絶望を払う者~狂気の神々vs愉快で〇〇な仲間達~   作:葉月華杏

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二六八話

Re:

 

 

かくして、全ての準備を終え集まった戦力16人は55階層の『青い悪魔』を瞬殺して、ラフィンコフィンが潜む階層へと突入した。『青い悪魔』に関しては、キリトが一人で倒すなんて事もなく皆で美味しくいただかれてしまったよ?もちろん。

というか、全方位からの《スター・バースト・ストリーム》は鬼畜行為です。

そして、その後に合流した師匠と他数十人は駆け足で次階層への階段を駆け登り、何人かのタンク達が盾を構えて56階層の入り口を制圧した。一見、ノリノリな中二病みたく見えるかもしれないが……やってる方はガチで真剣そのものだ。

 

「周囲、敵影なし!」

 

「入り口裏、敵影なし!」

 

「状況、クリア。次の指示を!」

 

因みに、彼等が装備しているのは銃ではなく極普通の剣。

まあ、使用する予定なのはSAOに無かった魔法。うっかり、遭遇しても即刻放てる様に詠唱破棄に術式待機は覚えさせられたけど。ええ、師匠や師範代による超スパルタでイメージ魔法中心の勉強会になりましたとも。先行する役割に選出された転生者達は、泣く泣くそれらをガッツリ習得させられたけれど……時間が無さ過ぎて、習得出来たのは僅か二,三個の特殊魔法のみ。

それでも、プロ顔負けの動きをしてくれるから頼もしい。

まあ、言うまでもなく……二度と、師匠達の指導なんて受けたくないだろうけど。地獄の特訓になったからなぁ……(遠目)。

 

「地下、一メートル。範囲、百メートル圏内に生命反応なし!」

 

「オールクリア。先行部隊出発後、菱形陣形で本体出発します!」

 

言って、斥候役の転生者三人が《ステルス》の魔法を使用。

姿を消して、先に出発して行った。

 

「足元、気を付けろ!」

 

「「「サー!」」」

 

その勇姿は、見えなくてもプロ並みの動きをみせる斥候職。

いやはや、あれが実は元・引き籠りのニート達だなんて誰も信じないだろう。それくらいの完成度で、彼等はドンドン進み《通信》の魔法で報告を上げて来る。覚えさせられた魔法で、師匠と同じく暗殺者並みの隠密行動とかどこの特殊部隊ですか!?

 

「本当は、【知覚遮断】を叩き込みたかったんだ。まあ、時間が無くて《視界封じ》で見た目だけ消せる様にしたけど……」

 

とは、師匠の弁。最低でも、斥候職には認識系を遮断する技術を叩き込みたかったんだと。そして、今師匠はその《遮断》系の魔法を使っていて俺達の為にうっすらと視覚で捉えられる程度にしてくれていた。しかし、気配は全く無く……うっすらと見えているから、居るというのがわかる程度。

視線を外してから、もう一度見ると幽霊を見た気分になった。

つーか、斥候職の奴等がうっかり悲鳴を上げちゃうレベル。

その上、本人もノリノリで幽霊の真似をしたので連載的に大混乱。

とりあえず、本番ではやらないでくださいね?

 

「師匠、何で銃とかでは無いんですか?」

 

師匠なら、割りと簡単に量産してくれそうなのにそれをしないのはどうしてなのか気になったので一応聞いてみた。

 

「奪われた時対策。魔法なら、奪われはしないだろう?」

 

すると、周囲を固めている転生者を見ながらそんな返答が返って来た。見れば、全員が視線でそんな事はないと抗議している。

だが、次の台詞で一斉に視線は逸らされて行った。

 

「下手に飛び道具なんて持たしたら、安心感から油断してアッサリ奪われそうな気がしたからな……」

 

「「「……………………」」」

 

当人達も、超納得しちゃったみたいで微妙な空気が流れる。

そして、俺自身も超納得してしまう一人だった。

流石に、銃に安心感を得たりはしないだろうが……強力無比な武器を持つ事で、油断が生まれるというのは理解出来る。

師匠の予想通り、中・遠レンジに調子こいてアッサリ奪われてしまいそうだ。今は、《踏み台の宿命》もあるから超簡単に奪われてしまうだろう。あー、ヤダヤダ。

 

「止まれ!」

 

そこで、師匠が何かに気が付いたらしく早足で軽く駆けていた転生者達に命じる。直ぐには止まれないので、何人かが遅れたり進んだりするが何も言わなくても元通りの陣形へと戻って行く。

 

「何か居ましたか?」

 

「見られてる。偵察隊か……」

 

師匠の視線の先を見る。その上で、《探索》持ちの転生者が師匠の見ていた方角を探り他の者達が周囲を警戒。

 

「……居ますね。数は、5?いや、6!」

 

「残念、3だ。んで、背後に12」

 

「うは。見事に囮だな。で、背後から本体で襲うと?」

 

「いや、警戒している内は問題ないが……でも、面倒だから殺っちゃう?今なら、まだ敵に知られないよ?」

 

「じゃ、剣を抜きますね?」

 

言って、全員が同時に抜剣。囮寄りに、意識を集中している様に見せつつジリジリと動いて行く。動かないなら、放置する予定だ。

因みに、俺達の装備は見た目的に超軽装。まあ、皆お揃いの白いコートみたいなモノを着てはいるが……それでも、普段着の上から羽織って居る程度の超軽装『戦いを舐め切ってます装備』でしかない。まあ、言うまでもなく羽織っているコートがチートなんだけどね。ぶっちゃけ、【鮮血の】さんお手製……防刃防弾コートです。なんと、フォトンソードすら通さない仕様。

しかも、《修復》《不壊》付き。どんなチート装備だよ!?と、性能を聞いた転生者達が全員突っ込んだ。普通に、《不壊》があるだけでもチートなのに防刃防弾まで付いてるとかどんだけだよ!?そのまま、今回の作戦に参加した転生者全員に支給され……そのまま、報酬となる事を告げられる。

その後で、それを貰った転生者達と話をする機会があったんだが……皆、口を揃えて『とんでもない物渡された……』と青冷めた様子で手を震わせていた。普通なら、『チート装備だぜ!ヒャッホー!!』とか言い出しそうな奴等なのに今回ばかりはお調子者が成りを潜めて怯えた感じに。調子に乗る時は、トコトン乗る癖に……乗らない時は、トコトンチキンでヘタレな奴等である。

そして、こちらのもくろみ通り背後から本体と思われる12人が襲い掛かって来た。だが、振り下ろされた剣はコートを撫でる程度に収まり反撃されて乱戦へとシフトする。

後に、斬り掛かられた奴等は言う。まるで、鈍器で背中を殴打された様な感じだったと。チート装備、ヤベェ!これで、衝撃吸収材が付いていたら殴られた事にも気が付かなかったかもしれない。

とりあえず、俺は襲撃して来た敵を迎え撃ち他の転生者と共に確実に仕留めて行く。その間、転生者達は神様特典を一切使わない様にしつつ、敵の何人かを無視してニ対一の状況へと無理矢理に力付くで持ち込んで相手を斬り伏せていた。チート装備があってコソの戦い方である。要は、防御無視。相手が、ほぼ捨て身で向かって来るのはアニメでも小説でもわかっていたので、こっちは防御をチート装備に任せて力付くで相手を抑え斬り捨てるという作戦にした。ぶっちゃけ、転生者側に技術を求めた所で時間が掛かるだけだ。なので、転生者らしく力付くでゴリ押しするという結論に至った。この作戦程度に、何年も時間を掛けられないと判断した俺が師匠と【鮮血の】さんを巻き込んでチート装備をお願いしたのである。それと、この作戦に参加させる転生者を選抜したのは師匠。【真実の瞳】で人を殺すのに躊躇のない戦闘職の奴等を選んで貰った。

因みに、人を殺すのに躊躇のない転生者達は『グロ耐性がある!』と豪語していた奴等だ。基本的には、進んで動物を狩ったり解体をしてくれている奴等である。まあ師匠は、そんな奴等を集めて『本当に《グロ耐性》があるのか?』と疑い細切れにした腐肉や腐った魚をブチ込んだ風呂に突撃させていたけど。

いやー、久々に『超』の付く鬼畜を俺達は見た。

ぶっちゃけ、《グロ耐性有り》を豪語していた転生者達はそんな鬼畜な行為と腐った腐肉に吐いたり鬱になったりと散々だったみたいだけれど。でも、それを見ていた奴等は『仕方がない』と口を揃えて言う。何故なら、師匠は腐肉の風呂に放り込んだ転生者にほぼ無理矢理、腐った肉を口に突っ込んだり腐った腐臭漂う血の海に埋めたりしたのだから。

あれは、《グロ耐性》があっても無理です!!

結論だけを言うなら、彼等の《グロ耐性》は視覚と聴覚のみ!という所に落ち着いた。本人達が、生理的嫌悪感を抑えきれなかったが為にプロフィールの改訂をしたのである。

そして、中には師匠の行為がトラウマになって血も肉もダメになった奴が出ちゃったりした。《グロ耐性》はどうした!?

 

『「恐るべし、鬼畜!!」』

 

幼い見た目で、本物の地獄を知る師匠は普通に腐肉や腐血で遊べる人である。豪語していた奴等が、遠い目をしちゃうくらいには。

そして、それに強制参加させられた転生者達は、しばらく腐臭が取れなくて泣いてた奴等もいた。本当に、師匠は鬼畜な邪神です。

そんな、試練を乗り越えて来たのが……ここにいる16人である。

その試練を乗り越えて、次に魔力を直接操作する魔法を叩き込まれた訳だ。だけど、時間が足らなくて専門的なスキル一種と魔法・二,三種のみ修得という恐ろしく偏った兵隊が出来上がった。

戦闘技術も未熟で、ラフコフの末端にすら劣る超ド素人な戦闘職。

間に合ったのは、斥候職のみで後の奴等は張りぼての連携が出来るだけの奴等だ。その連携ですら、一パターンのみとか……笑えてくる幼稚なレベルのモノ。ぶっちゃけ、なんでコイツ等なのか師匠を小一時間程問いただしたくなる。

だが、それでも今は大事な戦力だ。足りない部分は、俺や師匠が受け持てば良いだけの話。ある程度すると、ラフコフの奴等は状況を不利と取ったのか逃げ出して行く。

もしかすると、こちらの戦力を見るだけの調査だったのかもしれない。それに思い至って、奴等を問い掛けようとしたが蜘蛛の子を散らす様な逃げ方に俺は何も出来なかった。

 

「クソッ!威力偵察か!?」

 

「追いますか!?」

 

「止めろ。深追いはするな!」

 

「チッ……ん?師匠さんは?」

 

「あるぇれ?……(キョロキョロ)……ちょっと、その辺りを細かく探してみて……」

 

周囲を見渡して見るが、気配も姿も見当たらなかった。

乱戦が、始まる前には確かに陣の中央に居たハズなんだけど。

 

「…………マジッスか!?」

 

「ちょ、あの人……ガチ、気配消してたらわかんないッスよ!?」

 

「師匠?どこッスかー?」

 

「ぶっちゃけ、見付けられない気がする……」

 

「ヤバい!見当たらねぇ……」

 

「とりあえず、周囲を警戒する奴と探す奴で別けるぞ?」

 

「あー……そうッスね……」

 

「どこ行ったんだよ!?」

 

「斥候職呼んできた!」

 

「「「「「うわぁ!?」」」」」

 

唐突に、ニヤニヤ笑っている師匠が現れてそんな事を告げてくる。

驚き振り返ると、白いコートを所々赤く染めた師匠が楽しそうに腕を組んで仁王立ちしていた。そう言えば、斥候職の奴等ずっと先をひた走っていたッスね!それはもう、隠れてるラフコフの奴等にも気が付かないくらいに!つーか、ラフコフの奴等も気が付かなかったみたいですけど!!

…………というか、師匠?なんで、血に濡れてるんですか?

 

「…………囮3匹は、殺して来た」

 

「「「「「「マジか!?」」」」」」

 

「お前等の戦果は……二人だけ?」

 

クッ……この暗殺者は、囮だったラフコフ三人をアッサリ斬り捨てて戻って来たらしい。転生者達が苦労して、二人を漸く仕留めたというのに……この人と来たら、何でそんなに楽しそうに人殺ししているんですか!?

 

「まあ、良いや。相手に、情報が伝わったかもだけど、囮三人が戻って来ない事に警戒してくれるだろうから大丈夫」

 

「何が、大丈夫何ですか!?」

 

「勝手に、色々想像してくれるって事さ……さて、斥候職も戻って来たみたいだし、進もうか?」

 

言われて、視線の先を見れば申し訳なさそうな斥候職の三人がいた。こうして、先行し過ぎた斥候職と合流した俺達はこの階層の最初の町目指して先へと進む。途中、何度か襲撃があったモノの分をわきまえた斥候とそれぞれの役割を再確認した者達で力を合わせて撃退した。ただし、俺と師匠と師範代は何もしてない。

まあ、師匠が一襲撃に対して一人二人殺していたくらいだ。

全員を殺さないのは、きっと何かしらの戦略だろうか?こっちの戦力を、相手に把握させない為の偽装とかかも。いずれにしろ、師匠が何かの駆け引きをしているのは俺だけでなく他のメンバーにも伝わっていた。

 

「油断をさせる為なんですかね?」

 

そう、口許を手で覆って話し掛けて来たのは元・エースピッチャーだった転生者。肘を壊されて、引き籠りになった元リア充だ。

リア充をドロップアウトして、引き籠りになるとか俺達(ヲタク)とは別種類の人材にも関わらず……今は、こちら側に馴染み切ている転生者だった。口許を隠しているのは、唇の動きでこちらの思惑を相手に悟らせない為だろう。それに習ってか、他の転生者達も口許を隠して話す奴等が多い。

 

「でしょうね」

 

「それにしても、全く躊躇う事なく斬り捨てますよね」

 

「まあ、専門職だしなぁ……」

 

「専門職?」

 

「あの人、元は魔術師で……今は、暗殺者なんだ……」

 

まあ、他にも色々と出来るんだけど主たる職種を上げればそんな感じだろう。まあ、本人曰く『戦士』が妥当だとか言ってたけど……色々、やり過ぎている様な気がしなくもないけど『魔暗殺』系の職業だと思われる。我ながら、微妙なネーミングセンスだ。

 

「魔術師で、暗殺者……」

 

「そりゃ、専門職だな……」

 

「つーか、暗殺が専門なら殺すのは気安いのか?」

 

「んー……どっちかというと、殺す事に特化してるんじゃなく【死】に特化してるのかなぁ?」

 

「月姫ですね!」

 

「七夜志貴ですね!」

 

「直死の魔眼ですね!わかります!!」

 

「あー、師匠のは【真実の瞳】だけどな……」

 

「「「「「「真実の瞳?」」」」」」

 

「真実の瞳よ、我に死の真実を見せよ!……で、直死の魔眼になるらしい。他にも、色々見えるらしいから奴の前では大人しくしとけよ?隠し事、暴かれても知らねぇからな?」

 

「例えば?」

 

「生前の負の歴史とか……」

 

「「「「「マジか!?」」」」」

 

「パソコンのデータ消して!とか、そう思ってたのがポロポロと出されて来た時の絶望感とか無いよなぁ……」

 

「「「「「おぉう……」」」」」

 

俺の呟きに、顔を青冷めてドン引きするお馬鹿さん達。

適当に、師匠がやりそうな事を述べているだけなんだが……ヤバい。本当に、記憶にない黒歴史を掘り出して来そうで俺も背筋に冷たいモノが走って青冷めてしまった。

 

「…………と、そろそろか?」

 

「56階層の転移門が、自動アクティベートされる時間か……」

 

「ラフコフの奴等が、転移門が使えなくなってる事を知る時間だ」

 

「それにより、迷宮への入り口に奴等は集まって来る」

 

「そっちは、バトルジャンキーの使い魔達が立ち塞がるから良いとして……遭遇した時は、出来るだけ数を削るんだよな?」

 

「ああ。本気で殺って良いぞ?」

 

「でも、相手は高レベルの殺人鬼共だろ?」

 

「違う。欲求不満が募った、殺人鬼共だ。二陣、三陣が後詰めするから、お前等は無理なく蹴散らせ!神崎も、な?」

 

ニヤリと嗤う邪神が降臨。悪巧みしている時の師匠は、とても恐ろし格好良いんですが……これも、中二病の発露なんですかね?

 

 

 

……………………

 

 

……………………

 

 

……………………。

 

 

一定の間隔を空けて、横並びの一列に並んだ俺達は既に抜剣してラフコフの奴等を待ち構えていた。俺達の役割は、無理をしない程度に相手を牽制しつつ敵を迎え撃つ事。

そして、ある程度したら少しずつ後退して二陣が入り口近くに作ってるハズの砦?に逃げ込んでの攻防戦となる。まあ、二陣には【鮮血の】さんがいるハズだから多分スゴいのが出来上がっている事だろう。ええ、そりゃーもうラフコフの奴等でさえも度胆を抜かれるエッグいヤツが建っている事でしょう。

前を見れば、ちょっとヤバ気な集団がこちらへと歩いて来る所。

ほぼ、全員がフードを被ったり顔を隠したりと如何にもな格好をしている。師匠曰く、中二病集団ですね!!わかります。

 

「……はぁ。《拡張変声・大》すぅ……《やあ、初めまして。ラフィンコフィン諸君。我々は、神々の手によってこの世界に転生させられた【転生者】だ。我々は願った……【神】に!この世界を……ソード・アート・オンラインというゲームの世界を現実に存在する世界にして欲しいと!!そして、この世界でデスゲームを強要された一万人のプレイヤーも()()()()()()()ってなぁ!!!!》」

 

挨拶と共に、この世界の現状も告げて反応を見る。

俺が、それを言い終わると共にラフコフの面々は足を止めた。

 

「うわぁ……壮絶な笑顔してる奴がいるぞ?」

 

「ありゃ……プーじゃね?」

 

「悲観せずに喜ぶのか……」

 

「この先のセリフ、言いたくないなぁ……」

 

「何となく、ブチギれしそうだ……」

 

「どうする?止めとく?」

 

「もちろん、言う」

 

「「「「「デスヨネー……」」」」」

 

「《ただ……転生者達の中に、ヘタレが居てなぁ。君達に出会えば、殺されるかもしれないから何度殺されても、()()()()事が出来る様にして欲しいなんて言った馬鹿が居たんだ。結論から言おう、俺達は何度殺されても生き返れる反則的存在だ。だが、君達は一度死ねばそれで終わりの存在だ。我々は、君達を殺したいと思っていない。だから、殺人集団を止めて全うに生きてくれない……かなぁ?》」

 

幾つかの嘘と、幾つかの本当を入り交じらせた俺の言葉にラフコフから怒りの混じった殺気がビンビンと叩き付けられて来る。

どうやら、交渉は決裂してしまったらしい。まあ、決裂するのは想定内の話だから良いけど……さて、何が彼等の琴線に触れたのやら?やっぱり、不死ですかねぇ?

さてはて、幾つかの嘘と幾つかの本当について説明しよう。

【嘘】については、俺達が()()()()()()()()()って事。

流石に、俺や師匠は不死なので何度でもイケますが転生者に至っては世界が調整された後から数回の死が限度です。それ以上を求めるなら、妖精に転生する事をオススメしますが……そこで、ちょっととんでもない落とし穴がありました。転生者が、妖精に転生すると【神様特典】が消失するというデメリットがあるということが後の調べてわかったんですよ。まあ、妖精に転生出来るっていうのは置いといて……【神様特典】が、妖精化すると消失するって事に転生者達はクレーマーと化した。『そんなの聞いてねぇぞ!』とか、『特典は、俺等を殺したお詫びだろう!?』とか……色々。最終的に大問題にして、その補填を師匠に求めたりもしたけど……背筋やら何やらに、恐ろしい程の殺気とか闘気とかを突っ込まれ皆クルッと回って逃げ出した。あれは、怖かった。

ぶっちゃけ、ティラノサウルスを真ん前にした様な気分とはああいうのをいうんだろうな。二度と、師匠に補填を言い出したりはしないと誓約書に血版までして諦めた者も居た。

そして、『本当』については彼等……ソード・アート・オンラインをプレイしていた旧・SAOサーバーからの引き抜き組について。彼等は、一度でも死ぬと()()()()()の存在である。

そう、()()()()()()()()()()()()の存在なのだ!!

正確には、『アインクラッド』という一つの世界に存在した者達は皆()()()()()()()()()()()()()()()なのである!!

そりゃ、妖精に転生出来たのならば何度でも生き返れる存在になる事は出来るけど……アインクラッド出身のプレイヤー及びNPCは一度だけの生なのである。ぶっちゃけ、ここで討伐すると二度と現れないキャラクターだった。

 

「《転移門を壊したのは我々だ。しかし、俺達には転移門を使わずとも別の階層へ移動する術がある。そして、更に言う事があるとすれば……それぞれの階層を守るボスは、一定時間で復活するリホップモンスターだ!!》」

 

おぉう……更に、威圧感が膨れ上がりましたよ!?多分、転移門やリホップモンスターなんかよりも世界を改竄しまくってる事にブチギレて要る様な気がする。ごめんねー……俺が来た時には、もうこんな世界になってたんだよ。だから、俺に八つ当たりされても何の保証も出来ないよ。転生者は転生者でも、この世界に転生した転生者じゃないからね?俺(笑)。まあ、彼等からしたらどうでも良い事かもしれないけど。

 

「《降伏しろ、ラフィンコフィン!!》」

 

 

 

 

 




グロ耐性(笑)について。漸く出せたよ(笑)。そして、やっぱり無かった《グロ耐性》。誰でも、吐くし鬱る。生理的嫌悪感を全力刺激。特に、腐敗した死体から抜いた血液のヤバさは見る聞く以上。特に臭いが……腐臭が移ってて、鉄錆び臭が強化!!大丈夫そうでアウトな代物です(笑)。血抜きしてない肉とか、目じゃねぇから。そこへ、腐った肉投入。ふふふ……グロ耐性(笑)。
必ず、おえっ……ってなるから(笑)。見た目と合わせたら、もっと凄いよ(笑)(嗤)。

vsラフィンコフィン戦です!!
崩壊前の旧SAOサーバーから来たラフィンコフィン諸君は、ガチで現在もデスゲーム中だったりします。更に言うと、転生者や妖精達とは全く別のゲームをやっている感じかな?復活有りな転生者(回数制限!?)や妖精とは違い、ラフィンコフィンは現在進行形で限りある命で頑張ってます!!そこへ、限りない無限の存在を目の前に……ブチギレ必死の戦いへ(笑)。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

もしも、双夜の転生体がヒロインポジだった場合。
クリスティーナ(側近使い魔/淫魔因子持ち)で防御します。
誰が、好き好んで傾国の姫君なんかになりたがるんだよ!?ぶっちゃけ、王妃なんてモノは王が決めた令嬢がなった方が波乱がなくて良いんだよ!?恋愛系ファンタジー王国の王子様ってあんなのしか居ない訳!?何、あの俺様は!?これなら、BLのヒーローの方がまだマシじゃん!!乙女ゲームは、相性が良くないわ。まあ、ギャルゲーでもダメなのは駄目だったけれど。やっぱ、RPGが一番癒される!まったり、テケトーに楽しめるからな(笑)。やり込み要素は、いただけなかったけれど。そこまで、時間が取れんし……。ティルズオブファンタジアが、一番ですわ。何回も周回しても飽きないからね!!
はてさて、最初の題名に戻って『もしも、双夜の転生体がヒロインポジだった場合』だけど……奴だったら、王子の婚約破棄後にお断りとかしそうだよね!『ごめんなさい。御言葉は嬉しいですが好みではないのでお断りいたします』とか(笑)鬼畜(笑)。白けるぞ!人が多ければ多い程、超白けるぞ(笑)!!王子様、口をポカーンと開けてフリーズ!周囲の人々の視線が可哀想なモノを見る様なモノに!!取り巻きもボーゼン自失。悪役令嬢も『へ?』な状態に!!そして、ヒロインは好感度を上げ切ってくれたモブの元へ!!
こうして、ヒロインとモブ令息は幸せになりましたとさ。
ヒロインによる王子様攻略済みだけど、王子様によるヒロイン攻略の為の好感度が足りなかった!ってオチ。
王子様、ちゃんとヒロインを攻略しとけよ!って話(笑)。
ヒロインが、王子様を攻略していても王子様がヒロインの好感度を一定に出来ていなければ成立しない。普通は、そうなんだけど……基本的に、ゲームって王子様を攻略するのがメインになってるんだよね。つまり、ヒロインからの一方的な攻略でしかないんだよ。ハッキリ言って、乙女ゲーにしろギャルゲーにしろ歪なんだよね。現実は、双方による攻略戦術の嵐なのに……もっと、ドロドロ感が欲しい!!
俺様な王子に好感度が上がり切らず、婚約破棄イベントに突入。結果、ヒロインを婚約者に!宣言してもヒロインの好感度が低くてお断りされるという現実が……憐れ王子様(笑)。ザマァ!って展開があっても良いよね!!!!
見目が麗しくとも、ヒロインを攻略出来てなければお一人様が確定する訳です!つーか、ラノベではヒロインと王子様か悪役令嬢と王子が必ずくっつく的な話が多いけれど……お断り話って、中々無いよね(笑)。コメディで、誰か作ってくれないかなぁ?作者だと、結末がアレ過ぎて予測とストーリーがメチャクチャになっちゃうんだよねぇ……。
そして、ヒロインは悪役令嬢とゴールイン!!なんてのもアリだと思うんだ。一緒に追放されましょう……とか。実は、ヒロインは悪役令嬢とデキちゃってたとか。絶対、面白そうなのになぁ……。

誤字・方言あれば報告をお願いします。
m(_ _)m

感想もあれば、お願いします!
いつも、読んでくれる方々に感謝を……

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