絶望を払う者~狂気の神々vs愉快で〇〇な仲間達~ 作:葉月華杏
あれ?まだ、1日目???
神崎
ずっと、思っていたことがある。
そもそも、神様転生って……なんの意味があるのだろう……と。俺みたいたな、オタクと言われる人種をアニメや小説の世界へ転生させて、なんの利益が得られるのだろう。
色々なモノを読み漁り、二次創作小説にまで手を出して娯楽を求めた日々以上に刺激的な毎日を過ごす為だろうか……?
だが、そんな疑問は突如現れた餓鬼ーーとある一人の幼児が、解消してくれる事となる。
彼との出会いは、最悪の出会いだった。
会ってすぐ、天井と床に叩き付けられて尋問という名の拷問を受けて……色々、痛い目も見たし……死の恐怖を感じるはめとなる。それ以上に、如月双夜という存在に恐怖することになった。何故なら、アイツは「生涯一モブ宣言」なんてしやがったからだ。
ぶっちゃけ、俺にはそんな宣言したくてもできない 。
世界の中心……【物語の主人公】というのは、それ程魅力的だったからだ。だけど、その夢も破れ……だから、世界の中心に近い場所に己の居場所を作ったのに……。
高町なのはの隣に立って、せめてもと自身を鍛えた。
でも、高町なのはは未来から来た高町なのはによって上書きされてしまう。
俺のなのはは、高町なのはに戻ってしまった。
これが、世界の修正力なのか……あの人の策略なのかはわからない。だから、最初はあの怪物を恨もうと思い。
でも、月村すずかを救おうと世界すら滅ぼそうとするあの怪物を怨めなかった。スケールが、違いすぎる。
アレと対等になろうと思ったら、アレと同等の存在になるしかない。っていうのに、アレは神々を監視する存在だと言った。次元航行艦アースラの中で、尋問されている時に。
俺に世界の裏側を語った上で、彼は俺に自分と同じ存在に成ることを拒絶する。理由は、わからないが……あの人が、自分の至った“場所”に納得していないのは、話をしていて何となく感じ取れた。
だからなのだろう、俺はあの人と肩を並べたいと思いつつも……きっと、同じ場所には立てないと諦めてしまっている。
これなら、何も知らないまま厨二病を続けていたかった。
踏み台でも良いから、ギルガメッシュの様に王者の人生を生きてみたかった……でも、戻れない。……と、まあ、長々と俺の心情を語っていたのは、ただの現実逃避だ。
何故なら、霧島と戦っているあの人が戦闘に介入させてくれないのだ。ここからだと、流れるような黄金の光の軌跡が見えるだけで……霧島も師匠も、姿がぶれては現れを繰り返している。
「ヤバイ。俺、一番弱いかも……」
慢心王になった記憶は無いが、アレレベルには至れないだろう。しかし、霧島があんなに戦えるとは思わなかった。
きっと、そういうスキルがあるのだろうが……今のところ、思い付くのは英霊エミヤの能力と無限剣製。赤い外装と双剣を装備している所から連想しただけの憶測だ。
霧島も俺と同じ、オタク系の人間。努力して強くなるなんて、頭に無いだろうから……さしずめ、【英霊エミヤの全能力】でも願ったのだろう。
「そして、ニコポ・ナデポ……」
あと一つが、わからない。
神様転生の特典数は、大体統一されている。
希に、五個とか七個とか規格外の奴もいるけど……踏み台は基本的に3個だ。そのあるかどうかもわからないルールに則れば、アイツの特典は最大3個ということになる。
ーーああ、もしかしたら魔力関係か。
英霊エミヤは、それ程多くの魔力を持たなかったから魔力を特典で補っているのかもしれない。
〔師匠!そいつの特典は、英霊の能力と高魔力です!!〕
〔……英霊ってなんだ?〕
「グハァ!!しまったぁ!!」
師匠は、未来の方でした。
2000年代のアニメ・マンガや小説ネタは、伝わらない事が多々ある。簡単かつ、手短に伝える方法は……と考えて『英雄が世界の守護霊となった存在です!』と言ってみたところ、『ああ、戦乙女のアレかぁ!』と返答があった。
ーー戦乙女?
ヴァルキリー関係ですか?って事は、ヴァルプロ辺りかなぁ……と考えて、似たようなモノだよな、と結論付ける。
多分、全然違うモノなんだろうけど……今は、下手に長考させるのは致命的だ。
霧島強いし、師匠も強いけど英霊は数ランク上の神霊すら倒せるって話だから、下手すると倒される可能性がある。
例え、師匠が『大人モード』であってもその可能性は捨てきれない。
当初、師匠は幼児のまま突撃していった。
その時は、霧島に一方的にやられていたんだけど、胸の真ん中から虹色に輝く剣のを引き抜いたら大人……っていうか、俺達よりちょっと年下位まで成長して、霧島を圧倒し始めたのである。念話で聞いたら、あの姿が本来の姿だと言われ……劣化術式が、身体の構築を阻害していたんじゃないかと結論付けられた。
そして、今や霧島が防戦のみまで追い込まれている始末。
その防戦も、完璧ではなく段々と傷だらけになっているように感じた。
二本の双剣が、ガリガリ削られて行く。
最初こそ、打ち合えていた双剣だったが、師匠が『大人モード』になってからは三合打ち合えたら優秀な方になっている。師匠の切り下ろしを、双剣で受けて次の行動に移ろうとしたら横凪ぎの刃で双剣を破壊されて、投影ですぐに双剣を再構築すれば、片方が切られ返しの刃でもう一本。
そう、兎に角師匠の手数が多いのである。両手剣を、両手で扱っているのにあのスピード……マジ、パないッス!!
何とか持ちこたえているけれど、師匠の攻撃が身体に届いてしまっている時点で、霧島の勝敗は決まってしまっている。
霧島も、頑張って押し返そうとしているみたいだけど……相手が悪過ぎた。
「あ!」
霧島が、ロー・アイアスで師匠の猛攻を防いだ。
そして、聞こえてくるのはあの詠唱。
〔師匠!固有結界来ますよ!!〕
〔ん。了解!〕
固有結界の説明は、戦闘前にしてあったので問題なく伝わった。TAKE1でも見ているから、対応策もちゃんとあるらしい。以前みたいな、目の前に映像を出す様なのではないと言われているので安心して見ていられる。
師匠が、距離を開けた。
瞬間、師匠が両手で持っていた聖剣が輝きを増す。
俺が使った時よりも、更に大きく輝く聖剣を眺める。
対して霧島は、詠唱を終え固有結界を展開させた。
世界が、霧島からの侵食を受けて再構築されていく。
そして、灰色の世界が誕生した。
「さあ、使ってみろ!この世界の中で、使われた宝具は全て完全に複製してやる!!」
霧島の宣言と共に、聖剣の複製が始まった。
奴の手に、師匠が持っている聖剣と同じモノが現れる。
その聖剣も、周りの魔力素を貪るように吸収を始めた。
しかし、なんだろう?
霧島の持つ聖剣よりも、師匠の持つ聖剣の方が輝いているように見える。集束する魔力量も霧島のそれを、上回っているように感じるのは気のせいだろうか?
「クックックッ、死ねぇ!モブがぁ!!!エクスーーー」
奴が真名を開放始めた。
しかし、師匠は黙ったまま集束をしている剣をゆっくりと天に向けて直立している。その次の瞬間、俺は目を疑った。
奴が侵食した世界が、金色の光となって師匠の持つ聖剣に集まっていくのだ。
光は金色から、太陽の……そう、山吹色へと変化していく。
その眩しさに、俺は手で影を作り目を細めた。
「ーーーカリバー!!!」
奴の真名が、開放されて光の濁流が師匠モロとも全てを飲み込んで行く。まさか、師匠の真名開放が間に合わなかったなんて……この勝負、霧島の勝ちかと考えて言葉を失った。
師匠が、光の濁流の中で普通に立っている。
聖剣を担ぐように水平にして構えていた。
剣は最早、太陽の如く輝いている。
敵の攻撃すら吸収して、更に強大に力強く輝いていた。
「ーーエクスゥ……」
師匠の聖剣が、開放されて行く。
その輝きは、もう一つの太陽の様。
「ーーーカァリバァー!!!!」
放たれるは、極光。
侵食していた世界を凪ぎ払い、全てを呑み込んでそれでもなお輝きを増している。固有結界は極光が開放されただけで消し飛び、何とか間に合わせたロー・アイアスすら呑み込んで霧島を蒸発させても停まらず、何もかもを光で真っ白に染め上げた。音も視界も全てを感じなくなって……気が付けば、霧島に虹色に輝く剣が突き立てられている。
それが引き抜かれるのと同時に、奴の中から白く輝くナニカが取り出された。
「《スキル・ブレイク》!!」
パキィン!と頭の中に直接響く甲高い音が鳴り響いて、奴の《ニコポ・ナデポ》は破壊されたのだった。
「し、師匠!?」
「おう!任務完了だ!」
駆け寄ると、ニカッと白い歯を輝やかせて笑う師匠。
何か、やりとげた的な顔をしている。
「なんで、エクスカリバーが効かないんッスか!?」
「開口一番、聞くのそれかぁ?ただ単に、属性と資質の問題さ。まあ、エクスカリバーの属性は聖(光)&風なんだけど……聖なる系は資質上、効果が通りにくいんだよ。風は、力不足で防御術式を抜けないし……神剣・聖剣は、僕が使うと担い手当人かそれ以上の威力になるんで……霧島君は、力負けしましたってオチ!」
要は、才能負けってことらしい。
なんて無惨な……資質関係になると、借り物の能力とでは著しく能力が低下するのだと師匠は教えてくれた。
そして、師匠の胸から水晶球の様なモノが出現する。
「師匠、それは?」
「僕の魂に封じられている、アーティファクトさ。【聖なる浄化の光】だ」
「アーティファクト……もう、何でもありッスね……」
「そうでもない。このアーティファクトだって、本物って訳じゃ無いんだ……」
ーー本物じゃない?
「偽物ッスか?」
「そうじゃない。これは、僕の魂に封じられているって言ったろう?魂を破壊しない限りは、取り出せるモノじゃ無いんだ!!」
師匠は、困り顔で苦笑いしている。
まるで、出来損ないの生徒を見るような顔だ。
「……出来損ないで、申し訳ないです……」
「何でそうなるんだ!?これは、仮想分体だよ!魂の中からは取り出せないから、力の基点を魂の内側から右手に収束させると出現したように見えるだけだよ!」
「すいません。言ってる意味が、わかりません」
「身体イコール魂として、アーティファクトを右手の辺りに移動させたんだ!それが、視覚情報的に出現したように見えてるだけだよ!!」
「はあ……」
聞けば簡単に思えるけど、これ超絶技巧とか言う奴なんだろう。師匠が、もう超人に見えてきた。
しかし、師匠曰く師匠以上の怪物がいるらしいので、上は雲の上どころか宇宙の果てクラスなのだろう。
「それで、何に使うんッスか?」
「霧島に使うんだが?」
「?霧島に……?どうなるんですか?」
「……良い子になるけど?」
やっぱり、良くわからなかった。
「あー……【鮮血の】曰く、『ビックリマン?て言うアニメの十字架天使みたく良い子を量産できます』?」
「ひいぃぃぃ!!!」
【鮮血の】さんのその言葉で、スゲー良く理解できたけどビックリマンの【十字架天使】レベルッスか!?弓矢でサクッと一撃、どんな悪人も良い子になってしまう……アレ。
師匠が霧島に近付き、右手を霧島に押し付ける。
「真名開放!」
霧島君が、良い子ちゃんになっちゃうですの!?
「【クレッセント・ノヴァ】!!!」
その真名が、開放された瞬間全てが清らかな光で満ち溢れる。ちょっと、離れているこの俺でさえ……その清々しい光を浴びて、邪な気持ちが洗われる様な気がした。
しかし、実はそれが序章程度のモノで「あ……ヤバイ!」と、そう感じた時には遅かった……というか、逃げ遅れたというべきなのだろう。
俺は、【聖なる浄化の光】を甘く見ていたのだ。
アレは、そんな生易しいモノじゃ無い。
アレは、邪な心を浄化という名の暴力で蹂躙する武器だ。
次の瞬間には、【浄化の光】(物理?)が俺モロとも全てを焼き払った(比喩)のだった。
「大丈夫かぁ?」
「な、何とか……」
俺は、声を大にして言いたかった。
「なんッスかそれ!【○○の光】とか言いながら、全力で物理じゃないッスか!!それが、アーティファクト!?無いッス!超無いッスよ!!それなら、鈍器で殴られた方がマシッス!バカは死んでも治らないとか言いますけど、それよりかはマシッス!!!」とか、言ってやりたい。
「なら、言ってみたら?」
いつの間にか、鈍器を用意した師匠が、鈍器で片手をペチペチと叩いている。
「な、な、な、なんでも無いッス!!!!!」
両手を前に突き出し、全力で左右に振る。
この人なら、「TAKE3があるから、大丈夫だよね?」等と言いながら全力で殴りかかって来そうだ。
「TAKE3があるんだから、大丈夫だよぉ!!」
「それ、大丈夫じゃないパターンです!!」
「じゃあ、ちょこっとだけだから……」
「ちょこっとだろうと、ガッツリだろうと、嫌です!!」
「君も、言うようになったねぇ……でも、ちょっと反抗的だからクレッセント・ノヴァで浄化してあげよう!」
あはは~♪と近付いてくる師匠に恐怖を感じて、俺は逃げ出した。ヤヴァイ!あの人は、ヤヴァイ人だ。
全力疾走で逃げきって、俺は月村邸の中庭に戻って来た。
そこには、テラスで寛ぐ7人の美少女の姿が。7人?
なのは、フェイト、はやて、アリサ、すずかで5人。
残り二人は……誰?
「あ、大悟!もう、終わったの?」
「え?……ああ。師匠が、割りとアッサリ……」
フェイトが、何を言っているのか最初わからなかったが霧島の事だろうと当たりを付けて頷いておく。
そして、テラスまでやって来ると二人の美少女を紹介してくれた。一人は、浅上美愛というちょっとおもしろい女の子。
もう一人は、不知火翼という真面目そうな女の子だった。
〔ふーん。この二人、神崎と同じだ……〕
「あ、師匠……」〔同じ?〕
「初めまして、なのはママの息子の高町双夜です!」
〔転生者〕
『ええっ!?』
驚く美少女達。
何故か、なのはも驚いているが……気にしない。
それ以上に、師匠の一言に驚いていた。
「ええっ!?ギャッ!!」
うっかり、驚いて声を上げたら、足払いをされた上顔面を踏まれた。
「あ、気にしないで。こいつの根性を叩き直してるだけだから!」
「え?……そ、そうなんだ……」
「今日は、すずか、さんに用があってお邪魔したんだぁ!」
「……どんな用よ?」
「霧島のレアスキル……魅了系能力の解除かなぁ?」
「!?」
アリサが、霧島の名前にピクッと反応して魅了能力解除という言葉に驚愕の意を表した。
「解除できるの!?」
「あ、気が付いていたんだ?流石、親友!」
つーか、師匠マジスゲー。
本当なら、すずか『ママ』とかアリサ『ママ』とか言い出すかと思っていたのに、普通に会話できるなんて思いもしなかった。
「へ?ふ、フン!当たり前でしょう?すずかは、私の友達なんだから!!」
「じゃ、すずか、さん、僕の目を覗き込んでくれるかなぁ?あ、大元は破壊したんで次からは大丈夫だよ?」
「……………………」
だが、すずかの様子がおかしい。
何故か、黙り込んで顔を伏せてしまう。
そして、立ち上がると師匠の側にやって来た。
その場に両膝を着いて屈むと、突然師匠を抱き締める。
「ずっと、探してたんだよ?双夜……」
「……はい!?」
あ、珍しく師匠が驚いて混乱している。
いや、俺もすずかの態度に混乱しているけど。
「え、えっと?」
「一度死んで、目が覚めたら……幼くなってて、みんな……悪い夢を見たんだって言うの!!私っ、悲しくて、また一人で生きていかなきゃって……」
「……すずか、マ、マ?え……“あの”すずかママなの?」
「そうだよ……私、だよ……双夜っ!!」
「可能性としては、ゼロではないけど……ええっ!?」
なんだか一人納得して、困惑している師匠。
できれば、こっちにもわかるように説明していただけませんか?
「え、えっと……とりあえず、目を合わせてくれる?」
「うん。お願いね?双夜……今度は、いなくならないで?」
「えっと?あー、善処します……」
そして、すずかと師匠の目が合わせられたら、バツン!と言う音と共にすずかがゆっくりと倒れて行った。
「ええっ!?ちょ、師匠!?」
「大丈夫。魅了の効果が、強制的に消し飛んだからこうなっただけだよ。精神を強制的に真実に戻したんだ……」
すずかを抱き留めて、師匠が悲しそうな顔で説明してくれる。
「真実に戻した?精神を……ですか?」
「そ、歪められた精神を強制的に真実……正常な精神に戻したんだよ……【真実】って【真】と【実】って書くだろう?今回の場合は……【真】の方を使ったんだ。【真】は【まこと】って呼ぶから、すずかママの精神を【まこと】に戻したと言えばわかる?」
なんて便利な……。
所で、もう一つの疑問を解消していただけないですか?みたいな期待の眼差しを向けてみる。しかし、師匠は長考に入っているらしく気が付いてくれない。
「……師匠ぉ……」
「キモッ!」
転生者の一人、不知火にそう言われグサッ!!と俺のハートを貫き抉る言葉。突然の事だったのに、自分に言われた言葉だと認識している辺り、生前のトラウマが抜けきっていないらしい。
「あんた、こんな幼児に師匠ぉとかあり得なく無い!?」
ザクッザクッと突き刺さる言葉の刃。
「えっと、双夜は45歳だよ……ね?」
なのはさんが、一応フォローの様な事を言ってくれた。
でも、俺のフォローは全くされていないという事に気が付いて更に俺のハートは傷付く。
『はあぁ!?』
「いや、それ違う。僕の歳は、人間として生きてたのが45歳までで、人外になってからは周期制になったから……まだ零歳扱いされてます……」
「じん、がい?え……人外!?あんた、人間じゃあ無い訳!?」
「人間じゃないよ?ついでに言うと、転生者でもないし……この世界でストーリーを築くモノでも無いよ?」
「師匠、それじゃあ……伝わらないッス!」
驚く美少女と転生美少女達。
師匠も説明を省くから、今一伝わってない。
「前提として、舞台イコール世界。役者イコール君達。ストーリーイコール人生。そうするとわかると思うよ?」
「舞台を世界。役者を私達。ストーリーを人生……その上で、ストーリーを築かない?って事は……役者じゃ無いの?」
「師匠は、舞台を整える舞台裏の調整者だ。つまりは、総合大道具係って事らしい……」
「……ウソ……あんた、神様な訳?」
「違う……」
ドスの入った低い声が、師匠の感情をしっかりと伝えて来るので恐怖と共に一歩後ずさる。
「……まあ、似たようなモノだけど、僕は元人間なんで……そっちの知識で、適当に理解してくれれば良いよ」
「ああ、サモンナ○トの調整者(ロウラー)みたいなもんかぁ……」
サ○ンナイト……この世界にはないゲームだ。
もしかしたら、まだ発売されてないだけかも知れないが……確か、調整者(ロウラー)はサモナイ2の主人公だったはず。
「さも?なにそれ?」
「あ、師匠は2638年に生まれた人なんで、俺らのネタあんまり通じないから……」
『2638年!?』
「未来人なんだ……凄いわね……」
「ねぇ、双夜……その話、しちゃって良いの?」
すずかが、漸く起きたらしく師匠の腕の中から声をかけてくる。師匠は、「うん」とか言いながらすずかが立ち上がるのを待って一歩離れた。
「別に構わないよ?どうせ、四週間後にはこの世界消滅するから!時空管理局の高官のせいで!」
「そして、原作側の記憶はリセットされて……俺達、転生者は生まれた所からやり直しになります!」
「はあ!?どういうことよ!?」
「あれ?お前らは、TAKE2じゃねぇの?」
「あー……違うんだよ、踏み台君。彼女達は前回、僕に会ってないから……そう、僕にさえ会わなければ繰り返しに巻き込まれることは無かっただろうに……」
「え?どういうことよ!?」
「僕は、世界の調整者だから……こうして出会ってしまうと、ループ現象に巻き込まれます!!」
「う、ウソ……ちょっと、待って……何とかならない訳!?」
不知火が、真っ青な顔で師匠に詰めよっている。
何となく師匠が、先程の屈辱を晴らしてくれているみたいでスカッとした。
「なんともならないよ?」
「そ、そんなぁ……また、霧島に追い回される日々を繰り返さないといけないわけ……」
そんな呟きと共に、不知火はガックリとorz状態になった。
しかし、大丈夫なんだよ不知火。
その霧島は、師匠の手で「良い子」にされてしまったんだ。
確認はしていないけど、多分間違いなく「良い子」にはなっているだろう。
なんたって、師匠よりキチガイの【鮮血】さんが『十字架天使レベル』なんて言い切っているのだから。
「あれ?みんな、こんなところで何やってるの?」
新転生者
〇不知火 翼
〇浅上 美愛
美愛が、薄い(笑)ギャグ話ならはやてレベルだったろうに……。
サーヴァントが、ヴァルキリープロファイルネタになった(笑)英霊が……サーヴァントが……ヴァルキリーに連れていかれる戦士オチに。
神崎君、説明が面倒だからってそれは無い!!
双夜が、勘違いしちゃったじゃないか!!
まあ、神話系の話は魔導書に載ってた系列で知ったんだろうけど……また、局地的な知識に……。
後、すずか『ママ』は……予定に無かった事。
とりあえず、いつかはヤルネタだったけどね。とあるフラグを立てる為の伏線だ……まあ、アレで胃に穴を開けるのはクロノ君だけだけど……ね。
苦労人が、更なる苦労をします。
そして、双夜の心を語る上で必須なアーティファクトが出てきたよ。その名も、【クレッセント・ノヴァ】!!
『聖なる浄化の光』ですね。ここで、古いネタを持ち出しました。十字架天使です!みんな、『良い子』ですよ!!
アニメのビックリマン知ってる?知らない?そうか……知らないかぁ……。まあ、霧島君みたいになるんだよ!って思っててくれれば良いよ。
まあ、このアーティファクトがあるからこそ、聖剣エクスカリバーが通じないんだよね。要は《光&聖属性無効》。
風属性のエネルギーは、双夜の防御術式を抜けないだろうから。基本的に、無敵なんだよ!!!
誤字・方言あれば報告をお願いします。
m(_ _)m
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