絶望を払う者~狂気の神々vs愉快で〇〇な仲間達~   作:葉月華杏

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PCからカキコ。
スマホが、死んだ……データが……書き溜めてたお話が。
今、急ピッチで書き治しています。まあ、ストックはもう少し残ってたりしますが……ショック強し。


二三一話

神崎

 

 

師匠が、あのクエストに取り掛かったところで俺……俺達は師匠の傍から逃げ出した。何故なら……段々、師匠がイライラを募らせて行くのがわかってしまったのでリリィ達の賛同を得て逃げたした。今は、戦々恐々しつつ雲隠れしている。いや、していたのに……師匠は、とんでもない方法で俺達の居場所を突き止めた。

 

「まさか、転生者達をイジメて迷子扱いで人を動かすとか……なんて、非道な探し方なんだ……」

 

「ふふふ……這い寄るぜ?」

 

「クトゥルフか!?」

 

「相手を混乱させるには、調度良かったんだよ。それに、すぐに見付かったし……便利だよね?人海戦術!!」

 

それは、百万の使い魔に慣れている師匠だから直ぐに出る発想である。まあ、本来ならその百万の使い魔を使って探したんだろうけど……今回は、リリィ達がこちらに味方してくれていたので使えなかったみたいだ。そう思って、リリィ達を引き込んだのに……まさかの方法を使用して来た。

普通の人ならば、先ず自分の力で探してから次の手段として……それでも、直ぐにはそれ程多くの人々を動かすには至らない。それを、普通に転生者イジメという方法で自然と人数を確保しアルン内をくまなく探し回させた。

 

「くっ……転生者ェ……」

 

まさか、別の意味でこの言葉を呟く事になろうとは……ウチの師匠には、何時もの事ながら驚かされる。

合流した俺達は、一度アインクラッド第二十二階層にある『森の家』に戻り情報交換と相成った。でも、話をしていると段々師匠から負の怨念が滲み出始めて右往左往。

 

「ところで、大富豪の攻略は進んでいるの?」

 

話が、嫌な方向に進み始めたのを嫌がったアスナが、師匠に大富豪攻略の進み具合を問う。しかし、アスナの機転も師匠の表情を見るに余り芳しくない様子だった。

 

「あのクエスト、かなりの難易度だぞ?大富豪の好感度は、レアアイテムでないと上昇しないし……仮ストレージに入った後、捨てる・落とす・紛失する・屈巣ねる・盗まれる……と、手元から無くなったらマイナスになる。更に、転んだら仮ストレージからアイテムがバラ撒かれる。拾い集めてたら、鼠みたいなモンスターが現れて散らばったアイテムを拾って逃げられて追い掛けてたらタイムアップ。それも、紛失扱いで……現在、大富豪の好感度はマイナス134ってところだ」

 

「ウゲッ…………」

 

話を聞いたそれは、中々に高難易度だった。

まさか、師匠でも苦戦するレベルだったとは……どんな追加要素なんだか訳がわからない。普通は、もっと簡単なモノのハズなんだが……まさかの超難易度である。

師匠でも、大体……零を間に挟んで、プラス五百前後からマイナス二百前後をウロウロしているらしい。

一応、大富豪の好感度は『100』を超えているので『1000』は確実にあるらしい事が判明している。たが、大富豪の様子を見る限り『1000』も怪しいとの事だった。

 

「な、中々の難易度ね……」

 

「あー……そのモンスターは、俺も体験した事あるわー……」

 

「制限時間……厳しいですよね」

 

「今度、スターライトブレイカーでダンジョンごと攻撃してみようかと思うくらいには頭に来たね……」

 

「殺らないでくださいよ!?」

 

その様子が、ありありと頭に浮かんで来たのでゾッと背筋が寒くなる。なので、一応釘を刺しておいた。師匠がその気であるならば、階層くらい簡単に抜いてしまいそうだ。

 

「殺らねぇよ。つーか、僕の苦労を思いしれ。前任者!」

 

「前任者?」

 

そう言って師匠は、視線を鉄達の方へと向ける。

鉄がいる方向には、エギルやクラインのクエスト省かれ組がたむろっていた。いつの間にか、そういうグループみたいなのが出来上がっている。まあ、日本人には良くある流れだ。誰かが言うまでもなく、そういう雰囲気に流されて固まって行くという空気みたいなモノが。

 

「鉄だよ!鉄!!まあ、ノーマルレアのアイテムはステータス画面のストレージに入れても問題ないけど……仮ストレージの中身を確認してたら、一日三回もクエスト出来ないんだぞ!?」

 

「何で一々、確認なんてしてるんですか!?」

 

「ああ!?確認しなきゃ、何で大富豪の好感度が上がったのかわからないだろう!?レアアイテムの種類や傾向とか推察出来ないじゃんか!!」

 

「ああ、成る程……」

 

確かに、最初にそういう事を調べておけば後々楽になるのはとても良くわかる。しかし、これ程苦戦している師匠は初めてだったので少し効率を求めてみては?と、提案したつもりだったが要らぬお世話だったらしい。

 

「そう言えば、師匠今レベルなんぼですか?」

 

「うん?レベル?あー……123だけど?」

 

「ボーナスポイントって、割り振ってます?」

 

「アイテムを持ち歩くのに、STAが高ければ高い程良いって聞いたから……ある程度溜まったら、STAに大きく割り振って、後はSPDやDFに回してるけど?」

 

ああ、普通にそこら辺は弄っているんだ……と俺は感心した。ゲーム世界が、リアル世界になったからステータスを弄らなくても大丈夫とか言う人でもなかったか。

 

「ちゃんと、世界調整もしているぞ?今は、ちょっと放置気味だが……ステータス&ストレージ関連は最優先でヤらせて貰っている」

 

「え???」

 

それは、本当に初耳の話だった。

放置気味とは言っていたが、師匠がこのSAOモドキ世界の調整をしていたなんて……全く、一切、そんな気配すらさせていなかったから完全に予想外。余りに、想定外の話だったので頭を殴られたかの様な衝撃があったぐらいだ。

 

「ゲーム時代のシステムは、一部を残す予定ではあるけどバッサリ切って捨てる。そして、再構築する訳だけど……再構築するシステムは、複重構造にする予定だ」

 

「複重構造……ですか?」

 

「ああ。現在のステータスはそのままに、技術スキルや魔法スキル、技能スキル……それから、パッシブ・アクティブ・エクストラスキルと称号や二つ名・加護と幾つかの機能を追加するつもりだよ。そして、レベルアップによって得られるボーナスポイントも少し手を加える予定だ」

 

「技術スキルや魔法スキルは、今もあるシステムですよね?じゃあ、技能って剣術とかのリアル熟練度ですか?」

 

「その通りだ。術・技に関しては、アクティブなモノとパッシブなモノに分けて……特殊なモノは、エクストラスキルとする。エクストラスキルには、二刀流等が含まれるからキリトが更に強化される事になるんじゃないか?」

 

ただ、その後に師匠は『でも……』と続けて現在存在しているソードスキルを完全なマニュアル技能にするから、今までみたいに何となくで発動するソードスキルとは違うからね?と邪悪な笑みで言い切った。

『完全マニュアル技能』化が、どんなシステムかはわからないけれど……師匠が、あんな風に邪悪に嗤う様子を見ると今までの様なソードスキルとは一線を画している様な気がする。それを見て、やっぱり師匠は鬼畜な思考を持っているんだという事を再確認した。

しかし、『完全マニュアル技能』ってなんぞ?

 

「メリットとデメリットを教えて貰っても?」

 

「ソードスキルは、今のまま残すとしても今までみたいに明確な必殺技という風には見えなくなる。しかも、セミオートで剣筋をトレースしてくれない。今までは、世界のシステムがアシストしてセミオートで剣筋をトレースしてくれていたけれど……今後は、自分で剣を振り回さなければならなくなる訳だ」

 

「つまり、光らなくなって……剣が、自動で動かなくなるって事ですか?」

 

「いや、光るよ?ただ、溜めと硬直と自動追尾がなくなるんだよ?」

 

「えっと……はいぃ?」

 

ソードスキルを使ったら、剣は光るけどセミオートでの動きがなくなる?だけど、ソードスキルを使うのに溜めが必要なく、スキル使用後の硬直もなくなるって事?

それって、デメリット分多目とかないじゃないですか?

一体、何がメリットでデメリットなのか全くわからなかった。

 

「わかんない?じゃあ、今までのソードスキルは本の一瞬だったけれど隙があったんだよ。それが無くなる変わりに、自動で剣筋を再現してくれなくなるんだ」

 

それって、デメリットオンリーじゃん。

 

「え?でも、技が入っている?間はエフェクト的に剣が光るんですよね?」

 

「ウム。それまでは、自動で剣がソードスキルの動きをなぞってくれていたけれど……それが無くなって、そのかわり溜めと硬直がなくなるんだよ」

 

「それ、デメリットオンリーですよね?」

 

「全体的に見ると、デメリットだろうね……」

 

「全体的?いやいや、ソードスキルだけで見てもデメリットだけじゃないですか!!」

 

「えー……良いじゃん。つか、ソードスキルをセミオートにすると調整が難しくなるんだけど……」

 

「そこは、『ソード・アート・オンライン』っていう世界の題名通りにしましょうよ!それが、この世界の醍醐味なんですから!!」

 

師匠は、とても嫌そうな顔をしたけれど……ブツブツ、文句を言いながら仮システムの再構成を再考慮してくれる事を約束してくれた。その後は、パッシブスキルやアクティブスキルについてを論議し、各武器にエクストラスキルを付けて称号や二つ名を決める。その際に、称号や二つ名にも隠し効果を付けて欲しいと鉄が要望して来たのだが……ザックリ返された師匠の返答に鉄は膝を付いた。

 

「じゃ、鉄には『迷子』の称号を与えよう。効果は、『強制ボッチ』で ♪」

 

あからさまな返しに、馬鹿は膝を付いた状態から『orz』となって静かに泣き出した。それでなくても、俺や翼からダメだしを告げられて機嫌が悪いっていうのに調子に乗るからそういう切り返しをされるんだ。全く、御馬鹿さんめ。

まあ、称号や二つ名に効果を付ける案には師匠も乗り気になってくれたのでそのまま称号や二つ名を自動で付与するシステムの構築を師匠は検討してたけれど……それを聞いた俺と翼は、師匠に余り無茶な要望が出せなくなってしまう。

だって、こちらが出す要望が増える度に師匠の仕事が増えて行くのである。ぶっちゃけ、何となく仕事を増やしているだけの様な感じがして気後れしてしまうのだ。

 

「他に、なんか意見はあるかい?」

 

「「いえ、ありません!!」」

 

「遠慮しなくて良いよ?」

 

「じゃ、モンスターが落とすドロップアイテムを完全に運任せにしてくれませんか!?どうも、運以外のモノもあるみたいで……オナシャス!!」

 

「じゃ、君の称号『迷子』に追加効果良い?ドロップ率ダウンを付けといたげる。それと、二つ名には『薄幸の者』で『不運』……いや、『悲運』を付与するよ?」

 

「ーーーキャイン!!」

 

復活した馬鹿は、師匠のキレッキレな返しに仔犬が出す様な悲鳴を上げて再度沈んで行った。だから、機嫌が悪いんだよ!!……もう、本当に学習しない馬鹿だな。

しかし、称号に『迷子』。二つ名に、『薄幸の者』とか割りと鋭く切り込むなぁ(笑)。その上、『ドロップ率ダウン』や『悲運』とか追加効果が残酷過ぎる。

もう、大量の()が生い茂るじゃないか(笑)。

 

「因みに、神崎には……『翼大好き』と『強者』を送ろう」

 

「「ブフッ!!?」」

 

師匠の発言に、思わず飲み掛けていた紅茶を吹き出してしまった。見れば、翼も似た様な感じで口元をハンカチで押さえている。俺は、袖で口元を拭うと師匠に反論を告げようとするのだが……師匠は、全く取り合ってくれなかった。

 

「師匠ぉ!!」

 

「効果は、『翼がとても気になる』と『技能習得率アップ』ね?それで、是非とも未知なスキルをゲットしてくれ!」

 

そ れ 、 称 号 関 係 な い じゃ ん 。

 

ならば、スキルや技能……その他諸々の習得率上昇を付与して貰った方が嬉しい。レベルアップまでの必要経験値が少なくなるとか、スキルアップまでの必要熟練度が少なくなるとか!!それを何で、『翼大好き』にするんですか!?

言ってるじゃないですか!俺は、物語の登場人物達と恋愛する為に転生したんですよ!?それを、何が悲しくて転生者同士で恋愛しなきゃならないんですか!?

止めて欲しい。そういう、噂等で勘違いして貶める様な行為は……俺と翼は、そういう関係では無いんだ。

 

「人間は、自分の感情を一番理解出来ないのだろう?」

 

「それは……そうですが……。でも、俺は断言できます!俺は翼の事なんて……」

 

「お前、翼の事になるとスゲー感情的になるじゃん……」

 

「……………………」

 

まさか……そんな、ハズ無いよね?

そりゃ、完全には把握してないけれど……翼の事が『好き』?いやいやいやいや、そりゃ確かに見た目は綺麗だなぁ……とか、工口いなぁ……とか思う事はあるけれど、恋愛感情なんてモノは抱いていないハズ。

まさかとは思うけれど、師匠の瞳には俺が翼に特別な感情を持っている様に見えているのだろうか?いや、それこそ『まさか』である。ハズ……。

俺は、視線を翼に向けてその姿をジックリ見た。

バッチリ、翼と視線が合った上に絡み合う。

まあ……それも、直ぐに外れて視線は翼の胸元に。

デカイよなぁ……すずかに負けず劣らぬ素晴らしいモノを翼は持っている。スタイルは、ボォン・キュ・ボンを忠実に再現して工口工口だし、顔は女神の顔をそのまま使ったかの様に左右対称。綺麗に整っているから、下手な美少女より美女だし。そりゃ、間違いなく見た目は一級品。

まあ、生前もそこそこのレベルだった。

それに、儚げな様子が相まってちょっとガリガリだったけれど……それが、大和撫子ッポクて俺好みではあったとも。

生前に出会っていれば、確実に恋人……は無理でも知り合いにはなっていただろう。

 

「何よ……ジロジロ見て……」

 

「あー、や、工口いなぁっtグヘラッ!!」

 

最後まで、言い切る前に俺は翼に沈められる。

ちょっとした、冗談だったのに……と悶絶しながら口にするが声に成らず、ただ激痛に悶えながら思うだけと成った。

暴力女め……酷い(泣)。

 

「神崎が、私を好きだなんて絶対有り得ないわ!」

 

「まあ、ただ欲情している変態な気もしなくもないが……僕的には、翼と一緒になってくれた方が楽ではあるんだよね」

 

「なりません」

 

「お前も頑固だねぇ……」

 

「正当な主張です!!」

 

「実際には、《神殺し》に転生した時点で『正当』では無くなっているがな?兄様」

 

「《神殺し》に転生した以上、登場人物との恋愛は二の次で一番は【神】を殺す事なんですけどね。兄様」

 

「ええ!?聞いてないですよ!?」

 

「《神殺し》なんだから、それが大前提じゃないか……」

 

驚く俺に呆れた様子で、師匠達は大前提だとハッキリ断言する。しかし、俺はそんな事一ミリたりとも聞いていない。まあ……ちょっと考えれば、直ぐにわかった事だったけれど……聞いていないんだから、俺は登場人物との恋愛を優先する。今、教えたと言われても優先事項は変えないからな!?絶対、変えないからな!!

 

「考えなしですね。兄様」

 

「端末見なかったのか?兄様」

 

「…………意固地になられても面倒だ。《神殺し》の職務を全うするなら恋愛くらいは見て見ぬ振りをするぞ?」

 

「マジで!?」

 

「そう言いつつ、恋愛が成就しそうになったら《時渡り》をするんですね?流石です、Master!」

 

「最高の嫌がらせだな(笑)。ああ、記憶と感情は別物という扱いになっているから……再度、恋愛するとなると微妙に食い違ったモノになるぞ?兄様」

 

ここで、まさかの上げ落としですか!?

 

「あ!そうだった。だから、第一世界のアリシア達は記憶を失わなかったのか。恋愛感情と記憶が、強く結び付き連動していたから……。ん?て事は、プレシアも?」

 

「はい?」

 

えっと、何の話ですか?

唐突に師匠は、話の流れをブッタギリ全く違う事を言い出した。何の脈略も無かったので、少し混乱してしまう。

第一世界って、俺が二度目の生を受けたところですよね?

その世界のアリシアとプレシアがどうしたんですか?

 

「いやぁ……あの世界のアリシアが、俺の記憶を失わなかっただろう?その理由が、今になってわかったんだよ」

 

「はあ、そうッスか……まあ、俺は気にしないですが……」

 

「……まあ、お前は翼を助けれたから気にしないだろうとは思ってたよ。翼、アリシアよりも大事だもんな?」

 

「アリシアの方が、超気になります!!」

 

「あー、はいはい。今のお前には、全然気にならないよなぁ?翼大好きだもんなぁ?」

 

「ちょ、師匠!アリシアの事、教えて下さいよ!」

 

「断る。気にならないんだろ?知る必要はないよ(笑)」

 

「ちょ、師匠ぉ!!」

 

「Masterの手の平の上ですね。兄様」

 

「転がされまくっているな?兄様」

 

「転がされてねぇよ!!」(怒)

 

完全に師匠の手の平の上で転がされていたが、それを認めるのも癪なので断固否定しておく。『意固地になっている』と言われても、『成ってない』と即否定して視線を外へと向けた。視線の先で、何か赤いモノが見えた気がしたけれど、イライラの方が強くて完全黙秘状態で黙り込んだ。

 

「あーあ、拗ねちゃった(笑)」

 

「仕方がありません。素直でない兄様がイケないのです」

 

「兄様が、素直になれば我々も姉様を『姉様』と呼べるのだが……」

 

「ちょ!?姉様だなんて呼ばないでよ!?」

 

「「呼びたいです(笑)」」

 

「ドンドン進化するなぁ……」

 

「どんな進化よ!?」

 

俺に絡んでいた師匠とリリィ達は、今度は翼に絡んで行ってくれたので俺はホッとする。これ以上、翼の事でからかわれたりするのはゴメンだった。だって、自分の預り知らぬ所の話をされても気まずいだけである。

とりあえず、翼の事と自分の心については棚上げしておく事にして、俺は目の前にブラ下がっている現実を真剣に考える事にした。つーか、どうしたら良いですか?

ツゥ……と、背中を冷たい汗が流れて行く。

目の前に、突如出現した災いにどう対応したら良いのか……いや、何をどうすれば回避出来るのか?と苦考するしか出来ない。余りの衝撃に、頭は動くけど肉体が付いていかないのだ。ーーーヤバイ……血の雨が降るかもしんない。

流石に、巻き添えにされたくないので出来る事なら回避しておきたいのだが……この状況では、逃げるに逃げられなかった。てか、条件その一、巻き込まれたら死にます。

『森の家』に裏口ってあったっけ?

あー、ありませんよね……フッ、詰んだ!超、詰んでる!

いや、窓!裏の窓からなら、逃げ出す事が可能だよ!!

サックリ、方針が決まったので立ち上がろうとしたら、それよりも早くドバン!と扉が勢い良く開きヤツが……ヤツが中に入って来た。

 

「来ちゃった♪」

 

そう言って、中に入って来たのは紅い髪を後光で更に鮮やかにした【鮮血の小悪魔】さん。瞬間、大騒ぎしていた師匠達を含む全員が沈黙。数秒後、師匠が告げた一言で【鮮血の】さん含む全員が疑問の声を上げた。

 

「……………………よし、インプ領を攻めよう!!」

 

「「「「「「「「は!?」」」」」」」」

 

 

 

 

 




おっさん攻略……全く、たぎらない。これが、絶世の美女とかならやる気出るのに……小太りで、ちみこいバーコードなおっさんを攻略とか……やる気出ねぇわ……。(何度でも言います)
さて、どうです?クエスト編。かなりの難易度のお話でしょう?かなり、煮詰めて成熟させてあるので中々面白くなっているんじゃないかなぁー?と思ってます。まあ、明言はしませんが……。ぶっちゃけ、手探りな上に大富豪の好感度が上がりにくくて下がりやすいなんて鬼な設定なので、とても難易度が高く感じる様になってます。これの攻略方としては、何も考えずただひたすらアイテムを採取しまくれば良いだけのクエストだったりするんですけどね。ただ、それをした場合は何がどんな風に大富豪に影響を及ぼすのか判らず仕舞いですが(笑)。なので、双夜は手に入ったアイテムを一つ一つ確認して回っていた訳です。その結果は、本文にあった通り。
大富豪の好感度が、マイナスで前後している訳。
こういう苦戦は、どんなチート話にもありますからテンプレになるのかな?まあ、プレイヤーがおっさん攻略って話は見た事がないので斬新ではあるのかねぇ?

そして、「来ちゃった♥」。
組織で、暇してたから判っていた人は判っていたと思いますが……鮮血の小悪魔です(笑)。どっかの読者が、感想で草を大量に生やしていそうですが……鮮血の小悪魔、出現です。
そして、漸く転生者に占拠されたシルフ・サラマンダー・ケット・シー領以外の攻略をします。
先ずは、近場のインプ領から。【鮮血の】という戦力が、来たので占拠された領土も解放して行かないと……(笑)。と思った訳ですよ。まあ、元よりこの世界の攻略は双夜と『鮮血の』ともう数人でやらせる予定だったモノで……。
ただ、地図を見て何処から解放するかで迷ってはいたけれど。流石にプーカ領は要らないという結論が出たのでインプ領から攻略していければ良いなぁと考えてるよ(笑)。まだ、四都市しか解放して無いからねぇ……他の町や都市が、どうなっているのかもちゃんと伝えなきゃね?今のところ、復興のみで忙しいシルフ領以外の都市は転生者との小競り合いをしつつの防衛戦復興だから大変だったりする。
因みに、アルンに展開された結界の効果で世界樹がある中央区には空からの侵入が不可という状態ではあるんだけどね?
なので、アルンに行きたければ回廊を通ってたどり着く必要があるんだけど……ルグルー回廊の反対側は……秘密(笑)。
プーカ領とインプ領が、ケット・シー領とインプ領からの攻撃を受けている感じ。まあ、そこにいるのは転生者達だから仕方がない。今のところ、安全が保証されているのはアルンとシルフ領だけだから。サラマンダーか、ケット・シーのどちらかが負けたらアルンのみとなります。
ああ、後……シルフ領方面からアルンに行くのにルグルー回廊を抜ける必要はありません。何故なら、アルンを取り囲んでいた山脈の一部がブチ壊されているので普通に飛んで入れます(笑)。まあ、世界樹の上空領域はグルッと囲んでいる山脈を点で結んで大気圏を突き抜けたところ辺りまでドーム状(円錐かな?)に結界が展開されていたりするんですけどね。
その内、そのブチ壊された道筋に拠点でも造れば転生者の侵入を防げるんだけど……中々、難しいんですよね。その内、暇があれば……いや、【鮮血の】が来たんだから奴に作らせれば良いのか!!

誤字・方言あれば報告をお願いします。
m(_ _)m

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いつも、読んでくれる方々に感謝を……。

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