絶望を払う者~狂気の神々vs愉快で〇〇な仲間達~   作:葉月華杏

28 / 591
八神家での話。
TAKE1で、できなかった約束回。


UAが、一万を超えてた!!
まぁまぁ……嘘ッス!超、嬉しかったです。

ありがとうございます!!


十五話

双夜

 

 

「はい。三人目~♪」

 

 

俺は今、八神家に来ていた。

結界を展開し、三人目のバトルジャンキー系使い魔を送り出す。目の前のフィールドでは、超笑顔のシグナムが嬉々としてレヴァンティンを振り回している。

TAKE1では、出来なかったウチの使い魔(バトルジャンキー)達との親善試合だ。楽しそうに戦うジャンキー共がはしゃぐ度、八神はやての顔色が悪化していく。

 

 

「ホラホラ、はやてさん今ので300発を超えましたよ!!」

 

 

「も、もう、止めて……お願いやから、シグナムを止めてくれへんか!?」

 

 

「えー……超、楽しそうじゃないですか~♪」

 

 

「こんなことされたら、私は破産してまうっ!!双夜なら、大人モードでシグナムをアッサリ倒せるやんか!!」

 

 

「……なら、自分で止めろよ?面倒臭い……」

 

 

「素で返しよったな!?この鬼!悪魔!人でなし!!」

 

 

「えー?なんの事ですかぁ~♪」

 

 

「ちょぉ!ホンマに止めてぇなっ!!私ら明日から、おまんま食い上げてしまうやん!!」

 

 

「……痩せるんちゃう?」

 

 

「………………いやいや、そんなことになったらヴィータが泣いてまうやん!!」

 

 

「今、ちょっと考えたな?……それやったら、泣かせておけばええねん!」

 

 

「鬼畜かっ!?」

 

 

「だったら、シャマル先生にお願いしたらいいんじゃね?」

 

 

「シャマルやって、仕事があるねんで!?そないなこと、頼めるわけないやんか!?」

 

 

「あ、330発行きましたよ?」

 

 

「シグナムっ!!カートリッジの使用止めてぇ!!」

 

 

使い魔達には、シグナムにたくさんカートリッジを使わせるように言ってあるので、事あるごとに上手く誘導している。

シグナムのカートリッジストックは、約2000発。

一発辺りの平均クレジットが、500~900クレジット。

一本を900クレジットとするなら、全部使い切らせると八神家は約180万クレジットを失う事になる。いつもなら、節約に節約を重ねているシグナムだけど、俺の使い魔は節約しながら戦える様な弱い存在ではない。

その為、シグナムは嬉々としてガンガン消費するしかない。

その結果、八神はやてがカートリッジ代の恐怖にガタガタと震えている。

 

 

「因みに、ここにカートリッジが5000発のストックがある。シグナムにお願いされて、購入した分だ。あ、これ領収書!」

 

 

「がああぁぁぁ!!シィグナァムッ!!!」

 

 

八神はやてが、頭を抱えて叫ぶ。

大体約450万クレジット。シグナムからのお使いなので、購入した分のお金は八神はやてから貰える手筈になっている。

剣を使う、戦闘系使い魔10人と殺らせてやるからって言ったら嬉々としてカートリッジ購入のお使いを頼んで来る辺り相当溜まっていたのだろう。もちろん、ストレスとか色々。

そして、今日はパアッと溜め込んだストレスとかを吐き出すつもりなのかもしれない。

 

 

「あっはっはっはっ!ホラホラ、シグナムってば強制で節約に参加させられてたから、相当ストレスとか溜め込んでたみたいだよ?三人目なのに結構早いペースで消費してるみたいだし……あ、360発行った?」

 

 

「ちょぉ!ホンマ、堪忍してぇな!?」

 

 

嘆く八神はやて。歓喜に震えるシグナム。

ザフィーラが、前足で額を押さえている。

 

 

「ん?なんだ、双夜来てたのか……」

 

 

「あ、お帰りハンマー娘。今、面白いところだよ!」

 

 

「ん?シグナムと……誰だ?」

 

 

「僕の使い魔。シグナムと同じ、剣の使い手で選りすぐりなのを連れてきた!シグナム、嬉しそう♪」

 

 

「ああ、うん。スッゲー、楽しそうじゃん……なあ、はや……て…………?」

 

 

漸く、八神はやての様子に気が付くハンマー娘。

最早、泣きそうになっている八神はやてがハンマー娘にしがみついた。

 

 

「お願いや、ヴィータ!!シグナムを止めてくれへん!?」

 

 

「え?えっと……?」

 

 

「ハンマー娘。慰めてやれよ……」

 

 

「えっと、どうしたんだよ……はやて?」

 

 

「シグナムを止めへんと……カートリッジ代で、家の財政が赤字になるんやっ!!このままやと、御飯が食べれへんようになってまうっ!!」

 

 

「いや、流石にそれは……ほら、カートリッジ節約令もあるしよぉ……」

 

 

「おいおい、僕の精鋭がカートリッジ無しで倒せるわけ無いだろう?何のために、選りすぐりにしたと思ってんだ?」

 

 

「……ちょっと、待ち!まさか……最初から、そのつもりやったんか!?最初から、シグナムにカートリッジ大量消費させるつもりで親善試合を申し込んだんか!?」

 

 

「まさか!TAKE1で、親善試合の約束をしたけど果たせなかったからTAKE2のシグナムとやっているんじゃないか!!その過程で、カートリッジの金額を知ってシグナムを使えば、八神はやてを虐められる事に気が付いただけさ!」

 

 

「このっ……!!」

 

 

「シグナムに頼まれた、カートリッジ購入のお使いさえなければ……こんなことには、ならなかったさ!これ買うために、手持ちの宝石を幾つか売り捌いたんだぜ?」

 

 

「……………………」

 

 

「中には、思い出の品もあったのにさぁ……」

 

 

ちょっと、寂しげな雰囲気で呟く。

もちろん、演技。もし、思い出の品があったとしてもそれを売ったりはしない。

 

 

「ムグッ……グッ……」

 

 

どういう風に言えば、コイツらが反論できなくなるのかは知っているので、サクサクと切り札を切って黙らせる。

 

 

「この恨み、もちろん受け止めてくれるよな?」

 

 

「ーーーーー」

 

 

「シグナムゥ……」

 

 

八神はやて沈黙。ハンマー娘が、呻くようにシグナムの名前を呟いたけど、それ以上の事は何もなかった。

その後、八人目で手持ちのカートリッジを使いきったシグナムが予備のカートリッジに手を伸ばしたがザフィーラによって阻止される。そして、盾の守護獣と烈火の騎士によるカートリッジ争奪戦が行われて、シグナムが狂気と意地でGET。残りの2人を、1000発のカートリッジで済ませてお開きになった。計3000発を使用。過去最多となった。

 

 

「どうだった?僕の使い魔達は?」

 

 

「うむ。生涯、忘れられぬ試合となった。今日ほど、心踊る戦いもない。次の機会には、もっと善戦できるようにしておこう!」

 

 

その言葉を聞いた俺は、八神はやての肩に手を置いて告げる。

 

 

「次もあるって!!」

 

 

「無い!今後一切ないからな!?」

 

 

「目標!10000本!!!」

 

 

「せえへん!せえへんったら、せえへん!!」

 

 

子供が駄々を捏ねるように、八神はやてが首がもぎ取れそうになるほど左右に振って拒絶する。

 

 

「じゃあ、八神はやての見てないところで殺るよ。別に、君が絶対的に見てなきゃいけない訳じゃないからね……」

 

 

更に、追い打ちをかける。

 

 

「そんなん……させる訳無いやろ!!」

 

 

「後で、請求書だけ送ってあげる♪楽しみにしてて!……もし、支払って貰えないなら…………と、言いたいところだけど、後3日程でクロノ君が時空管理局に報告書をあげちゃうんだよねぇ……」

 

 

「……ああ。せやったなぁ……報告書が上がって、三週間やったっけ?次元消滅術式搭載型爆弾が起爆するんは……」

 

 

「なんだ?死刑囚みたいな気分にでもなったか?」

 

 

「別に……どっちにしろ、世界の消滅は変わらへんのやろ?」

 

 

「いや、まだ変えられるよ?クロノ・ハラオウンに報告書を出させなければ良いんだし……あのすずかママなら、自殺することもないだろうし……」

 

 

「……………………なんやて!?」

 

 

八神はやてが、唐突に真顔になって聞き返してきた。

 

 

「ぶっちゃけ、報告書を出さなくても次元消滅が後二週間後に起きなければ、時空管理局がTAKE1消滅の原因だってわかるじゃないか。クロノ・ハラオウンも言っていたろ?それに、次元を消滅させる理由はもうないんだよね……霧島の魅了系レアスキルは破壊したし、神崎のアホがちゃんとバトルジャンキー化してて……予定は違ったけど、すずかママは元気になっちゃったし……」

 

 

「せやったら、何でクロノ君に言わへんの!?」

 

 

「はぁ?普通、気が付くだろう?元々、次元消滅させようぜ!って話は、心が弱いであろうすずかママの為の話だったんだから。すずかママは、不本意ではあるけれど……僕がいれば、死ぬ事はないんだよ?まあ、当人から変更の相談が来ないんで、不思議には思ってはいたけどねぇ?」

 

 

「だあああぁぁぁぁ!クロノ君に通信や!リィン!!」

 

 

「はいです!」

 

 

急いで通信を繋げようとする八神はやての腕をガシッ!と掴んで笑いかける。

 

 

「って、何や!?」

 

 

「……………………あれ?通信妨害が……」

 

 

「報告しても良いけど……450万クレジット、払ってくれる気になったのかな?」

 

 

「ーーーーー」

 

 

言った瞬間、八神はやてが黙り込んでしまった。

シグナムが使ってしまったカートリッジ代が、八神はやてを悩ませる結果になっている。八神はやての顔が、百面相をし始めたけれどこちらが手を抜く必要がないので、ドンドン追い詰めて行く。

 

 

「踏み倒しても良いけど、なのはママの☆O☆HA☆NA☆SHI☆が待ってるだけだよ?」

 

 

「ゥグッ…………」

 

 

苦虫を、噛み潰してしまったかのような顔をする。

ちょっと、面白くなってきた。

 

 

「リィンちゃん、ちょっと待っててね?すぐ、終わるから!」

 

 

「終わったら、通信妨害止めてくれるですぅ?」

 

 

「うん。止める止める……で、どうするの?八神はやて……450万クレジットを払って家庭財政を赤字にするか、全次元世界を見捨てるか……選ぶが良い!!」

 

 

ソッと、八神はやての両肩に手を置いて耳元に口を近づける。そして、トドメの売り文句を囁いた。

 

 

「君、正義の味方目指しているんだよね?だったら、迷う必要ないじゃん!450万クレジット払っちゃいなよぉ……それで、八神はやての矜持も正義も守れるじゃないか……」

 

 

このカートリッジ代だが、実はシグナムが使いきったカートリッジと合わせてもそこまでの金額にはならなかったりする。確かに、450万クレジットは『魔力が籠った新品のカートリッジ』に支払われる金額だ。

中古でも、魔力込みで一発500クレジット程度。

しかし、中身の入っていないカートリッジなら……新品であっても350クレジットで購入できる。

因みに、空の中古カートリッジは50~150クレジット。壊れて修理が必要かそうでないかの違いだ。

そして、俺は空の新品カートリッジ5千本を購入した。

つまり、俺の出費は175万クレジットだけなのだ。

カートリッジには、自分の魔力を注入。高々、5千本に魔力を注入したところで、俺の魔力はエンプティしない。

即ち、八神はやてがこの代金を支払えば俺の275万の儲けになる訳だ。

だって、ほら……変わらないじゃないか。

魔力込みの新品で450万なら、空の新品で175万出して込める魔力は自前にしたら大儲けなんだぜ?見た目わからない訳だし、暴発なんて失敗するはずもない。

そして、領収書は金額のところを細工して450万クレジットに直せば、万事OK。この程度、俺にとって赤子の手を捻るより簡単だ。

 

 

「…………わかった、175万クレジットやったら払ろたるわ」

 

 

「あ?」

 

 

「これ、元々は空の新品やろ?」

 

 

「ふーん。……でもさ、八神はやて」

 

 

「なんや?」

 

 

「空の新品でも、中身入ってるんだよ?その、魔力代はどうするの?」

 

 

「…………」

 

 

「OK。今回のカートリッジ代は一本700クレジットにしてあげる。で……」

 

 

パチン!と指を鳴らし、シグナムが今回使用したカートリッジを手元に寄せ集めた。八神はやてが、観ていることを確認した上で魔力を開放。使用済みのカートリッジに魔力を注入して見せた。その数、3000本。

 

 

「ついでに、使用済みカートリッジに魔力注入のサービス!」 

 

 

魔力を開放し、使用済みカートリッジに魔力を注入開始。

数秒後、注入終了。八神はやてやハンマー娘達が、俺の魔力にドン引きしているけど無視無視。

 

 

「しめて、500万クレジットよろしく☆!」

 

 

「ちょぉ!?待ってぇ!どういう計算!?」

 

 

増えた!?とか言ってるけど、これは使用済みカートリッジに魔力を注入した分の代金を上乗せした金額だ。

俺は、自分を安売りしない。

 

 

「新品が900クレジットだろ?なら、注入される魔力の値段は……一本辺り、500クレジットじゃん。それかけの3千で150万な?で、新品だから一本700クレジットかけの5千で350万クレジットだから合計で500万クレジットじゃんか!!」

 

 

「…………もう一声!!」

 

 

「どっちにしろ、注入手数料はオマケしてあるよ?新品一本辺り、50クレジット!それは省いた」

 

 

「そ、それでも、もう一声をっ!!」

 

 

「じゃ、450万クレジットで手を打って?」

 

 

「…………………………それで、ええ……」

 

 

八神はやてが、陥落した瞬間だった。

ちゃんと、請求書を作成して八神はやてに手渡す。八神はやては、半分泣きながら渋々請求書を受け取っていた。

 

 

「まいどぉ♪」

 

 

「まさか、この私の値切りが通用せぇへんとは……思わんかったわ…………ムッチャ、悔しい!!」

 

 

「はっはっはっ。この手の交渉は、そこそこ経験があるからな。腹黒のタヌキジジィ共を相手にしてたら、普通に身に付くって!さてと、通信妨害解除……って訳で、リィン通信繋げて。クロノ・ハラオウンに……」

 

 

「はいです!」

 

 

ずっと、待っていたリィンが通信妨害が無くなった瞬間にクロノ・ハラオウンと通信を繋げた。

 

 

『こちら、クロノだ。どうした?はやて……それと、双夜か……何か問題でも?』

 

 

「問題と言えば問題かな?」

 

 

「クロノ君、次元消滅爆弾の報告書……もう、報告してもうた?」

 

 

『……いや、まだだが……』

 

 

「それ!報告、待ってもらえへん?」

 

 

「提出しなくても、原因がわかるから止めようって話になってさぁ……すずかママ、あの様子なら自殺しそうにないし……」

 

 

『…………き、君は……散々、僕を脅しておいて、問題が無くなったら次元消滅を止めろと言うのか!?』

 

 

クロノ・ハラオウンが、耐え切れずにキレた。

通信越しに怒鳴り始める。

 

 

「基本的に、僕の中心はママ達だから!別に、報告書出してくれても良いよ?こっちは、その辺りどうでもいいので……」

 

 

結論をいうと、ママ達以外がどれだけ死のうとこっちは本当にどうでも良いのだ。なんたって、俺は冷酷無慈悲残虐魔王なのだから。身内には、だだ甘だけどな。

 

 

『……………………』

 

 

「クロノ君、ごめんな?」

 

 

『はやて、君が謝ることじゃ無いだろう?』

 

 

「ま、どちらにしても……使い魔達は、活動してるんだよなぁ……保有世界の捜索と保有世界があるなら説明&説得……破棄交渉……と」

 

 

『…………で、君は?遊んでいるのか?』

 

 

「いや、遊んではいないよ?転生者からの情報収集と捜索……必要なら、戦闘!」

 

 

そして、最低限の小細工。きっと、この世界と転生者を観測してはいるはずなので……彼等が、好まなそうな事柄をチョイチョイ。

それと、妨害術式で転生者の死亡偽装とか擬装とか不認識とか。観測を通して、忘却術式転送して強制忘却とか。

ついでに、原作に介入してない転生者の捜索と確保。

どうも、善良な転生者がおかしい。浅上美愛と不知火翼を見ててそう思った。一応、友達程度にはなっているみたいだけど、非協力的なのが気にかかる。

 

 

『……成る程。それで君はここにいる訳か……』

 

 

「全容がわからないからな……知っている奴に聞くのが、手っ取り早いだろう?」

 

 

『……話してくれるものなら……だが』

 

 

「なになに?君も呪いをかけて欲しいのかい?」

 

 

【真実の瞳】で、情報をかき集めつつ現状把握。

【真実の瞳】と《ルール・ブレイカー》&《ルール・メイカー》で強制干渉阻止とか、防御術式によるトラップとかやる事は色々ある。

 

 

『…………そういう話の聞き方は、あまり誉められたものではないぞ?』

 

 

「なのはママだってやってるじゃん!☆O☆HA☆NA☆SHI☆しようか?ってさぁ!!」

 

 

『…………そう、だな……』

 

 

クロノ・ハラオウンが、苦虫を噛み潰したかの様な顔をした後、何か諦めた顔で同意した。こいつも、色々なのはママの被害に遭っているから、諦めがついてきたのだろう。

 

 

『一応、報告書を提出するかの検討はさせてもらう。用は、それだけか?』

 

 

「じゃあ、ついでに僕が不老不死だっていう報告書を提出してみない?一生、後悔させてあげられるよ?」

 

 

『…………しない!そんな報告書を提出したら、何が起きるか目に見えてわかることじゃないかっ!?』

 

 

「そや!そんなことしたら……なのはちゃんが、怖過ぎるやろ!?黒くなるだけなら構わへんけど…………非殺傷設定言うたかて、痛いもんは痛いんやで!?」

 

 

クロノ・ハラオウンは、俺に起こる事を前提で話をしている。要は、捕まって実験台にされるまでを思い浮かべているのだろう。

その上で、周りの反応(なのはママとか、激怒なのはママとか、黒なのはママとか!)を考えて結論を導き出している。

逆に八神はやては、SLBを受ける事を前提での話しだ。

なのはママが、わざわざ戦力を削るような真似をするはず無いのでSLBは無いはずだ。

なのはママは、そんなことしない。

どっちかというと、みんなが過労で倒れる寸前まで捜索させて倒れかけたら黒なのはモードで脅して更に働かせるのがなのはママだ。

それになのはママ以上に、もっと怖い人物を忘れている。

そう、『すずかママ』だ。下手すると、なのはママよりも怖い人に分類されるだろう。

今まで、ずっと一人で誰にも理解して貰えなかった分、精神が不安定だったすずかママ。

しかし、今は精神安定剤的存在である俺がいる。

だからというわけではないが、すずかママが俺を失った場合……その後の彼女が、どうなってしまうかイメージすることができない。怖いというのもあるが、半狂乱となった彼女が何をするかわからないというのが現実だ。

 

 

「いや、むしろ……すずかママが、恐怖だ。今、僕がいなくなれば間違いなく彼女が恐怖を撒き散らす存在となるだろう。なのはママと共に……」

 

 

『……………………』

 

 

「…………わかっとるんやったら、そういうことは言わんとき!!一瞬、ゾワッときたやんか!!」

 

 

「少し影のある微笑みとか?黒いオーラーが、冷ややかな空気と共に訪れます」

 

 

「止めてぇー!!聞きとうない!!」

 

 

ひぃいぃと小さな悲鳴を上げながら、八神はやてが身体を抱き抱え身を捩る。

 

 

「にゃははは。じゃ、クロノ・ハラオウンまたな!もしかしたら、TAKE3でかもしれないけど!」

 

 

「せ、せやな。ほな、また!」

 

 

『ああ』

 

 

プツンと消える通信。

それを見送って、八神はやてに向き直る。

 

 

「わざと、行方不明になって良い?」

 

 

「止めてってゆうとるやろ!?」

 

 

「えー……恐怖の大王を覚醒させようよ!!」

 

 

「止めぇ!怖あて、すずかちゃんに会えへんようになるやろう?ホンマにあかんで!!」

 

 

普段八神はやてが、どういうポジションにいるのかわかる会話である。

ちょっと、ウズウズはしていたり。悪戯で、ちょっと行方不明になってみようかな……って。そう考えていたんだけど、シグナムにガッシリ肩を掴まれて「勝ち逃げは許さんぞ?」と言われてしまったので辞めた。

まあ、そうだよね。今回、10回戦った内9回も負けちゃったんだからシグナムからしたら勝ち逃げになりますよね。

これは、割りと近い日に再戦となりそうだ。

 

 

「八神はやて……今月中に、もう一戦したいって……シグナムが……」

 

 

「い、嫌やああぁぁぁーーー!!!」

 




また、フラグ建てちゃったよ……回収しないと……。
一応、5日目くらい。

今回は、お金の話でした。カートリッジ、一本いくらくらいなんでしょうね?すごく、気になります!
ミッドチルダは、物価が高そうですから900クレジット(魔力込み)にしてみました。
魔力ランク優先世界なので、物品より魔力の方が高い設定。八神はやてを泣かしてみた♪オチも安定のはやてで♪

誤字・方言あれば報告をお願いします。
m(_ _)m

感想もあれば、お願いします!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。