絶望を払う者~狂気の神々vs愉快で〇〇な仲間達~   作:葉月華杏

126 / 591
一〇一話

Re:

 

 

翌日、聖王協会の依頼で地球に赴く事となった六課。

何故か、超やる気のフェイトちゃんによって俺達は地球に連れて来られた。因みに、翼も連れて来られている。

フェイトちゃんを見る限り、何かに闘志を燃やしているので微妙に声が掛け辛かった。

 

「きっと、僕のことわざ連発がこの地球訪問に繋がったのかなぁ……?……嘘つきは、泥棒の始まりです!」

 

きっと、この任務の間に俺の両親を捜し出し御返しする予定なのだろう。だけど、それはかなり無理難題だよ?フェイトちゃん。俺の生まれは、西暦2638年……今から、623年後だから(笑)

フォワードの新人達が、管理外世界【地球】の文明評価をしてなのはに苦笑いされているのを遠目に見る。

 

「ああ、成る程ねぇ……月の夜に釜をぬく?」

 

「何やってるのよ?……盗人に追い銭?」

 

『泥棒』繋がりのことわざが披露されるが、誰も聞いちゃいない。まあ、聞かせるつもりもないんだろうけど。

 

「何言ってんのよ!?あんた達……」

 

アリちゃのツッコミ。聞いてる人がいた(笑)。

何か、とても久しぶりの気がするのでフェイトちゃんに抱き付いて『おねぇちゃーん、このオバチャン誰ぇ~?』と言ってみた。

 

「オバッ……」

 

アリちゃの顔が、一気に赤くなる。

一瞬で、アリちゃの沸点が振り切れて爆発した。

 

「ちょ、そ、双夜くん!?」

 

「うわっ!?開始早々、キッツー……」

 

当事者のフェイトちゃんと、それを見ていた八神はやてがマジギレのアリちゃを見て引いている。

 

「あ、アリサちゃん……お、落ち着いて……」

 

直ぐ様、飛んできたすずかが静止に割り込んで来るけどアリちゃはお構いなしにギリギリと歯軋りしている。

ものすごーく睨まれているけど、余り怖くないのでニヤニヤとしながら上から目線で見下した様に見下ろす。

 

「だ、だだ、だだだ、大丈夫よ……フェ、フェイトがお姉ちゃんで、私の何処がオバチャンなのかしらぁ~?」

 

「ただの、嫌がらせだ……」⬅素

 

「OK!戦争よっ!!」

 

うっかり、素で本音を告げてしまった。

すずかに羽交い締めにされて、それでも尚暴れるアリちゃにトドメは何が良いかな?と考える。

 

「どうせ、何時かはオバチャンって言われるんだから今の内に慣れときゃ良いものを……やたらめったら、見た目だけ若いのよりかは良いだろう?」

 

「それでも、許せない事もあるのよっ!!」

 

適当に宥めたら、すずかを振り切る勢いで反論される。

 

「フェイトちゃんは、慣れちゃってオバチャン言っても普通に笑ってるからなぁ……面白く無くなったんだよ……」

 

「ーーフェイト、慣れるくらいオバチャン言われたの?」

 

「あー……そうだね。もう、慣れたかな?」

 

とりあえず、フェイトちゃんの結末で手を打っておいた。

それにより、アリちゃが鎮静化。すずかもホッとした様子で、アリちゃから離れて微笑んだ。

 

「で?神林と黒織、どっちが君の彼氏?」

 

「どっちも違うわよ!!!!」

 

「ちょ、アリサちゃんっ!!」

 

アリちゃが落ち着いた所で、再度起爆させてみる。

今度は、割りと簡単に起爆させる事に成功。

 

「瞬間沸騰させるコツを掴んだぜ!」

 

「そんなコツ、要らないでしょう!?」

 

叩けば響く鐘の如しアリちゃは、面白くってたまらない。

特に、六課に出向してからはストレスがマッハだったから調度良いくらいだ。訓練校に入れられた三年間もそうだったけど、俺のレアスキル【真実の瞳】がもたらす弊害がウザッたい件。特に、彼女が近くにいるので出来うる限り関わらない様にはしているが……相手に、聞こえているとバレてからは、マジで五月蝿さが倍増して参っている。

これは、世界が俺に悪戯をしまくれと言っているんだろう。もう、期待に答えなければなるまい。

 

「そう言えば、知っているか?黒織のデバイスが、コア含めて木端微塵になったらしいぞ?」

 

「???それが、何だっていうのよ!?」

 

「あれ、知らない?アイツのデバイス、ラッキースケベで覗き見た女性のあられもない姿を撮影しまくってたらしいよ?」

 

『何(やて)ですって!?』

 

アリちゃ達を含む、黒織達の被害にあっていた女性達が声を揃えて俺のもたらした情報に食い付いてきた。

 

「当人が、デバイスが壊れた後……データが無くなったと嘆いていたって情報が僕の耳に届いたよ?」

 

「何時も思うんやけど、そんな情報何処から仕入れてくるんや!?個人の秘匿情報すら筒抜けとか、ムッチャ怖いんやけど……」

 

八神はやてが、身震いしつつ自分を抱き締める。

それを見て、まあ問題ないかと一つ頷いて聞いてみた。

 

「何々?ネタバレ希望?」

 

「教えてくれるんか!?」

 

とても、良い食い付きっプリだった。

 

「まあ、管理局から離れてるから口外出来るんだけど……」

 

「何や?管理局には、知られたくないんか?」

 

「うん。ちょっと、厄介なレアスキルなんで……」

 

たぶん、管理局がそれを知った場合……俺を使い潰しに来るか、暗殺しに来るかの二択だろうと思われる。俺の能力は、彼等に取っては猛毒になりえる能力だからな。

 

「レアスキル!?」

 

ティアナ・ランスターが、超反応。

何だ?この食い付きっプリは?

 

「そ、レアスキル。ただ、これを他人に知られると……暗殺者や殺人大好き犯罪者を、ダース単位で送られてくる可能性があるんで余り口外出来ない能力なんだ……」

 

「何やそれ!?そないな、レアスキルがあるんか?」

 

「まあ、言葉通りのスキルだよ。通称【真実の瞳】。別名、【神の眼】……ただ、視界に納めるだけで善悪関係なくありとあらゆる【真実】が視れるってレアスキルだよ?」

 

『……………………はあ!?』

 

その場にいた全員が、首を傾げた状態で眉をひそめる。

今一、説明が足りない様な感じで理解の浸透率がマチマチだった。流石に、唐突すぎたかなと思い掛ける。

 

「ちょぉ、待ち!視界に納めるだけで、善悪関係なくありとあらゆる真実が見える能力!?」

 

一早く、それを理解したのであろう八神はやてが再度、能力説明を聞き返してきた。

 

「そう……ただ、視るだけで世界を構築している理とか、何もかもの【真実】が見えるんだ。例えば、パスワードが必要なファイルがあったとして……それに必要なパスワードは、視るだけで一発看破。情け容赦なく、反則的に楽々見たい放題のやりたい放題が可能です(笑)」

 

「反則やんか!?だから、あんなに情報を……!?」

 

「えっへん。……って、おい、コラ!?なんで、僕の能力説明したら親の仇を見る様な視線を送って来やがるんだ!?テメェだよ、ティアナ・ランスター!!」

 

【真実の瞳】経由で送られて来た、ティアナの情報がありありと視界を覆い尽くしてくる。

 

「別に、そんな風には見てないわよ!!」

 

心外だ!と言わんばかりの顔で、ティアナは全力否定してきた。だけど、残念。俺のレアスキルは、そういうのも含めて看破するのが最も得意なレアスキルなんだ。

まあ、ぶっちゃけ……その感情が、生まれた理由ですらこの眼は看破してしまっている訳だけど。

 

「見てんだろう!?嫌悪感まで持ちやがって……全く、お前等は兄妹で人を苦しめやがるつもりか……?」

 

「……何を言ってーーー」

 

怪訝な表情で、こちらを見るティアナ・ランスター。

だが、俺の言葉は間違いなくそのままの意味である。

 

「【真実の瞳】ってスキルは、情けも容赦も無いんだよ」

 

ティアナ・ランスターは、俺が言っている言葉の意味を半分も理解してはいない。善悪関係なく、ありとあらゆる物事の【真実】を情けも容赦もなく無理矢理頭に叩き込まれる者の気持ちは体験してみないと理解できない。

 

「僕の情報網は、この瞳を使ってその辺に漂っている死者の魂から情報を分けて貰うって手法だ」

 

「ししゃのたましい……って、死者!?魂!?そ、そそ、そそそ、それって……………………」

 

「ぶっちゃけ、幽霊情報網なんだよね」

 

『ひぃいぃ!?』

 

その場にいた、半数以上の女性達にドン引きされる。

だがしかし、これがあながち嘘ではないので仕方がない話ではあった。それと、そんな風にドン引きされると悪戯心が揺さぶられるじゃないか……肝試しとか?

 

「……幽霊なんて、普通の人には見えないから情報を収得したい放題のやりたい放題って訳さ……(笑)」

 

「幽霊が形成する情報網……そら、やりたい放題のしたい放題やろうな……普通の人にも見えへんし……」

 

悪戯心を抑えながら、ついでに思い出した事も付け加えておく。これは、本当にどうでも良い内容だから。

 

「それで付いた僕の別名が、【魑魅魍魎の主】って二つ名だからなw」

 

「魑魅魍魎の主……って、ぬらりひょんか!?」

 

八神はやてのツッコミ。

 

「って、誰が妖怪か!?」

 

ぬらりひょんて、いつの間にかいてご飯食べていなくなる爺の妖怪だ。それが、何で【魑魅魍魎の主】と繋がるのかは不明だけど何となく嫌な感じがするので否定しておく。

 

「でねぇ……訓練校の三年間と、六課に来てからの時間……ずうっと、耳元でグダグダ言われ続けてる訳よ……」

 

「訓練校は、長く開校してるからわかるとして……六課は、新設された部隊や。幽霊なんておらへんで!?」

 

八神はやてが、侵害だと言わんばかりに食い付いてくる。

だが、俺が言っているそれは人に取り憑いたヤツであって場所に憑いたヤツではない。

 

「いやいや、特定の人物に憑いてるのがいるんだ。何がしたいのか、良くわからない説教をしてくるんだよ……全く、僕の身にもなって欲しいかな!?」

 

「説教!?それ、どういう事やねん!?ってか、誰や!?」

 

「いや、コイツだよ!!」

 

ズビシッ!とティアナ・ランスターを指差し、これまでに溜まった鬱憤をブチ撒ける。しかし、指差された事が気にくわなかったらしい彼女は不快感を露にして眉をひそめた。そして、嫌々そうに俺を一瞥して舌打ちしながら問うて来た。察しの悪い奴である。

 

「何の話ですか!?」

 

「テメェの兄貴だよ!!」

 

「何を馬鹿な事を……兄は、死にました……」

 

絡まれているとでも思っているのか、話のピントが全く合っていない。それでも、俺は続ける。

 

「だから、魂だけの状態だよ!……所謂、幽霊の状態で『ティアナと話をさせろ!』って、ずっと……ずーっと、永遠耳元で叫び続けられてるって言ってんだよ!!」

 

「……………………」

 

彼女の生い立ちは、使い魔に調べさせたので知ってはいる。彼女の兄が、犯罪者を捕まえようとして返り討ちにあった事も……その死を、彼の職場の上司に酷く貶められた事もだ。それが、彼女の想いを歪めた事だって理解している。

彼女の口癖である、『ランスターの弾丸は、犯罪者を貫く為のモノだ!』というアレが……その上司とのやり取りによって、歪められた兄の想いである事もだ。

 

「僕のスキルは、【真実の瞳】だ。幽霊だろうが、何だろうが……視えるし、聞こえるから耳元で叫び続けられるとストレスがマッハなんだよ!!」

 

「兄さんの幽霊?馬鹿馬鹿しい。何処にいるというんですか!?そんなモノ、望んだって見える訳がないんですっ!」

 

正論ではあるが、残念な事にその正論をブチ壊すトンでも魔法が実在する。どうも彼女は、自分の目で見た事しか信じられないタイプの様なので実際に見せた方が早いと思われ。妖精魔法の死者と意志疎通出来る魔法を、ティアナ・ランスターに掛ける事にした。

明日のこの時間まで、兄妹水入らずで楽しむが良い。

半分、ヤケクソでティアナ・ランスターにその魔法をかけてやった。

 

「《エタナモォト》!」

 

キラキラとした光が、ティアナ・ランスターに降り注ぎ彼女は訝しげな顔をしていたが……しばらくすると、俺から視線を外して左斜め上に視線を向けた。

何故か、彼女は兄を見上げた状態で硬直している。

 

「あるぇ?もしかして……」

 

そして、小さく悲鳴を上げる彼女は一歩身を引いた。

それと同時に、ティアナが視線を合わせた事で自分(幽霊の兄)を認識した事に気が付いたティーダが、喜び(悦び)小躍りしてティアナに抱き付こう(?)と移動すると同時にティアナも後退を開始。それを疑問に思う事なく、ティアナの兄はとても嬉しそう(見た目)にスピードを上げていく。

すると、ティアナ・ランスターがクルッと回れ右をして全力疾走し始めた。

 

「え!?ちょ、ティア!?」

 

スバルの静止も聞かず、一心不乱に走り去って行く。

 

「ランスター女史……幽霊とか、オバケとかダメな人だったかぁ……あ。みんなも、幽霊とか見たい?」

 

瞬間、ほぼ全員が首を横に全力で振られた。

全く、俺はアイツ等に苦労させられっぱなしだというのに……さて、昼間はアイツ等も大人しいのでお昼寝でもするかな?と予定を立てながらティアナの奇行を見守る。

ああ、ティーダ・ランスターは昼間でも怨念力が強かった上に自力もあったみたいで一日中五月蝿かったけど。

 

「じゃあ、僕はお昼寝してるから後ヨロシク!」

 

「え!?ちょ、待ちぃ!何、サボろうとしとんねん!?」

 

「……なら、幽霊とお話出来るようにしてあげようか?ランスター兄は、怨念とかでパワーがあったからなぁ……昼間でも、夜中でも五月蝿くって……不眠状態なんだ……」

 

こっちは、昨日・今日と一睡もしてないんだよ。これ以上邪魔するなら、こっちにも考えというモノがある。

 

「あー……えっと、それはそれ。これはこれって事で……」

 

「ちょっと、富士の樹海に行こうか?あの辺りは、地縛霊とかたくさんいるから見えると地獄なんだよね……」

 

「ひぃ!?」

 

八神はやての肩を、ガシッ!と掴んで光の無い目を向けて追い詰めていく。このまま転移魔法で、富士の樹海に連れて行って《エタナモォト》を掛けてやりたい気分になってきた。肉体無しの生首幽霊とか、頭無し体のみ幽霊とか見れば、八神はやての対応も変わってくるかもしれない。

 

「って、やっぱり双夜くんは地球の生まれなんだね!?」

 

「にゃ!?」

 

それに、敏感に反応したのはフェイトちゃんだった。

別に隠している訳ではないが、余り生まれた西暦を言いたくないんだよねぇ。完全な、未来人なんで。

 

「だったら、何だっていうんだ……フェイトちゃんには、関係の無い話だろう?」

 

とりあえずで、抵抗するだけ抵抗してみる。

 

「関係なくないよ!双夜の御両親が、見付かるかも知れないんだよ!?」

 

「うわっ……会いたくねぇ……」

 

瞬間、自分の口から出た声はとても嫌々そうで嫌悪感を全力全開で含んでいるモノだった。もし、アレ等に会ったとしてもその瞬間から殺し合いが始まるだけの関係なので、出来ることなら一生会いたくはない。

 

「フェイトちゃん、そんな事を計画していたのか……」

 

流石、管理局の『金色の死神』である。

思い込みが激しく、子供の幸せは親といる事だと考えているのだろう。かつて、自分がそうであったが故に。

 

「あー……でも、それって無理な話でしょう?師匠は、自分を虐待していた両親には会いたくないでしょうからねぇ」

 

「地下牢に閉じ込めて、有らん限りの暴行を働いた親だったと聞いているわ。フェイト、貴女そんな親に双夜を引き渡すつもりだったの?」

 

様子を伺っていた、神崎と翼のフォローが炸裂する。

しかも、彼女の知らない事実で攻撃するのは止めて上げてください。この世界軸のフェイトちゃんには、まだその辺りの事情を全く説明してないのだから……。

 

「ええっ!?き、聞いてないよ!?そんな話!?」

 

それを聞いた瞬間、フェイトちゃんが真っ青になって慌て始めた。

まあ、この時代ではないので大丈夫だけど。

 

「あー……ああ。そう言えば、まだ言ってなかった……」

 

「次元を超えて、逃げ出したのに引き摺り戻されるとか……不敏過ぎます!師匠ぉ……!!」

 

「全くだ……フェイトちゃんの鬼ぃ……だから、死神って言われるんだよぉー……」

 

「ガーン……」

 

フェイトちゃんを弄れるネタが、飛び込んで来たので直ぐ様弄り始める。そのついでに、視線を月村すずかに向けてあの設定が含まれているのかを確認。

何故か、普通に上がって来る『吸血鬼』設定情報。

この吸血鬼種ってのは、何の意味合いがあるのだろうか?

別に無くても、【魔法少女リリカルなのは】のストーリーに支障はないはずだよね?

今一、意味もなく特定の人物を不幸に貶めるだけの無駄そうな世界設定に大きなため息を吐いた。

ぶっちゃけ、完全に余分な要素に途方に暮れていると、俺がジィーと見ている事に向こうも気が付いたらしく、愛想笑いを向けていたけど何かに気が付いた様な表情をした後段々青冷めて行ってしまう。

 

ーーあ、【真実の瞳】か!!

 

「すずかに、何か用!?」

 

アリちゃが、すずかを庇うように前に割り込んで来る。

だが、そのアリちゃがすずかの事情を知っている様には視えなかった。つまり、まだ告白していないのだろう。

 

「別に……生命の黙示録が、歪んでいるように視えただけだし……それを確認していただけの話だよ」

 

「生命の黙示録?」

 

「ゲノムツリー。それが、歪んでいる様に視えただけだ。全く、君が百合だとわかってもこっちには何の得も生まれないんだけどねぇ……」

 

本当の事を言った所で、彼女に何か出来る訳でも無し。

すずかに取っても、利益になる話でもないから言うだけ無駄だし。魔法薬か、俺の《ルール・ブレイカー》くらいしか対応も出来ないので今回は放置する事にする。

 

「百合?…………ハッ!違うわよっ!!!」

 

「白百合の方だったか……真性だな……」

 

「このチビッ子……人の話を聞きなさーいっ!!」

 

話を聞く予定はない。今は、すずかのゲノムツリーが歪んでいるって話を忘れて貰う事の方が優先だから。

 

「にゃははは。おーい、八神はやてぇ!!フェイトちゃんと白い悪魔に続いてここにも白百合が咲いてるぜ!!」

 

「ああ、知っとるよー?」

 

「悪魔じゃにゃいよぉ!?」

 

八神はやてに続いて、なのはも超反応。

施設での一幕が、相当響いているらしい。

 

「なのは、また噛んでるわよ?」

 

「に゛ゃ!?」

 

「ちょっと、待ちなさいっ!?どういう意味よ!ちょっと、はやてェー!!」⬅怒

 

八神はやての対応に、アリちゃが不満げな声を上げる。

逃げるように立ち去ろうとする八神はやてを、アリちゃは追い掛けて行ってしまった。

 

「かみまみた?」

 

「噛んでにゃいよ!?」

 

「ワザとだろう?」

 

その視界の端で、なのはと翼と神崎が良くわからないやり取りを始めていた。何ぞ?アレ……?

 

「乗ってきまみたわね……」

 

「ワザとじゃない!?」

 

「噛んで無いったらっ!!」

 

何が楽しいのか、今一不明なやり取りだった。

チラッと、すずかの方を見る。

何故か、俺をジィーと見ているが気にしない事にした。

ぶっちゃけ、何か面倒な気配がする。障らぬ神に祟り無し……ってか、障ってきたらブチ殺せば良いだけの話なので、ミッドチルダから出なければこの世界軸のすずかと関わる事も無いだろうから、テッテケテーとフェイトちゃんの元に逃げ出して今度はフェイトちゃん弄りに没頭する。

 

「取り敢えず、ランスター兄妹で溜まった鬱憤を晴らさせてくれたら超嬉しいかな!?」

 

「当人達で、晴らしてよ!?」

 

「ランスター兄がいる限り、アイツ等では晴らせないんだよ!夜な夜な、耳元で怨念叫ばれたくなーい!!」

 

フェイトちゃんが、耳を塞ぎながら身体を丸めている。

そう言えば、この人も怖い話とか苦手な方でしたよね(笑)。なのはママも、怪談話はダメだった様な記憶がある。

 

「あのー……任務は……」

 

おずおすと言った感じで、エリオが指示を扇いで来た。

しかし、周囲を見回す限り大混乱中ッポイので任務は後回しになりそうだ。俺、撹乱なんてしてないんだけどなぁ?

ティアナは、ランスター兄から逃げ回り……スバルは、そんなティアナを追いかけている。なのはは、良くわからないやり取りを翼や神崎としていて……ヴォルケンズと八神はやてはアリちゃと追い駆けッこ。フェイトちゃんは、耳を塞いで現実逃避しているし……まともそうなのは、俺とエリキャロくらいである。

だから、適当に今後の予定を告げておく。

 

「夜になってから、白い悪魔かフェイトちゃんに僕を空へ持ち上げて貰って【真実の瞳】を使い指示するから、それで見付ければ良いんだよ!」

 

「えっと……それじゃあ、その間僕達は何をしていれば良いんですか?」

 

当然ながら、俺の言葉ではエリオも納得しないみたいである。仕方がないので、更に適当な事を言っておいた。

 

「遊ぶとか?」

 

「えっと。任務で来てるんですから、仕事をしないと……」

 

「仕事……?みんな、遊んでるよ?」

 

周囲を再度確認して、エリオに確認するように促す。

それでも、俺にどうするか相談してくるので少し真面目に考えた後……重大任務を与えてみた。

 

「じゃあ、混乱している隊長陣を正気に戻してきて?まずは、フェイトちゃんから?」

 

「それは……とても、荷が重そうなんですが……」

 

だったら、どうしろというのだろうか?まさか、俺にこの状況をどうにかしろとでも言っているのだろうかな?

『もう、仕方がないなぁ……』と、邪悪な笑みを浮かべてその詠唱を開始した。俺が出来る最善の方法を取ろう。

 

『我が呼び声に応えよ……。大地に眠りし我が眷族よ。永きに渡り、その魂を沈めし者よ……我、魑魅魍魎の主が命じる!我が声と意志に従い、来たれ!!』

 

その呼び声に応えた、薄い靄の様な人魂(?)が俺の周囲を中心に大地から涌き出て来始めた。

 

「ついでに、《エタナモォト・ザナー》……」

 

それを唱えおいた瞬間、そこらかしこから悲鳴が上がり始めた。誰も彼もが、突然見えるようになった魑魅魍魎達に驚き悲鳴を上げて逃げ惑っている。

エリキャロも、生首だけの幽霊が寄って来ると逃げ出した。流石に、このレベルのモノには慣れていない様子。

フェイトちゃんも、現実逃避から復帰して幽霊達から逃げようと走り回り始めた所だ。唯一、怯えない驚かない逃げ惑わないのはシグナムとザフィーラくらいのモノである。

 

「僕なんかに、事態の収拾なんて頼むからこんな事になるんだよ。次からは、シグナムかザフィーラに頼むと良い」

 

誰も聞いちゃいないけど、もっとも適格な方法を呟いておく。この後、何もできなくなった隊長&六課陣を放置して俺一人で聖王教会からの任務を解決しておく事に。

そのロストロギアは、六課が探している『レリック』ではなく見た目的にいうとスライムモドキ?だった。

まあ、お約束だったので余分な部分を吹き飛ばしてから核の部分を一口ペロリして胃に納めてしまう。

一応、非魔導師で封印術も使えない後方支援という扱いになっているので、そういう対応をしておいた訳だ。

後で、吐き出して見せて任務終了の御言葉を八神はやて部隊長からいただく予定。

 

「はてさて、その時はどんな反応を見せてくれるのか楽しみだなぁ……」

 

 

 




軽めの鎧通しを己の胃に叩き込んで、無理矢理吐き出す。
ドバーとゲル状の液体を口から吐き出しながらスライムの核となるロストロギアを吐き出す事だろうwwwww
原作人物達の反応が楽しみな話であるが……カットしましたw
って訳で、漫画版番外編(?)の回でした。

そして、新たな妖精魔法《エタナモォト》です。
死者の魂が見えるようになるっていう効果wwwww
みんな、超ドン引きしてましたね!しかも、本物を呼び出した上での実行とか……残酷すぎるwwwww
とりあえず、地球に行こう!は無事終了です!!

誤字・方言あれば報告をお願いします。
m(_ _)m

感想もあれば、お願いします!
いつも読んでくれる方々に感謝を……。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。