絶望を払う者~狂気の神々vs愉快で〇〇な仲間達~   作:葉月華杏

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一六三話

双夜

 

 

数日前。

朝、目が覚めるとボクは女の子になっていた。

 

「……にゃ?」

 

まあ、理由はわかっているので驚く事は無いけれど唐突に来るから高町家のリビング降りて行ったらなにょはママ達がギョ!?と驚いていた。まあ、仕方がないのでちょこっとこの現象について説明して用意されていた椅子に座る。

因みに、席のお隣はユーノくん。ボク達は、お客さんだけど普通に一緒の食卓に並んで一緒に食べる。

 

「それにしても、双夜くんには驚かされてばかりだな……」

 

「高次元精神生命体なんて、生体もクソも無い生き物だからね。そりゃ、性別が無いからって生理現象で女体化するなんて思わないだろう……」

 

「生体ロストロギアと言われても信じれるレベル……」

 

ユーノくんが、ポツリと呟くが誰も聞いてなかったらしくスルー。とは言え、ユーノくんの言った事はボクも少し考えた事のある事だ。だけど、ボク達が滅びる事はない。

アイツ等は、不老不死みたいなモノだし……行きすぎた科学を暴走させても文明を失う事は無いだろう。

実際、あの馬鹿が何度暴走してもあの【組織】が滅びる事は無かった。重力制御システムが、ブラックホールになっても……次元兵器が、次元断層を引き起こしても健在だ。

何故なら、あそこには【始まりの魔法使い】がいるから大抵の事は一瞬で終息してくれる。だから、科学者達は遠慮も自重もする事なく自由にノビノビと実験が出来るのだ。

だからこそ、あの【組織】の科学技術が【遺失物】にならない。行き過ぎた技術が、『ロストロギア』と呼ばれる理由は……発見される遺失物を現代人が興味本意で間違った運用法を持って暴走させるからだ。だから、ロストロギアは危険なモノであると言われる訳だが……アイツ等の技術は、制御可能な『化け物』がいるので問題にもならない訳だ。

そもそも、なんでそんなモノに興味を示すのかが意味不明である。そりゃ、利用出来れば安易なエネルギー資源ではあるだろう。しかし、博物館に掲示する以外でそれを使いたいと思う馬鹿はあの【組織】にはいない。

あの【組織】の者なら、一から全部を造り上げ様とする面倒大好きな奴等の集まりだ。特に【鮮血の】なんて、趣味のモノになると手作業で全ての工程をヤりきる始末。それをも含め、【愛】が成せる業だと胸を張って言っていた。

 

「『愛』ですか……」

 

「うん。技術を自分の子供的表現で、一から全部を手掛けないと気持ち悪いんだって。本当に、変態だよね!」

 

「自分の作品に『愛情』があるんですね……」

 

「ボクも含め、安易なエネルギーに手を出す君達の世界がとても不思議なんだよね。新技術を開発するのは、最高の名誉だろう?なんで、ロストロギアなんてモノに頼ろうとするんだ?誰かが、造ったモノなんだよ?自分の作品に、他人の造ったモノを組み込むなんて考えられないね!」

 

「えっと……そんなモノですか?」

 

「……誰かに認められたいと願うなら、他者の技術を組み込むなんて愚行しないよ?そりゃ、歴代の技術者達が積み上げた『歴史』を使う事はあっても、誰かが造った完成品を組み込むなんて一流の科学者がする事じゃない。どれだけそれが、近道になるとしても本物であるなら誰も使わないよ?余程、君達の世界の科学者は面倒臭がりなんだね?」

 

「…………成る程、そういう考え方もあるのか……」

 

「例えば、あそこに浮かんでいるサーチャーとか、誰が造ったのか知ってる?時空管理局!と言うかもだけど、実際には管理局が提携している企業が造ってるんだよ?」

 

ズビシッと指を指して、ズバッと切り込んで行く。

今頃、アースラでは唐突に指摘されてビックリしている事だろう。だけど、こちらに通信を繋げる事は出来ない様にしているので、誰を派遣するかで話し合いが始まっているかも知れない。つーか、サッサとクロノンを派遣するがよろし。そうすれば、サックリ問題解決して上げるから。

 

「サッサと、接触してくれば良いのに……おーい、リンディちゃーん。サッサと、クロノを派遣しろやー(笑)。フフフ、ビビってるんだろうなぁ……」←不審者(笑)。

 

「凄いですね。向こうからすれば、不信感極まりない状況ですよ?知り合いでもない人に、自分達の情報が伝わっているんですから……」

 

「そう?ボク的には、気にしないよ?リンディ・ハラオウンやエイミィ・エミリッタが来ても、普段通りの対応が可能だ」←ワザト

 

ほぅら、ここに最大の禁忌を犯している犯罪者が居ますよぉー?時間を越えて、過去へと干渉し未来を大きく変化させようとする犯罪者が(笑)!

未来知識を晒して、相手の動きを制限する鬼畜なボク。

自分達の情報が、管理外世界に広まっている事に手出しがしにくくなっているので未だ様子見なアースラだった。

いっそうの事、ブリッジに直接転移してクロノンを拐って来ようかなと邪悪な考えが頭を過る。

超、ビビるだろうなぁ……(笑)。

まさか、自分達のいる次元空間まで把握されていると知ったら超ドン引きだろう。いや、知覚しているんだけど。

 

「もう、あんまり待たせるなら、こっちから迎えに行っちゃうぞ?」←楽しそう。

 

とは言いつつも、既にフレールくん達がアースラに乗り込んでいる訳だけど(笑)。

因みに、ここに来た次元航行艦が【アースラ】で、管理局スタッフがハラオウン一派である事は確認済み。

後は、接触を待つだけだったんだけど……ユーノくんが補足された最初の段階で、来ているであろう管理局スタッフを暴露したモノだから接触が延びに延びている訳だ。

偶々、聞かれていたらしい。

ワザトじゃないよー?ないからねー?

 

「フフフ……。言葉のみで、イジメられるって楽しいね?」

 

「はあ……。程々にしてあげてください……」

 

「えー……勝手に深読みして、勝手にビビって接触して来ないのは時空管理局でしょ?ボクのせいじゃないよー?」

 

「それは……そうだけど……」

 

「なら、いっそう……こっちから迎えに行こうか?」

 

「次元航行艦の位置がわかるんですか?」

 

「わかるよー?把握済み。直ぐにでも、接触出来るよ?」

 

「……………………じゃあ、お願いしようかな?」

 

段々、ユーノくんもこっち側に傾倒しつつある様な感触。

悪の道……って訳じゃないけど、二の脚を踏む管理局に苛立ちめいた感情を持ち始めている。ずっと、放置されている現状に腹立ちが出始めているらしい。

 

「じゃあ、強制的にちょこっと進めちゃう?」

 

「そうだね。来ているのなら、サッサと接触したいし……回収したロストロギアも渡したいからね。お願い出来る?」

 

「うん。問題ないよー?あるとしても、押し通すから問題でもないね。じゃ、時空管理局次元航行艦アースラに行って来るよ(笑)」

 

言って、ボクはユーノくんの返事を待たずにアースラブリッジまで跳んだ。リンディ・ハラオウンの目の前にジャンプ・アウトしてニッコリ笑って見せる。

そして、陽気な声で言ってみた。

 

「という訳で、来たよー!!」

 

『『……………………』』

 

ヒャフゥーと、楽し気なボクと目を見開き硬直しているリンディ・ハラオウンを含むアースラスタッフ達。チラッと、エイミィさんとその手にあるお茶セットを見て……。

 

「リンディちゃん、あんまりお茶に砂糖ドバドバ入れて飲むのは身体に良くないよー?今はまだ、若いから良いけど……その内、病気になっちゃうと思うよ?」

 

ボクが、口を開けば開くだけアースラ・スタッフ達の表情が固くなって行く。とは言え、こっちは知り過ぎている程知っているので手を緩める必要は存在しない。

 

「そんな奇妙な事をしているから、いつまで経っても再婚出来ないんだよ。あ、まだクライドさんに未練タラタラなのかな?【闇の書】に呑まれたからって、死者は帰って来ないんだよ?なら、新しい愛を探すのも手だと思うの。まあ、そうこうしている内にクロノとエイミィが、今から五年後くらいに結婚しちゃって婚期を逃しちゃうんだけどね(笑)。あ、エイミィが投げるブーケはリンディちゃんがゲットしてたよ?因みに……クロノとエイミィの馴れ初めは、クロノがエイミィに食われちゃったのが始まり。まさか、その時の一発で出来ちゃった結婚になるとは……本人達も思っては無かったんじゃないかなぁ?そうそう、クロノって今はチンチクリンだけど……後数年もすると、170センチ代まで成長して一気に成長するからコンプレックスなんて一瞬で無くなるよ!良かったね、クロノん!周囲から、チビッ子扱いされて身長がコンプレックスになってるクロノ・ハラオウン。でも、安心して?君の身長が、170センチ代に至るのは確実だから!!顔もそれなりに整っているから、イケメンになる事は間違いない。……ただ、次元航行艦の艦長に就任すると生まれて来た子供達にパパ認識して貰えず、『おじちゃん、また泊まりに来てね?』とか『おじちゃん、バイバイ』とか超他人行儀で父親認識されてないって悩みが生まれる事になるけどガンバ!!さて、そろそろボクの正体もわかって来ただろうから一応確認するけど……ネタバラし必要?」

 

邪悪な笑みが、漏れ出てしまうけど何とか抑えつつリンディちゃんにネタバラしが必要か聞いてみた。勢い良く喋り切っていたから、考えがまだ纏まっていないかもだけどボクの気にする事じゃないので気にしない。

 

「……………………………………………………未来人……!?」

 

愕然とした表情で、ポツリと呟く様に言い当てるリンディちゃん。ただ、その背後で羞恥に悶えるエイミィさんと未来を憂いて絶望するクロノが見えるが気にしたら負けだ。

 

「YES、正解だにゃ!時間転移魔法を持って、未来から過去を改編する為にやって来た未来人だよ!時空管理法最大の禁忌!時間を越えて、過去を改編する時空犯罪者!だけど、ボクが改編するのは……時空管理局崩壊の原因。リンカーコア封じのレアスキル持ちを捜し出し、時空管理局・本局襲撃事件を防ぐ為である。ボクを捕まえると、時空管理局そのモノが無くなるから捕まえたくても捕まえられないんだなぁ……これが!信じたくないなら、信じなくても良いけど。時空管理局が無くなってから嘆いても遅いので、捕まえないでくれると嬉しいかな?」

 

「……………………リンカーコア封じのレアスキル?本当に、そんなモノがあるとでも言うの?」

 

「あるよ?リンカーコアを封じられ、質量兵器で虐殺された管理局本局の魔導師達……」

 

パキン!と指を鳴らして、最初の虐殺映像をアップする。

それは、ボクがママ達に拾われた最初の世界での本局襲撃事件の映像。エレベータホールが、血の海となる程に魔導師達が虐殺された彼の映像を見せ付ける。

 

「これが、君達の未来だ!」

 

「ーーーーー」

 

「ボクは、これを回避したい。回避して、幸福な未来を掴み取る為にここにいる!例え、次元犯罪者と指名手配されてもボクは止まらない。ってか、止まれない。リンカーコア封じのレアスキル持ちを殺して、襲撃を計画している者達を廃除しきるまでは……止まれないね!!」

 

「……………………そこまで、覚悟をして?」

 

「当然。ボクには、それを成す権利があるからね!……さて、時空管理局?君達は、ボクを捕まえる?真偽を問えるのは未来でのみ。捕まえて、滅びてみる?それとも、見逃して幸福な未来を手にしてから捕まえる?」

 

「……………………」

 

判断材料のない超難問に、リンディ・ハラオウンは沈黙するほか何も出来ない様子だった。クロノ・ハラオウンも、虐殺映像を見て真偽が計れず沈黙を保っている。というか、迎えに来ただけなのになんでこんな事になったのやら?

ああ。ボクが、未来知識で未来暴露を始めたからか。

でも、何時かはやらねばならない事柄だから面倒な事は一気にヤって終わらせて置くのは必定。避けては通れないのだから、ここでやってしまう方が効率的ではある。

 

「あ、それと……引き取って貰いたいモノがあるんだよ。ユーノくんが、通報していたと思うけど。ジュエルシードっていうロストロギア!と……それから、リーゼ姉妹!!」

 

「「は?」」

 

本当に!ほんっとーに『ついで』だけど、ボクの手の内にあって邪魔になる『札』の一つを提示する。

ボクが女体化した数日の出来事の中で、一番簡単だったリーゼ姉妹捕獲について説明しておこう。

ある意味、本当に『飛んで火に入る夏の虫』状態だった。

はにゃてん家からの帰り道、男で仮面なリーゼ姉妹に呼び止められて『八神はやてには、近付くな!』という警告を告げられる。【闇の書】関係で、はにゃてに知り合いや友人を作りたくなかったから襲撃して来たんだろうけど……驚異でもなんでも無かったので、丁重にお断りして踵を返したら襲われたので返り討ちにしたのだ。

まず、ロッテが接近戦を挑んで来たので最初の一撃をいなし、カウンターで《鎧通し》を打ち込んで怯んだところを美味しくいただく。意識を刈り取り、空間に固定して転移が使えない様にすると今度はアリアが出現。

アリアは、空に浮かんでいたし攻撃はシューターや砲撃だったのでそれらを壊さない様に『受け止めて』投げ返した。

シューターや砲撃を受け止められたアリアは、仮面で表情まではわからなかったけど硬直して動かなくなってしまったところを美味しくいただく。

『受け止めた』シューターや砲撃を『投げ返した』ら、向かってくるそれらに慌てて回避して何とか成功させてたけど。視線が外れたので、その一瞬を逃さず縮地で間合いを詰め、重りの付いたテグスを投げて足を絡め取る。

そして、一気に手繰り寄せてガツンと一撃を顎に入れた。

それで、アリアは意識を失って終了。

僅か、数分の仕事だった。

気分は、正に暗殺者。

現在は、その時の映像がアースラブリッジに公開されていた。今のチャプターは、気絶したリーゼ姉妹が男の姿から元の姿に戻る場面。最初、それがリーゼ姉妹なのか疑っていたクロノだったけれどこれを見て納得。

リンディちゃんは、そもそもリーゼ姉妹がこの地にいる事事態を怪しんでいる様子。それは、本人達に聞いて貰う他ないのでお任せしちゃいましょう(笑)。という訳で、リーゼ姉妹を閉じ込めている魔法封じの檻を召喚。

蓋を開けて振り回すと、リーゼ姉妹が『フギャッ!?』『ギャ!?』と落ちて悲鳴を上げた。

『何するんだ!?』と、威勢良く文句を叫ぶけど周囲を見回して一転、サァァーと血の気を引かせて顔色を真っ青にしつつアワアワと動揺している。そして、捕まった当時の映像が流れているのを見て真っ青から蒼白へと変化した。

因みに、彼女達には【闇の書】の対応については何も教えていない。ただ、恐怖の『ねこ鍋』を体験して貰っただけだ。ええ、それはもう超楽しかったです☆♪。

 

「じゃあ、リーゼ姉妹の身柄はリンディちゃん達に預けるね?なんで、こんな管理外世界にいたのか……とか、ボクを襲撃した理由とかは、本人達に聞いてね?」←鬼。

 

そう言って、ボクの所に戻りたい……ボクの所が良いと、駄々をこねるリーゼ姉妹をにこやかに送り出しリンディちゃんに本局への移送をお願いする。その後、ロストロギアの引き渡しの為、現地の魔導師達とユーノくんを呼びジュエルシード(中枢完全封印版)とそれを狙ったプレシア・クローンとのいざこざ映像を手渡した。

その際、大魔導師と同性・同名である事を指摘されたプレシアちゃんがとても怯えていたけど、それ以上の突っ込みは無くスルーされた事により少し安心した様子。

そりゃ、見た目的に本人だとは思われまい。魔力資質でさえ、ちょこっと弄られているんだ完全に同一人物だとは判断されないって(笑)。

リンカーコア精製魔法に超興味津々だったプレシアちゃん。ついでだったので、条件付きSSランクではなくリミットを一つ上げてSSランクにしてあげた。

きっと、はにゃての魔力ランクはそこまで大きくはならないはずだから。そこら辺は、リインフォース・アインスとリインフォース・ツヴァイにお任せしよう。

ああ、因みにボクが所有するリインフォース・ツヴァイは現在、八神家にお邪魔している。【闇の書】には、《ルール・ブレイカー》が突き立てられていてナハトヴァールと無限転生機能は停止しているので問題ない。

6月4日になれば、リインフォースを含めた全員が覚醒と思われるのでその時にお邪魔してリインフォースの驚きっプリを堪能する予定である。これも、《ルール・メイカー》による新たな【理】の差し込み仕込みだ。

普通なら、リインフォースが目覚めるのは魔導書が完成した時のみ。それを、ナハトヴァールに管制人格ではなく守護騎士だと《ルール・メイカー》で認識阻害を掛けた事により実現した方法。これで、彼女だけ除け者にされて幸せになれないなんてクソみたいな絶望は払われたって訳。

はにゃての身体も、少しずつではあるけれど回復しているみたいだし……良い事づくめだよね!

ロストロギアの引き渡しと、自己紹介を終えたなにょはママ達がクロノと模擬戦してボコボコにしていたのは……まあ良いとする。その模擬戦で得た、魔力資質調査によってプレシアちゃんが大魔導師プレシア・テスタロッサの関係者だと認識されて質問攻めにあってたけどボク達は避難済みだったので問題なし。まあ、フェイトねぇもアリシアちゃんも『テスタロッサ』の性を名乗ってたけどね(笑)。

なんとか逃げ出して来たプレシアちゃんに、スッゴク怒られたのはご愛敬。これもまた、経験だよ経験。

とりあえず、この日はこれにて終了。リンディちゃんに、ちょこっと☆O☆HA☆NA☆SHI☆して解散した。まあ、未来がそうだったからとそうする必要は無いんだけどと言いつつ地球に移住しない?と言ってみただけだよ?

まあ、その経緯や理由とかは伝えてないけど(笑)。立ち寄っただけの世界に、そこまで関心を寄せる事はないだろうから移住の件は無理そうだけど。

 

「あ、そうだ。リンディちゃん、話し変わるけどユーノくんを無限書庫に突っ込んでみない?一生を掛けて、無限書庫を整理してくれるかもよ?」

 

「あら、それはちょっと心引かれる提案ね。もしかして、それも未来知識なのかしら?」

 

「うん。未来の司書長さんだし……結構、深くまで発掘してくれるよ?因みに、無限書庫は資料科ではありません。ユーノくんは、頑張ってくれるけど資料科ではないんだよ!」

 

「…………なにかしら、とても不穏な事を言っている様な気がするわ……」

 

そのリンディちゃんの勘は、間違っていない。

資料科扱いされた無限書庫で、目の下に隈を作りながら指定の資料を発掘するユーノ司書長達の苦労はボクも体験している。

 

「因みに、なにょは、ちゃんは……未来のエースオブエースだから!管理局の白い悪魔って「悪魔じゃないよ!!」犯罪者さん達から呼ばれます(笑)。ついでに、フェイトねぇは執務官で金色の死神って呼ばれるんだったかな?」

 

「なんで、フェイトちゃんだけ疑問なの!?」

 

「えー?そんなことないよー?」

 

「あら、この二人がそんな存在に?成る程、だから未来の私がこの地に移住するのね?」

 

「もう一人、頭脳労働者が一人とSSランクの魔導師が一人。アリシアは、デバイスマイスターになるんだっけ?」

 

アリシアの場合は、その適正があるってだけでボクが未来を決める訳じゃないから言ってみただけである。

そもそも、この世界のアリシアはリンカーコアを持ってなかった。いや、あるにはあるけどランクが低いのである。

それなら、最初から無かった事にしてしまえば良い。

プレシアちゃんからも、その案に賛成して貰っているので問題なし。アリシアちゃん本人には、なにょはママ達の模擬戦とSLB映像を見せて『魔法怖い。使いたくない』を刷り込んだので駄々をこねられる事はなかった。

因みに、頭脳労働者とははにゃての事。その為の戦術指南はちゃんと仕込んでいるので経験と実践を積めば大丈夫。

 

「後、《化け物(神崎)》と《理不尽(ボク)》と魔力ランクSSSの変態(翔悟)がいるくらいかな?」

 

「何故、辺境の管理外世界に……それ程、高ランク魔導師がたくさんいるんだ!?」

 

「そりゃ、地球は良く【魔境】と表現される地帯(平行世界では)だからなぁ……ギル・グレアムだって、この星の出身者だろう?」

 

チラッとリーゼ姉妹を見て、他の例題を上げると一応な感じでクロノは納得した様子だった。何はともあれ、ボク達は用事を済ませたのでアースラから地上に戻りそれぞれの家へと帰路に付く。

 

「そう言えば、【闇の書】については教えなくて良かったんですか?」

 

その帰り道、ユーノくんから【闇の書】についての質問を受けた。そう言えば、空気を読んでずっと黙っててくれたんだよね。空気を読んで!!←これ、重要。

 

「それは、問題ない。リーゼ姉妹が、その【闇の書】についての情報を持ってるからな。それに、【闇の書】の機能は一部完全に封印して暴走出来ない様にしてある」←鬼畜。

 

「えぇ!?そんな事が、出来るんですか!?」

 

「うん。だから今の所、放置しても大丈夫。その内、本格的になんとかするから伏せといてくれるとありがたい」

 

夜天の書の基礎構造は知っているし、その気になれば闇の書を複製する事すら出来る。それを使って、夜天の書とは別に闇の書事件を起こす事だって可能だ。今の所、殺る必要性はないけれど……手札の一つとしてストックしておく。

因みに、闇の書内に紫天の書の存在があるのを確認していたりもする。ならば、なにょはママ達の生体情報を含むリンカーコア(複製)を精製して闇の書に与えるのも良いだろう。その上で、ナハトヴァールを完成させて木端微塵にし、永遠結晶エクザミアと紫天の書を解放して放置。

砕けぬ闇事件を、この世界軸で再現しても良い。

神崎の言う、アンドロイドが釣れるかは……さておき。

釣れなくても、戦力増強でリンディちゃんがウハウハな感じになるだけだ。(高ランク魔導師のスカウト的に)

最悪、ボクもいるから『砕け得ぬ闇』に負ける事もない。

本物の『ディアーチェ(中二病)』も見てみたいし、ヤらないという選択肢は無かった。

 

「なんにしても、楽しみだなぁ……」

 

クスクスと笑って、ボクは高町家へと帰って行った。

 

 

 

 

 

 




ソウニャ視点から、送りました。
つーか、【組織】の奴等の暴走は基本的に【始まりの魔法使い】の指パッチンで終息します(笑)。ブラックホールも次元断層も指パッチンで…………。まあ、バイオハザードは指パッチンでは不可能ですが、エネルギー的な暴走は指パッチンのみで終息します(笑)。

そして、アースラでの暴露話。
ソウニャを捕まえたら、本局虐殺未来。捕まえなければ、皆ハッピーエンド?『毎日、慌ただしいけど……元気にやってますよ』とリンディ的幸福の日々。未来の映像を用いられて、判断が付かず捕まえようにも捕まえられなかったリンディちゃん達。未来人とは言ったけど、それも疑っている状況。
蓋を開けてみないとわからないので、棚上げして保留状態に。リンディちゃんの視点から、ソウニャは要監視扱いとなりました(祝)。さぁて、紫天の書を用いた【砕けぬ闇事件】を始めよう(笑)。

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m(_ _)m

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いつも読んでくれる方々に感謝を……。

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