!?」

 

「なんだぁ!?」

 

「チッ!」

 

「幻だと!?」

 

俺を含むラフコフは、高く頑丈そうな塀に四方を囲まれて……入って来たであろう入り口に視線を向ければ、既に封鎖された後だった。というか、いつの間に音もなく閉鎖仕切ってやがったんでしょうね!?一瞬、イラッ!としたけどラフコフの奴等が混乱している内に俺はその場から離れた。その直後、ラフコフメンバー数名の首が飛ぶ。彼等の側を駆け抜けた、師匠の手によって首チョンパされたのである。うわぁい……つか、何処にいたんだよ!?

 

「にゃははははは!!」

 

はあ……生きた心地がしなかったよ。

まあ、現在はラフコフの奴等がそんな状態なんだろうけど。槍を手にした師匠と、《水月華》と呼ばれる妖刀を持った【鮮血の】さんが並び立つ。あの二人が、協闘しているのは初めて見るけれど……何故か、とても薄ら寒い感じがするんですけど!?

え?ナニコレ!?

 

「《初めまして、ラフィン・コフィンの殺人者諸君。とりあえず…………死んどく?》」

 

「《おいおい……自己紹介無しで始めようとするなよ。まあ、ーーは必要だけどさぁ……でも、せめて誰に殺られるくらいかは知っておきたいよな?》」

 

んん?【鮮血の】さんは、今何て言った?上手く、聞き取れなかったんでけど!?それとも、ワザとはぐらかされた!?それにしても、ラフコフの奴等が殺されるの前提の言葉が多い。

確実に、相手を見下した上に糞みたいな事を言ってのける師匠達。流石に、見た目小学生な師匠達に存外な扱いをされたのが気に入らなかったのかラフコフメンバーの一人が奇声を上げながら師匠に突撃。結果は、言うまでもなく瞬殺だった。というか……槍で、一刀両断をやらかしてくれた。それはもう、とても良い笑顔で脳天から股間までをスパッと斬り抜いてくれたのである。当然、そんな事をされた馬鹿は即死。臓物撒き散らして、絶命してくれた。

 

「《おいおい……キリト、コイツ等アインクラッドを恐怖のドン底に貶めたくらい強い犯罪者なんだろ?何つーか、弱いぞ?》」

 

「キリト、だと!?」

 

「『黒の剣士』……」

 

ラフコフが、『キリト』の名を聞いてざわめき出す。

そんな所へ、ノコノコと出て来たのはキリトを含む主人公チームの奴等だった。その瞬間、ラフコフ一部からかなりキツイ殺気が発せられる。余程、『キリト』に怨みが募っているモヨウ。

 

「『黒の剣士』……テメェ……」

 

「もう、おわr「《ああ!何も言わなくて良いよ。ここまで、敵対心を煽るなら何を言っても無駄だってわかるから。いずれにしろ、結末が変わらないなら無駄な努力だよ》」

 

「《うはーw。双夜は相変わらず、言う事がキツイなぁ(笑)。でも、相手を煽るだけの結果なら何も言わないで欲しいかな?ボク等は、別にラフコフを殲滅したい訳じゃないからねぇ……》」

 

「は?」

 

「《とりあえず、そこの君(プー)とそっちの黒い(ジョニー)のと赤い(ザザ)のは合格かな?後は、要らない(笑)》」

 

「《自己紹介が、まだだったね。僕達は、《神殺し》……セフィロト・ザイグアス所属アロザイド総長第七戦鬼《神殺し》如月双夜だよ。雑魚を殺すだけの殺人集団さん?》」

 

「《ぶっちゃけ、ゲームから出られないなんてだけで狂人と化すなんて雑魚の代名詞なんだろうけど……でも、そっちの三人は違う狂人みたいだし……調度、良いかなって……》」

 

「はぁ!?何の話だ!?」

 

「「勧誘」」

 

「「「「「「「「「は!?」」」」」」」」」

 

はぁいぃぃぃ!?ちょ、師匠と【鮮血の】さんは今何言った!?かんゆう……勧誘!?勧誘ったか!?誰を!?何に!?なんで!?

 

「《ぶっちゃけて言って、人間なんて雑魚殺して楽しい?それで、君達の心は満足出来るのかい?》」

 

「《ボク達は、人間なんて雑魚を殺すなんてクズッポイ事はしない……かな?「ああ、僕は殺し捲ったよ(笑)。それこそ、『魔王』なんて呼ばれちゃうくらい殺し捲ったね(笑)」ちょ!?黙っててくれないかなぁ!?》」

 

「《ぶっちゃけ、一人二人殺して悦に浸っている君達なんか目じゃないくらい殺してるからw。それこそ、殺し過ぎて世界が滅んだ……なんて事もあったくらい!!》」

 

「そりゃぁ、君を捕まえて大人しくさせるのはスッっっっっっっっっっゲー大変だったけどさぁ!!」

(「」の内の《》無しは拡声魔法カット中)

 

「溜めて来やがったな、コイツ……」

 

「ボクだって、【実験】とか言って惑星とか星系とか潰したり細菌ブチ撒けたりしたけどさぁ!別に、殺したくて殺した訳じゃ……無いんだけど……」

 

「結果的に、死ぬとわかってるなら同じじゃん……」

 

「《お前が言うのか!?うっかり暴発で、小銀河消し飛ばしたお前が!?》」

 

「《は!?そんな古い話をまた、蒸し返すのか!?もう、五千年以上前の話だろ!?一々、過去の話を何度も持ち出して来るなよ!!》」

 

「《 ()()、五千年前の話だよ!?ボクは、十万年生きてる科学者だ!五千年じゃぁ、()()()でしかねぇよ!!》」

 

「クッ…………ッハ、ハハハハハハ!」

 

師匠達が、始めた言い合いを聞いていた彼等は途中からポカンと口を開けた状態で師匠達を眺め……最終的に、プーが腹を抱えて笑い出して注目を集めて終了した。

 

「なら、テメェ等は俺達を満足させてくれるのか?」

 

「《《神殺し》でも、《神殺し》キラーでもなんでもごされ。とある事を共通し、その役目を放棄しないのであれば何をやっても問題にもならねぇーし……されねーよ?》」

 

「するよ!?するからね!?」

 

「《女を犯したきゃ、犯せば良いし……》」

 

「殺されるよ!?フツーに、虐殺されるよ!?」

 

「《奪いたきゃ、奪えば良い……》」

 

「奪えないよ!?むしろ、奪われるからね!?」

 

「うるせー!!それは、お前が弱いからだろ!?《それなりに、実力さえあれば女を犯す事も奪う事も可能だぞ?》」

 

「畜生!この、脳筋共がぁ!!」

 

うん。【鮮血の】さんが、雑魚とか言えるのは師匠だけだ。あの人、普通に強いし速い。俺みたいな下っぱには、フツーに強者だ。それは、ラフコフの奴等に取ってもだけど。

 

「にゃははは。ちゃんと、修練も鍛練もしないからだよ。ザマァ」

 

「《コイツ、仲間も平気で殺すんだぜ!?》」

 

ズビシッ!っと、【鮮血の】さんが師匠を指差し喚く。

 

「《仲間じゃねーし(笑)。殺戮対象だし……》」

 

ははは……いつもの事ながら、殺伐としてますね。

不老不死を与えられて、仲間同士で殺し合いが可能とかもう無茶苦茶な場所だからな。まあ、それを殺ってるのは師匠と他数名で後の奴等は仲良し子良しなんだけど。それでも、ラフコフの奴等には斬新過ぎたらしくちょっと引かれている。犯罪者大国的な発言は、ラフコフでも引くらしい。つーか、師匠と【鮮血の】さんの所業にキリト達も引いている。

 

「《ボク達の所に来てくれたら、【不老不死】を上げる。【死】という安楽の無い世界で、【神様】ブチ殺して楽しもうぜ?》」

 

「《まあ、世界を管理する神をそうそう簡単には殺せないだろうけど……殺れれば、最高に達成感を得られるぞ?》」

 

「《世界を管理している分、管理世界では超御都合主義な神様達だから……管理世界で、倒せた時の達成感は保証するよ?》」

 

「「《チート過ぎるけどな?》」」

 

「《向こうは、基本殺りたい放題のしたい放題。その癖、こっちは弱体化させられて何度も殺される(笑)。超ウゼェwwww》」

 

「《けど、まあ……【不老不死】だから、死なないよ?完全には……》」

 

「《完全には、死なないけど……一時的には、死にます(笑)》」

 

「見返りは?」

 

「《《神殺し》の称号と、神様の能力一つ……》」

 

「《気に入らなければ、何度でも修得可!》」

 

「《まあ、それ以前の奴は無くなるけど》」

 

「《とりあえず、使ってみて要らなくなったらポイでもOK》」

 

「《因みに、僕は《異端児》だから神様の能力は持ってないけど》」

 

「《ボクは、【世界の法則閲覧権限】!!》」

 

「は?……おま、お前のソレは神様の能力やったんか!?」

 

「《ボクは、科学者だよ!?これ以上ない、アドバンテージ!!最高だね!!【ありとあらゆる世界の法則閲覧権限】!!》」

 

「《はあ……とまあ、こんな感じだ》」

 

「どんな能力でも、貰えるのか?」

 

「《そうだなぁ……《古の神》であるなら、古くから居るからスッゲーの持ってたりするけど……その【神】が保有するスキルであれば何でも一つ修得出来るよ?》」

 

「ほぅ……他には?」

 

「《【神】を殺せば、【神】の格に応じて報酬が貰える。下っぱの下っぱでも、人間の人生一回分の報酬かな?》」

 

「《生まれてから、死ぬまでの間に使われるであろう金額が丸っと支払われる。まあ、集団で殺した場合はその集団で分ける事になるがな?それなりに高いぞ?》」

 

「……………………」

 

「《因みに、【中の格】持ちだったら下っぱの下っぱ分の三倍貰える。まさに、遊んで暮らせるとはこの事か!!って感じ(笑)》」

 

「《休暇には、下界に降りる事も出来るから超楽しいぞ?》」

 

「《この世界にも来られるし、別の世界で殺戮三昧でもOK》」

 

「《なんで、殺戮三昧なんだよ!?フツーに遊べよ!?》」

 

「《楽しいぞ?虐殺(笑)。特に、断末魔の叫びとか耳の奥に残って何度でも聞きたくなるからな(笑)》」

 

「《ぶっちゃけ、ウチはまともな奴よりもキ〇ガってる方を選ぶんだよ。何万年も生きる事になるから、まともな奴よりブッ壊れてる奴の方が()()からな……》」

 

「キチ〇ってるって……」

 

「《ウチに真面目な奴は要らねぇ!人格崩壊者、人格破綻者、キ〇ガイでも、狂人でも何でも来いや!!必要なのは、何百何千何万の時間を過ごせる精神の持ち主のみ!!》」

 

「《さて、返答を聞こうか?》」

 

「《僕達の仲間になるか!?》」

 

そう、師匠が問えばラフコフの下っぱ共がニヤニヤ顔で騒ぎ出した。そりゃ、人格破綻者であるならば永遠を手に入れられるなんて破格の話であろう。だがしかし、馬鹿騒ぎを始めたアホ共を眺めつつ俺は【鮮血の】さんが言った言葉を思い出していた。

 

『とりあえず、そこの君(プー)とそっちの黒い(ジョニー)のと赤い(ザザ)のは合格かな?後は、要らない(笑)』

 

あの言葉をそのまま、適応させるならば【()()()】さんはラフコフの頭であるプーと毒使いのジョニー・ブラック……それから、赤目のザザ以外は要らないと言い切っていたハズである。

つまり、今馬鹿騒ぎをしているアホ共は要らない要員だったハズだ。どうするつもりなのだろうか?と視線を向ければ、二人はつまらないモノを眺める様な目でアホ共を眺めていた。

 

「良いぜ!良いぜ!これで俺も、()()の仲間入りだ!!」

 

「アハハハ!ヘッド、どこまでも付いて行きやす是!!」

 

「《は?ゴミは、要らないよ?》」

 

「あ?ーーーーーーーーーあ゛あ゛!?」

 

騒ぐアホ共の声を凌ぐ、拡声魔法で【鮮血の】さんが歓喜の大騒ぎをしていた下っぱ達の喜びをバッサリ切り捨てる。割りと、残酷なんだよなぁ……この人も。

 

「《双夜は、残り物に欲しいの居る?》」

 

「《残り物って……フム。余り、長くは持たなそう……不老不死になったとたん、壊れそうだから要らないかな?》」

 

「《だよねー!ぶっちゃけ、『プー』と『ジョニー』と『ザザ』くらいしか要らないかな?あ、キリト達は居る?》」

 

「《あっちは、もっと要らない。まあ、本人も望みそうにないからパスかなぁ?僕的には、ヘッドも幹部も要らないけど……》」

 

「《【組織】の人材不足舐めんな!……でも、確かにヘッドと幹部以外はあっという間に潰れそうだよね》」

 

「《特に、不老不死に成れるとはしゃいでた奴が真っ先に潰れると見た!!ぶっちゃけ、ヘッド&幹部は不老不死拒否してそうだねぇ?見ろよ、ヘッドの怒りに震えるあの眼を……》」

 

見れば、怒りに震えるプーが憤怒の顔でこちらを睨んでいた。まあ、アイツの目的を考えれば不老不死はそれ程魅力的な話ではない。むしろ、真逆の方向性なので怒るのは仕方がなかった。

 

「《……ふーん。でも、残念。君達の勧誘は、決定済みなんだよ。コピー人間『プー』。君達は、転生者の我儘でこの世界へとコピーされた存在だ。記憶、人格、経験を新しく用意した【魂】にコピペして量産された紛い物。その怒りは本物でも、結局は複製された紛い物でしかない。良いのかい?このままで。ここで死んだら、転生者と神々に弄ばれただけのゴミに成り下がるよ?》」

 

そんな風に煽った所で、敵がい心を煽るだけで仲間には成ってくれないだろう。つーか、もうちょっとマシな煽りは無かったのか!?もっとこう……ズガン!と来る系統の煽りは!?

 

「《今の身分を捨てて、本物に成りたくはないか?ヤられたら、やり返さないとねぇ?じゃないと、ただ弄ばれて泣き寝入りした負け犬だよ?良いの?負け犬のままで?》」

 

「ふぁ!?」

 

ちょ、アンタ……何、挑発してるんッスか!?そんな事言われたら、誰だって首を縦に振らざるを得なくなるじゃないですか!?

 

「《ふぁ!?え、ちょ、おま、何煽ってんの!?つか、何それ!?メッチャ煽れる言葉!!ボクより、スゲーなぁ!!》」

 

「《お前は、言葉を知らなさ過ぎだ。で、どうする?》」

 

一瞬、怒りを通り越して呆然としていたプーは師匠の言葉で腹を括った訳では無さそうだけど……目が、肯定を告げていた。

 

「《それじゃ、殺し合おうか?》」

 

「「「「「「「「「は!?」」」」」」」」」

 

 

 

 

 




ラフィン・コフィン、ヘッド&幹部勧誘です。ふふふ、勧誘です!!大事な事なので二度言いました!!
まぁ……ザザは、作者的には要らなかったかな?
それでも、最終章?を殺し合いへと無理矢理突っ込む作者です(嗤)。プーの勧誘については、ラフコフを出す前から決定してました。ぶっちゃけ、アレっくらいブッ飛んでないと《神殺し》は務まりません。そもそも、【組織】には基本的にマトモなキャラは居ません(断言)。元から、ブッ飛んだ内容の物語なのにマトモな奴を働かせる意味って無いですよね!まあ、完全に居ない訳じゃないけど……それでも、狂人よりかは少なくても居ます。全体の一割【も】居ますよー?マトモなキャラは、【組織】の運営方面を任されているんですよ(笑)。流石に、それらまで破天荒な奴で固めると【組織】の運営が成り立ちませんので(笑)。


双夜の能力について、一つ恐ろしい話があります。
双夜の能力が一つーー《ルール・ブレイカー》は、ぶっちゃけ諸刃の剣です。何故なら、双夜がもっと悲観的な思考の持ち主だった場合……デッドエンド一直線な物語になっていただろうから。《ルール・ブレイカー》は、『御都合主義空間を創る能力』なので……双夜が、悲観的な思考の持ち主だと無自覚に無意識で《悲観ルート》へと強制的に進む事になります。また、双夜の不安がそのまま現実になる事もあるので《ルール・ブレイカー》はチートっぽいだけの諸刃の能力となります。双夜が、その能力に対して無自覚だった頃は神格がないにも関わらず無意識に発動していたと思われる。
劣化している上に微弱だったけれど、僅かに発動していたと考えられるんだよね。じゃないと、あそこまで周囲に戦力が揃っていてズタボロにされる意味がわからない。(後付け理由) 双夜の不安が、《ルール・ブレイカー》を無意識に発動させてたんじゃないかな?と思わずには居られない。まあ、世界が世界だったと言えども、たかがノーマルで多少権力を持ってるだけの人間に古い魔道具を見分けられるハズも無ければ戦車や質量兵器を買い漁れるハズも無い。やっぱり、双夜の不安が多少影響してたんじゃないかな?という、恐ろしい話。

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