絶望を払う者~狂気の神々vs愉快で〇〇な仲間達~ 作:葉月華杏
翼刀
ヤベェ……主人公パーティーがチートすぐる(笑)。
現在、第33階層まで攻略が終了したんだけど……主人公達の猛攻が最強過ぎて笑いが止まらなかった。
夢の共演というか……自分を含めての主人公パーティーに興奮度が鰻登り状態なのである。元々、『主人公達と共に戦いたかった』俺は《デメリット特典》のせいで何もさせて貰えなかったので【今】この瞬間が一番楽しい。
溜まりに溜まりまくった欲求不満が、このSAOモドキ世界で満たされて行くとは思いもしなかったけどな。
正に、この状況は俺が渇望していたシチュエーション!!
転生した甲斐がーー【リリなの】では無かったけれど。SAOモドキ世界ではーーあった……と言うべきだろう。
【魔法少女リリカルなのは】では、欲求不満を解消出来なかった分この世界では全力全開で楽しむ予定である。
さてさて、俺が大興奮している夢の共演パーティーを紹介しよう。現在、俺とパーティーを組んでいるのはキリト、アスナ、ユイ、ユウキ、クライン、リズベット、シリカ、シノン、守護者、使い魔(片割れ)の11人である。
振り分けは、キリトとアスナとユイで親子パーティー。
クラインとユウキと俺の前衛パーティー。
リズベットとシリカと使い魔で遊撃パーティー。
シノンと守護者の後衛支援パーティーの計四組だ。
リーファとエギルと翼は、ALO(下世界)で居残り中。
すずかと使い魔(もう一人の方)は、アルンでサクヤ達のお手伝いをしているらしい。詳しくは、双夜さんが知っているけど……どうでも良いので放置している。
【リリなの】の、サブ?ヒロインの一人だけどな!
中身がアレなんで、俺の興味から完全に外れたけれど。
リーファは、翼と共にスイルベーンにて復興のお手伝い中。エギルは、アルンで色々やる事があるんだとさ。
多分、商業方面のアレコレだろう。もしくは、中堅プレイヤー(SAO組。転生者は除く)達の支援かもしれない。
彼に関しては、今一行動を把握仕切れていないが私利私欲で動く様な男ではないから問題はないと思われる。
そんなこんなで、俺達はアインクラッドの攻略に乗り出した訳だ。ただし、フロアボス討伐には他の転生者やSAO組が参加したりもする。迷宮攻略はまだしも、流石にたった10人でボス攻略をするのは至難だった。
そりゃ、守護者さんが前に立てば無双は可能だけど……それをあの人は、良しとしないので人を集めるのは必須事項だ。なので、ボス討伐戦前にはALOのアルンに赴いて最前線攻略人員を募集してから挑んでいる。30階層を超えた辺りから、フロアボスの能力も上がってるし中々骨が折れる攻略となっているから人を集めるのも一苦労だ。
因みに、ドロップするアイテムやユルド等は均等配布とかせずに手に入れた人のモノとして……次に挑戦する者達へ、アイテム等の情報をちゃんと公開しボス討伐意欲の励みになって貰ったりもしている。
普通なら、隠匿して自分だけのモノとして暗い物欲を満たす訳だけど……何度も挑戦が出来るこの世界では、情報を公開してボス討伐意欲を刺激する方向へと流れが出来ていた。放って置くと、ポップするモンスターが迷宮から溢れて階層をモンスターの楽園へと変えてしまうかもしれないと双夜さんが仄めかしていたからだ。
まさか……とは思ったけれど、他の転生者達の話を聞いてその可能性も視野に入れる事となる。異世界物の小説や漫画・アニメでも、そういう事が度々イベントとして取り上げられていたから……という意見が出たからだ。
それにより、戦闘系のSAO&転生者混合パーティーが結成され、定期的に迷宮区の掃除が行われる事になる訳だが……それはもう少し先のお話し。それが出来る様になる為には、ソードスキルと魔力操作・魔法が使える様になったシステム外スキル《LV・ステータス無視》のプレイヤー育成が終わってからになるだろう。とは言え、それを広める事になるであろう人物は……未だ、双夜さんからの魔力講座を受けているし、憑依転生者対策はまだまだ未完成だ。
時間は掛かるだろうけど、出来うる限りの事はしてやりたいので静かに見守る事にする。
このまま攻略が順調に進めば、あっという間にアインクラッド【は】攻略出来てしまいそうだ。まあ、フロアボス討伐レコードは双夜さんが総なめしているけど。
それも途中から、拾ったロングソードではなく手持ちの《薙刀》持ち出しての攻略だから本気度がマジでヤバイ。
モチベーションが、違い過ぎる。
ある意味、一番《ビーター》らしいのは双夜さんだった。
そして、問題があるとすれば……俺から見ても、ユウキとキリトの使う初歩強化魔法がちょっとおかしい事だろうか?
なんで、あんな(超反応・超反射)レベルの動きが可能なんだ!?おかしいだろう!?これが、正規主人公(キリト)補正と準(ユウキ)・主人公との違いという事か!?
もう、何て言うか……本能で、技術を習得して反射神経と反応速度で動き回る餓えた獣が二匹いる様な感じである。
そこに理論的なモノは存在せず、二人程野性児が爛々と目を輝かせて獲物(モンスター?)を見詰めている感じだ。
調子こいて、『考えるな。感じろ!!』なアドバイスを送ってしまった俺が悪いのか……あそこまで、デタラメな存在に成り切れる主人公が悪いのか……計算外の話だった。
因みに、アスナは未だに内面の魔力感知が出来ないでいる。ぶっちゃけると、『考えるな。感じろ!』が出来ない人だった。双夜さんの、『理想の自分(身体強化)』というアドバイスは何とか飲み込んだみたいだけど……魔法は絶望的らしい。最悪、回復魔法の使えない(役立たず)ウンディーネになりそうな予感がする。
まあ、魔力操作を覚えるまでの話なんだろうけど。
主人公側のアスナが、それを覚えられない何て事はないだろうし、今は駄目でもその内何かしらの切っ掛けで使える様になるかもしれないから気にするだけ無駄だ。
双夜さんがいる限り、アスナが今のまま放置される事はないから時間の問題だと思われる。
「教えて!守護えもん!!無理矢理魔力流して魔力操作を体感させる事って出来るの?」
「私は、ドラ○もんではないのですが……まあ、可能ですね。ただ、コツを掴むまで流し続ける必要がありますが……」
「習得率は!?」
「人間ですからねぇ。勘の良い方で、20%……悪い方で5%前後でしょうか?」
つまり、キリトやユウキはその20%程度の確率で手助け無く魔力操作を習得した訳ですね。
これも、《主人公補正》というヤツか!スゴいね!《主人公補正》。無敵だね、《主人公補正》!!もう、二人だけでアインクラッド攻略すりゃ良いんじゃねぇ!?
「……フッ。ドンだけやねん!?」
アスナやユイは、理論派だから低確率の5~10%程度に該当する訳だ。わかり辛いモノなんだな……魔力ってのは。
因みに俺は、そのスキル等込みで転生したという。
デバイスに次ぐ、魔法系スキル一式を貰ったらしい。
「転生特典だったのか……【魔法少女世界】、パナイなぁ……てか、誰だ!?転生特典(3つ)が、少なくてショボいとか言ってた奴は!?提示されない特典が、テンコ盛りじゃないか!?くぅ……ザマァーないな(凹)」
『少ない』とか『ショボい』とか言って、ごめんなさい!
まさか、そんなにテンコ盛りだったなんて知らなかったんです!!とりあえず、転生させてくれた【神】に謝罪の気持ちをブチ撒けて……即行で、《神殺し》側に鞍替えしちゃいます。感謝はするけど、【迷い子】の怨み辛みは消えたりしないんだよ!!
いずれにしろ、神様特典(裏を含めて)がどんな法則性で与えられるモノなのかは俺は知らない。双夜さんは、流石に知っているだろうけど答えてくれないのでわからず終いだ。でも、【等価交換の法則】に則って行使されるモノだとは教えて貰っているので、多分おかしな選択等ではないのだろう。まあ……ただ、悪意があるだけで。
「…………駄目な気がしてきた……」
悪意入れちゃあ、【等価交換】ではなくなる気がするのは俺だけか!?何を持って、アレを【等価交換】と称するのかがわからない。『ある程度の方向性を決める事が出来る』とは言われたけれど、転生者が苦悩する転生が【等価】になるとは到底思えない。何か、別の隠された取り引きでも無ければそれを【等価交換】とは認めないぞ!?
「何を百面相しているんですか?」
「守護者さん。いえ、神様特典表・裏がどうしても【等価交換】だとは思えなくて……双夜さんは、何も教えてくれないし……内訳とか、教えてくれないですかね?」
「ああ、それですか……要は、転生する者の『深層意識にある願望』を叶えない事を前提(悪意)にしているのです」
「深層意識の願望?」
「はい。その人が、抱いている願望の真逆の事柄が裏特典として与えられているのですよ。多分、お気付きかと思いますが……転生には、二種類の特典が付きます。一つは、貴殿方が望むチート特典。そして、転生させられる世界に適合させる為の特典です」
あ、何となくわかって来たぞ。
詰まるところ、『転生する世界に適合させる』為の特典が善意じゃねぇんだな!?それが、デメリット特典の【等価交換】の題材ってヤツか!?
「ここで、勘違いしてはイケないのが……デメリット特典は、後者ではなく前者に与えられる裏特典になります」
「は?」
「貴方達の表面的願望と深層意識的願望。表層面の願望に対して、裏特典は深層意識的願望によって方向性が決まります。貴方の【迷い子】は、貴方自身から滲み出たモノとなります」
「……………………」
どっから、滲み出やがった!?え、何!?俺、深層意識では原作に関わり合いになりたくないと思ってた訳!?
「ついでに言うと、異世界に転生させるにあたっての【等価交換】もありますのでかなり複雑奇怪な特典条件になっているでしょうね……」
「はあぁ!?」
なんじゃそりゃ!?
え?じゃあ、何か!?チート特典を求めると、デメリット特典を与えられて……デメリット特典は、深層意識の願望がその方向性を決める?ああ……そうじゃなくて、転生させられるのにそれにも対価が求められるっていうのか!?
クソッ!段々、頭がこんらがって来たぞ!?
「転生させられるのに、対価が必要なんですか!?」
「ええ。でも、簡単な対価ですよ?『転生させる者』……即ち、【管理者】を楽しませる事が転生の対価となります」
「ああ!?【管理者】を楽しませるのって、転生者の義務な訳!?」
「はい。義務です」
「え?……じゃあ、『転生する世界に適合する為』の特典対価ってなんですか?」
「フフフ……何だと思いますか?」
「質問を質問で返さないで下さい…………わからないです」
「簡単ですよ。言ったでしょう?『適合させる』と……つまり、《旧・神族》が“内側”の世界で活動する為の【器】として機能させる術式が組み込まれているのですよ」
「ーーーーー」
その知りたくもなかった真実は、正にヴィータの《ギガントシュラーク》の直撃を受けた様な衝撃だった。
『適合させる』という特典そのモノが、《旧・神族》の“現世用【器】”となる為の条件なんだそうだ。因みに、その事は今のところ《神殺し》しか知らないらしい。
その内、公開していく事になるらしいけど……その内っていう理由が、【断罪】対象になった……もしくは、それに該当する【神】の職務放棄を防ぐ為らしい。
それが知れた途端、職務を放棄して逃げ出す馬鹿が大量発生する可能性があるとのこと。まあ、誰だって知らない内に犯罪の共犯にされていて逮捕拘留されるのは納得出来ない話である。
「そんな訳で、現在は秘匿事項になっています」
「そ、そうなんッスか……えっと、俺、大丈夫ですよね?」
「それは、“器”としてですか?」
「あ、や、えーと、はい……」
「……………………さあ?」
「え!?ちょ、保証してくださいよ!!」
壊れてるんですよね!?
つーか、前回壊して貰ったハズなんですけど!?
「そういうのは、専門ではないのでわからないです。なんなら、双夜に聞いて下さい。ま、教えてくれるかは不明ですが……」
「ええ!?」
ちょっと、そこは嘘でも良いから『大丈夫だ!安心しろ……』と励ますところだろう!?なんで、不安になる様な発言をするんだこの人達は!?詰まるところ、アレですか!?
俺、この人達のモルモットにされてる!?
「そんな事より、君の人生が『娯楽』扱いされている事にはノーコメントなのかい?憑依される確率の低い事柄に対する保証よりも、そちらの方が死活問題だと思うんだがね?」
「???……憑依確率、低いんですか?」
「…………ワザワザ、《神殺し》が近くにいる所へ飛び込んで来る馬鹿がいるかい?そりゃ、君が悪堕ちして《旧・神族》と同調したというなら話は別だが……」
「へ?憑依条件に俺の悪堕ちがあるんですか?」
「…………健康な精神を乗っ取るのと、摺り切れた精神を乗っ取るのとでは後者の方が簡単だろう?」
おや?もしかして、《旧・神族》の憑依ってかなり確率低いんじゃ……?それを聞いて、ホッとしている俺がいた。
話を聞けば聞く程、俺が憑依される可能性は低いという事がわかり平常心を取り戻した俺は守護者さんが提示した『娯楽問題』を考える。とりあえず、その問題の注目点がわからなかったので詳しい話を聞いてみる事にした。
「プライバシー&プライベートが、無くなります」
「……………………」
そりゃ、神様に覗かれてんだからプライバシーもプライベートもあって無い様なもんでしょうし……ねぇ?
「覗き見したい放題ですからね……」
「お、オ○ニーも?」
「むしろ、女神に転生させられた……容姿を弄られた方は、ほぼ間違いなく覗かれているでしょうね(笑)。まあ、フツメンでも……神の好みの問題ですから、油断はしない方が良いかもしれません」
「ノォウ!?」
俺はそれを理解した瞬間、頭を抱えて珍妙な発音のNO!を叫んでいた。てか、何その羞恥地獄!!俺、割りとヤりまくってたんですけど!?
「中には、様々な魂を美少年化させて性的特典で性欲を強化された逆ハーレムで情事を覗きたい放題していた女神もいたらしいですからね。世も末です……」
止めて……止めてっ!!その話、聞きたくない!!
余りにも、人の硝子ハートを抉る守護者さんが鬼畜に見えて困る。てか、俺の中の女神イメージをガラガラと崩さないで欲しい。下ネタに走った俺も悪いが、それをわかっていて話に乗る守護者さんも鬼である。
神様(♂)だから、セーフ!!なんて言葉は出ない。
神様が、覗く事が出来るならそれに便乗した天使(美少女イメージ!これだけは譲らない!!)達も見ているはず。
女神がいるかどうかはわからないが……『見られてない』なんて事はどうあっても言えるはずがない。
「因みに、その被害にあってる方が貴方の近くにも……」
「ひぃ!?被害にあってる方がいるんですか!?」
「ええ、翼さんがそうです」
「超、身近だった!!!?」
え!?マジで!?あの翼さんが、覗き見対象!?女の子だよ!?ってアレ?そう言えば、聞いた事がある様な?
あ、でもアレは……悪質な神様に、嫌がらせされているって話だっけ?【魂】がどうのこうこの話だった様な?
それに、翼さんのイメージだと……全力で、殴り飛ばされて覗き見している奴(【神】)が殺されるイメージしか思い浮かばないんですけど。
それでも、翼さんが被害者なんですか?
「……………………」
「おや?どうかしましたか?」
「いえ……イメージが、湧かなかったモノで……」
「…………貴方は、彼女にどんなイメージを持っておられるのでしょうね?あの方は、人間の女の子なんですよ?世界を管理する人外ではないのです……」
「あ、や、まあ……そうなんですけど、何て言うか……殴られたら終わりそうですよね!」
「…………成る程、良くわかりました。貴方が、彼女にどんなイメージを持っておられるのか。後で、告げ口しておきますね?」
「え!?ちょ、止めて下さいよ!?」
そんな事されたら、俺がグチャグチャにされるじゃないですか!?止めて下さい、死んでしまいます!!
凡そ、女性に対して抱く様な感想ではないイメージを思い浮かべつつ守護者さんを追って告げ口しない確約を求める。だが、守護者さんはニッコリ笑うだけで確約をくれなかった。ヤバイ、次に翼さんに会った時が俺の最後になってしまう様な気がする。
「ちょ、マジで勘弁してくださいよぉ~(泣)」
……………………
……………………
……………………。
休憩を終えて、散っていた俺達は置き換えられた転移門の前で落ち合った。
「では、クエスト(ボス情報の)をこなして情報を得たら迷宮を攻略しに行きます。皆さんには、それぞれの情報に対応したクエストを受けて頂きますのでクリアしてボス情報を収得お願いシャス!!」
「じゃあみんな、それぞれを任せる事になるけど無理はせず、クエストをクリア目指して、頼むぜ!それじゃあ、このお礼はいつか必ず精神的に。一丁、頑張ろう!!」
『おう!!』
キリトの号令を受けて、俺達はそれぞれチームに別れて休憩中に探索して確認しておいたクエストに参加する。
彼等が、この攻略に力を貸してくれるのは双夜さんに助けられた恩義を返す為だとキリトが言ったからだ。
双夜さんは、『任務で訪れたそのついでだ』とか協力を断っていたけれど、アニメしか知らない俺的には大いに助かっている。少人数でない分もあって、こんな風にチームを作ってそれぞれのクエストを受けられるのも有り難い。
いやぁもう、人海戦術様々だぜ♪(笑)。
今回も、俺と共に行く奴等はクラインとシリカとシノン。
キリトは、リズベットとユイと使い魔が同行し……守護者の元には、ユウキとアスナが同行する。
《こちら》がバラけているのは、監視とかの為ではなく連絡用の人員だ。ステータスのメールシステムが、段々使いにくくなり始めた為にばらけているのである。
この世界に来た当初は、まだ何処でも使えたシステムだったんだけど……最近では、迷宮やダンジョン内での使用が制限されているらしくて連絡が出来にくくなってしまっていた。それを、補う為の人員配置である。
「それにしてもよぉ、ラグーラビット旨かったよなぁ……」
「ですねー♪。アレはちょっと、現実世界では得られない至福の味でした♪」
「ええ。私も、アレの美味しさには幸せを感じたわ」
キリト達と別れた俺達は、先日双夜さんが手に入れたS級食材の話で持ちきりだった。まあ、調理したのはアスナだったけれど。アレを双夜さんが、持ち込んできた時は騒然としたモノだったぜ。
「一番はしゃいでたの、キリトだったけれどな……」
「昔、一度食べた事があるんだから少しは遠慮して欲しかったわね……」
俺の言葉に、辛辣な言葉を返してくるのはシノン。
まあ、最後の一切れを奪われた者としては当然の言葉なんだろうけど。全ては、意地汚いキリトが悪いのだ。
「また、仕入れて来て欲しいよなぁ……S級食材!」
「フフフ。ですねー♪」
「でも、双夜ならって思っちまうよなぁ……」
そう、双夜さんならもう一度S級食材をGETしそうなのでクラインの言葉に思わず期待の気持ちを溢れさせてしまう。てか、今度は人数分のラグーラビットをGETしてくだせぇ!!そうすれば、意地汚いキリトが暴走する事はない……はずだ。そうすれば、平和にマッタリと食事する事が出来る。前回の過ちを犯す事無く!!
「流石に、リーファさんブチ切れで大暴れはナイワー」
「アレは、キリトが悪いのよ!病み上がりを盾に、我が儘を通そうとするから……」
正確には、悪戯好きな双夜さんの精神的誘導に乗っかったキリトが暴走しただけなんだけど……言わずが華だな。
「他にも、S級食材ってあるんだよな?」
「そりゃ、ラグーラビットだけじゃないでしょ?」
「って事はだ。それを見付けて、キリトん所に持って行けば美味しい料理が食べ放題!?」
「あはは……自分で、調理しようとは思わないんですね」
「くぅっ……出来れば、そうしたいんだけどよぉ……料理スキルなんてびた一文上げてなくてよぉ……」
「双夜さんも、料理スキルなんて持ってませんけど……ヤバイレベルの手料理作れますよ?」
「あのチーズケーキも至福でしたー♪」
「ああ……アレねぇ♪」
シリカのその発言により、俺達のS級食材の話題はうなぎ登りとなる。ついでに、秘密基地で作られたチーズケーキへと話はシフトして行った。ちょっとした、お茶会だったんだけど……双夜さんが、チーズケーキと紅茶を持ち出してきて華を添えたのである。結果、アスナ含む全員がそのチーズケーキの虜となり、至福の味に舌鼓を打っていた。
「出された紅茶も、チーズケーキに合わせられていてーー」
シノンとシリカが、まるで恋する乙女の様にあの日味わったケーキに心奪われている。まだ、クエストを受ける前だから良いけど……クエスト中にこの空気を展開されるのは困る。クラインも、チーズケーキの話題に心奪われた二人を見て鼻の下を伸ばしニヤニヤしているしどうしろと!?
「また、双夜さんに作って貰えば良いだろう」
ドラゴンが、外に出て来られない事は確認された感じーー異次元?にいるらしい。ダンジョン含むーーだし、その前にそこへ至る為のクエストを幾つか受けなければならないと転生者達に聞いたとのこと。
「その対価が……アレじゃあ……なぁ?」
話の内容を聞いた時は、開いた口が塞がらず呆れを通り越して呆然になちゃったけれど……【二次元専用特典】とは。
それと、それに関するモノーー無地の原稿とか、インクやペン、トーンと呼ばれるセロハン?等だーーを作る能力とか……何処までも、ヲタクを貫く姿勢に脱帽だった。
とりあえず、アイツ等は『職人』共と呼ぶ事にして、もう俺が関わる事は無いだろうけど。
関わるとしたら、双夜さんが間に入るか……クエスト関連だけでの関わりとなるだろう。
「それじゃあ、まだ見ぬS級食材GETを目指して!!」
「頑張りましょう」
『おー!!』
「ん?おー?」
拳を突き上げるシリカ達に習って、訳もわからないまま空気に流される日本人(笑)らしく、適当に声を上げつつ同意の拳を上げる。その後で、彼女達の会話から何の議題だったのかを情報収集等で判断して適当に纏めた。
この程度なら、俺でも出来るんだよなぁ。
先程まで、夢想していた彼女達の合意議題は『まだ見ぬS級食材に対して突撃する』だったらしい。
その上で気合を入れた形で終わったモヨウ。
なら、俺もそれに習ってまだ見ぬS級食材を手に入れる為に頑張る事にしますかねぇ……?
攻略組となった主人公達と鉄&神殺しのお話でした。
漸く、本編序章が始まった感じですかね?。ただ、歩み出した訳ですが……階層攻略待ちです。本編ではありますが、メインストーリーではないです(笑)。攻略が終了すれば、今度は双夜による【クエスト編】が始まります。これが、一番長い……つーか、面倒な話(予定)なので飛び飛びになるかと。
その後に、【ドラゴン編】が……そして、おまけ?で【死の武器編】があるぐらいですかね?
SAO編が終わったら……【リリなの】メインで、『ゼロの使い魔』?とか『IS』(作者の妄想編)とかやろうかな?
今の所、未定話だけど!←ここ大事!!
ここから↓は、作者の妄想です☆!(笑)。
でも、ぶっちゃけ『ゼロの使い魔』ならイケる?
だけど、世界観設定が甘いんだよなぁ。
ゼロ+αが、まだ……(笑)。IS+αも、まだ……。
いずれも、+αしたら結末が全然違うモノになるし。
注:鉄の“器”は、既に壊れてます。
でも、それを知らない守護者が鉄を揺さぶって不安にさせるという一面がアレ↑です。明言されないと、不安になるのは原作人物達と同じ原理ですね(笑)。
誤字・方言あれば報告をお願いします。
m(_ _)m
感想もあれば、お願いします!
いつも読んでくれる方々に感謝を……。