絶望を払う者~狂気の神々vs愉快で〇〇な仲間達~   作:葉月華杏

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一四三話

幸政

 

 

結論を言おう。モフモフと可愛さ、猫耳な誤魔化しは魔王に通じなかった。くっ……流石、この世界の正統主人公。

俺の誤魔化しを、アッサリ回避するとは……ヤるなっ!!

自爆したのは俺だけど、一人では逝かないぜ。

浅上妹も道連れに、俺は新しく加わってきた緑色の髪の女性にある事無い事を吹き込んだ。

その結果、浅上兄妹が召喚された。

 

「何、巻き込んでくれちゃったりしてるかなぁ!?」

 

「お前が、教えたんだろう!?」

 

「ピンクの極光ビームの魔砲魔王が、異世界で犯罪者を掌の上で転がしながら絶望と恐怖を撒き散らしてるってどういう事!?」

 

「「そのまんまじゃん!!」」

 

「にゃああああ!」

 

看板娘は、寄声を上げて店の奥へと走り去ってしまった。

ギロリ、とマスターがこちらを睨んで来るけど俺は悪くない。トドメを刺したのは、浅上兄妹だ。

 

「緑頭の女艦長って私の事よね?それが、キチガって緑茶に砂糖をドバドバ糖尿一直線コースを他者に強要してくる危険人物ってどういう事かしら?」

 

「「そ、そのまんまじゃないですかぁ……やだなぁ。ひぃっ!?こ、こわーい……」」

 

「あ、この人が……」

 

「あ、な、た、た、ちぃ~!(怒)」

 

緑色の髪の女性が、最高の笑顔のまま怒気を放ち始める。

その様子を見て、俺は少しだけ浅上兄妹から距離を置く。

この二人に取っては、如何なる事柄もギャグやコメディ扱いになるらしいので厄介事は任せてしまえば良い。

それに、緑色の髪の女性に関しては完全に浅上兄妹の自業自得なので俺は関係ない。出来るだけ、俺を巻き込まずに盛大なオチを付けてくれと願いながら視線を反らした。

そして、もう一人。緑色の髪の女性と共に、やって来た黒髪の女性が……なんと、アリシア・テスタロッサさんのお母さんプレシア・テスタロッサさんだと言う!!

この人が……と見て、何故黒髪?という疑問に首を傾げる。

アレかな?DNA提供者が、金髪だったのかな?まあ、色んな色の髪があるから不思議な話ではないけれど……おかしな話と言えば、おかしな話だった。

兎にも角にも、目当ての人とこうして出会えたので御近付きになる為に当たり障りのない話で盛上って行く。

ところが、浅上妹が俺がアリシアを目的に自分達に近付いて来た事をバラしやがった。

報復としては、最悪の……そして、最大級のやり方である。

 

「うおぃ!?」

 

「巻き込んでくれたお礼だよ!!」

 

「どういう事かしら?」(疑)

 

「テメェ……ふざけんなよ!?」

 

「えー?こんな風に策を労して近付いて来たって事は、何かしらの企みがあるからでしょう?」

 

「違ぇよ!『アイツ等』が、周囲に撒き散らした男性に対する不信感から、親が娘の周囲を警戒して気を配っているのは考えなくてもわかるだろう!?」

 

「……………………」

 

俺が、そういうと浅上兄妹は何かに気が付いたかの様な表情になる。まさか、気が付いていなかったのか!?

 

「それでなくても、俺みたいな新参者が娘に近付いて来るんだ。ならば、警戒の対象としては最も警戒すべき存在となったっておかしくないだろう!?」

 

「あー、まあ、そうだね……」

 

「だから、先ずは御両親か母親に面通しをして信頼を勝ち取ってから娘さんにアタックするのが一番の近道だろ!?」

 

『あー……これも、正攻法だったんだ……』

 

「当たり前だ!?あんな犯罪者が、娘の近くに何年もいたんだぞ!?だったら、先ずは親のケアから入るのが正攻法だろ!?ああいう手合いが居なければ、先に真正面から娘にアタックしているさっ!!」

 

「うんうん。これは、私達が考えなしだったみたいだね。そうかそうか……つまり、幸政はアリシアに一目惚れしちゃったんだぁ……」

 

「……あ。しまったぁ!!」

 

浅上妹に、俺の想い人がバレてしまった。

ある意味、誘導された様なモノだけど……状況証拠は、揃っていたしバレるのも時間の問題だっただろう。

だけど、それでも自身の想い人の事は言わないで欲しい。

 

「……アイツ等を、告発したっていう手柄で信頼を得るって方法は取れなかったのか?」

 

『『え!?』』

 

「信頼ってのは、誠意と対話で得られるモノだ。そんなゴミ手柄で得られる様なモノじゃねぇだろう?」

 

「アレを、ゴミと称するか……」

 

「ちょっと、良いかしら?」

 

「そもそも、なんでアイツ等を調べようと思ったの?」

 

「…………目障りだった。この日本でハーレムとかバカじゃねぇか!だから、弱味を握って排除する予定だった」

 

「そしたら、犯罪者だったと……」

 

「不法入国者で、不法滞在者だった上に拉致、監禁、暴行、強姦って。調査会社から、通報して貰って依頼内容を抹消して貰った……」

 

「依頼内容の抹消!?」

 

「あの厳重な警察の留置場から逃げ出す様な凄腕だぞ?調査会社のオフィスに潜り込んで依頼者の情報を知り得るなんて簡単にやってのけそうだ……」

 

「…………確かに。全く、お前って慎重な奴だなぁ……」

 

慎重になって、何が悪い!?っていうか、アイツ等が警察から逃げ出せるだけの能力を持っている時点で、かなりの危険人物である事はわかる話だ。

ならば、戦闘を視野に入れつつアリシアと仲良くなる時間を稼ぐ方法が必要と考えたら、調査会社に依頼内容の抹消を依頼した方が良いと気が付けるだろう?

 

「ぶっちゃけ、時空管理局もどこまで信用出来るかわかったもんじゃねぇからな……」

 

「…………え?」

 

緑色の髪の女性が、ポカ~ンと口を開けてこちらを見た。

それはまるで、俺の言葉が信じられないと言った感じだ。

 

「そうだね。あの組織も、色々黒い噂が絶えないから……」

 

「ちょ!?」

 

浅上妹の同意に、緑色の髪の女性が慌て始める。

 

「だな。管理局の方向性の舵を取っている最高評議会が、一番きな臭いから……美愛の蘇生魔法をプロジェクトFで得ようとしていたし……」

 

「ええ!?ちょ、聞いてないわよ!?」

 

良くわからないけど、浅上兄の言葉に大量の汗を噴き出し始める緑色の髪の女性。ふとアリシアのお母さんを見ると、目が泳いで集点が合っていないように見えた。

 

「お兄が、処理したんだよね?」

 

「片っ端から、焼き払っているよ。未だに、諦めてないみたいだけどな……たくっ。人間の欲望は、面倒臭い……」

 

「……………………(白目)」←ブーメラン(笑)

 

先程から、緑色の髪の女性とアリシアさんのお母さんが俺達の会話に色々と反応してくる。今は、緑髪の女性が頭を抱えていて、アリシアさんのお母さんが白目を剥いてビックンビックンしていた。今の会話の中に、そこまでダメージを受ける内容があっただろうか?

 

「兎に角、俺はあの娘「アリシアだね!」……に告白する前に親御さんに面通しをしたかったんだよ。とは言え、親御さんも凄い美人だなぁ……」

 

「惚れたのか?」

 

「悪いけど、好みではない。俺は、俺の『保護欲』を刺激する女性じゃないと好きになれないんだ……」

 

『…………お前……ロリコンじゃ無かったんだ!?』

 

「って、誰がロリコンかっ!?」

 

「え、だって……アリシアだよ!?」

 

「どう見たって年下だろう!?」

 

「高々、五歳程の年齢差だろう!?」

 

「ところがどっこい!アリシアは、仮死状態で26年過ごしてるから31歳だよ!?」

 

「合法ロリ、だと!?んな訳あるかっ!!」

 

うっかり、何時もの調子でツッコミをしてしまう。

しかし、仮死状態で26年間も過ごしていた!?って、そうか……ここは、魔法が使える世界だった。

ならば、そういう事もあるんだろう。

 

「別に、ロリコンじゃねぇよ。先も言ったが、保護欲を刺激する『女性』が好きなだけだ。昔、父さんが『男は女性は守るモノだ!』とか『愛する女性を守れ!』とか言い続けてたからなぁ……」

 

「おぉう。つ、つまり、《幼女》が好きなんだね?」

 

「ん?《子供》か?子供は、好きだぞ?無邪気で、無垢だから癒される……」

 

「グハッ!?」←精神ダメージを受けたw

 

浅上妹が、理由は不明だがログアウトされました。

 

「えっと、幼い感じの幼女が好きなのか?」

 

「付き合うなら『歳上』の方が良い。でも、保護したくなる女性じゃないと好きになれないから見た目は《子供》ッポイの方が……」

 

「くっ……本当に、合法ロリ系じゃないとダメなのか……」

 

「その分、アリシア『先輩』は俺の好みドストライクだなっ!見た目は幼女ッポイけど、そんな事は時間が解決してくれるだろうし……何より、笑顔が素敵な女性だ!」

 

「そう!アリシアは、笑顔が良いのよっ!!」スイッチ、オン‼

 

『あ……』

 

何故か、浅上兄妹が目元を手で覆い天を扇ぐ。

何かあったのか?

 

「その通りっ!儚げとか、大人しいとか、大和撫子だからって保護欲を刺激する訳じゃない!その人の人となりが、在り方が、保護欲を刺激するんだ!!」←少年の主張w

 

「貴方、なかなか見込みがあるわね!!」

 

「どんなに元気っ娘だろうが、活発な娘だろうが、その存在の在り方こそが俺の心を掴んで離さない!」

 

「そうよ!年齢なんて関係ないわ!アリシアは、何歳になっても可愛い私の娘なのよ!!」

 

「はっ!保護欲を刺激する者に年齢なんて関係ないね。そもそも、見た目や年齢概念でモノを言おうとする奴は器が浅いって言うんだ!!ヨボヨボのお婆ちゃんだろうが、保護欲を刺激するなら俺は護りに行くぞ!?」

 

「ヤバイ……ツッコミ処が満載なんだが……」

 

「何はともあれ、アリシア先輩が可愛いって事は事実だ!異論は認めない!!」キリ+

 

「その通りよ!異論は認めないわ!!」キリ+

 

その後、アリシア先輩の事で俺とプレシアさんは大いに盛り上がった。あれが可愛い、これが可愛いと意見交換をしたりして交流を深めれたと思う。最終的に、プレシアさんと暑い握手を交わして帰路に付いたけれど……後日、プレシアさんに会うと微妙に警戒されていた。

冷静になったプレシアさんだったけれど、俺が持ち込んだファッション雑誌を見せていると直ぐに調子を取り戻し、アリシア先輩にはこれが似合うだとかこっちが良いだとかと話が盛り上がっていく。

 

「着ぐるみがオススメです!!」

 

「これが、モフモフの魅力なのね!!」

 

「そう!モフモフこそが至高!そのまま、抱き枕としてベットに連れ込めます!って案はどうですか!?」

 

「っ!貴方、天才ね!採用よ。今度、試してみるっ!」

 

「いえいえ。あ、出来れば写メよろです!」

 

「良いわ。それくらいなら、問題なしね!」

 

「では、次の案があれば持って来ます……」

 

プレシアさんは、アリシア先輩至上主義らしくアリシア先輩を愛でる行為に余念がない。だから、今だけ(アリシアの成長具合的な意味で)しか楽しめない案を提示して俺の細やかな欲望も押し付けてみた。まあ、ダメなモノは全然ダメらしいのだが、ある程度は通るので俺のスマホにはアリシア先輩の可愛らしい写メが大量に保存されている。

今度は、ヌイグルミでも抱いて貰おうかな?

衣装は、白いワンピースかパステルカラーでもOK。

アリシア先輩の現在の体格なら、まだまだ幼女と言っても問題ないから無垢な子供さが出てイケると思われる。

 

「まあ、無理強いは出来ないからアリシア先輩任せになるけど……プレシアさんには、頑張って欲しい所だ……」

 

因みに、プレシアさん経由で俺の事はアリシアに伝わっているらしい。ま、御茶飲み友達程度の紹介だろうけど……それでも、好印象を与えていると考えていた。

そう思っていたのに……後日、翠屋で再会するとアリシア先輩に超文句を言われる。子供ッポイ洋服を、プレシアさんに進めるのは止めて欲しい!と。まあ、怒った姿も可愛かったので俺的にはOKだが……少し、自重する事にした。

だがしかし、プレシアさんへの提案は止めたりしない。

上手く行けば、アリシア先輩の愛らしい写メがGET出来るんだ。それを、何故止めなければならない?

 

「そう言えば、まだ確認してなかったよね?コーセーが持ってるアレがロストロギアかどうかを……」

 

「え!?幸政君、ロストロギア持ってるの!?」

 

「あ?……ああ、コレか?……あーってか、コレ、ロストロギアなのか?今一、危険度が無いんだが……」

 

「でも、普通のデバイスって感じでも無かったじゃん……」

 

そもそも、ロストロギア『かも』知れないという事で時空管理局を紹介して貰っている訳だから、ソロソロ確認をしなければならないだろう。折を見て、浅上兄妹が進言するっていう事だったけれど……まさか、この場でするとは思わなかった。

 

「じゃあ、ちょっと調べてみましょう!」

 

緑色の髪の女性が、とても良い笑顔で俺の腕を掴んで来る。ってか、この人が案内人になるなんて聞いてないぞ!?

ちょっと前まで、弄る対象として煽りまくってたというのに……おい、こら!視線を反らすんじゃねぇよ!!

緑色の髪の女性に腕を掴まれた処で、浅上兄妹に視線を向けるとササッと反らされてしまう。

コイツ等……さては、わかっててやってやがったな!?

色々、言いたい事はあったけれど……その前に、緑色の髪の女性にドナドナされてしまった。で、結論からいうと……デバイス『は』、普通のデバイスだという結果を得る。

ちょっと、変わったデバイスだけどロストロギアでは無いらしい。その結果を聞いて、ホッとした束の間……『俺から』、微量のロストロギア反応が出たらしい。

原因は、不明。

俺も、全く知らなかった事だ。

よって、監視が付く事になった。

とは言え、それ程緊急を要する訳では無いので管理局の人材がちょくちょく様子を見に来るだけらしい。で、その管理局の人材ってのが……浅上兄妹だった。

 

「アハハ。まさか、幸政から反応が出るなんてねぇ……」

 

「やっぱ、アレか?仮面ライダーだからか?」

 

「知らねぇよ!神様からも、何も聞いてねぇ……」

 

俺がロストロギアである事は、頭を抱える事しか出来ないので浅上兄妹の苦言はスルーする。それでなくても、頭の痛い話が山盛りになっているというのに、俺の預かり知らぬ事で頭を抱える訳にも行かない。

山盛りになっているのは、あの踏み台達の問題と浅上兄妹の監視とプレシアさんの話である。まあ、踏み台達の事は置いておくとして……浅上兄妹の監視は、仕方がない事なので諦めるけど。俺から、ロストロギア反応が出た事でプレシアさんとの問題が再度浮上してきた。

コレまでは、アリシア先輩のファッション関連の事で仲良くなっていた訳だけど……俺が、危険なロストロギアかも知れないという事で警戒されているらしい。

全く、面倒な事になったモノだ。

これでは、俺の計画を大きく修正しなければならない。

とは言え、大まかな計画はそのままにプレシアさん対策だけを修正していく。アリシア先輩を中心に、攻略出来ていた訳だから今後もその路線を間違えなければ問題はないだろう。しかし、俺がロストロギアである事は変えようのない事実なので、その辺りに詳しい人を浅上兄妹経由で紹介して貰う必要があると考えた。

 

「って、専門家の紹介を求めたのは俺だけど……何故、プレシアさん!?」

 

「え?ダメだった?」

 

「ダメではないけど……プレシアさんは、ロストロギアの専門家だったんですか!?」

 

「ロストロギアの専門家って訳じゃないけど……ロストロギアの研究はした事があるわ」

 

専門家ではないけれど、研究はした事があるからそこそこ対応出来るらしい。まあ、右も左もわからない俺よりかは知識を持っているらしいのでお世話になる事にした。

 

「そうね。時空管理局にとっても、生体ロストロギアなんて初めての遭遇ですもの……しっかり安全を確かめて、確実に研究してみせるわ!」

 

どうやら俺は、モルモットになる事が決定したらしい。

一応、それなりの自由と権利は保証されるとの事なので時空管理局があるミッドチルダ?という世界に中学卒業後移住する事になった。

 

「まさか、お前もアチラ側に行く事になろうとはなぁ……」

 

「向こうに行っても、元気でね!」

 

「まだ、行かねえよ!?」

 

浅上妹のボケにツッコミを入れて、俺はギラギラした眼をしているプレシアさんに体を調べられながらお茶を飲む。

先程から、プレシアさんは俺の一挙一動に眼を光らせていた。生体ロストロギア?ってのが、研究者からすると相当珍しい存在らしい。それが、生きていて動いているから全体的に興味津々だった。

 

「って言っても、全く存在していない訳じゃないのよ?時空管理局が管理している、研究所には生体ロストロギアがそこそこ保護されているわ。数は、少ないけどね」

 

と、プレシアさんは言うが……そもそもが、遺跡などから発掘されたモノで小動物等が多いらしい。

俺の様な人間……いや、知的生命体のロストロギアは初の発見だという。

 

「本局は、何も言って来なかったんですか?」

 

「抑えたわ。私が、ちゃんと研究して随時報告を上げるっていう約束でね。フフフ……」

 

『ひぃ!?』

 

唐突に、黒い笑みを浮かべ笑い始めたプレシアさんに俺達はドン引きする。つい、浅上兄妹に視線を送ってしまうが、本局で色々あったのだろうというあやふやな憶測が返ってくるだけだった。

何はともあれ、ソッとしておこうという事になりプレシアさんから離れた俺達は別の話を始める。お題は、俺のロストロギアの話ではあったが、管理局員としてではなく【転生者】としての見解であった。

 

「きっと、原作に関わらせる為にロストロギアにされたんじゃないかな?って、思う訳よ!」

 

「そうだろうな。神々は、基本的に自分が面白ければOKな奴等の集まりらしいから……原作を知らず、関われていないお前を無理矢理にでも関わらせる為にやったんだろう」

 

「えっと、うっかりミスで殺しちゃったお詫びに転生させてくれるって言われたけど……」

 

『それ、嘘だから!』

 

浅上兄妹は、俺の反論をバッサリ斬り捨てて確信のある顔で否定した。なんで、そこまで言い切れるのかはわからないが……この二人には、何かしらの根拠があるのだろう。

 

「神様は、世界の管理者であって命や生命体を管理する者じゃない。それは、地獄の閻魔や冥王等の領分だ」

 

そう、説明されるが本当かどうかなんて判断が付かない。

 

「…………閻魔帳って聞いた事ない?」

 

「えっと、聞いた事はあるけど……確か、人の寿命等が書かれている帳簿だろう?……あれ?」

 

閻魔や冥王って、空想の産物じゃ無かったっけ?っていうか、それだと神様も空想の産物って事になるのか。ならば、天国や地獄が本当にあって閻魔様や冥王も実在しているって事になるから浅上兄妹の話が現実味を帯びてくる。

えっと……本気ッスか!?

 

「そうそう。神様にも、管轄があるんだよ。そりゃ、全知全能であるならば一人で切り盛り出来るんだろうけど……基本的に神様って、お役所仕事だから管轄が分担されてるんだ。で、神様は【世界を管理する】存在だから命等は扱えないんだ……」

 

「はぁはあぁ……」

 

そんな風に、神様の分担なんて考えてもいなかった。

しかも、アルバイトらしい。それを聞いた時、余りの驚きにショックを隠せなかった。

 

「お前らは、なんでそんな裏話に詳しいんだ?」

 

「神様を管理している存在に会った事があるんだ」

 

「その時に、教えて貰ったんだよ。世界の裏話……」

 

「でだ。ミスって言う話が嘘だとすると……お前は、きっと死んでなんかいないって事になる……」

 

「はあ!?えっと……ここ(現世)に、いるんですけど……」

 

「正確にはねぇ、記憶と性格をコピーされたインスタント・ソウルの可能性があるんだよ!」

 

「インスタント・ソウル?」

 

「要するにだ。新しく産み出された魂に、複製された記憶と性格を書き込まれて意識を覚醒させられたって事だ」

 

「……………………………………………………へ?」

 

俺が、『俺』のコピー?

突然のとんでも話に、頭が付いて来なくなる。

俺が、インスタントで記憶と性格を書き込まれただけの複製体?そんな馬鹿な……だって、ちゃんと最後の記憶だって……記憶?……アレ?そう言えば、俺の死因ってなんだったっけ???

 

「多分だけど、唐突に真っ白な世界で目覚めてないか?」

 

「で、土下座してる神様が現れて転生させてやるとか捲し立てて来るんだよね。まあ、死んだ時の記憶を思い出させないというより……未来に目を向けさせて、細かい事を考えさせない様に誘導してるんだけど……」

 

「まあ、言うまでもないけど……君が気が付いたのと、君が【生まれた】のはほぼ同時だという事だ」

 

つまるところ、あの真白な空間こそが俺の生まれ故郷という事らしい。輪廻から、適当に転生前の魂を引っ張って来るより、新しい魂を創り出して既存の人間の記憶や人格を埋め込んだ方がコスト的にもお手軽なんだそうだ。

 

「つまり、本当の俺は死んでないってこと?」

 

「死んだ時の記憶がないなら、ほぼ間違いないね……」

 

「まあ、転生した後で思い出す奴はいるらしいけど……基本的には、インスタントが多いんだ」

 

「一応、オリジナルって呼んでるけど……今の君だって、オリジナルではあるんだよ?ただ、記憶と人格がコピーなだけで魂はオリジナルな訳だし……ね?」

 

要は、考え方と捉え方の違いらしい。

とは言え、あの神様に騙されていたのは事実で、この転生も色んな思惑が絡んでいるらしい。そこら辺は、浅上兄妹でも知らない事らしいので詳しい事はわからなかった。

ただ、神様と神に敵対するモノを殲滅する為の兵器を造るため歪みきった人間の魂が必要だという。つまり、とある兵器の材料として転生させられたって事ですか!?

そんな、クソッタレな理由で転生させられたとしても全然嬉しくも何ともない。あっという間に、頭が冷えきった。

 

「ああ、コレだけは言っておかないとだね。要は、歪まなければ良いんだよ。ぶっちゃけ、君が頑張ってアリシアと結婚して幸せになれば兵器の材料になる事はないって事!」

 

「……………………そうなのか?」

 

「ああ。二度目の人生を謳歌して、歪みが起きないように魂を鍛えれば問題なし。奴等の思惑を外して、幸福になっちまえば意趣返しは可能だという事だ」

 

「…………成る程。わかった」

 

取り敢えず、概ねの目標は魂が歪まない様に魂を鍛えて行くことを目標とした。まあ、どんな風に鍛えたら良いのか皆目検討も付かないが……精神を鍛えるのと同じ様に、身体を鍛える事から始めようと考える。

ぶっちゃけ、一朝夜で鍛えられるなんて思わない。

きっと、とても時間が掛かる修行となりそうだ。

そんな予感と共に、俺は翌日から早朝ジョギング等を取り込んで、自らを鍛える為に毎日身体を鍛える様になる。

さあ、終わりのない鍛練を始めよう!!

 

 

 

 

 

 

 




モフモフは、正義!異論は、認めない!!
その後に続く、恐怖の会話w
あ、コイツ等……死んだわ。と思わせてみたw
浅上兄妹が、幸政をロリコンに仕立てようとするけど……マトモな返答にダメージを受けるという不思議wあらーらw
そして、プレシアと意気投合wあの人は、スイッチさえ入ればただの親バカでしかないからなぁ……。スイッチさえ入れば。後は、意気投合させて(暴走という)追従させれば受け入れてくれると思われる。まあ、アリシアを弄る会発足!的な感じでwただし、アリシアを飾る方向でw

そして、幸政のロストロギア化は必須事項だったんだよ!
幸政が、行動を起こさなくても見付かる様にされていた訳さ。年齢を重ねる毎に、ロストロギア反応が増大。多分、誰かが気が付いたと思われる。stsまで気が付かれ無かったとしても、スライム事件で誤認されたと考えられるからなw
こうして、彼はプレシアさんと一緒に居られて……信頼関係を築ける状況を得た訳だwはてさてwどうなる事やらw

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m(_ _)m

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いつも読んでくれる方々に感謝を……。

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