絶望を払う者~狂気の神々vs愉快で〇〇な仲間達~   作:葉月華杏

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二四四話

神崎

 

 

目が覚めると、俺はベッドに縛り付けられて半裸の状態にされていた。何を言っているのか、わからないだろうけど目覚めたら俺は極限の状況に追い込まれていたんだ。

そんな、マジックを片手に持った師匠にマウントを取られている状況下で、目覚め混乱する俺を見下ろした師匠はニヤリと邪悪な笑みを浮かべるのだった。ナニコレ!?

そして、大混乱中の俺を放置して師匠はキュッキュキュウ~とマジックで上半身に何かを書き始める。

もしかすると、途中だったのかも知れないが……ちょ!?

何やってるんですか!って、声!?声、出ないッスよ!?

何故か、出せなくなっている声に驚きながら身体を捻って邪魔をしようとするが……何処からともなく伸びて来た腕と手によって身動きが取れなくなる。つーか、俺の背後から伸びて来てるんですけど!?ってか、俺の背後ってベッドですよね!?何で、ベッドから腕が伸びて来るんですか!?

ホラー!?ホラー何ですね!?

もはや、何が何だかわからないまま俺は邪悪な師匠に蹂躙されるのだった。

そして、始まる儀式。

師匠が、何やら呪文の様な言葉を呟き……小さいキャンプファイア?を炊いて、意味不明な事をやり始めた。

俺は、何の生け贄何ですかぁ……(泣)。

その内、怪しげな笑い声(魔女?)が聞こえ初めて視線を向ければ、小さなキャンプファイアの上に大きな壺が乗っていて何かをゆっくりと掻き回している。いや、マジで何の儀式なんですか!?そして、何の薬を作っていると言うんですか!?ちょ、マジで勘弁して下さいよ!!

もはや、何をやっているのかさえわからない状況になっていた。俺の半身には、魔法陣が描かれていて……小さなキャンプファイアには、壺で何かを作り掻き回している。

これ、そもそも儀式なんですか!?

それから、何を作って掻き回しているんですか!?

ツッコミどころ満載な儀式?に俺は目で訴えるしかなく終いには壺を掻き回していた木の棒が引き出され、持ち上げられると融ける様に崩れて行った。

ちょ!?融けてますやん!

それ、超融けてますやん!!

何が入ってるって言うんや!?

猛毒!?猛毒ですか!?

混乱していると、師匠はおもむろにお玉を取り出し謎な壺の中身を別の小皿へと分け添える。そして、ニンマリと嗤うとまるでこちらの恐怖を煽るかの様にその小皿を俺の真上へ持って来た。その上で、その濃厚な緑の謎液体を魔法陣が描かれた身体の上へブチ撒ける。熱ぅっ!?

ぎゃあああぁぁぁーーー!!

融けるぅ!融けちゃうぅ!!

俺の身体が、濃密な緑の液体に融かされるぅ!!

熱い融ける熱い融ける熱い熱い熱い融けるぅ熱いぃ……と、融けるぅ!!!!

 

「クックックッ……その内、それが気持ち良く成ってくるからな?存分に、楽しむが良い!!」

 

熱い!楽しめるか!?

つーか、『融かす』じゃなくて怪しげな工口い薬の方か!?

もしくは、精力増強の薬だったのか!?

煩わしい煽り方すんなや!?

 

「その内、骨もグチョグチョになるからな?」

 

正真正銘、融ける薬品かぁ!?

や、止めろおおぉぉぉ!!!!!

 

「さて、邪神降臨の儀式を続けよう!!」

 

邪神!?今、目の前に居る!!ムッチャ笑顔で、楽しそうに変な儀式してるぅうぅぅぅ!!!ちょ、マジ、何がしたいんですか!?ハッ!?何か、身体の芯からカッカッとした熱い熱みたいなモノが沸き上がって来る!?ナニコレ!?

 

「クヒッ……ヒッ、ヒヒッ……」

 

シャクリ上げるかの様な笑い声を上げて、師匠は邪悪な笑みを浮かべる。マジで、何が起こってるって言うんですか!?いや、もう、本当に、師匠がおかしくなちゃってるんですけどぉ!?ナニコレ!?

もう、何が何だかわからず大混乱で混沌と化している状況下で、それを更に混迷へと引き上げ極める更なる混乱が舞い込んで来た。ガチャリという音と共に、カリム・グラシアとシスター・シャッハ……並びに、昨日の転生者が入って来たのである。俺と師匠を見た彼女達は、一瞬の困惑と同時に状況の混沌さに目を見張って硬直してしまう。

その気持ちは、わからないでも無いんだけれど……是非とも、助けて下さい!!

 

「あ、おはようございます!」

 

「あ、はい。おはようござい……ま、す?」

 

涙目ながら、助けを求めていると部外者に気が付いた師匠が普段通りの声音で挨拶をした。混乱極まる状況で、朝の挨拶をされたカリムは鸚鵡返しの様に師匠へと挨拶を返す。

しかし、その語尾は疑問一杯な様子だ。

 

「じゃあ、お話しようか?」

 

俺を放置して、師匠はベットから飛び降りると事もあろうに転生者の目の前に駆け寄り首を傾げつつ『お話』とか言い出した。

ちょ、俺は放置ッスか!?

 

「え!?えっと……アレ、は?」

 

「いーのいいの!アレは、リリィとオルタがお世話するから!君は、僕とお話ししよう(笑)」

 

俺を指差し、疑問を投げ掛ける転生者だったが気にするなと返す師匠に押されて部屋から出て行く。それを見送りながら、『指で人を指すんじゃねぇよ!』と『助けろよ!?』のツッコミは声に成らなかった。だが、それ以上にツッコミよりも助けを求められなかった事を悔やむ。

何故、ツッコミよりも助けを求め無かったんだ俺は!?

そして、そうこうしている内に無情にも救助かと思われたカリム達は師匠に連れられて部屋から出て行ってしまう。

『待って!』と叫ぼうとするが、口をパクパクさせるだけに終わり……俺は、独りとなる。但し、ベットの両脇にはリリィ達が待ち構えていて……何やら企んでいる御様子。

 

「兄様。今日は、一日中そのままで過ごしていただきます」

 

「その間のお世話は、我々が致しますので御ゆるりとおくつろぎ下さい。もちろん、上も下もお世話させて頂きます」

 

ちょ!?もちろん、全年齢対象の健全なお世話って意味ですよね!?18禁じゃ、無いヤツですよね!?

 

「それでは、コースの説明をさせていただきますね?」

 

コース!?ちょ、それ、何の選択肢ッスか!?

 

「まず、兄様は決して選びそうにない全年齢対象の健全なお世話コースです。こちらは、お年寄りにも大人気の介護コースと成っております」

 

それで、お願いします!全年齢対象の健全な介護コースでファイナルアンサーです!それ以外のコースは無しで!!

 

「次に15歳未満禁止のお世話コースのご紹介です。ちょっと、工っちなコースと成ります。兄様なら、まず間違いなくこのコースを選ばれるでしょうね」

 

選ばねぇよ!全年齢対象の健全な介護を俺は求めてる!!

なので、ちょっと工っちなコースとか要らねぇよ!!!

 

「最後は、兄様が最も選びそうな工口工口の18禁コースだ。私達が、あの手この手を使い兄様をタップリ満足させるコースだぞ?下手をすれば、兄様が干からびる可能性があるが……何、兄様なら耐えきれるだろう」

 

要らねぇ!全然、要らねぇ!!そんなコース、ちょっと気になるけど……見た目が、リリィやオルタでも中身が師範代とわかってる時点で工口工口なコースを受ける事が出来るか!?寛げない上に、俺の精神をゴリゴリ削るだけの作業に成りかねないから、断固として18禁コースなんて受けないからな!?それなら、15歳未満対象のちょっと工っちなコースにするから!!でも、それもコイツ等の思惑通りの可能性があるから全年齢対象の健全な介護コースを選ばせてくれぇ!!!!SAN値が……SAN値がああぁぁぁ!!

 

「では、どれにしますか?」

 

「もちろん、工口工口コースだよな!?兄様」

 

「もしかして、15歳未満対象のちょっと工っちなコースですか?兄様」

 

俺は、リリィのオススメもオルタのオススメも大きく首を横に振って拒絶の意を表明する。しかし、最初から全年齢対象の健全な介護コースは無いらしく、二人は『ちょっと工っち』か『工口工口』なコースのみを上げて迫って来た。勘弁してください!何が悲しくて、中身が男な美少女モドキとイチャイチャせにゃならんのですか!?

男の娘なんて、男の娘なんて……クソッ!今、超流行りのネタタグじゃねぇか!!例え、肉体が女であっても……女体化で、性転換だと!?TS転生なんて、超タイムリーな話題じゃないか!?

ぐおおぉぉぉぉ!!と悶えつつ、拒否だけは止めずに彼女達の猛攻を退け様と足掻く。嫌だああぁぁぁ!俺は、全年齢対象の健全な介護コースを受けたいんだぁ!!

 

「何故、そんなに工っちな介護を拒否られるのですか?兄様」

 

「男ならば、大喜びで受け入れるハズの場面であろう?何故、拒否るのだ?兄様」

 

そりゃ……あれ?なんでだっけ!?ハタと、その疑問に行き当たったが、理由は不明のまま拒絶の意思を表明した。

言われてみれば、可愛い女の子に上も下もお世話して貰えるという夢のシチュエーションだ。これは、多少のこだわりがあるとしても受け入れてウハウハする場面である。

しかし、何故か嫌だった。理由は、不明。

一瞬、リリィ達が【魔法少女】の原作人物じゃないから?とも考えて見たけれど、その程度の事で極上の接待を受けない理由にはならないと考え直した。ならば、他に何かあるハズなんだけれど……今すぐには、思い付きそうにない。

 

「では、仕方ありませんね……」

 

「フム。不本意ではあるが……15歳未満対象のちょっと工っちな介護コースで参ろうか?兄様」

 

ふぁ!?ちょ、なんでさ!?

そう言って、リリィ達は薄着になってギシリ……とベットに乗り始めた。そして、おもむろにゆっくりと四つん這いになって近付いて来る。視線を向ければ、ゆったりとした上着の裾が有り余っているのか胸元が大きく見える様になっていて……そこから、薄いけれどそこそこ成長した胸が釣り鐘状に垂れ下がっているのが見えた。ふぁ!?

慌てて視線を外すが、それによってうっかり反応を示した愚息が盛り上がってしまっている。

ヤバい!ヤバい!!色んな意味でヤバヤバですよ!?

 

「ふふふ……兄様、妹を見て興奮しているんですか?」

 

「兄様。もっと、見ても良いんですよ?」

 

「ちょぉ!?って、声出る!?」

 

「「あ」」

 

「とりあえず、落ち着こう!ほら、俺の拘束解いて解放して、話し合いで解決しようよ!!」

 

いつの間にか、声が出るようになっていた俺はしなだれ掛かって来る妹達に説得を試みた。しかし、妹達は人の話を聞かずにサワサワとセクハラ三昧を仕掛けて来る。

 

「ちょ、止めて!触らないで!?」

 

「ふふふ……そんな事言って、身体の方は正直ですね?」

 

「ほら、もうこんなに固くなって……」

 

「腹筋!腹筋ですから!!力んでいたら、そりゃ硬くなりますって!!」

 

「あらあら……下のお世話には、尿瓶もあるというのに……うふふふ……」

 

「ちょ、止め……だ、誰か!誰か、助けてぇ!!!」

 

ツツーゥと、なぞる指先が腹から下へと進んで行ったところで、全力抵抗によって俺の貞操()()()は護られたと言っておこう。ぐすん(泣)。

 

 

……………………

 

 

……………………

 

 

……………………。

 

 

日が傾き、オレンジ色の光が部屋を満たす。

少し、薄暗くなって来た部屋の中心にあるベッドの上で俺はシクシクと泣いていた。

 

「もう、お婿に行けない……」

 

「ちょっと、搾っただけじゃないですか。兄様」

 

「何も、出なくなったけどな!?」

 

「だが、気持ち良かったであろう?兄様」

 

「心が痛い……」

 

ゲッソリと痩せこけた顔で、未だにベットに縛り付けられている俺。憔悴し切ったであろう、その姿から予想出来るだろうが、肉体的にも精神的にも俺は疲れ切っていた。

セクハラ三昧の末、リリィ達は散々俺を弄び本当に血の一滴も出なくなるくらい拷問の限りを尽くしてくれた訳だ。

工口じゃないぞ!?それだけは、間違いなく護り切ったからな!?ちょっと、誤解を招く言い方を俺を含めリリィ達はしてるけれど……全く持って、工口とは違う事柄についての話だからな!?それだけは、誤解するなよ!?

 

「それよりも、あれから大分経つけど……そんなに、交渉が難航しているのか?」

 

「Masterの方ですか?」

 

「それなら、昼頃には終わって今は鍛練所で遊んでいるハズだぞ?」

 

「ガチで、俺は放置ッスか!?」

 

「放置ではない。我々が、居るであろう?兄様」

 

「こんなにお世話していますのに……酷いですわ、兄様」

 

そう言うや否や、寝ている俺にしなだれ掛かって指を頬に当てツツーゥと顎先へ移動させる。フニョとしたナニかが、俺の胸に押し当てられているけど、ささやか過ぎて言葉を飲み込まざる終えなくなった。下手に、それに関して指摘すると命が持たないので沈黙を答えとする。

 

「フム。釣れないな、兄様」

 

「兄様。ここはもっと、欲望のままに行動しましょうよ!」

 

「やらせるかぁ!!」

 

等と叫んだところで、ベットに拘束された俺に出来る事は身を捩るだけ。どうやって、俺を物理的に抑え付けているのかはわからないけど、全く緩みもしない拘束具があったもんだと感心する。とはいえ、感心したところで現状を覆せる訳じゃないので何とか解放されようとジタバタと暴れるだけ暴れた。しかし、リリィ達も拘束具も変化はなく……危機的状況は悪化を辿っている。

 

「そろそろ、解放してくんない!?何時まで、拘束されていなければならないんだ!?」

 

「午後三時までだな。フム、二時間程オーバーしているが……イジメか?テオルグ、ラヴォルフ」

 

「「Master!」」

 

「師匠!…………と、転生者!?」

 

首を持ち上げて見れば、調度出入り口から師匠が入室してきたところだった。その後ろからは、昨日見掛けた転生者が入って来る。ホッとしたのも束の間、師範代達が、嫌々をする様に俺へとのし掛かり『もっと、遊ぶの~!』とか騒ぎ出した。この人達、やっぱ俺で遊んでやがったのか!?と憤慨したら、上目遣いでウルウルと涙目で見詰められ、つい怯んでしまう。クソッ!わかっているハズなのに!!

 

「…………し、師範代、さっさと拘束を解いて下さい……」

 

苦虫を噛み潰した気分で、どもりながらも極めて冷静に拘束を解く様に師範代達へ伝える。

本当なら、逆ギレして暴れても良いんだろうけど、あんな風におねだりされたら黙る他ないじゃないか!!

だって、セイバーの姿でおねだり!!萌える!!

 

「甘いなぁ、神崎は……」

 

「この姿で、ウルウル涙目の上目遣いされたら怒れませんて…………例え、反省している様に見えなくても……」

 

「まあ、実際反省はしていないな。でも、いずれ殴れる様にはなれるさ。ストレスは、蓄積されるモノだからな」

 

「……そんな事したら、文句をグチグチ言われるだけですよ!それに、女性を殴るクズには成りません!後、拘束された理由を求めても言いッスか!?」

 

今日一日を、潰された理由を求める。

朝っぱらから、ベッドに拘束されて変な儀式で一日中放置されたのだ。それなりの理由が無かったら、最早泣き寝入りするしか無くなってしまう。それだけは、避けたかった。

 

「もちろん!ただの悪戯だ……」

 

「師匠……(泣)」

 

「クックックッ……まあまあ。魔法薬が、因果をねじ曲げる程の劇薬である事は知っているな?劣化物である、“とあるモノ”を()()で補おうとしただけだ。補強くらいは、出来るだろうと……」

 

「『とあるモノ』って、()ですか!?」

 

「フム。理解が早くて助かるな……その通りだ」

 

「なら、ちゃんと最初から言って下さいよ」

 

「だから、言ったろう?悪戯だったって(笑)。拘束して、変な儀式を行い放置する……までが、悪戯だったんだ」

 

つーことは、半裸にして魔法陣を描いてドロドロした液体(魔法薬?)を掛けるところは通常の行為って事!?

ハチャメチャな記憶を辿ると、何となく理由を聞かされていても混乱した様な気がする。というか、木の棒がドロドロに融ける様なモノを身体に掛けられて混乱するなって言う方が無理な気がするんだが!?なので、それを聞いてみたら……その木の棒すらも、材料だったっていうんだから驚きであった。つか、誰がわかるか!?

 

「何処から何処までも、悪戯の範疇だったという訳ですね!?チクショウ!!」

 

完全に弄ばれた!!ああ、うん。深くは、考えない様にしよう。拘束から、解放されながら起き上がると苦笑いな表情でこちらを見ている転生者が目に付いた。

きっと、俺の不幸に気を使ってくれているのだろう。

 

「お疲れ」

 

「あ?はい、お疲れ様です……」

 

「お互い、災難だったな?まあ、災難の度合いは違うけど。というか、君の神様特典ってさ……最初から、一つだけだったのかい?」

 

「あ、いえ……三つって言われました」

 

「ほう?じゃあ、なんで一つだけに?」

 

「それは……二次創作小説の影響なんです。ネット小説に『転生して喜んだけど原作キャラに出会って絶望した。……けど割りと平凡に生きてます。』っていうお話があって……その影響が強かったんですよね(笑)。『多才になれる!』っていうのもあって……ちょっと、憧れちゃったんです(笑)」

 

ああ!アレかぁ!!何となーく、覚えてるよ!!

生前の記憶は、完全には消え去ってない様なのでチラホラと思い出されるモノがあったりする。その中でも、原作と二次創作等の物語系はほぼ確実に覚えていた。

これ等も、アニメや漫画……小説と言った、【創作知識】という分類に含まれているのだと思われる。

 

「それで、東方系に走ったのか……」

 

「はい!『努力すれば割りとどうにでもなる程度の能力』にして貰いました!!お陰で、色々出来ますよ?流石に、気や魔力と霊力……とまでは行きませんでしたけど(笑)。気と魔力は、普通に使えます!」

 

「あはは。楽しんでいるなぁ……」

 

成る程ね。生前の記憶はないが、何となくそんな小説があったという記憶が出て来た。確か、トラハとか色々な要素を混ぜ混ぜした様なお話だった覚がある。

 

「じゃあ、斬魔剣はもう使えるのか?」

 

「ゴフッ!って、生前の記憶はないんじゃなかったんですか!?超覚えているじゃないですか!?」

 

「あれ?もしかして、斬魔剣は黒歴史なのか?」

 

「いえ、普通に使えますが……使い所がないですよねぇ。魔法も斬れないし……そもそも、幽霊なんていないし……」

 

斬魔剣という割には、魔法が斬れないとか欠陥があるのか……それとも、この転生者のイメージが足りてないのかは不明だった。

 

「まあ、魔法科学の世界だもんなぁ……で?誰狙い?」

 

「あ、すいません。ただの脳筋なバトルジャンキーです」

 

主人公じゃねぇし!つーか、完全にシグナム枠の人材じゃないですか(笑)。そう言えば、この世界の『DSAA』って男も出られる男女共有魔法格闘競技なのだろうか?

ちょっと、師匠にその辺りの事も調べて貰う必要がある様な気がする。下手をしたら、原作ヒロイン達に男共が群がって来る可能性があるからな……。

 

「成る程。……因みに、俺は原作と恋愛する為に転生して……いつの間にか、バトルジャンキーとなり……シグナムを剣と拳だけで落とせる『リアルラカン』と呼ばれる程度のギルガメッシュだ!」

 

「……ネタ?それ、ネタですよね!?」

 

「本気と書いてマジと読む……マジだ!!」

 

「マジ!?というか、ギルガメッシュ系の人って……能力に胡座をかいているんじゃないんですか!?」

 

「フッ……踏み台じゃ無いんだから、肉体を鍛えるのは当たり前だろう?」

 

「お前、踏み台だろ?能力に胡座を掻いてて、僕にプチッと根性を叩き直された口じゃないか……」

 

「……………………」

 

「……………………」

 

唐突に、俺達の会話へと割り込んで来る師匠。

バラさないで下さいませんかね?折角、楽しく話してるんですから腰を折らないで下さい!

 

「そんな事、彼もわかってますよ!な?」

 

「えぇ!?そっちが、ネタだったんですか!?」

 

「おぅよ!元踏み台の胡座掻きだぜ!?文句あっか!?」

 

「なんで、逆ギレ!?しかも、こっちに文句言っても意味がないじゃないですか……あっちに言って下さいよ」

 

「あっちに言ったら、死ぬじゃないか!!」

 

「だからって、八つ当たりは酷いですよ!?」

 

「まあ良い……と、お前は知っているのか?この世界のDSAAが男女共有かどうかって話……」

 

「ええ。男女共有ですけど……ハッ!違うんですか!?」

 

「原作で、男子の部は先に終わる的な話があったの覚えてる?で、女子の部が後からあって……男女共有ではなく、それぞれに別れて競技が行われているって……本当に、チョロッと一コマレベルで紹介されてたんだけど……」

 

「一コマ……そんなの覚えてられるか!?」

 

「デスヨネェー……」

 

いやもう本当に、アレだけの巻数がありながら一頁も使われる事なく、触りだけチョロッと紹介されていたのには俺もドン引きでしたよ?そこまで、男を蔑ろにする漫画も少ないってレベルで……あれはもう、『男尊女卑』ならぬ『女尊男卑』と言っても過言ではない漫画だった。

まあ、【魔法少女】の物語だからなぁ……そこに男を加えても、そりゃ省かれるってモノだろう。

 

「なのに……本当に俺、騙されてたんだ……」

 

そこまで考えて、最初から自分達『男』の存在価値がない世界だった事を思い知った。そりゃ、男が主人公に成れない訳だ。【リリなの】の世界に転生出来ると知って、嬉しさの余り年甲斐もなくはしゃいでいたけれど……そんな、『女尊男卑』の世界に転生して良く原作ヒロインと恋愛出来ると思ってたよなぁ……するけど!!(断言)

若気の至りと言いたいけれど、とても言える様な年齢じゃあ無かった気がするので沈黙するだけに留めておく。

クソッ!神め!!(怒)。

複雑な心境の中、神に対する憎悪だけが明確に蠢いていた。

 

 

 

 

 




大混乱から入る、神崎くんイジメの回!でも、ちょっと美味しい神崎くんウマウマな回でもある!!しかし、神崎くんは神崎くんのままだった。
読んでて、誰もが『やっちまえよ!!』と言ってそうな気がしたけど……微妙にエ口く、微妙に工ロくない展開。誤解を招く会話って難しいですよね!!なので、ストレートに書いて違うんだよ!と否定しておきました(笑)。

そして、アレの作者さんに許可とか貰ってないけど……題名だけ載っけ。内容もチョロッと……アレは、名作ですよね!二次だけど!って事で、宣伝しておきます。ちょっと、続編読みたいけど……アレの作者さんが、もう書かないと言っているので良いかなぁ?と突っ込んでみました。文句言われたら修正します。でも、大丈夫じゃないかなぁ?だって、この一話だけか……二話程度の話だし。今後、彼の転生者が表に出てくる事はないかと。後は、幸せになるだけの人生だ。ほのぼのマッタリな日々を、聖王教会という舞台で進めて行ってくれると思われる。
場所が違えば、在り方もやる事も大きく違って来るからパクりにはならないよ(笑)。まあ、出来て模倣程度。出て来る登場人物も違うから、絶対にパクりにはならない(笑)。
まあ、彼の転生者は続編が読みたくて自分でやった可能性もあるし(笑)。霊力に関して、習得出来なかったみたいな事も言ってたから、全然違う話になると思うよ(笑)。
とりあえず、何であの物語の一部を拾い上げたかというと、もう再開しないと断言されていたので……モッタイナイなぁって思ったからだよ。ネタギレってのもあったけれど……あそこまで楽しませて貰って、もう読めないのか……と思うより拾った方が良いかなぁ?って。流石に、そのまんま拾うのはアレだったので特典のみを拾い上げた感じかな?
そして、その特典を使うのはその小説のファンが良いなぁと思ったのも正直な気持ちだったんだよ。その方が、面白そうだったし……話のネタも、チョロット弄って置いた方が良いとも思ったので神崎くんと共に検証という名目で遊んで貰おうかなぁって(笑)。

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m(_ _)m

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いつも、読んでくれる方々に感謝を……。

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