絶望を払う者~狂気の神々vs愉快で〇〇な仲間達~ 作:葉月華杏
Re:
二日目……というか、三日目?
一日三回までの内、受けられたクエスト回数は二回。
退治した魔物数は、暇なバトルジャンキーが数えてくれていたので一万程だという事がわかっている。
というか…… 手 伝 え よ !!
前回のクエストで、モンスタードロップアイテムは大富豪の好感度を動かせない事がわかっているので、採取等を中心にダンジョン内をくまなく探索。それによって、回収出来たレア(R)アイテムはラグーラビットを含め僅か2個程だ。それらによって、大富豪の好感度はプラス3程上がっていた。ラグーラビットで、プラス2だったのでRアイテム系が大富豪の好感度を上下させるキーアイテムだという結論が得られた事になる。
しかし、探索を中心にすると午後から暗くなるまでのクエストでは、そう何度も受けられない事が判明した。時間的に、周回が不可能なのである。
その上、夜中の探索は基本的に禁止されていて時間が来ると強制転移で引き戻されてしまう。
「無理。三回も受けられない。まあ、大富豪の好感度は1クエスト毎に変化するみたいだから良いけど……」
大富豪の好感度が、一日三回のクエスト全部で上がるタイプでなかった事が唯一の救いだ。あれだけ苦労して、1ポイントも好感度が上がってなかったらSLBを解放されてないALOの主要都市に叩き込む事態になっていただろう。
もう、それくらいのストレスレベルに至っていた。
「死ねる……」
森の家に戻ると、誰も居なかった。
そう言えば、『すずか』に会いに行くと言っていたので今はアルンにいるのだろう。何となく、逃げられた様な気がしたが……多分、気のせいだろうという事にして俺は秘密基地の方に戻りその日は終了した。
……………………。
翌日の四日目。
受けたクエスト回数は、二回。
退治した、魔物数は一万前後。
今回は、その一万の中にレアモンスターが居た。
しかし、アイテムをドロップしなかったので倒しただけである。イラッと来た俺は、《魔物寄せの香》を使った上に等価交換の魔法を使ってRモンスターを量産。
そいつが、アイテムをドロップするまで戦い続けた。
その甲斐あって、アイテムをドロップしたのだが……既に持っている武器となったので仮ストレージの肥やしとした。
ああ、『仮ストレージ』ってのは大富豪クエストで支給される袋の事。後で、大富豪に返す特殊アイテム。魔改造して、無限にアイテムを入れられる様にしたいけど我慢。
チ ク シ ョ ウ !!
因みに、普通に出てくるモンスターがドロップするアイテムは基本邪魔なので放置。しかし、モッタイナイ事に変わりがないのである程度大富豪の好感度が多くなって来たら幾つか思い付いた方法を試してみたいところ。
例えば、ゲームの名残であるストレージ(アイテムBOX)に放置するしかないドロップアイテム郡を入れてみたりとか。ストレージ入りで、屈巣ねたと判断されるのなら神崎の四次元ポケットに突っ込んでみるとか。もしくは、自分の武器庫に突っ込んでみるとか……色々。それなら、放置するしかないドロップアイテムを全て持ち帰れる。
前回、大金を翼に渡したらアリシャやサクヤに凄く喜ばれたので、もう一回くらいは貢いでも良いかもしれない。
スイルベーンに至っては、一度空いてしまった大穴を埋めて下水道を作りつつの復興なので時間が掛かっている。
ケット・シー領の方は、もう大方片付いたそうなので後は防衛網を作れば終了らしい。まあ、常に警戒中なので特殊な結界を施してあるけれどまだまだ不十分だ。
「何はともあれ、先ずはスイルベーンの復興からだ」
大富豪好感度…… +12。
……………………。
五日目。
今回は、チョコットくすねてみようと思います。
大富豪の好感度も、プラス十二程あるのでちょっと減ったところでまた稼げば良いだけだ。Rアイテムの有無で、大富豪の好感度が上下するとわかった今マイナス分を調べるべきだと考える。まあ、ちょっとくらいならOKと言われているのだから問題はないだろう……と、手に入れたレアアイテムを【真実の瞳】で視たらーーーマイナス200と表示されていた。
「……………………これは、うん」
また、今度にしよう。
流石に、マイナス188からの再スタートは勘弁願いたい。というか、『エリュシデータ』という黒い直剣が何故マイナス200!?いったい、どんな性能なのかとタップして見てみれば【不壊】が付いていた。成る程、耐久値無限なのがマイナス200の理由らしい。
「フムフム。武器系は、なかなかどうして厳しいモノがあるよね。てか、レア武器怖ぇ……」
恐怖の武器をアイテム袋に入れて、次のRアイテムを探索する。探索する内、またもや『エリュシデータ』を落としたのと似た様なモンスターが現れた。だから、嫌な予感はあったんだよ。さっきが、さっきだったからさ。
そして、またもやマイナス200規模の武器が手に入った。その名も、『ランベントライト』。細身の直剣……レイピア?だ。もちろん、【不壊】のスキルが付いている。
「……………………死ねと?」
とりあえず、これらをくすねたらちょっと目に余るだけでは居られないので諦める事にする。それに、大富豪にこれらを渡したらどれ程好感度が上がるのかも気になったのでそのまま渡す事にした。はてさて、何処まで好感度を得られるかな?その日は、時間も差し迫っていたので切り上げて意気揚々と大富豪の元へ戻って行った。
その結果、大富豪の好感度がプラス400された事は喜ばしい事ではあったのだけど。何故か、『エリュシデータ』と『ランベントライト』が、俺の手元に戻ってきたというか何と言うか。今後の活躍を期待されて、『賜り物』として二本の剣は俺に渡された。
「これ、もしかして原作に関わるモノなのか?」
他のアイテム群と、扱いが違う様な気がして少し気が引ける。後で、神崎に『確認しなければならないモノ』とされたが……キリトの二刀流を真似て、自分の背中に二本背負う事にした。まあ、森の家でキリト達に見付かるまでの話だったけれど(笑)。なんでも、思い出の品だから譲って欲しいと頼まれて泣く泣く渡した。なんて……本当は、リズ姉に作って貰った剣があるので全然問題無かった訳だけど。
断然、リズ姉が作ってくれた自分用の武器の方が嬉しかったので、その二本はアッサリキリト達の手に渡された。
大富豪好感度、+412。
……………………。
六日目。
受けたクエスト回数は、二回。
退治した魔物数は、2000程。
回収したアイテム、20個。
今回は、とても少なかったけれど……まずまずの収入だ。
だけど、大富豪の好感度412だぜ!等と調子に乗ってたら折角手に入れたR食材を無駄にして大富豪の好感度がマイナス38になった(笑)。
落ちてダメになっても、使用ないし窃盗扱いになるもよう。このクエスト、シビア過ぎませんか?
「解せぬ……」
R武具二本で、プラス400に対してR食材一つでマイナス450とはこれ如何に!?もしかして、武具やアイテムよりも食材関連の方が大富豪の好感度を左右するとでも言うのか!?高々、食材くらいでそんなーーー。
「………………いや、待て……」
そうか……だから、
あり余る財を成し上げ、ありとあらゆる贅沢を尽くした者が、今度は希少価値の食材で舌を打とうとしているという訳だ。あり余る財がある故に、武具やアイテム等はそれなりの財を積み上げれば手に入る。それ故に、手に入り難い食材を土地事手に入れはしたもののモンスターが強くて欲しているモノが手に入らなかった。冒険者を雇っても、手に入るモノが珍しく奪われるだけで自分の元には届いて来ない。
幾ら待っても、大枚を叩いても望むモノが手に入らなかったとすればあの用心深さも納得が行く。
ついでに、使用や窃盗に敏感なのも……ワザとでない紛失による反応も。
「これは、アレだな。すぅ……鉄のバカヤロウ!!」
何もかも、前任者共のせいじゃないか!!糞面倒臭い!!
「止めだ!止めだ!!明日は、休む!7日間も丸っと働いていられるか!!アホらしいもない!!」
もう一回受けて、俺は細々と紛失させてしまったプラス400ポイントを取り戻すべくR食材探してダンジョン内をウロウロ。武具やアイテムは、R系以外は邪魔なので捨てて食材を中心に集めて回ったが……一回目以上の成果は得られなかった。全く、本当に惜しい事をしたモノだ。
アレさえ、駄目にしていなければ今頃更なる先へ進めていたはずなのに……運命とは残酷な。段々、腹が立って来たので強制転移で引き戻されるまで捜索した。
それでも、目当てのモノは手に入らず、大富豪の好感度はマイナスのままその日は終了。
一応、大富豪の好感度はマイナス29まで回復。
休日を挟んで、マイナス29からの再スタートです。
「……………………ヤってられない……」
こうなったら、鉄達に八つ当たりしかない。
そうでもしなければ、煮え繰り返った腹の虫が治まらない。八つ裂きだぜチクショウ!!と愚痴りながら俺は森の家へと出向いて秘密基地を確認。なのに、影も形もないので
『まだ』アルンにいるのかと転移魔法で跳んだ。
その後、『悪い子はいねぇがあぁぁ!?』と叫びつつ、アルン内を練り歩いて転生者達を怯えさせ……警備隊所属となっていた原作のモブさん達に捕まり、詰め所でカツ丼を御馳走になりつつ管を巻いていた。
「まあ、良くある事だよ……」
「でも、前任者がちゃんとしてたら後任が苦労する事はないだろう!?」
「あー、まあ……確かに……」
「無責任なんだよ!前任がやらかしたら、後任が困るなんて当たり前の話だろう!?なんで、アイツ等の尻拭いを僕がヤらなきゃならないんだ!?」
「ドウドウ……気持ちはわかるが、だからと言って関係ない者達を巻き込むのは駄目だろう?」
「関係なくない!そもそも、あのダンジョンとクエストを持ち込んだのは転生者であって、元からあったモノじゃ無いんだよぉ!!」
……ング、ング。
「あー……それは……フム。確かに、転生者達も責任があるだろうが……えっと、どうしたら良いものか……」
モグモグ。
「おい。注意する側が、説得されてどうするんだよ!?」
「あ、お茶どうも」←w
「だが、言ってる事はとても理解出来るんだぞ?」
ガツガツ。
「あー、そりゃそうなんだが……」
ゴキュ……ゴキュ。
「……つーか、難し過ぎる案件だな……」
ハムハム。
「「「デスヨネー……」」」
「ゴチソウサマー」←w
その後、身柄引き受け人としてキリト達がやって来てくれて、俺はグチグチ文句を言う鉄達と合流した。
大富豪の好感度、-29
……………………。
休日を挟んだ、翌八日目。
受けたクエスト回数は、一回。
退治した魔物数は、20000前後。
うっかり、《魔物寄せの香》と同等のトラップを踏んでしまってモンスターパニックとなってしまった。というか、トラップによって召喚された魔物達自身も大混乱状態で、バタバタしている内に魔物がトラップを再発動。
それにより、追加に次ぐ追加で周囲はパニック状態。
これが、ゲームであったならば意識が統一されているから差程大きな混乱はなかったハズなんだけど。最近は、魔物に自我というか本能というか……良くわからない意思の様なモノが生まれて、それぞれの活動や行動をする様になっていた。それが、今回の様な悪循環を生み出してしまう。
モンスターパニックーー魔物自体が、唐突に別の場所に飛ばされた事によって大混乱状態となり無差別に暴れる事ーーが、起こる様になってしまった訳だ。
全く持って、ウザったい。
これが、人間共の勢力争いとかだったら超簡単。
見た目は人間だけど、中身は不老不死の怪物な使い魔達で命を捨て駒にガンガン調べられるから。見た目を変えれて、対象の記憶から思想までコピー出来る奴等が、入れ替わり立ち代わり中枢まで入り込んで情報収集するからとっても便利。相手が気が付いた時には、手の内の者全てが使い魔と入れ替わってたなんて良くある事だ。実際、とある世界のとある国にある王城の使用人から一部の幹部までこちら側に入れ替えた事があったし。楽勝で、陥落させましたとも(笑)。というか、誰にも気が付かれなかった事実に大爆笑モノだった。
表はわかるとしても、裏は気が付かないとヤバイでしょ!?おかげで、とても楽だったけど。
そもそも、《神殺し》である俺が何でそんな事をする事になったかというと……全ては、その世界を管理していた馬鹿のせいである。
俺が降り立った時から、約300年程昔にそれはそれは心優しく純粋なお姫様がいた。そのお姫様は、見た目もよろしく多くの人々に愛されていたと馬鹿はノロケやがって、一瞬さっさと殺してやろうかと思った程だ。ノロケんな糞が!
それで、管理者がそのお姫様を一目で気に入って天空に城を浮かべ召し上げたらしい。ついでに、加護も与えたというからその寵愛振りは語るまでもないだろう。
だが、それがイケなかった。その寵愛が元で、そのお姫様は増長しまくったのだ。それはもう、純粋で慈しみに溢れていたお姫様が、ドス黒い欲望の亡者となるまでそれ程時間は掛からなかったらしい。そりゃ、『花よ、花よ……』と育てられた娘が天空の城に隔離されて、豪華な生活から質素な生活に変わってしまったら欲望にまみれても仕方がないというモノ。『神に召された』と言っても、世界が手に入るでもなく、乙女の欲望を満たせる訳でもなく……管理者がそれに気が付いた時には、寵愛を注いでいたお姫様に封印されていたそうな。そして、お姫様は自ら女神を名乗り人々の信仰を己へと向けられる工作をしていたんだと。
「俗にいう、寝とられですね(笑)。あ、乗っ取りか?」
しかし、『神格』を持たないお姫様では信仰を力に変える事が出来ず、管理者の加護の力が弱まる度に《勇者召喚》を使って神の加護を得た異世界人を召喚していたのだ。
呼び出された勇者達は、その身に宿らされた加護の力を抽出された後ゴミの様に捨てられたという。
因みに、神の加護力を抽出するとその人物が持つ命も一緒に抽出されるのでその後の勇者に命はない。つまり、加護の力を抽出された勇者は言葉通りの絞りカスとなって捨てられた訳だ。ぶっちゃけ、異世界に取ってもその世界に取っても大問題の話である。前にも説明したと思うけど……人間一人を異世界に召喚させる際、世界間で担保のやり取りがあるのは覚えているだろうか?召喚する側の世界が、召喚される側の世界に大量の命を預けて、その代わりに人材(勇者)を派遣して貰うというモノである。当然、人材を還せなかった世界は担保である命を回収出来ない訳で……自己の欲望の為に、加護を得ようと大量の人材を召喚し殺す世界(女神)は、その世界が世界である為の命を保てるだけの力を失い続けた。
その結果、世界のバランスは崩れ崩壊が始まった所で俺達の元に依頼が飛び込んできた訳だ。
それで、俺は召喚された勇者達に紛れて侵入した訳だけど……加護を持たないからと放逐されたので、城を乗っ取って断罪の場を整えたという訳。
いや、全く……女の欲望ってのは恐ろしいモノである。
神の加護で、不老を手にしたらそれを維持する為に異世界にまで手を伸ばす。加護を手に入れたいが為に、異世界人とはいえ平気で人を手に掛ける。
不老だけでなく、不死まで望んだ上に金品や財宝まで求め出し、きらびやかな衣服を望んで食べきれぬ程の食材をかき集め、アレよコレよと世界中の財を求め続けた。
その結果、管理者の神格は薄れて世界の命のバランスは崩れ、世界そのモノが悲鳴を上げて《神殺し》にすがり付くという状況を作り出す。正に、神をも恐れぬ行為である。
もちろん、サクッと断罪して斬り捨てましたとも。
神に至っては、職務放棄と神格の減少による降格で心を奪い天兵へと身を落とさせれば、二度と管理者の位には着けないと嘆きの声を上げていた。
「後悔先に立たず……か。恋なんて、しなければ良かった、と……禁忌なんだよ。そもそも、神様と人間の恋愛は……」
誰だって、自分を【特別視】したいんだ。その中でも特に、力や能力を持って無い者ほどそれは顕著だろう。
選民意識と、自分は特別なのだ!という優越感がもたらす精神の変革なぞ、増長しやすい者ほど暴走しやすいというのに……初期が、純粋でお優しいから等と組み上げるとか正気を疑う行為である。これが、《神殺し》だったら納得するけど世界の管理者である【神】がやるのは頂けない。
《神殺し》ならと言ったけれど、奴等の場合は
それが出来ない者は、そもそも【欲望の化身】である人間を拾い上げるモノではない。
「元より、そういう生物だろうに…………」
さて、過去の話はこの辺でR食材はないけれどマイナス分は今日で脱却して見せる!!そう意気込んで、俺は大富豪が待つ豪邸へと強制転移で引き戻されるのだった。
回収したアイテム、R武具4・R道具3・R食材0。
大富豪の好感度、マイナス2。
チ ク シ ョ ウ !!
……………………。
九日目。
受けられたクエスト回数、三回。
退治した魔物数、2000前後。
今回は、前回までに判明した採取ポイントを中心にしてスピーディーに回ってみた。それにより、何とかギリギリで回り切り……成果は、確認出来なかったけれどまあまあの結果を出せた。もう少し、余裕を持ちたいのでやっぱり一日二回が限界だろうと再確認する。それによって、マイナスだった大富豪の好感度はプラスに戻り……だけど、まだ一桁台で最も高かった時にはまだまだ届かない。
ここら辺で、ズバッと引き上がるRアイテムでも出ないかと祈る様な気持ちで戦闘を続けていた訳だけど……『急がば回れ』とも言うので、泣く泣くチマチマと好感度を稼いでいく。……稼いでいくんだけど、一回のクエストでは大富豪の好感度を大体0~5前後くらいしか上げられない。
通しでやった時は、まだそれ程多くはないけれど0~30前後程上がっていた。俺式採取では、一回のクエストで大間かに0~15前後で上昇。それが二回だから、結局30前後で変わりは無いという結論だった。
大富豪の好感度、+9。
……………………。
十日目。
クエスト回数、二回。
退治した魔物数、500前後。
回収したアイテム、25個。
戦闘回数も少なければ、回収出来たアイテムも少ない……だけれど、【ウルトラR卵】を発見する。というか、『ウルトラ』とは何ぞや?確か、転生者によって追加されたレアレベルだったか?
通常レア度の『ノーマル』。
それの一つ上『レア』。
更に上の『スーパーレア』。
そして、最大の『レジェンドレア(LR)』が確認されていた。ここまでが、元より『ソードアートオンライン』というゲームにあったレア度。
そこへ追加されたレア度が、『SR』の上に『ウルトラレア(UR)』と『グレートレア(GR)』。それから、『LR』の上に『ファンタズマレア(FR)』。更にその上に、『ゴッドレア(GOD)』が追加されている。
つまり、『SR』の上に位置するレア度ですか?
しかも、『
「え?来、た?え?マジで!?」
ササッと、大富豪が用意してくれている袋にそれを突っ込んで降された幸運に声になら無い喜びの声を上げる。
見た目は、虹色の卵。何故か、三つの星が浮かんでいて……その内、一つがキラキラと輝いている。
つまり?……一つ星?って事?
「えっと……」
当然、三つ星が一番良いって事だよな?
それが、一つ星って事?
「……………………比較対象が欲しい……」
何はともあれ、比較対象がなければ判断が付かないのでもう一つ位無いかなぁ?と探して回る。それで無ければ、等価交換の魔法を多用してでもかき集めるまで。
方針も決まったので、俺は『UR卵』を見付けるべくダンジョン内をくまなく探し回った。
しかし、幾ら探せど虹色の卵なぞ見付からない。
やはり、等価交換の魔法を使うしか無いかなぁ?と考え始めた所で強制転移で引き摺り戻された。
そして、向かえた運命の瞬間。
大富豪の好感度は……何故か、400に届かなかった。
星ッスか?星が一つだったから、400にも届かなかったんッスか?ねえ、星が原因何ですか!?
聞きたい事は山程。しかし、彼等は何も語らずクエストが終わったなら帰れと言わんばかりに追い出される。
「くっ……」
ぶっちゃけ、何もわからないまま俺は負け犬の様に大富豪邸を後にする。だが、それでも僅かばかりの情報がそれらを裏付けてくれるので気分は最低ではない。
だが、楽しくも嬉しくもなかった。
「いつか、デレさせてやる!!」
とりあえず、明日は虹色の卵の星三つを求めてウロウロするつもりだ。もう、四の五の言っている暇もないので今まで溜め込んだ【徳】を散財するかの様に使ってかき集めてやる!!そう、心に誓って俺は秘密基地へと戻って行った。
大富豪の好感度、+389。
〇大富豪についてわかってる事。
第10階層にいる。
町や村から離れた場所にある豪邸に住んでいる。
特殊なダンジョンの入り口に陣取って冒険者を待ち構えている。しかも、とても疑り深い人物で冒険者を信用していない。多分、前任者達と鉄達のせい。
レアアイテム以上の納品で好感度が上昇する。
武具や道具よりも、食材の方が上がりやすい。
好感度の最大値は、『100』ではない。『400』以上になった事から『1000』位か……それ以上と予想される。
武具・道具の好感度上昇率はそこそこ1~???。
食材の好感度上昇率は、かなり高く設定されていてモノによっては一度で『400』を超えるモノがあると思われる。
『UR』の一つ星で『350』程上昇。それ以上だったら……はてさて、いったい如何程のモノになるか……予測不可能。
大富豪は、最終的にデレます(笑)。
小太りのおじさんだけど(笑)。頭は、バーコード♪
後ろで控えている執事はフサフサなのにねぇ?
育毛剤『GR』とか出て来たら、双夜は更に混乱するんだろうなぁ……(笑)(笑)。まさか、コレ?コレが目的なの!?って(笑)。正に、パルプンテのクエストだからなぁ……出てくるモノは、武具・道具・素材・食材限定だけど。
まだ、序ノ口なんだよ?(笑)。先ずは、大富豪をデレさせるのが一段階目。それからじゃないと、食材を屈巣ねる事は死を意味するのだよ!!フハハハハ!!
今のところ、報酬はお金とドロップ・採取アイテムだけ。
その他は無し。本当は、『その他』がメインなんだけどねぇ……まあ、双夜に取っては難易度が低くなっているけど、戦闘も含めれば一日三回中一回が限度なんだよね。
推定攻略レベルは、80前後。もしくは、それ以上。
出て来るモンスターは、一メートル大のエリマキトカゲ。
モンスター分類は、ドラゴン種。
HPが、大体一万~三万前後。
MPは千位前後。
TPが二千前後。
ATが二千前後。
DF~が二千前後。
SPDが千前後。
MATが五百前後。
MDF三千前後。
LUKが百前後。
完全な防御特化の脳筋タイプ。目安としては、キリト達がそこそこ苦戦する中ボスレベルのモンスターと思って貰えばOK。双夜みたいに、ポンポン退治出来ないから(笑)。キリト達が、モンスターパニックに遭遇したら差程掛からずに全滅するレベル。つーか、モンスターパニックは絶滅トラップだから!双夜で、楽勝(笑)だけれど。
因みに、報酬の金額は大体300万ユルド~500万ユルド。
過去最大だと、1500万ユルドだろうか?それを、翼が受け取って復興の足しにしてたアレね。
萎えるわぁ……おっさん攻略とか。
全く、たぎらねぇわぁ……。
小太りのバーコードなおっさん攻略……。
誤字・方言あれば報告をお願いします。
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感想もあれば、お願いします!
いつも、読んでくれる方々に感謝を……。