絶望を払う者~狂気の神々vs愉快で〇〇な仲間達~   作:葉月華杏

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一九四話

双夜

 

 

テグスを、空で棒立ちになっている馬鹿に向けて投げる。

キョロキョロしていた馬鹿は、唐突に足に絡み付きグッと引っ張られる感じに踏ん張って下を見た。

しかしその時には、俺が奴の足を掴んでいてそのまま肉体をよじ登り視線が合った時には振り上げていた拳を奴の頭に叩き込んだ後だ。

目の焦点が、クラッと外れ馬鹿は気を失ったまま墜落していく。俺は途中で、奴から離れ降りているので別口で地面に降り立つ。降り立った瞬間、身体全体を使って衝撃を逃がしたので骨が折れたり変な歪みは生じてない。

 

 

伊達や酔狂で、にゃんこ変身を覚えた訳じゃないのだよ。

 

 

冗談はそこそこに、落ちた馬鹿に近付いて状態を確認する。どうやら、こちらの思惑通り気を失っているだけの様だ。馬鹿は、バリアジャケットで守られているから無傷ではあるけれど起き上がる気配はない。それだけは、確認してから俺はその場から離れようと一歩を踏み出す。

フと、魔力の揺らめく気配がした様な気がして振り返ると、馬鹿のリンカーコアが何者かの手に抜き取られ様としている場面だった。

思わず、手を伸ばしたが何者かの手はリンカーコアを握り締めた所で消え去り何の痕跡も残っていない。

とは言え、手を伸ばそうとしたのも驚愕の表情を作るのも全部演技である。ついでに、何者かに利用されたのを知って忌々しそうな表情と舌打ちも忘れない。

全ては、こちらの計画を悟られない為の布石であった。

まあ、これがなにょはママに通じるかはさておき……理由としては、戦闘に気が付いた時空管理局のサーチャーが飛んでこちらの様子を見守っているからである。

まあ、飛んで来なくてもその演技はデフォルトなんだけどね。これで、なにょはママに俺の存在が知られた感じかな?だからと言って、なにょはママに鉢合わせする事は無いんだけどね。まだ、RH&BDは回収してない。

今はまだ、なにょはママに預けておいてあげる♪。

なんたって、僕には【紫天の書(魔改造版)】とクラールヴィントがあるからね♡。それに、《S・Bビット》は普通に使えるし……戦闘面でも、何の問題もない。

直ぐに、妖精転移で痕跡も……追跡も許さず移動する。

いやー、超便利だよね!妖精魔法♡。

場を荒らして、引っ掻き回しつつこちらの思惑通りに人々を操るのって楽しいなぁ♪。

まあ、イレギュラーが現れると難易度が上がるけど……情報さえ、しっかり収集した上で判断を間違えさえしなければ、迎える終わりはハッピーエンドだ。

ただし、自分のハッピーエンドは二の次で(笑)。

第一のハッピーエンドを、与えなければならないのは転生被害者である。その次が、この世界の住人。複製された世界とは言え、迷惑を掛け過ぎているのはこの世界の住人達である。そこんところを、間違えてはイケない。

他の転生者は、放置か切り捨てで……悪意を持って、他者を貶める者は断罪でOK。奴等を救う必要性は、存在しない。

アレ等は、自業自得の成の果てだから同情する余地も必要ない。たまに、神崎や鉄みたいなのがいるけど……アイツ等は、根子の部分が無垢だから利用されやすいのである。

 

「普通に、子供なんだよなぁ……」

 

子供というか、大人に成り切れていない辺りを利用してくるのである。【神】って奴は、基本的に中庸存在なので善行も悪行も世界という天秤に乗せて、イケると判断したらどんな悪行もヤっちゃう自覚のない悪人だ。

イケないと判断したのなら、自身の利益とデメリットを考えてやるかやらないかを判断するんだけど。まあ、要するに『勝てる勝負しかしない卑怯者』が【神】と呼ばれる存在な訳だ。本人達は、否定するだろうけど大体はそんな奴等ばっかりである。

 

ーーーと、敵影補足。

 

歩けば、犬も棒に当たると言うけれど……今の海鳴市は、そこら辺中転生者だらけで仕事(暗殺?)のしがいがあった。

 

「《ステルス》……」

 

敵影を視認できるまで近付いて、《光学迷彩》で姿を隠し《遮断》で魔力波長も消す。

そして、相手に気付かれない様に接近して擦れ違い様にズドンと首筋に一発。魔力の流れも、波長も存在が出す気配すら読めない馬鹿は割りと簡単に狩れるので楽だ。

希に気配ーーもしくは、【勘】?ーーに気が付いて、反撃してくる奴もいるけど……テグス投擲からのコンボを回避した奴はいない。因みに、それは武装隊の隊員も例外なく。

《ステルス》を解除して、気絶している馬鹿の生死を確認したら適当にその場から離れ様と立ち上がろうとしたら、水色のバインドに手足を絡め取られた。

 

「時空管理局・執務官クロノ・ハラウオンだ。少し、事情が聞きたいので時間を作って貰えるか?」

 

「拘束しておいて、事情も糞もねぇだろう!?」

 

ブチブチと、バインドを無理矢理引き剥がして周囲を見回した後、首を傾げてハテナを幻術で頭の上に出現させる。

てか、どこにいるんだよ!?

 

「はっ!?まさか、透明人間!?」

 

「こっちだ!!」

 

上から声がしたので見上げれば、上から下まで真っ黒なバリアジャケットを纏ったクロノが俺を見下ろしていた。

 

「チッ……男か……」

 

「……………男なら、何だって言うんだ?」

 

「女だったら、スカートがヒラヒラしてんだろ?」

 

「なっ!?君は、公然猥褻罪でも捕まりたいのか!?」

 

「冗談だよ。てか、そんな堅物だからエイミィさんと付き合えないんだぞ?リンディさん公認なんだから、サッサと付き合っちまえば良いんだ。エイミィさんも、安心出来るだろう?」

 

「……………………」

 

「と、魔力感知に敵影補足……悪い、一般人が襲われる前に敵を殲滅しないとイケないんだ。時間が圧してるんで、話してる時間は無さそうだ……サラバ!」

 

口をパクパクさせているクロノを放置して、俺は素早くその場から離脱し補足した敵の元へと走り去る。途中、そう言えばリンカーコアの回収作業を見てなかったなぁ……と思いつつ敵を視認。《ステルス》を展開して、イケメン(不細工に見える)を探している転生者の意識を刈り取った。

 

「あははは。ハズレだよん(笑)」

 

それにしても、クロノんてばエイミィさんを引き合いに出したら、すぐに動揺するのは如何なモノかねぇ?

それだけでも、クロノがエイミィさんに少なくとも恋愛感情を抱いているって言っている様なモノじゃない。

 

「はぁはぁ、待ってくれ!」

 

「動揺する程、好きだったんだなエイミィさんの事。ああ……だから、執務官補佐にしたのかい?ずっと、一緒に居られる様に?」

 

「なっ!?」

 

だから、動揺し過ぎなんだよ君は。

 

「そんな風に固まったら、肯定している様なモノじゃないか……その事をわかった上で、やっているのだとしたら公務を利用した告白と取られても言い訳出来ないよ?」

 

「ち、違うっ!!」

 

「って言うかさ……その辺に、管理局のサーチャーが飛んでるんだろう?エイミィさんに筒抜けなんじゃ……」

 

「はっ!?違うんだ、エイミィ!!」

 

混乱して言い訳を始めたクロノの慌て振りに、幾つかのウィンドが開き落ち着く様に説得が行われ始めた。それを見終えて、いざ逃げようとすると目の前にリンディさんを映したウィンドが展開される。

 

『時空管理局「自己紹介はいらない。初めましてじゃないけど、初めましてこんにちは如月双夜だよ!あ、高町双夜と言い直した方が良いかな?いつも、なにょはママがお世話になってます(笑)」

 

『…………えっと、聞いていた双夜くんと年齢が違う様ですが……』

 

「変身魔法制御だよ。所謂、《大人モード》ってヤツだね♪ 一時的に大人になる魔法があるんだよ」

 

『成る程。では、現在行っている行為の説明を求めても良いかしら?』

 

「ふふふ。君達が不甲斐ないんで、僕が率先して襲撃者狩りをしているだけなんだけど……と、なにょはママが近付いてる!?まだ、会う訳にはいかないのでこの辺で……」

 

いつの間にか、小学校が終了している時間を過ぎていたのに気が付いた。慌てて、妖精魔法を使ってフェアリーサークルを展開する。追跡不可能転移で、なにょはママと鉢合わせする前に何とか離脱する事に成功した。

危なかったぜぃ(笑)。

今はまだ、なにょはママと会う訳にはいかない。事件の〆が終わるまで、なにょはママに拘束される訳にもいかないので逃げ回っている。思い起こされるのは、強制幼児化で羞恥地獄を徹底された日々。定期的に、モモちゃんに預けられて元に戻れなかったあの悪夢だ。

もう、ああはなりたくないので全力全開で避けますよ!

という訳で、午後4時半以降はにゃんこに変身して過ごします。敵を見付けたら、にゃんこのまま突撃して雷撃で終わらせちゃう。それが、一番簡単で楽な方法だった。

相手に気が付かれても、にゃんこなので油断を誘えるって利点もあるし……バレたとしても、物影で色を変えて再度アタック。即、撃破なんて方法も取れる訳で……にゃんこ変身もとっても便利♡。そして、夜になれば転生者も活動を停止せざるを得ないけど……こちらは、そこからが本領発揮の時間だ。フレールくんが、集めて来た情報を使って敵の隠れ家に向かい、闇夜に紛れて撃破してリンカーコア奪取。

すぐには、戦えない状態へと貶めてお仕舞い。

『お疲れ様でした~』と伝言残して、離脱して次のターゲットの元へ。後は、その繰り返し。戦闘ではなく、ほぼ完全な暗殺?業務なので楽チン楽チン。

 

「今宵の犠牲者は、さて何人となるかにゃぁ?」

 

クフクフ笑って、闇夜に融けていく俺。

さあ、馬鹿共を狩りに行きましょう。

 

 

 

……………………

 

 

 

……………………

 

 

 

……………………。

 

 

 

一晩で、50人近く狩ったんですが……一つの世界軸にどんだけ、転生させているんだよ!?この7日間で、もう200人近く狩ってるんだけど……それでも、後から後から涌いて出て来る転生者達。

これは、アレですか?俺の大好きな、黒くて素早くカサカサと走り回る台所の悪魔と大差ないって事でOK?

俗に、【G】と称される全人類の嫌悪感の象徴。

ある意味、最強の虫である。だが、此度の【G】は勘違いで思い上がっただけの【G】だ。最強でも、何でもないけど数と執着が強いので辟易とさせられる。

しかも、雑魚。更に、『益虫』でなくて一般人を襲撃する『害虫』である。そんなに、【美醜逆転】は彼等に取って我慢出来ないモノだったらしい。だからと言って、何も知らない一般人を襲撃するのは間違いなので排除する。

 

「段々、暗殺者に染まっていく感じがするよ……」

 

「デスネ。つーか、俺が囮やる意味があるんですかね?」

 

「十分だよ。じゃあ翔悟、次のターゲットを連れて来るんだ!いやー、まさか翔悟を散歩させるだけでこんなに転生者をホイホイ出来るとは思わなかったよ(笑)」

 

「ええ……ギルガメッシュが、イケメンなのが良くわかります。対するのが、転生者だからか対応も楽ですからね」

 

翔悟が、転生者を人気のない場所へと誘導して、俺がその背後からプチっと潰す事もあれば……翔悟自身が手を下す時もあった。されど、特典に胡座をかいた転生者に翔悟が負けるはずもなく……勝ち星は、戦闘の数だけ上げられて行く。

翔悟に殺られた転生者は、皆一様に『こんなのギルガメッシュじゃねぇ!?』とか『馬鹿な!?ギルガメッシュが、強いだと!?』みたいな断末魔の声を上げて気を失った。

てか、ここまで弱者扱いされると《ギルガメッシュ》という人物が一体どんな人物なのか気になり始める。

《ギルガメッシュ》イコール【弱者】という方程式は、どんな風に組み上げられているのだろうか!?

なので、当人達にそれを聞いてみたところおかしな返答をされる事となった。

 

「ああ、ゲームやネットの二次小説のイメージが先行するんでしょうね」

 

「は!?ゲーム?二次小説?」

 

「元々は、とあるゲームで出て来た敵役なんですよ。そこそこ強いけど、ヤられ役ってのがギルガメッシュのイメージでしたね。ただ、《ギルガメッシュ》が持つスキルが魅力的なんで『楽をしたい』方々が選ぶキャラにもなっているみたいです。各言う自分も、『楽をしたい』人の一人でしたけど……」

 

「ああ、黄金律か……確かに、楽だな……」

 

「ネット二次小説でも、特典に胡座をかいた雑魚で踏み台だったんで……そのイメージが、転生者には根付いているんでしょうね……」

 

「それ……【今】関係ないじゃん。……成る程ね。そういうモノが多くて、それを知る者からすると神崎達は異常に感じる訳か……馬鹿だな」

 

「あははは……」

 

余りにも、幼稚な思考に頭が痛くなる。

その程度の思考しか出来ないのであれば、対話や説得が難しくなるのは当たり前だ。それ以前に、マトモな会話は出来ないと考えるべきだろう。なんて、面倒臭い。

大悟は既に、人外の領域に足を踏み込んでいるし……翔悟も、それなりの強者の道へと足を踏み込んでいる。

そりゃ、高町家の怪物達には『まだ』遠く及ばないけれど、そこら辺の暴漢程度には楽々勝てるレベルの格闘家へと成長していた。そこに魔法と、宝物庫からの一斉射撃を組み込めば、即席ではあるけれどそれなりの戦力にはなる。

まあ、打ち出せるのは宝具ではなく直径50mmのスチールボールだけど。とりあえず、十万個を渡しておいた。

『スチール弾……アルトアイゼンになった気分です』とは、神崎達の感想である。翔悟とは別に、大悟は剣を錬成するよりも簡単だったと言って喜んでいたけれど。

その代わり、錬成レベルを稼ぐ為に様々な金属の弾を造って色んな形の武器も大量生産していたりもした。まあ、技術面は担い手の発想と努力によって大きく変化するところなので、俺は口出ししたりはしないけれど。剣やナイフみたいなモノより、ただ丸い弾ーー形や大きさでも熟練度は上がるーーを大量に作れば良いだけの錬成は負担が軽くて済むし、撃っても回収する必要がないので大喜びしていた。

(スチール弾は、宝具と違って自動回収はされない故)

まあ、五センチ大の丸いスチールの玉が大量に落ちてたらおかしな光景になると思うけれど(笑)。それによって、良くわからない都市伝説が出来上がるのは目に見えていた。

止めないけど(笑)。

 

「気分は、重甲戦車。穿つ時は、アルトアイゼン……まあ、爽快である事は否定出来ない……」

 

「楽しいだろう?」

 

「もちろん!!」

 

「宝具を穿つより?」

 

「雑魚には、スチール弾で十分だ!!」

 

という感じである。

 

「こうなると、パイルバンカーと角が欲しくなります!」

 

「パイルバンカーはわかるが……角?」

 

「はい。刃になると、更に良いです!!」

 

「角が刃?」

 

翔悟の言う事は、たまに訳がわからなくなる。

多分、中二病的な発言なんだろうけど俺にはサッパリだ。

だが、スチール弾でパイルバンカーと来るんだからアルトアイゼンの武装である事は容易に想像は付く。って事は、俺も知っている武装のハズなんだが……はて?角で刃なんて武装あったかな?角、つの。ツノォ……?

 

「………………あ……!」

 

もしかして、《ヒートホーン》の事か!?

それなら、確かに角で刃だが……あの武装も、翔悟が知っているという事はデフォルト武装だったんだな。

頭に武装って、【鮮血の】のユーモアかと思っていたよ。

不思議な事をするもんだと思っていたけれど、納得の行く理由に俺は呆れた思いで頷いて呟く。

 

「良く、折れてたけど……アレにも、ちゃんと理由があったんだなぁ……」

 

使う度に折れてーー無茶な使い方をしたーーいた様に思うが、【鮮血の】の魔改造でないのなら仕方がない。

そういうモノなんだと、納得しておく事にした。

 

「何はともあれ、欲しいのなら自分で用意すれば良いんじゃね?僕にねだられても用意は出来ないよ?」

 

「パイルバンカーか……しかし、今の俺の筋力じゃあ持てないしなぁ……そりゃ、『Force』でなのは達が超重量の武装を振り回していたけど……要、課題だな……」

 

冗談で言ったのに、本気の顔で受け止められてしまった。

コイツ等の本気度は、どこに埋まっているのかわからないので困る。下手に突つくと、地雷になっていそうで怖い。

何はともあれ、そいうい妄想は後回しにして貰って俺達は転生者狩りを再開させた。

昼間の内に、出来るだけ転生者を狩っておいて夕方から夜に掛けては、なにょはママに会わない様に《にゃんこ》に変身して一人で夜の街へと飛び込んで行くのが最近の行動パターンだ。と言っても、明日には終了するんだけど。

明日になったら、今まで溜め込んで来た魔力を【ナハトヴァール】と共に解き放つ予定だ。問題があるとしたら、本来の【闇の書の闇】よりも巨大な怪物になると思われる。

 

「…………8倍くらいかなぁ……」

 

【闇の書】、約八冊分の魔力がアレには蓄積されていた。

今尚、大量の魔力が転生者のリンカーコアから収集されている状況だ。後、24時間程時間があるが……それまでに、転生者が大量に集まって来る様であるならばそれ以上の怪物が生まれる事になるだろう。

 

「ついでだから、転生者も軒並み平らげてくれないかな……チマチマ潰すのじゃなくて、一度に一掃してしまいたい」

 

まだ、同盟等を組んではいないから大丈夫だとは思うけれど、徒労を組まれると対処がしにくくなるので一匹狼のまま疑心暗鬼に陥っていて欲しい。

まだ、切っていない《切り札》があるとは言え出来る事なら手持ち(使用済み)の《切り札》のみで凌ぎたいところ。

 

「……にしても、世界の特性《魔力至上主義》の影響か……『大量の魔力』を望んでいる転生者が多すぎないか?」

 

【闇の書事件】の最終戦闘が始まれば、海鳴市に散っている転生者達が軒並み集う事になるのは目に見えているから、下手をするとなにょはママ達と衝突して大混戦する事になる可能性もある。戦闘狂が喜びそうな、シチュエーションだ。何処の……とか、誰の……とかは言わないけれど。

一応、どこかの大家族さん家の観測は怠っていないし……その周囲を、チョロチョロしている足長おじさんの猫の監視も怠っていない。むしろ、疑心暗鬼になっていつでも封印出来る様に準備している猫達をビビらせてやりたい位だ。

 

「つーか、時空管理局は【闇の書】が活動している事を知っているんですか?」

 

「薄々、何かが起きている事はわかっているみたいだよ?ただ、確証がなくて動けないみたい」

 

「じゃあ、別口で【ナハトヴァール】が出て来たらどんな反応をするんですかね?」

 

「ちゃぶ台返しレベルの大騒ぎになるんじゃね?」

 

それなのに、八神家は平和でしたーーとなって、更なる大混乱に陥る訳だ。【闇の書】だと思っていたモノが、【夜天の書】だった事は局員ならみんなが知っているけど……だからと言って、それを納得して受け入れている局員は一部でしかない。むしろ、同型魔導書だからと【闇の書】と同一視して八神はやて達を憎む奴等がいる。

いや、【闇の書】その物だ!と言って攻撃的な行動に出た者もいるくらいだ。それ程、【闇の書】によって撒き散らされた【闇】は深い。その【闇】の代表が、猫達の足長おじさんだろう。だから、その幻想をブチ破る。

 

「とりま、今代の【闇の書】の主と【ナハトヴァール】……それから、【闇の書の闇】を現界させるんですよね?」

 

「そのつもりだ。既に、【闇の書】が魔力の収集を始めているって情報は掴んでいるみたいだからな。後は、適当に【夜天】を襲撃して……その前に、なにょはママ達もかな?そして、【闇の書】の起動イベントだ!!」

 

「それじゃあ、なのは達は戦えないんじゃ……」

 

「戦わせるなんて、言ってないよ?」

 

「ふぁ!?じゃ、じゃあ、どうする気なんだよ!?」

 

「もちろん、現地の隠れていた魔導師達が協力して【闇の書の闇】を叩くんじゃないか……その為の僕であり、その為のユーリなんじゃないか……」

 

だからこその、【闇の書】八冊分の魔力なんじゃないか(笑)。たった一冊分なら、俺達が関わらなくて済む方法を探すさ。人には、出来ないからこそ俺達の出番がある。

 

「……………………ハードモードだった……」

 

「ふふふ……」

 

【闇の書の闇】を叩く為という理由で、RHとBDを簡単に回収出来るし……時空管理局からの疑心暗鬼も利用して、八神はやてが【闇の書】の主ではないという認識を植え付けるにも一役かって貰う予定だ。まさか、無実の少女を攻撃したとなれば足長おじさんの目も覚めるだろう。

覚めるどころか、うっかり心臓発作で死にかねないけど。

多分、それが一番の心配事だ。

 

 

「じゃあ、僕達の【闇の書事件】を始めようじゃないか!」

 

 

だからこそ、神崎ズや僕の魔力を収集させてないって訳。

それをやると、ディアーチェ達の外見が俺達になる可能性があるから。暗躍していた俺達の姿が、ディアーチェ達と刷り変われば『なにょはママ』にバレる恐れがある。

なので、込める魔力も俺の情報が込められない様に《S・ユグドラシル》から供給までして込めたんだから。

 

これで失敗してたら、泣くしかないぞ?

 

 

 

 

 




さあ、翔悟のいうハードモードの【闇の書事件】を始めようか!【闇の書】八冊分(予定)の魔力を持つ怪物との戦いを(笑)。

そろそろ、双夜の《切り札》も使いたい頃合いだし……何より、外側のアホゥ共が造った《ビット》の御披露目もしたいからねぇ(笑)。クックックッ……鬼畜な戦力をブチ込みたい作者の趣味全開殺りたいです(笑)。とまあ、冗談はさておき。
【砕け得ぬ闇事件】をやる為とは言え、ここまでする必要は全くありませんでした。でも、【美醜逆転】により全転生者が参加し始めちゃったので、こんな事に……。いやー、大変ですよねぇ!翔悟達が(笑)。大悟も参加します。ユーリも参加します。あるぇ?勝てるんじゃね?ただ、【砕け得ぬ闇事件】の難易度も上がる気がしてなりません。あれって、【闇の書事件】で残った魔力の残骸が原因だった様な気がするので。確か、Wikiで読んだ気が……?違った?
何はともあれ、まともな【砕け得ぬ闇事件】にはならないと思われます。アミタ達を出すのか、出さないのかにもよりますが……つーか、出て来てもウィルスに犯されているアミタ直せるんじゃ……?あ、ヤバイ。絶対、おかしな話になりかねない。むしろ、パワーアップする様な気がしないでも……。
出さない事にしようかな(笑)。いずれにしろ、双夜がいるのでマトモな物語にはならないだろうね。(自己完結)

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