絶望を払う者~狂気の神々vs愉快で〇〇な仲間達~   作:葉月華杏

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二〇二話

双夜

 

 

原作人物達と顔を会わせ、まずぶっちゃけたのは『面倒臭い』という一言だった。だって、あれだけの戦闘を見せた後で協力したくないとか離脱するなんて言い出せる雰囲気じゃない。ハッキリ言って、俺達みたいな戦力をみすみす逃したりしないのは目に見えてわかっているので、面倒度は推して然るべきだ。

 

「帰って良い?」

 

「なんで!?」

 

更にいうと、原作側の戦力を一匹削ってしまっているのも痛い話である。まあ、あれはあの馬鹿が勝手に割り込んで来たーー転生者だったけれどーーだけなんだけど。

それでも、彼女達の戦力である事には変わりないので、少し分が悪いのである。

それを俺と龍で、プチっと潰してしまったんだ。

彼女等との間に流れる空気が悪いのは、言わずとも理解出来ると思う。例え、彼女達に取って邪魔者だったとしても補充は必要だろう。それに、俺達は基本的に違法転移者なので、それを逆手に脅されたり……司法取引とか持ち出されると厄介だ。なので、面倒度合いは鰻登りだった。

そして、絡んで来る転生者。

彼の発する内容は、()()原作人物達には近付くなというテンプレ的な発言等が多い。当然、原作人物達は困惑気味な表情。俺は、これ幸いとその言葉に同意し逃げようとしたのだが、唐突に現れたクロノんによって呼び止められる事となった。

 

「話が纏まり掛けてんのに邪魔すんなや……」

 

「勝手に纏めないでくれないか!?」

 

「チッ……これが、空気読めない男の所業か……」

 

「……………………」

 

地上に降り立ち、神崎と合流した俺はさっさと行方を眩ませたかったのに、何処かの空気読まない方に足止めをされてしまっていた。なので、目の前にやって来た生け贄を弄り倒そうとするが……そこそこ、弄られ耐性を持ち始めた神崎はどこ吹く風である。

そこへ、更に転生者も現れ神崎を見た瞬間指差し訳のわからない事を喚き立て、散々罵ってから去っていく。

 

「おい、お前!なのは達は、俺の恋人なんだからな!?手ぇ出したら、ただじゃおかないぞ!?」

 

「ですって……手出したら、ダメですからね?」

 

「僕的には、君の方こそ気を付けるべきなのでは?」

 

「俺は、ロリコンではありません!」

 

「元ロリコンの踏み台が、なに言ってやがる……」

 

「昔は昔、今は今だ……」

 

フッ。と、気取った風に告げる馬鹿をジト目で眺め、喚く馬鹿に指を指し示す。その瞬間、現れたのはSビット。

 

「《Sonic Shooter》」

 

喚く馬鹿の顔面に、単発のシューターが叩き込まれる。

馬鹿は、大袈裟に吹き飛び地面に転がった。

 

「おい!?」

 

「馬鹿には、鉄拳制裁が必要だ。でなければ、黙らん。僕は、コイツでそう学んだよ?」

 

「最初っから、超暴力的だった記憶がありますけど!?」

 

「…………ああ。そう言えば、それを学んだのはお前ではなく【鮮血の】だったな……」

 

「スッゲー、納得の行く人物だった!!」

 

知りたくもない情報に、神崎は頭を抱えて理解したくないと首を振る。気持ちは、わからないでもないが……なにをどうしても、ソフトタッチでは止まらない馬鹿は鉄拳制裁で正当だ。

 

「言葉で止まる様なら、それで済ませるが……止まらないのであるなら、ブッ飛ばして止めるのが正気を保つ者の責務だろう?」

 

「嫌な責務だなぁ……おい!!」

 

「だが……と、敵だ」

 

「チッ……【闇の欠片】か!!」

 

「そうだが……問題ない【B・Sビット】召喚……」

 

呼び出されたのは、B・ビット×2とSビット×4。

 

「《Sonic Move!》……《Sonic Shooter!!》」

 

S・ビット×4に《Sonic Move》を掛けて最速とし、向かってくる敵を牽制する。そして、待機させていたB・ビットを全面に押し出し、魔力の集束を掛けつつ《Divine Buster》をスタンバった。

 

「ディバインバスター……ファイヤー!」

 

S・ビットで誘導しつつ、狙いを定めてロック。

直射砲撃魔法を、フルチャージで高町なのはの目の前で解き放つ。放った後で、やらかした事に気が付いたけれど……言い訳なぞ、幾らでも出来るのでどうでも良い事と切り捨てた。てか、『ママぁ!』とでも言って抱き着けば大体解決ーー俺の中のみでーーする結論に至ったとも言える。

理由は不明だけど……平行世界で『高町なのは』が得た、理性や知性に関わらない本能的な部分の感情は、世界を隔てたとしても伝播するらしい。

以前、取り寄せた【悠久の】の報告書と考察を纏めたモノから答えを出すとするのなら、それはその人が持つ本質的な感情らしい。

因みに、消失したはずの記憶が残っている現象に着いては、【悠久の】ではなく【混沌の】の提出された報告書と考察に書かれているとのことなので、現在はそっちを解読中である。

 

「たらい回しにされてる感じがするけど……」

 

もしかすると、あの現象は【答えのない答え】なのかも知れない。一抹の不安はあるけど、読み進めて行けば答えが書いてなくても得るモノはあると考えられるので、そのたらい回しもあえて甘受するつもりだった。

 

「敵、蒸発。流石ッスね、師匠!!」

 

「いずれも、僕の戦い方じゃないんだけどね……」

 

「そうッスね!全部、師匠の母親の戦い方ッスね!」

 

神崎もわかっている様で、その辺りを匂わせる程度で答えを言うつもりはないらしい。それとなくでいて、あやふやなのにストレートな発言をしている。

 

「ピンクのド外道だしなぁ……」

 

「デスヨネー!『お話』をするんだとか言いながら、鉄拳制裁する砲撃魔ですもんねー!!」

 

それだけで、クロノやフェイトが『高町なのは』に視線を向けている。いや、その二人だけではなかった。

 

『『『『……………………』』』』

 

「え?何、え?え?え?……???」

 

その場にいた、ほぼ全員が『高町なのは』を見て納得した様な顔をしている。そして、一様にうんうんと頷いた。

まあ、当人は『?』乱舞で首を傾げているだけだけど……周囲の人物達は、深く突っ込みはしない方向で話を進める事にしたらしい。

 

「って訳だ、クロノん。タイムパラドックスは起こしたく無いだろう?じゃ、エイミィさんと仲良くな?ああ、それと家にはちょくちょく帰った方が良いぞ?仕事にかまけてると、子供にパパと認識されなくなるからな?」

 

「……………………」

 

「早いです!まだ、早いです!!」

 

「だが、エイミィさんの苦労を考えると前もって注意した方が良いと僕は思うんだ。真面目な仕事人間であるとは知っているが、『バイバイおじちゃん』とか『また、泊まりに来てね?』と言われて泣くのはクロノんなんだぞ!?」

 

「それは、そうですが……自覚がない時に言っても無理ですって!!」

 

「……………………」

 

そう、ボソボソと微妙に聞こえる様に言い合う俺達。

もちろん、態とである。まあ、未来人って訳じゃないけど……神崎の話を総合する限り、そういう事にして置く方が良いと考えられたので記憶の封印術も含めて準備はしておいた。チラッと、クロノんを見る限り近い将来の現状に凹むだけ凹んでいる様にも見える。なので、適当に慰めつつ自分達の正体に関しては秘密の方向でよろしくとお願いしてみたらアッサリと了承を得てしまった。

 

「やっぱ、怖いモノは怖いんだろうな……」

 

「怖いんでしょうね……それに、手練れの子供ってのも効いていると思います……」

 

「あっち……は、手練れに見えないんだけどな……」

 

チラッと、高町なのはに視線を向ける。むくれていた表情が、目が合った瞬間パァと花が咲くような笑顔になった。

ヤバイ。下手に声を掛け様モノなら、即行でなつかれて捕縛されてしまいそうだ。

 

「大丈夫。片鱗は、見え隠れしていますから!!」

 

「僕達の介入で、自信無くさなきゃ良いけど……」

 

「それも大丈夫ですよ。表情に、陰りはありませんし……何より、その程度で折れるなら『不屈』等とは言われません」

 

「ま、確かに。めげない、折れない、常に全力全開……と、女の子をさせておくにはちょっとモッタイナイ人材だ」

 

「君達は、いったい何を言っているんだ!?」

 

「「正当なる評価だよ?」」

 

「……否定はしない……だがっ……」

 

どちらかというと、否定出来ないのであってしない訳ではない。そんな感じで、時たま茶々を入れつつクロノんとの会話をそこそこに、高町なのは達の猛攻を回避して俺と神崎は事件の解決を目指している旨を時空管理局に伝えた。

 

 

 

「ふぅ……漸く、解放された……」

 

「大変でしたね……高町なのはと転生者の波状攻撃は……」

 

「転生者は、まあ良いとして……なのはママについては、出来るだけ関わり合いには成りたくない……」

 

「おや?もう、親離れですか?」

 

「見た目が、お子様だからか……『ママ』と呼ぶのに抵抗があるんだよ。出来るなら、『お姉ちゃん』でも良いんだろうけど……『お姉ちゃん』のポジションは、フェイト・T・ハラオウンと決まっているからなぁ……」

 

「別に良いじゃん、『お姉ちゃん』が二人でも……」

 

「コイツ、素で言いやがったな!?まあ、そうなんだけどさぁ……なんか、シックリ来なくてなぁ……」

 

「離脱する理由も不明です……」

 

「…………戦闘、面倒臭い……」

 

「師匠とは、思えぬ台詞……まさか、【闇の欠片】!?」

 

「……ほぉ。なら、一戦やるか?」

 

「あ、や、止めときます……」

 

流石の神崎も、不老不死になっているとは言え死にたくはないらしい。まあ、その不老不死も不完全な不老不死だから余計に死にたくはないのかもしれないけれど。

だって、一度は確実に死んでしまうなんて【不老不死】とは言わないんだろう。というか、《神殺し》の大半が特殊な呪いによって不老不死となっているので、殺されれば一度は確実に死に至ってしまう。直ぐに、生き返れるとは言えその時得る痛みや苦しみはそのまんまだから、誰もが敬遠するんだけれど。

 

「…………死ぬのが嫌か?不老不死の癖に……」

 

「ぶっちゃけ、全然違うモノですよね?《神殺し》の【不老不死】って……」

 

《神殺し》達の【不老不死】を簡単に説明すると、『神を殺した事によって派生した呪い』が最も適切だ。

ついでに言うなれば、それで派生した呪いが【不死】と呼ばれるモノで、【不老】なんて後付けで至ったらされただけの……元はたった一つの呪いに過ぎなかった。

それを、一纏めな言葉にするから別モノとして同一視されてしまう。だが、それだとたった一人()()の【呪い】でしかない。だけど……俺達、《神殺し》は()()()()()の人物から派生した……【同一存在】である。

そのたった一人が、【不死】の呪いで()()された訳だ。当然、同一の存在である()()が汚染されないハズがない。結果、《神殺し》達は【不死】という呪いに汚染される事となる。

それが、俺達の不可思議な【不老不死】の原因だ。

正確には、【不死】の呪いなんだが……面倒だったし、間違いでもないので纏めて【不老不死】と呼んでいるって訳。

死んだりもする上、成長もするし老いもする【不老不死】だけどな!!

 

「それ、不老不死とちゃう。全くの別物だから……」

 

「良いんだよ。こまけぇこった!」

 

その結果、俺の()()()は己の未来を憂い【運命の時】が来る前に《転生》する事を選んだ訳だ。訳なんだが……全ての責任を、未来に押し付けるのは止めて欲しい。

 

「例え、それが【円環の理】に当てはまるとは言え……無責任過ぎるだろう!?」

 

「???……【円環の理】って、始まりから終わりを記した《アレ》ですか?ですが、なんで師匠に転生すると【円環の理】になるんですか?」

 

「…………この話は、これで終わりだ。それで?次は、どこを叩くんだ?」

 

考えたくもない話題なので、その時点で俺はその話題と思考を斬り捨てた。神崎も納得は行ってないけれど、俺の様子からこの話題がタブーだと判断したらしく口を紡ぐ。

 

閑話休題。

 

 

そして、眉間をモミモミしながら記憶を漁って『どれでも一緒です』等と宣った。

 

「どれでも一緒なのか……」

 

「まあ、ディアーチェや他のマテリアルが発生するまでは【闇の欠片】と戯れていれば良いでしょう。ですが、マテリアル達が出現したのであればUーDが出るのは時間の問題です。後は、皆でフルボッコに参加してUーDを抑えれば、ディアーチェがなんとかしてくれるはずなので適当に楽しめば良いんじゃないでしょうか?」

 

「ガチで、適当だな。まあいい、格闘ゲームの概念はゲーセンで知り得たからわかるとして……面倒な派生だな?」

 

「デスネ。だからと言って、原因を排除したりすると……」

 

「転生者共が、うるさいと?」

 

「うるさいでしょうね。そもそも、原作人物が落とせないからマテリアルをGETしよう!なんて発想で始められた事件なんですよね?」

 

「使い魔からは、そう聞いている……」

 

そうなのである。この【砕け得ぬ闇事件】は転生者の我儘で始まった事件なのだ。手段は不明だが、その転生者は消滅したはずの【闇の書の欠片】を起動してマテリアル……強いては、原作人物の2Pカラーを生み出したらしい。

 

「2Pカラーって、ゲームじゃねェんだから……」

 

「元は、ゲームだった訳ですから……」

 

「……………………」

 

何はともあれ、げに恐ろしきは転生者の原作人物に対する執着心である……と言わざるを得ないだろう。

 

「そんなに、物語の人物は魅力的かい?」

 

「今となっては、どうでも良いですが……まあ、魅力的なのは魅力的なんじゃないですかね?」

 

「僕の代わりに、恋人ポジションに納まった奴が言う台詞か?手は、出さなかったとは言え完全な詐欺師だろう?」

 

「過去は、蒸し返さないでください……。えぇ、魅力的ですよ普通に!!」

 

「ふーん。物語の人物がねぇ……」

 

「それって、ただ単に師匠がリア充だったって事じゃ……。って事は……リア充め、爆散しろ!!」

 

「……お前、翼にモテモテじゃないか……」

 

「止めて!握り潰されるぅ!!」

 

両手で顔を覆って、神崎は崩れ落ちる様にしゃがみ込んでしまった。というか、コイツはなんでここまで翼に怯えるんだろう?俺が視る限り、翼が神崎を害する様な事は無いハズなんだが……二人っきりの時に何かされたんだろうか?

 

「なんで?前世も今世も、美人さんだったじゃないか……」

 

「それは……そうなんですが……うぅ……」

 

「原作人物にまだ未練があるのか?」

 

「あー……いえ。未練なんて無いですよ?」

 

「じゃあ、翼で良いんじゃない?」

 

「それは……なんと言いますか……」

 

「相手もお前を好んでくれているんだろう?」

 

「えっと……ほら、生前と今と俺の容姿が違いますから!」

 

「見た目の違いが、二の足を踏む理由か?ってか、それなら問題は無いぞ?お前の生前の容姿なら、前に翼が見たがってたから見せたぞ?」

 

そりゃ、神崎の生前の姿を見た翼は、最初普通にショックを受けているみたいだったけど。それでも、引き籠った理由を確認して過食気味になった理由に納得していた。

その上で、『痩せてる頃の姿は見れる?』とか言い出したので、過去に遡って見せたら『これなら、大丈夫……』と良くわからない事を呟いていた訳だが……。

はてさて、何が『大丈夫』だったのやら。

 

「人の許可なく、なんばしよっとかね!?」

 

「ん?そりゃ、翼が知りたがったからだけど……てか、お前も無断で翼の生前を見たじゃないか。それを、とやかく言う理由にはならないぞ?」

 

「うっ……全くもって、その通りです……」

 

「だよな?……と、T・リンクフ○コンタクト!いっけぇ……フィン・○ァンネル!!」

 

スパーン!

 

「それ、作品違うから!!」

 

適当な発言に、一々ツッコミを入れないで欲しい。

後、スリッパを何処から出した!?

そうこうしている内に、突如発生した【闇の欠片】はS・Bビットによってほぼ瞬殺。認識阻害によって、人にも機械にも記録はされていないだろうが、色々と危険がいっぱいだ。

これはもう、ちょっと人通りの多い所に出て『うわ~ん!パパが、殴ったぁ!!』とでも叫んだ方が良いのだろうか?出来れば、交番の近くで……御巡りさんが、見ている瞬間が好ましい。等と妄想を膨らませながら、神崎を見上げれば……何故か、真っ青な顔で俺を見下ろしていた。

 

「何、邪悪な事考えてるんですか!?」

 

「ふぁ!?神崎が、僕の考えを読んだだと!?」

 

「それだけ、邪悪な笑顔でいればわかります!!」

 

「ああ、そっち……」

 

「なんで!?テンション駄々下がりに!?」

 

別に、駄々下がりになった訳じゃない。

これが、神崎でなくてセイビアなら心の読み合いに発展していたというのに……全く持って、神崎だと盛り上がりに欠けてかなわない。そこは、表情ネタ云々をバラさずに精神学や心理学をフルに使って心の読み合いをするのが《神殺し》の嗜みである。人外の遊びは、一通り教えたというのに軟弱な……情緒もわからぬ御子様め。

 

「面倒臭いので嫌です……」

 

「ほぉん……ちゃんと、出来るではないか……」

 

「出来る出来ないではありません。面倒臭い!!」

 

「そういう気分だったのに……『面倒臭い』で、終わらせるか!?」

 

「終わらせるとも!!つーか、師匠だって最後までヤらないじゃないですか……途中で、『面倒……』とか言って止めるでしょう!?」

 

「…………そんな、事は……」

 

「即答出来ないのであるなら、質面倒な遊びに誘わないで頂けますか?」

 

「ムー……わかった。じゃあ、転生者狩りを始めよう!僕、ちょこっと天界に行って美醜逆転させて来るから!!」

 

「えぇい!止めんか!!」

 

「じゃあ、女尊男卑の世界に……」

 

「魔法【少女】の世界で、更に男性の立場を低くするつもりか!?つーか、神様特典でなんばしよっとか!?」

 

「じゃ、転生者限定で性転換とかどうよ!?」

 

「この魔王……なんで、そんな的確な嫌がらせを思い付くんだ!?いずれにしても、転生者が泣く未来しか思い当たらないんだけど!?」

 

「転生者は、皆、原作モブ達から性奴隷に見られるとか?」 

 

それで、モブから奴隷の様に扱われる様になる。

もちろん、性的にだ。男女問わず、問答無用に襲われるなんてMには御褒美でしかない話なんだが。

 

「止めてあげて下さい!!」

 

「えー……ノクターンでは、大人気だったのに……」

 

「漁りやがったな!?このチビッ子は!」

 

頭を抱える神崎を見下し、えっへんと腰に手を当て胸を張る。実際には、ネットや情報誌を読み漁っただけで嫌がらせに使えそうなネタがゴロゴロしていたのは幸いと言うべきだろう。ま、出来るなら転生者限定で性的価値観を反転させてやりたいところだ。

即ち、腐敗系女子の逆バージョンといえばいいのか……草食系男子の大量生産が起こるのか……そこら辺は謎である。

 

「転生モノで、一番困るモノって何かわかるか?」

 

「後から追加される想定外の概念でしょう?」

 

「うんむ!だから、転生者を困らせてやろうぜ!!」

 

だからと言って、それを神様特典でやる必要は無いんだが……やはり、転生者には神様特典で対抗したいのが心情だ。

そもそもが、神々の下らない暇潰しが原因なんだから、それを妨害するのも神々の特典が好ましい。

 

「もう、十分困っているでしょうから心をへし折る事だけにしてあげて下さい。生涯へし折られ続けるのはノーサンキュウって事で……」

 

等と、この時の神崎は懇願していたが……後に、『永遠の地獄に叩き落としましょう』と言い出す事になる。まあそれは、こちらとしては面倒がなくて良い事尽くめなんだけど……神崎にとっては、余りよろしくない暴論となった。

 

 

 

 

 




本当は、こんなにも早く原作人物達と絡める気は無かったんだけどね!!おかけで、余計な戦闘が増えた(笑)。
なので、ついでに《神殺し》の【不老不死】についてを記載。因みに、【不死】の呪いを受けたのは【始まりの魔法使い】じゃないからね?アイツが造ったモノが原因で、唯一絶対神が死んだ事になっているけれど……アレ、自滅なので!!

【クリプス】……世界と世界を繋ぐ境界を破壊する剣。代償として、担い手の命を対価として捧げる。

これを、魔導兵器から奪って魔改造。

【ラグナロク】と変えて、あの頃の唯一絶対神が使った結果……唯一絶対神は自滅。

特性として、代償・対価の概念だけが残っちゃった結果なんだけど。それに、その時魔導兵器は別の場所にいた訳だし(笑)。近くにいたのは、《旧・神族》で唯一絶対神の呪いを受けたのも《旧・神族》だ。だから、奴等がのさばっている訳なんだけど……。奴等も【不死】になっちゃったからな。
『我々は、【神】の祝福を受けし者。【神】の後継者だ!』
って、言ってるけど……祝福じゃなくて、呪いだよ!?勝手な解釈と御都合主義な妄想で威張らないで!?中二病の分際で、世界の覇権なんて語らないで!!(;´Д`)ハァハァ

……なので、呪いを受けた奴は誰なのか不明のままである。
もしかすると、【組織】に所属していない者の誰かかも知れない。でもそれだと、全員を汚染は出来ないんだよね。

【円環の理】については、既に双夜が【組織】と《神殺し》を【終わらせる】という話をしちゃってるので予想はついていると思います。なので、ここでは語りません(笑)
まあ、語るモノがあるとすれば……彼(中の人)が、憂う事になった理由だけかな?

???:「もしや……ここが……この世界が、俺の!?」
てな感じで、期待いっぱーい。胸いっぱーい……
壁っωο)チラッ
(/ω・\)チラッ
|д゚)チラッ|д゚)チラッ|д゚)チラッ|д゚)チラッ|д゚)チラッ|д゚)チラッ
|д゚)チラッ|д゚)チラッ|д゚)チラッ|д゚)チラッ|д゚)チラッ|д゚)チラッ
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|д゚)チラッ|д゚)チラッ|д゚)チラッ|д゚)チラッ|д゚)チラッ|д゚)チラッ
|д゚)チラッ|д゚)チラッ|д゚)チラッ|д゚)チラッ|д゚)チラッ|д゚)チラッ×5000倍。
なんて事を、永遠とやってれば気が付かれない訳がないだろう!?同一存在が、一つの世界にたくさん集まれば……当然、接触なんてしなくても衛宮士郎と英霊エミヤみたく記憶の共有が起きるって(笑)。
結果、未来を憂いた彼は転生する。
その結果が、如月双夜であり……【彼】の悪夢は終らない。
ここまで言うと、ネタバレも良いところだ。
因みに、期待いっぱーい。胸いっぱーい……をしてた奴は、人間だった頃の記憶を失い、【神】に絶望し、死を願っていた『不死者』。死ねない事にも絶望してます(笑)。

……………………ネタバレしてる癖に、肝心な所をフワッとさせる作者でした(笑)。

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