絶望を払う者~狂気の神々vs愉快で〇〇な仲間達~   作:葉月華杏

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ネタ無くても、書いてたら絞り出てくる辺り、ネタまみれな件。

書き始めは、どうするかなぁ……って、思ってるの。
で、最初の数行を書くとザックリ書き切っちゃうんだよね。これ、ネタが無いんじゃ無くてありすぎて呆然としてるのかなぁ……?

まだ、1日目?


十二話

双夜

 

 

 

「あ!そういえば、踏み台君!」

 

 

「…………」(泣)

 

 

バタッと神崎が、白目を剥いて涙を流しながら倒れた。

先程まで、名前で呼んでいたから認めて貰えたと勘違いしていたらしい。

 

 

「値切りみたいな真似するから……踏み台君に降格するんだよ……」

 

 

「…………」(号泣)

 

 

踏み台君、号泣しながら頭を抱え悶絶。「なんてバカな事をーー」と呻いているので、後悔しているらしい。

 

 

「ちょいと気になったんだけど……霧島は、ループしてた?」

 

 

「あー……そうッスねぇ……してたんじゃ無いですか?今回は、余り仲良く出来なかったので師匠の悪戯が影響を及ぼしていたんじゃ無いかと……」

 

 

「ああ。フェイトちゃん達で、霧島を煽った時の話かぁ……じゃあ、変わった事無かった?」

 

 

詰まる所、霧島君は踏み台が将来的にモテモテになると勘違いしたまま、ループ現象に巻き込まれた訳だ。

どんな感情を得たのだろうか?

この踏み台君と同じ様に、やり直しの機会として考えていたら厄介な話だ。

 

 

「…………………………………………すずか、さんとお付き合いしているみたいッスね!!」

 

 

「ああ!?」

 

 

「ひぃっ!!!」

 

 

うっかり、踏み台君の答えにドスの入った声で返事をしてしまった。物凄い、勢いでビビる踏み台君。

仕方が無いので、優しく接しようと思ったが……しかし、自分が思っているような行動は出来なかった。

ガッ!と肩を掴み、グィッと引き寄せて鋭い目付きで睨む。

 

 

「お前、僕がすずかママを親認識しているのわかってて、変態の手管に堕ちる様を眺めていたのか?」

 

 

「ひいぃぃ……ご、ごめんなさいっ!!」

 

 

「まさかとは思うが、自分の恋愛にうつつを抜かして見てみぬ振りをしていたのか?」

 

 

「そ、そんなことは……ま、全く、ありません!ほ、本当に突然だったんです!!何の予兆も脈絡もなかったのに、突然『恋人になりましたー』って!!」

 

 

「…………おい、それって……」

 

 

「へ?」

 

 

「魅了系レアスキル・ニコポ・ナデポ?」

 

 

「……………………あ!」

 

 

ーーこいつ、忘れていやがったな……?

 

 

その反応で、霧島の転生特典が一つ明らかになった。

即ち、すずかママは魅了されたのだろう。

防御術式をアレンジして、ガシッ!と踏み台の頭を掴む。

ギリギリまで近付けて、ギロリと睨み付ける。

 

 

「おい、アイツはどんな風にママ達に接していたんだ?」

 

 

「はい!え、えっと……」

 

 

「思い出せ!今、すぐに!!」

 

 

「ちょぉ、ええか?」

 

 

「ああ!?取り込み中だよ!!」

 

 

「ああ、うん。それは、わかっとんのやけど……魅了系レアスキルって何の話?それに、すずかちゃんの変貌にも関係しとんのやろ?」

 

 

ぶっちゃけ、いるけど空気扱いして放置していた八神はやてが割り込んできた。ハッキリ言って、おふざけや悪戯以外でコイツらとお話したくないんだよなぁ……。

フェイトちゃんや戦闘狂、シャマル先生は別としてその他の方々は、部屋の隅で大人しくしていて欲しい。

 

 

「霧島が……神崎もか……魅了系レアスキル持ちだったんだよ。神崎の方は、俺が前回のTAKE1でスキルブレイクしたけど……霧島の方は、放置しちゃったんだよ……で、霧島も人生のやり直しーーつまり、TAKE2を体験しているわけだ。神崎はTAKE2で、なのはママの心をGETしたみたいだけど上書き現象で、恋人話が白紙になっちゃった♪って感じだ」

 

 

「ちょ、師匠!それじゃあ、レアスキルでなのは、さんをタブらかしたみたいじゃないですか!!ちゃんと、頑張って恋人になったんですよ!?」

 

 

「……わかってるよ。ちゃんと、スキルブレイクしたって言ったじゃないか!だいたい、ループ現象と上書き現象が同時に多発してるんだよ?その原因だってわかってないのに……これ以上、ややこしくしないで欲しいかな?」

 

 

「ループ現象……上書き現象……まあ、言いたいことはわかるよ?せやけど、すずかちゃんの変貌ぷりは異常や!」

 

 

八神はやての話では、何の前触れも無くすずかママは霧島にベッタリ状態になったらしい。それまでは、霧島の態度に嫌悪感を露にしていたということだった。

霧島は、彼女達やその友人に『嫁』とか『モブ』とか言っているらしい。

 

 

「TAKE1の神崎みたいだ……」

 

 

「すいません!ごめんなさい!!」

 

 

「……口先だけの、厨ニ病君だね?」

 

 

「マジ、勘弁してくださいッ!!」

 

 

「すずかママの変貌かぁ……刷り込み系の魅了だったのかな?理由は不明だけど、神崎の《ニコポ・ナデポ》と連動していたのかな?神崎の方の《ニコポ・ナデポ》が無くなったから、霧島のスキルが正常に動くようになったとか……」

 

 

「……アレッスか?似た様なレアスキルが、同時に存在すると機能不全を起こすみたいな?」

 

 

「多分、そうだったのかもな……」

 

 

そこら辺は、憶測でしか語れない。

 

 

「何につけ込んだのかはわからないが、割り込んで精神に干渉。自分の都合の良いように上書きしたんだろう……?」

 

 

「最低なヤツですね!」

 

 

「お前が言うなや!そもそもーーーああっ!!」

 

 

「うわっ!?ど、どうしたんッスか!?そんな大声を上げて……?」

 

 

割り込んで、干渉。都合上で上書き……。

そうか!そういうことか!!

 

 

「このループ現象……僕の能力だ……」

 

 

「はあ?」

 

 

「そうだ……そうだった……割り込みかけて、時間を切り捨てたんだ。干渉した時間だけでなく、それ以上の時間を……んで、必要な人に必要なだけ上書き……かぁ……」

 

 

《ルール・ブレイカー》の使用条件に抵触してる。

使用条件……歴史改竄に関して。

・結果が出ていること。

・干渉した時間内であること。←

・特定の人物への使用は禁止。(自身は含まれない)

・一人に対して一生に一度のみ使用可能。(二度目からはとんでもない代償が必要)

以上が、最低限守らなければならない条件だ。

だけど俺は、干渉した時間内どころかそれ以上の時間を切り捨てた。

 

 

「このループ現象は、干渉時間外にまで干渉したペナルティー?だから、平行世界なのか……時間移動も……神崎!なのはママが、大怪我をしたのはいつだ?」

 

 

「へ?何を……」

 

 

「良いから、答えて!!」

 

 

「えっと……なのは、さんが、撃沈したのは……10歳くらいだけど……」

 

 

「10歳……」

 

 

つまり、俺は8年分余分に切り捨てた訳だ。

なのはママが、撃墜された直後まで切り捨てたから、その圏内もしくはそれ以上の干渉が可能になっている。

きっと、平行世界の移動もそれに関係したペナルティーと言えるだろう。

 

 

「うわぁ……やらかしたー……しかも、一番大事な場面で……なんつーうっかりを……」

 

 

8年。それだけあれば、【真実の瞳】で因果を調べたとしても、無限増殖している上に観測できる未来は天文学的数値と化しているだろう。即ち、廃人コースだ。

もう、確認はできないだろう。

 

 

「これ以上、何かやらかしてないよね?」

 

 

今のところ、心当たりは無いが……何をしているかわかったものではないので、当分警戒して行動するとしよう。

 

 

「あのぉ……師匠?解るように説明していただけると、ありがたいのですが……」

 

 

「ちょっと、長くなるよ?」

 

 

「あ、はい」

 

 

「そもそも僕がーーー」

 

 

語って聞かせたのは、僕がこの世界に来てから今に至るまでの日々の話。恭にぃに海で釣り上げられてからのお話。

暗黒歴史な日常は、飛ばしたけど……そこそこ笑いを取りながらの語りになった。

そして、《ルール・ブレイカー》の説明と俺が世界に施した事柄を説明し終えたらクロノ・ハラオウンに化け物を見るような目で見られる始末。

 

 

「全く、無茶ぶりもとんでも話ですよ!?時間を切り捨てるとか神様ですか!?」

 

 

「残念。神様に、時間を切り捨てる権限は無いよ?」

 

 

「し、師匠って……神様以上の存在なんッスか!?」

 

 

「違う!」

 

 

とは言ったものの、 似た様なモノなのでスルーした。

 

 

「で……《ルール・ブレイカー》には、干渉した時間内で何とかしないといけないんだけど……うっかりミスで、なのはママが撃墜された直後まで切り捨てた訳だ」

 

 

うっかりミスというか……次元航行艦アースラ魔改造船で、過ごした一年間の出来事が俺を狂わしたというべきなのだろう。ずっと、言ってたもんなぁ……なのはママさえ、非魔導師化してなければこんな事にはならなかったってクドクドと……。

 

 

「そのペナルティーが、ループと上書き現象ッスか?」

 

 

正確には、ループ現象は別の理由だ。上書き現象にしても、ループ者に対する補整力と言うヤツなんだろう。

そもそもループ現象は、“世界”の改編失敗者……僕に対する救済だ。それを『ペナルティー』と取るには、痛みが無さすぎる。

 

 

「いや、それは別件。ペナルティーは、平行世界へのスライドと時間移動だろうね。後は、「初めまして」を繰り返す事柄かな?嫌だろう?何度も知っている人と『初めまして』からの人間関係の作り直しなんて……」

 

 

「……最初から……初めましての繰り返し………………嫌ッス!!」 

 

 

そう、これがペナルティーだ。

痛みを伴わないペナルティーは、ペナルティーとは言わない。即ち、平行世界へのスライド現象と時間移動がペナルティーと言うことになる。

ちょぉっと、なのはママの僕に対する心証値が好感に傾倒していたみたいだけど……。

 

 

「容赦ないッスね……」

 

 

「経緯の説明を繰り返すのも、苦行だからなぁ……」

 

 

「そう、ッスね……ある意味辛いッス……」

 

 

「読む方もな……さて、模擬戦の前に一仕事しておくか?クロノ・ハラオウン、申し訳無いんだが……【次元消滅術式搭載型爆弾】の報告書を作成して、時空管理局に提出しておいてくれ」

 

 

「……はあ!?そんなことしたら、次元世界が滅びるんじゃ無いのか!?」

 

 

「確認だよ、確認。すぐにではなく、一週間後に提出するんだよ。それで、消滅が一週間延びれば……時空管理局がアホだったって事がわかるだろう?それと同時に、霧島に世界の中心が自分では無いって事を教えないといけない。よって、魅了系レアスキルをブレイクして現実を知って貰おうじゃないか!!」

 

 

「…………鬼畜ッス!ここに、鬼畜がいるッス!!」

 

 

「君は、高々それだけの為に次元世界を滅ぼす気なのか!?そんなこと、認めれる訳が無いだろう!!」

 

 

「霧島が、すずかママに手を出していないとでも?世界は、自分を中心に回っていて……ママ達は、自分に惚れていると勘違いしているヤツだぞ?じゃあ、お前は傷物にされたすずかママに自害しろって言えるのかよ!?すずかママだけじゃない!もしかしたら、霧島の毒牙にかかっているのは霧島がいた学校の女性生徒全員かもしれないんだぞ?」

 

 

「そ、そんなことある訳がーー」

 

 

「あー……それは、あるかも……《ニコポ・ナデポ》が、ちゃんと機能するなら「可愛い女の子」は全部俺のモノだ!とか言い出しそう……で、ヤリまくっているかも……」

 

 

「それを思い付く辺り、お前も同罪だよな……」

 

 

「うぇっ!?そ、そんなことはっ!!」

 

 

「でだ、クロノ・ハラオウン!もし、魅了系レアスキルで自分の意思ではなく傷物にされた女の子がいたとして……正気に戻ったら……どうなると思う?」

 

 

「…………正気に戻ったら…………も、戻せるのか?」

 

 

怯えた感じに聞いてくるクロノ・ハラオウン。

 

 

「戻せるよ?なら、今すぐやろうか?」

 

 

「自殺者が、たくさん出るねぇ……」

 

 

「……………………君達は、僕を脅す気か!?」

 

 

「別に良いよ。提出しなくても!管理外世界の一部の地域の少女達大量自殺って話なだけだから!その中に、フェイトちゃん達の友達が含まれるってだけだし!まあ、そうなったらブチギレした僕が時空管理局&次元世界を潰して回るだろうけど!そもそも、管理世界だろうと管理外世界だろうと人類が生存している世界が一つでも残れば、【我々】としては良い訳だし……」

 

 

「あ、終わった……時空管理局、次元世界壊滅かぁ……」

 

 

「…………あかん!クロノ君、ちょこっと考えた方がええよ?アレ、本気やわ……」

 

 

次元世界を滅ぼして回れる、戦力と魔法を持つ俺なら実行可能だ。リンカーコアを排出して、本来の回路を使って超広域攻撃をすれば良い。

それだけで、惑星ぐらい簡単に消し飛ばせるのでピクニック気分で日帰りしてやる事もできる。

 

 

「その前に……クロノ君、ちょっと☆O☆HA☆NA☆SHI☆しようか?」

 

 

脅しをかける僕達を押し退けて、なのはママがニッコリ笑顔でクロノ・ハラオウンにデバイスを突き付ける。

語りかける言葉は普通なのに、行動が危険人物のソレなのは見なかった事にした方が良いのだろう。

 

 

「……………………最悪だ……」

 

 

いや、まあ、脅した僕達が口にする訳にはいかないんだけど……うん。クロノ・ハラオウンの気持ちは、痛いほど理解出来て悪夢だった。

 

 

「君達は、それで良いのか!?」

 

 

「うん?僕的には、説明する手間が増えるだけだし……原因がわかった以上、次から頑張れば良いんだよ。見も知らぬ誰かを護って悦に浸るアホにはなりたくないしなぁ……」

 

 

「君じゃない!はやて達に聞いている!!どうなんだ!?」

 

 

「せやなぁ……消滅してしまうんは、正直怖いよ?せやけど、すずかちゃんが傷物にされてまうんは嫌や……そんなん、許せへん。それやったら、シグナムに頼んで霧島を殺してもろた方がええ……」

 

 

「主はやてが、望むのであれば……」

 

 

「それはダメだ。殺るなら僕が殺る!!僕の手は、すでに真っ赤に染まってるから今更増えても問題ない!これでも、総合兆単位の人間殺しまくってるからな!!」

 

 

「如月……」

 

 

「私もお願い。すずかが、いなくなるのは嫌だ!」

 

 

フェイトちゃんの賛同も得られた。

 

 

「……わかった。どちらにしろ滅ぶなら、報告書を書いた方がマシだ!……だが、一応いっておく。全く、冗談じゃない!!たった一人の為に、世界を滅ぼすなんて……正気じゃないぞ!?」

 

 

「なら、砕くか?《ルール・ブレイカー》で……どちらにしろ、今あるこの世界は消えてなくなるけど?」

 

 

「スッゲー会話だ。なにこれ?神々の会合か!?」

 

 

踏み台の発言を無視して、手を前に出す。

それと同時に、たくさんの魔法陣が展開されて剣の形へと収束していく。そして、虹色に輝く一振りの剣が形成され俺の手に納まった。

 

 

「待て!それは、一生に一度だけしか使えないんじゃ無かったのか!?」

 

 

「僕の都合で使う場合は、別口扱いになる。大丈夫、大丈ぉ夫。でもその前に、霧島のレアスキルを破壊しないとね?」

 

 

「……………………なんて、好都合な……」

 

 

「そうでもないよ?一応、結末が出てないと使えないから……今回は、霧島がすずかママをモノにした……っていう結果があるから使えるだけだし……」

 

 

「…………」

 

 

「それに、今回砕くのは霧島のアホのレアスキルだから……まず、これを霧島に刺し込まないと……」

 

 

「じゃあ、サーチャー飛ばしますか?師匠!」

 

 

「いや、必要ないよ……ほら」

 

 

窓の外を見ると、フレールくんがピョコピョコ手を振っている。どうやら、霧島の居所を掴んだらしい。

 

 

「手が早いッスね!師匠」

 

 

「あははは。それだと、女癖が悪いように聞こえるだろう?もう一度、立たなくしてやろうか?それとも、玉をパキュッ!と踏み潰してやろうか?」

 

 

「手を打つのが、早いッスね。師匠!!」

 

 

それでは、霧島のレアスキルを潰しに行こう!

そう考えて、八神はやてに後ろ襟を掴まれた。

 

 

「ちょい待ち!」

 

 

「なんだよ……八神はやて?」

 

 

「まさかと思うけど、あんのボケ……月村邸におる訳やないよな?その辺、ちゃんと確認してや?」

 

 

きっと、すずかママに残酷な光景を見せるなって話なんだろうが……正気に戻したら、確保しないと魅了されていたとはいえ自分から捧げたという事実は自害の理由にしかならない。

よって、正気だろうと正気ではなかろうとザクッリ確保して拘束しないといけない。

 

 

「そのまさかの場合は、即時叩き出して潰さないと……ねぇ?事に及んでいるなら、尚更じゃないかな?」

 

 

「…………おるんか!?月村邸に、ボケはおるんか!?」

 

 

「…………神崎、君が持ってる中で最高の《聖剣》を僕に貸してくれない?」

 

 

「へ?聖剣ッスか!?」

 

 

神崎が、ビックリした顔で聞き返す。

それにコクッと頷いて返し、《虹色に輝く剣》を持つ逆の手を差し出した。

 

 

「ちょぉ、無視するなや!!」

 

 

「うっさいなぁ……そうだよ。月村邸にいるよ!でも、魔力持ちのみの設定で結界張れば……嫌でも離ればなれになるだろうさ……」

 

 

「そんな細かい事出来る訳ないやろ!!」

 

 

「はっ!テメェに頼んで無いだろう?僕が展開するよ!シャマル先生仕込みの、封時結界……見せてやる!」

 

 

「え……?」

 

 

八神はやてが、ポカーンとしているが……ぶっちゃけ、シャマル先生がいれば問題ない話である。いや、まあ、目の前にいるのだけれど……それはソレ、これはコレなのだ。

 

 

「…………俺が持つ中で、《最高の聖剣》って一本だけなんですが……それで、良いですか?」

 

 

「構わないよ。《聖剣》であるなら、何でも!!」

 

 

「じゃあ、これを…………聖剣エクスカリバーです!」

 

 

そう言って、手渡されたのは空っぽの聖剣だった。

空っぽっていうのも、中身の概念が存在しないエクスカリ“パー”を渡された気分である。一応……手に取った瞬間、剣の黄金の輝きが増した気がした。それも、申し訳ない程度に。

 

 

「…………詐欺か……断罪対象にしてやろうか!?」

 

 

仕方がないので、【魔導兵器】が昔造っていた(偽)エクスカリバー【改】の概念を突っ込んで行く。

コイツ等が持つ、宝具の様に真名開放は出来ないけど、切れ味だけは天下一品だ。それこそ、戦艦丸ごとを真っ二つに出来るぐらいには鋭く壊れない剣だった。

見た目からは、戦艦を輪切りに出来るイメージは浮かばない。だけど、ラストウェッポンとしては最高の武器だったと言っておこう。

 

 

「えっと……何か問題でも?」

 

 

「あー……中身の概念が空っぽだった。今、【魔導兵器】が造った偽聖剣エクスカリバー【改】の基礎概念等を叩き混んでいるところだ」

 

 

「中身が空っぽ?でも、使えますよ?」

 

 

「使えるように見えるだけのナマクラだよ。人間相手なら問題ないだろうがな……」

 

 

「それに……人外の概念を入れているんですか!?」

 

 

「……元々、人外兵装だろう?」

 

 

確か、湖の妖精(?)が創った聖剣だったはずだ。

……この知識、どこで知ったのだったろうか……。

【魔導兵器】が、「永遠神剣(?)的な神話武器を再現しようぜ!」とか言い出して創ったのが(偽)神剣霊剣聖剣魔剣妖刀等だと聞いた。

そもそも、「永遠神剣」ってなんだ?

毎度思うけど、良くわからないことをあの人達は言い出す。

 

 

「永遠神剣、知らないんッスか!?」

 

 

「?……なんで、お前は知ってんだよ!?」

 

 

「あー……そういえば、2638年生まれだったッスね……だったら、わからないのも納得ッス!」

 

 

「???」

 




なんか、色々。永遠神剣知らない?色んなところで、ネタとして多々持ち出されてるよね!!……中身の無い聖剣にとか(笑)意味あるのか?と聞かれたら、あるんじゃない?としか言えない。

さて、一年間クドクドと言い続けたのは誰でしょうね?
双夜を狂わせる程、永遠と愚痴ってた人。何となぁく、ありちゃのような気もするのだが……カリムとシャッハは、事情を知らなさそうなので除外。

ニコポ・ナデポで、すずかをGETした踏み台Ⅱ。
ある意味、死亡フラグ立ったんじゃない?
双夜が激怒。当たり散らしてます。

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m(_ _)m

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