絶望を払う者~狂気の神々vs愉快で〇〇な仲間達~   作:葉月華杏

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一二三話

Re:

 

 

バニングス邸へやって来た俺は、アリサ・バニングス?が部屋にいるかを確認し封時結界を展開した。

空には、巨大な魔法陣を描き……調度、アリサ・バニングス?が眠っているベットが中央になるように調整。

そのまま、ゆっくりと魔法陣を下ろして行ってある程度の所で固定した。魔法陣が、かなり大き目に設定されているのは、アリサ・バニングスが周囲の異変を察知して逃げ出しても範囲内から出られない様にする為である。

とりあえず、封時結界&魔法陣は海鳴市とその周辺をスッポリカバー出来る程に展開して事にあたった。

 

「何もかも、常識外だわ……」

 

「うっさいなぁ……別に、見ていなくても良いんだぞ?」

 

この場には、同席を申し出たリンディちゃんとなのはママ達が出場って来ている。あの場にいなかった、八神家のみんなも来ている事からリンディちゃんはかなり本腰を入れている様だった。

 

「それにしても、運命を改編して一人っ子を双子に変えるだなんて……そんな、とんでも魔法が実在しているとは……本当に管理局は、魔法を管理出来るのか……?」

 

「無理に決まってるだろう?」

 

クロノんの言葉を一蹴して、俺は魔法を完成させて行く。

 

「運命すらコントロール出来る魔法だぞ?人間が、管理出来る訳無いだろう?」

 

「やっぱり、双夜くんは人間では無いという事なのね?」

 

「答える義務は無い……」

 

「答えているようなモノじゃない……それ……」

 

「さて、そろそろか……」

 

魔法陣の輝きが、ある一定を超えた瞬間俺の体感時間が停止する。周囲を見回せば、誰も彼もが停止していた。

 

「こんな魔法を人間が管理する?馬鹿も休み休み言え……」

 

《Access……》

 

ーー因果律に干渉

 

ーー運命の輪に接続

 

ーーアカシックレコードに接続

 

ーー過去への干渉を開始

 

ーーアリサ・バニングスの受精状況を確認

 

ーー歴史修正

 

ーー当人物の存在を追加……

 

ーー記録修正

 

ーー当人物による歴史変化を確認

 

ーー記憶修正及び補正を開始

 

ーー本来あるべき時間軸より情報を抽出……

 

ーー世界の調整を開始……

 

ーー情報の書き込みを開始……

 

ーー受精卵・アリサ・バニングスの分割

 

ーー本来のアリサ・バニングスの魂を抽出……

 

ーー魂の補完を開始……………………完了

 

ーーそれぞれの肉体に魂を注入……固定

 

ーー成長過程の追加

 

ーー記憶補正

 

ーー存在の追加完了

 

ーー歴史改竄完了

 

ーー情報の書き込みを完了

 

ーー情報補正完了

 

ーー世界の調整は継続

 

ーー接続解除

 

という感じで、アリサ・バニングスとカエデ・バニングス(仮)が生まれた。朝起きたら、カエデ・バニングス(仮)が悲鳴を上げる事は間違いないだろう。

俺がやらかした事は、単純明快でアカシックレコードを見ながら過去に干渉して、アリサ・バニングスがまだ受精卵の段階で二つに分割。一方にアリサ・バニングスの魂を……もう一方に麒凪楓の魂を突っ込んだという訳だ。

その後の歴史や記憶・記録に、双子だったという情報を書き込んで世界をちょこっと調整して終了。

 

「これにて、一件落着と……」

 

まあ、そんな訳があるはずが無かった。

一つだけ、こちらが把握している歪みがある。

アリサ・バニングスの受精卵を、二つに分割した所で気が付いたけど……面倒になったので放置した事柄だった。

 

「アリちゃが、魔導師化しちゃった……」

 

麒凪楓のリンカーコアが、アリサ・バニングスへと渡って……ないな。どっちかというと、麒凪楓からリンカーコアが剥離したって感じだ。それにより、アリサ・バニングスが魔導師としてなのはママ達と共に管理局入りした事になってしまった。振り返ってみれば、セットアップしてオレンジ系のBJを身に纏ったアリちゃの姿がある。

当分は、この場にいるなのはママ達の記憶や記録は修正前のと修正後のが混在している状態になるから、文句を言われる事は間違いない。さて、どうしたものか……と悩んでいる内に時間停止の魔法効果が切れて時間が動き出す。

 

「って、なんや!?魔法陣が、消えてもうたで!?」

 

「双夜くん……もしかして、失敗したの!?」

 

「……………………」

 

無言で、みんなの背後にいるアリちゃママを指差す。

ついでに、自分の顔をもう片方の手で覆うように隠し沈黙。全員が、何事かと背後を振り返って固まった。

アリちゃママも振り返っているので、シュールなコント状態になっているが……みんな、背後にいた新たな魔導師に驚いて固まっている。

 

「何にも無いじゃない……って、何よ!?」

 

「あ、アリサちゃん!?」

 

「ど、どういうことや!?」

 

「見ての通りだよ。たぶん、記憶にあるんじゃないかな?混在しているはずなんだけど……」

 

『……………………』

 

先ず、言葉を発したのはクロノ・ハラオウン。

 

「確かに、闇の書事件の後でリンカーコアあるかないかの検査を試しにしたんだ。それで、リンカーコアが発見されて本人の希望で魔導師になったんだった……な?」

 

「えっと、えっと……うん。確かに、そういう記憶がある……でもでも、アリサちゃんにリンカーコアは無かったはずなんだよ!?」

 

なのはママが、複数ある記憶に困惑しながらも本来あるべき歴史を語る。フェイトちゃんも、頭を押さえているので相当の負荷が掛かっているみたいだった。

 

「うん。そのはずだよ?多分、リンカーコアを必要としなかったんじゃないかなぁ……麒凪楓が」

 

「それで、アリサちゃんが魔導師化したっちゅう訳やな」

 

再度、なのはママ達がアリちゃを見る。アリちゃは、少し頭が痛いのか眉間に人差し指を当てて眉を潜めていた。

 

「えっと……そう言えば私、ずっと暗い場所に閉じ込められてたみたいなんだけど……。その、麒凪楓?が閉じ込めてたってこと?」

 

「その記憶もあるんだ……」

 

「ええ。ある日突然、私の身体を奪って檻の様な場所に閉じ込められた様な気がするわ……その中から、夢?みたいな感じでなのは達を眺めてた様な……?」

 

「多分、精神世界に閉じ込められてたんだね。まあ、良いんじゃない?身体を貸していた時の運賃は、リンカーコアで支払って貰った訳だし……」

 

「…………そういう考え方もある訳ね。でも、一発くらい殴っても許されるわよね?」

 

「アリちゃの気が済む様にすれば良いと思うよ?」

 

煮るなり焼くなり、好きにすると良い。

下手に遺恨を残すと、後味が悪いだろうから好きにさせる事にした。同然、賛同を得たアリちゃはデバイスを振りかざしてヒャッホー♪と屋敷の方へと駆けて行く。

 

「この後、すじゅかママにリンカーコアをねだられるんだろうなぁ……」

 

本来であるなら、アリちゃと麒凪楓が二人に分かれた所で『すずか』に戻るはずなんだけど……すじゅかママは、すじゅかママのままでフレールくんを抱き締めている。

様子から見るに、まだかな?まだかな?……といった感じで、『すずか』に戻る様子は無かった。

原因は不明だけど、すじゅかママになるフラグはそのままになってしまったらしい。

封時結界が展開されているからって、アリちゃが自宅の壁を魔法攻撃で破壊して中に突入していく。それと同時に、悲鳴が聞こえて来たけど外に飛び出して来る様子は無かった。まあ、バニングス家の内輪揉めなので僕には関係ない話だけど、麒凪楓がどういう結論に至るのかは聞きたい。

 

「なのは、さん!ディバインバスターで、あの辺吹き飛ばしてくれないかな?中の様子が見てみたい……」

 

「しないよ!?しないからね!?」

 

「全く、平行世界のなのは、さんなら、嬉々として『いっくよー?』ってしてくれたのに……(捏造)」

 

「ええっ!?」

 

「レイジングハート、お願い出来る?」

 

《Yes. Stand by ready, setup.》

 

BJとカノンモードのレイジングハートが、俺の手の内に出現する。レイジングハートを手に矛先をバニングス邸へ向け、展開されたトリガーを握りブラスターモードを発動した。そして、カートリッジをフルロードして全力収束させたディバインバスターを穿ち放つ。

その結果、アリちゃと麒凪楓が巻き添えで瓦礫の下敷きになる。アリちゃは、比較的無事で……麒凪楓は、片足が見えてピクピクしているだけで全体は確認出来なかった。

直ぐ様、モードリリースしてセットアップを解除すると、みんなの背後へと回り込む。次の瞬間、ものすごーく怒った顔のアリちゃがグリン!と目を怪しく輝かせて、こちらを振り向きズンズンと戻って来た。

 

「ちょ、双夜くん!?双夜くんだよね!?あ、アリサちゃん、わ、私じゃないんだよ!!双夜くんが……」

 

「なのは!アイツを、スターライトブレイカーで消し飛ばしなさい!!」

 

「へ?……ええっ!?」

 

まさかのSLB要請に、なのはママの方がドン引きしている。アリちゃは、怒り浸透中みたいでかなりご立腹の様子が見て取れた。ただ、アリちゃの使用魔法の中に広域破壊系の魔法が無い事は今の発言でよーくわかる。

 

「OKだにゃ!!レイジングハートっ!!」

 

《Stand by ready, setup!》

 

なのはママが、困惑しているので代わりに俺がストレス発散をする事になった。なのはママが、止めるのも聞かずにSLBの前準備をし始める。

 

「え!?ちょ、ちょっと!?」

 

「リンカーコア精製フルバースト!」

 

周囲に出現したリンカーコアを、一斉に爆発させて魔力散布を完了させる。更には、Bビットを複数召喚してSLBEX-FBをスタンバった。

 

「咎人達に、滅びの光を……星よ集え、全てを撃ち抜く光となれ!貫け……閃光!」

 

なのはママと同じ桃色の魔力が、展開された帯状の魔法陣の中で巨大かつ凄まじい光を放ち始める。それを挟んで、麒凪楓と対峙する位置に飛んだ俺は、麒凪楓が気がつく前にSLBの発射体制に入った。

 

「スターライト……ブレイカー!!!!」

 

メインとサブからの桃色の極光が、一斉に穿たれ麒凪楓に殺到する。着弾直前、麒凪楓がSLBに気が付いたが逃げられるはずもなく、一点収束したSLBは全てを薙ぎ払いながら大地を呑み込んで行った。

 

「なのはちゃん。なのはちゃんの子供は、過激やなぁ……」

 

「私のじゃないよ!?」

 

「なのはのSLB……今は、こんな風になってるんだね……」

 

「フェイトちゃんまで!?」

 

「危険人物だな……」

 

「ちょ、ヴィータちゃん!?」

 

「未来知識で良いなら……なのは、さん、六歳の女の子に今のSLBを叩き込むよ?」

 

『え゛……!?』

 

本人を含めた全員が、普段は出さないであろう声で驚く。

そして、なのはママから一歩離れて白い目を向けていた。

まあ、嘘は言ってない。鉄翼刀を連れ出した世界軸で、後日確認した情報の中にSLBEX-FBをヴィヴィオに叩き込み、レリックを破壊しているなのはママを見た時は正気を疑ったモノだ。

 

「六歳の女の子に?」

 

「最悪だな……」

 

「なのは……虐待は、ダメだよ?」

 

「なのはちゃん……」

 

「なのは、君は何をしているんだ……」

 

「知らないっ!知らないよぉ!?私じゃないよっ!!」

 

攪乱完了。なのはママは、信頼を失った。

今は、俺の両肩を掴んで前後に振り回しているけど『にゃははは』と笑って誤魔化している。一応、安否確認はフレールくんにお願いしてあるので、こんな風に駄弁っていても麒凪楓の捜索はされていた。

 

「と、発見したけど……回収した方が良いのだろうか?」

 

「何の事!?」

 

「双子の片割れ……回収した方が良い?」

 

「そうね。一応、お願いできるかしら?」

 

リンディちゃんの判断は、間違ってはいないのでそれに従っておく。まあ、☆O☆HA☆NA☆SHI☆をするのは僕の担当になるだろうけど。

 

「ん、了解。フレールくん、お願い……じゃあ、戻ろ?」

 

言って、俺はフレールくんが麒凪楓を回収してくるのを待って、その場にいた全員を巻き込んでハラオウン家に妖精転移で戻った。

 

 

……………………。

 

 

出迎えてくれるのは、翼にホールドされていた神崎と泣き疲れて寝ている翼の二人。神崎が、翼を膝枕してるけど……何で、逆膝枕?鉄は、ソファーに寝転んで就寝してるし。

 

「あ、お帰りなさいッス……」

 

「男が膝枕(笑)逆パターンとかw」

 

「無表情で、笑い出さないで下さい!!」

 

「翼が起きるぞ?後、麒凪楓とアリサ・バニングスだ。見ての通り成功したよ?」

 

それだけ報告して、俺はスヤスヤ寝ている鉄にダイブ。

小さな悲鳴が上がって、俺はご満悦。ザマァ!!

その後、見た目アリサ・バニングスな麒凪楓をソファーに寝かせて俺達は小さな円陣を組んでいた。

 

「どお?記憶の整理、出来た?」

 

「中々、難しいわよ?」

 

リンディちゃんが、困惑した表情で額をサスリサスリと撫でている。深く考えなければ、問題ないって言ったのに。

 

「割り切っちゃえば、完結する問題さ……とりあえず、なのは、さんはすじゅかママにメールしといて?」

 

「成功って、打てば良いんだね?」

 

「うん。麒凪楓が目覚める前に、アリサ・バニングスの意識調査もしておきたいし……」

 

なのはママに、すじゅかママへの連絡をお願いしてチラッとアリちゃを見る。アリちゃは、疑問符を頭の上に浮かべながら首を傾げて自分を指差す。

 

「私?」

 

「将来をどうするのかなぁーって……今は、嘱託魔導師なんだろう?将来的に、地球を離れて管理局に勤めるの?」

 

「ああ、そういう事……そのつもりよ?」

 

判断が早くて助かるけど、ちゃんと目的があるなら聞いてみたかった。

 

「ただ、魔法が使いたいだけとか?」

 

「それはない……と言えば、嘘になるわね。でも、なのはってば無茶し過ぎるし…「にゃ!?」…フェイトも放っておくと、際限なく不衛生な生活してそうだし…「そ、そんな事……ないよ?」…この中で、安心して放っとけるのってはやてしかいないのよね……」

 

アリちゃの認識は、ある意味間違ってはいないが……でも、少しだけ訂正しておく必要を感じた。

 

「信頼厚いなぁ……しかし、八神は放置してると段々オヤジ化していくぞ?ビール片手に、枝豆とか休みの日に食ってたりするからなぁ……ノンアルコール」

 

「ちょぉ、待ち!そんな事、してへんで!?」

 

今の八神が、慌てたように話に割って入って来た。

 

「あ、ごめん。未来知識だった……タンクトップに短パンで、無防備に訪問者の前へw相手をビビらせるだけビビらせて、宅配業者のブラックリストに乗っちゃってたw」

 

「あんたもかぁ……」

 

アリちゃが、頭痛そうな顔で眉の端をピクピクさせている。その後、大爆発したアリちゃが八神の頬を摘まんで引っ張り、八神に悲鳴を上げさせていた。

 

「アリちゃ、アリちゃ。すじゅかママは、どうするの?」

 

「すずかかぁ……魔導師じゃないから、一緒に連れて行く訳には行かないのよねぇ……そりゃ、一緒に居られるならいたいけど……」

 

リンカーコア精製魔法で、すじゅかママを魔導師に出来ない事も無いけれど……それも、ちょっと難しいんだよね。

何か、調度良い対価でもあれば話は別なんだろうけど……一生と将来を左右するような代償は早々ない。

 

「そう言えば、あんた……リンカーコアを作る魔法を使って無かった?」

 

やっぱり、すじゅかママを一人地球に残して異界の地へ行くのは気が引けるらしい。多分、リンカーコアの件がなくてもすじゅかママをミッドチルダヘ連れて行く算段をしていそうだった。

 

「あるにはあるけど……何かしらの、代償が発生するからオススメはしない。下手すると、すじゅかママが再起不能になるよ?それでも、やる?」

 

「……止めとくわ」

 

アリちゃは、早々に諦めてしまった。

とは言え、すじゅかママを再起不能にするような真似を俺がするはずもなく……ついでに、代償の方にも心当たりがある。っていうか、それを代価に出来ると言われれば、すじゅかママなら二束三文で了承の返事があると思われ。

本人も乗り気で、多分アリちゃと似たような資質になると考えられるので、帰ったらちょっと進めてみようと思う。楽しい想像はここまでにして、次は麒凪楓の事を考える。

バニングス家の【財産】を得るという点で、このお嬢さんをどう説得するかだ。アリちゃがいる以上、財産の二分化は避けられないのでアリちゃを排除しようとする行動を起こす可能性が高い。

ついでに言うと、アリちゃと姉妹として過ごした記憶は無いだろうから、突如降って涌いたアリちゃに拒否反応を見せる可能性もある。何故、そうしたのかと言うと麒凪楓本人にアリちゃを受け入れさせる為だ。

そうでもしなければ、彼女の【アリサ・バニングスになる】という特典が邪魔をして、アリちゃの存在が消えてしまう可能性も否定出来なかった。

後は、彼女がどれだけ冷静で居られるかにもよるだろう。

今はまだ眠っているけど、バニングス邸でのアリちゃの様子から……余程、酷い言葉を浴びせたと思われる。

 

「とりあえず、精神を安定させる魔法を幾つか用意して……もう、これを考える時点でマトモな会話は期待できないと思われる……」

 

「師匠が、黄昏ている……」

 

「人の話を聞かない系は、疲れるんだよ……」

 

話が噛み合わない上、ちゃんと理解するまで同じ事を永遠と語らなければならないのだ。面倒臭いのは、言うまでもない。とは言え、アリちゃが希に帰れれる様にしておかないと帰る度に姉妹喧嘩が起きるのは確実だ。

特にお金が絡んでいるから、彼女も必死になるだろう。

兎に角、彼女が目覚める前にアリちゃを別室に待機させて説得という名の説明を行う必要があった。

 

「アリちゃ、悪いんだけど別室で待機していてくれるかな?多分、アリちゃが側にいると会話にすらならないと思われるので……」

 

「でしょうね。さっき、ちょっと話をしてみたけど……会話にすら成らなかったわ……なんで!?とか、消えろ!!みたいな事しか言われなかったし……」

 

「うはっ……止めてくれないかな?これから、話をする人の前でそういう事を言うのは……」

 

「悪かったわ。でも、少しだけ力を貸してくれるかしら?」

 

「もちろん。その為の僕だし……最悪、SLBで黙らせるから!大丈夫だよ!!」

 

と、なのはママをアリちゃと共に弄り倒す。

とても、面白かったと言って置こう。

 

 

……………………。

 

 

その後、目を覚ました麒凪楓に俺は説得と説明を始める事になった。

 

「誰よ、貴方……ここは、何処!?私をどうする気!?」

 

「どうもしないよ。初めましてだね、麒凪楓……」

 

「っ!?どうして、私の名前を……貴方、何者!?」

 

「《神殺し》と呼ばれる存在d「まさか、私の邪魔をする気!?」しないよ!兎に角、落ち着いて話を聞いてくれないか?」

 

気が強いのか、いきなり食って掛かられる。

予想はしていたけど、かなり面倒臭い人物だった。

 

「僕の役目は、世界の調整と修正だ。それによって、神々が娯楽と称して歪めた世界を見て回っている。で、【転生者】はすべからず、世界の『歪み』であr「やっぱり!私を消しに来たのね!?」チゲぇよ!人の話を聞けよ!?調整だって言ってるだろう!?テメェ一人を消したって、世界の歪みが消える訳じゃねぇんだよ!!」

 

「……………………」

 

何故か、鳩が豆鉄砲を食らった様な顔でこちらを見ている。とりあえず、大人しくなったので話を続ける事にした。

 

「人を消して、無かった事に出来るならそうしt「やっぱr」でも!そうは、ならず!!……こうして話をしているだろう?君が思っている以上に、世界は複雑で難解なんだ……邪魔だからって、早々簡単に人を消したりは出来ないようになっている!……でだ。今回、僕が干渉して世界の修正と調整を行った……結果、君とアリサ・バニングスは双子の姉妹となった」

 

「何ですって!?私とアリサが、双子の姉妹!?」

 

大人しくなっていたのに、また彼女が起動し始める。

だから、一気に捲し立てるように告げようとするのだが。

 

「そうだ。今、アリサは別室に待機s「ふざけないでよ!そんなことになったら、相続する財産が少なくなるじゃないっ!それに、下手したらバニングス家を引き継げなくn《黙れ!》家長を引き継ぐのは、君で間違いないよ。本物のアリサは、時空管理局に勤めるそうだ。しいては、中学か高校卒業後……ミッドチルダヘ移住する事になるだろうな……」

 

まさか、《言霊》を使用する事になろうとは……面倒な。

 

「どういう事!?」

 

「事後承諾になって申し訳ないが、君が【神】から貰ったリンカーコアが双子修正した際にアリサの方に移ってしまったんだ。その為、アリサはなのは達と同じ魔導師となった。現在は、嘱託魔導師として活躍中だ……」

 

「…………そう。じゃあ、家長を継がないのね?」

 

リンカーコアを失った事に対して、あまり何も感じないモヨウ。やはり、魔導師であった事は彼女にとって余分な事だったりしたのだろう。

 

「本人も、意思確認でそう言っているし……周囲も賛同しているそうだ。そこら辺は、問題ないだろう……」

 

「…………そうね。リンカーコアの貸し出し分は、ぶん盗れるだろうから問題は無いわ」

 

「いやいや、仮にも彼女の人生を乗っとり掛けたんだ。リンカーコアは、今までの貸し出し賃として壌渡するのが正しい事だろう!?」

 

「何でよ?あれは元々、私のリンカーコアなのよ?なら、お金を取って当たり前じゃない……」

 

ダメだ。コイツ、常識を弁えて無い。更には、お金が絡んで来てリンカーコア壌渡の説得が困難なモノとなる。

貧乏だったのはわかるが、そこまでガメついと人から信用されなくなるぞ?

 

「アリサを精神世界に閉じ込めて、監禁してた奴が良く言う。慰謝料だよ。慰謝料!リンカーコアは、壌渡しとけ……」

 

「何で、アンタに命令されなきゃならない訳?悪いけど、リンカーコアは貸し出し扱いで賃金を求めるわ!でなきゃ、二度とバニングス家には戻れないと思いなさい!!」

 

「上等よ!誰が戻るかっ!!」

 

「ちょ、アリサちゃん!!」

 

ついに、麒凪楓の横暴さに耐えきれなくなったアリちゃが別室から出てきて文句を言い出した。それにより、そこそこ話が出来ていた彼女との対話は以降不可能となる。

その後、アリちゃと麒凪楓のあれやこれやがあって……アリちゃは本日から、なのはママの所にお泊まりする事となった。

 

「何で、こんな事に……」

 

「金の亡者、怖い……」

 

神崎の言葉が、全てを言い表しているが……彼女との対話は、まだ始まったばかりだ。とりあえず、アリちゃと彼女の間を取り持って、今後のアリちゃの立場を確立させる必要がある。両親と二度と会わない宣言とか、させている場合ではないので、《言霊》で麒凪楓を黙らせて今日はお開きとする事にした。

 

「兎に角、僕としては二人が姉妹として普通の状態になる事を望むかな?つーか、世界の歪み的に……離れて暮らすのは、まだ早いんだよ!義務教育も終わってない子供が生言ってんじゃねぇ!?誰のお陰で、全うな生活が出来ていると思ってんだ!バニングス家の家長に謝れぇ!!」

 

『うぐっ…………』

 

「兎も角、僕の役割は世界の歪みを正す事だ。今のこの状態を正常だとは認めないからな!?あんまりグダグダ抜かすなら、君の神様特典全部スキルブレイクするから!肝に命じておけよ!?」

 

「…………特典を破壊出来るの!?」

 

「うん?当たり前だろう……僕は、《神殺し》なんだから神様が与えた能力の無効化くらい容易いよ?」

 

「……………………」

 

何故か、顔を真っ青にして後ずさる麒凪楓。もしかすると、ブレイクされて困る様な特典でもあるのだろうか?

 

「そう言えば、カリスマと黄金律だったか……破壊されると困る神様特典だな……」

 

「そこまで、知ってるのね。恐ろしいわ……《神殺し》……」

 

「まあ、ウチの【組織】もそこそこ力を持っているからな。僕を退けても、第二第三の《神殺し》がポップするだけだぞ?」

 

「《神殺し》って、『組織』なの!?……益々、恐ろしいわ……」

 

きっと、俺を排除する予定でも組んでいたのだろう。

全く、このお嬢さんは……神崎と翼を見て驚いたり、《神殺し》が【組織】だとわかって驚いたり、忙しい娘さんだった。兎も角、麒凪楓をバニングス家へ転移で送ってから俺はハラオウン家に戻って来る。

 

「それじゃあ、双夜が人間じゃ無いって所から説明して貰おうじゃない!!」

 

「何で、そこから?そもそも、アリちゃを双子にした時点で僕が人外である事は確定だろう?今更、説明する意味があるの?つーか、この後……私もリンカーコアが欲しいと駄々をこねるすじゅかママの相手をしなきゃならないんだけど……誰か、代わってくれるのかな?」

 

『……………………』

 

瞬間、みんなが視線を反らして少しイラッとする。

代案が無いなら、人の時間を取るような事を言い出さないで欲しい。それでなくても、麒凪楓の事で色々頭を悩ませているんだ。これ以上、手を煩わせないでくれないかな?

 

 

 

 

 




アリサ・バニングス(本物)復活でーす!!
麒凪楓には、事後承諾という事になりましたwww
そして、何故かアリちゃが魔導師にwwアリちゃのBJは、イノセントのBJをイメージしてくださいwww
デバイスもwww
アリちゃは、しばらくなのはん家で生活します。
高町家には、姉妹喧嘩で家出中って良い訳。財産云々は、説明してない。でも、何故か事情を知っている模様。
またか……みたいな反応があったらしい。修正した事柄で補正が入ってるのかもって話でしたwww
金の亡者が、案外素直だった件。面倒になったから!ww

誤字・方言あれば報告をお願いします。
m(_ _)m

感想もあれば、お願いします!
いつも読んでくれる方々に感謝を……。

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