絶望を払う者~狂気の神々vs愉快で〇〇な仲間達~ 作:葉月華杏
名前だけでも良いのでくださいませんか?
サブ登場人物の名前も募集中です!
神崎くんの武器名募集中!!
神崎くんの格好いい中二病溢るる武器名を考えてみませんか?感想でも活報でも良いのでカキコよろしくです!!
テーマは、【重力】です!!
双夜
プレシアちゃん達に、暴露話をしてから一年程経ったある日。ディアーチェが、何の前触れも無く消滅したそうだ。
慌てた、神崎が連絡を取って来たので間違いない。俺は、その事を把握していたので、その時は『そうか……』とだけ言って通信を切った。
その後、神崎に俺がアリシアを蘇生した後この世界の調整を忘れていた為に、世界を構築しているシステムがエラーとなってフリーズしていた事を教える。それが原因となって、ディアーチェが何時までも存在し続けるハメになっていたと説明しておいた。
「という訳で、神崎を守護騎士化させまーす!一応、神崎くんは生体強化と妖精処理によって最大数ヶ月は食べなくても問題ありませんが……もしもの可能性も否定できないので、術式系のコールドスリーピングに掛かっていただきます!!その間の肉体の維持は、神崎が紫天の書の外に出ている時の栄養補給に掛かっていますので栄養あるモノをモリモリ食べてください……ね?」
「うッス!!」
「それでは、紫天の書に神崎を収容しまーす!」
紫天の書を開いて、神崎を俺の術式と共に紫天の書に吸収保存する。本物の妖精魔法によって、神崎の肉体は完全な不老不死状態となり、紫天の書の中で永遠を過ごす事の出来る存在へと変貌した。その上で、紫天の書の守護騎士システムにその存在を登録して固定化を掛ける。
魔改造された紫天の書は、問題なく術式系のCSを施した神崎を守護騎士として登場を受け入れた。
それを確認してから、神崎を守護騎士として召喚する。
「成功ですね!!」
「ああ。目覚めろ、神崎!」
「……………………」
「どうだ?気分は……」
「はあ、それなりに緊張してたんですが……別段変わりないですねぇ……?」
「そりゃそうだ。元々の紫天の書ならともかく、僕の技術で魔改造された紫天の書でそうそう変化があったらおかしいだろう?」
「…………そうッスね……」
「これで、神崎も僕達と共に平行世界へ行けるようになった訳だ…………それでは、『闇の書事件』を始めようか?」
「はあ!?え?ちょ、何言ってんッスか!?」
突然の宣言に神崎が、度肝を抜かれたように驚く。
だが、そんな事を言われても俺の手元には【闇の書】(モドキ)と【紫天の書】が残っていた。
「《旧・神族》のせいで、だいぶ遅れちゃったけれど……これだけは、ヤっておかないとね?」
「なのはさん達、もう地球にいないッスよ!?」
「だから、良いんじゃないか!!」
「良くないッスよ!?」
神崎の悲鳴をBGMに、俺は邪悪な笑みを浮かべて『クックックッ……』と笑って見せる。
「……それで、誰が【ラスボス】何ですか?」
「幸いな事に、僕達の事を知っているのは極少数だ。もちろん、U-Dにやって貰うとも……」
「私ですか?」
「いや、お前じゃなくて……こっちの【紫天の書の盟主】にやっていただこうと思う!」
「……………………」
取り出した【紫天の書】を見て、神崎が形容しがたい顔をして頭を抱えた。そして、立ち上がると同時に俺の両肩に手を叩き付ける様に置いて涙目で語り掛けてくる。
「なんで、【闇の書】と【紫天の書】を持ってんッスか!?つーか、まさかとは思いますけどその【紫天の書】の守護騎士ってなのはさん達の姿を借りてたりしませんよね?」
「知ってんのなら話は速いな。察しの通り、本物のディアーチェ達に殺って貰うつもりだ」
「鬼とか悪魔じゃねぇ!あんたは、邪神だ!!」
神崎が騒いでいるけど、何を今更当たり前の事を叫んでいるのやら……全く、これだから踏み台はぁ!!
「面倒なんで、ミッドチルダで殺ろうと思う!!」
「ガチか!?ガチなんだな!?」
「大丈夫だよ!僕達が、表に出る訳じゃないんだし……それに、不測の事態に管理局が不正隠しの書類三昧をしている間に法の塔を落としちゃえば良いんだよ!そしたら、レジアスの考えも変わるかも知れないだろう?」
「思ってた以上にヤバイかもしれない……もし、それで良い方向に結果が進まなかったらどうするんですか!?」
「どうもしないよ?原作通りになれば、良いんじゃない?」
「おふぅ……責任を丸投げしやがった……」
唐突に額に手を当てて、神崎が崩れ落ちるように膝を付いてorzの体制へと変化していく。俺的には、とっても楽しいので問題ないが……この【転生者】程、リアクションの大きいヤツは他に思い浮かばなかった。
「別に、責任を丸投げしている訳じゃないよ?これは、バランスの問題なんだ。僕達の介入で、闇の書事件が起きなかった。でも、原作上……そのイベントは、必ず起きるモノのはずなんだ。そして、この世界では『砕けぬ闇事件』も起きるはずだったのに僕が回避しちゃった……てへw」
「あんた、なんばしとっとか!?」
「って訳で、責任を持って闇の書事件と砕けぬ闇事件を起こそうって言っているんじゃないか!!」
「師匠ぉ!その責任は、果たさなくて良い責任です!!平和であるならば、それで良いじゃないですか!!」
まあ、出来るなら僕もこんな質面倒な事はしたくない。
だけど、しなければならない理由がちゃんとあるのだよ。
「ふふふ。それをやると、《旧・神族》が来るよ?」
「ええっ!?なんで!?」
「今、この世界はあり得ない位に歪んでいるんだ……まあ、僕がいる限り『蓋』が開く事はないけど……でも、何時までもここにいる訳にはいかないだろう?」
「…………マジッスか!?」
「安心して良いよ。既に、種は仕込んであるから!!」
「マジかぁ……」
こうして、俺達は合同の【闇の書事件】と【砕けぬ闇事件】を行う事にした。【ラスボス】がU-Dなので、最終的には自分がトドメを刺しに出なければならないが……こればっかりは、仕方がない。
それでは、【砕けぬ闇の書事件】を始めよう!!
……………………。
ミッドチルダへ行って、紫天の書を起動。
なのはママ・フェイトちゃん・八神はやてのパーソナルデータとリンカーコアを元に構築したディアーチェ(本物)を呼び出す。ついでに、憑依型の使い魔を召喚。
そのまま、ディアーチェ達に憑依させた。
管理局には、『闇の書事件!?』と思わせたいので……彼女達の本人格は、一時封印して憑依させた使い魔に操作させる。更に、四人の使い魔(人形)を召喚して、微妙に違う……だけど、シグナム達に良く似た守護騎士モドキを再現。
こちらには、闇の書モドキを持たせて蒐集に当たらせる。
「一対一でも、一対多数でもイケるよな?」
『問題なく!』
「だよなぁ……本物は、ダメっぽいけどコイツ等はイケるんだよなぁ……負けなしだよね?」
「流石に、千人を一人では相手に出来ないかと……」
「一度に襲ってくる人数は、ある程度決まってますから問題ないのでは?」
「殺ろうと思えば、殺れるはずさ!」
一部隊、数人の局員にコイツらが負けるイメージは思い浮かばない。流石に千人とかの人数なら、厳しいとは思うけど問題なく駆逐してくれるだろう。
「微妙にヤル気だ……師匠……」
「わかってると思うが……殺人は極力避けろよ?」
『Yes My Master‼』
「では、我々はこの世界に移築した我が家に戻りますか?」
ミッドチルダの地下に張り巡らされている下水道、その突き当たりで近くに出入口になりそうな外に通じている場所をGETした。人が来ず、あまり汚れていなさそうな場所に秘密基地を設置する為にである。
当面は、そこを俺達の隠れ家として人払いと認識阻害を数メートル分だけ展開し拠点とした。
地球の神社を引き払う際、テスタロッサ家に声を掛けてこの世界から退去する事を告げる。ついでに、記憶に関してちょこっとだけ、嘘の情報を教えておいた。それは、俺達の記憶が数ヶ月は残ってしまう可能性があるという事をである。まあ、コレは保険的なモノなので役に経たないで貰いたいモノだった。
更に、地球のお金をミッドに持ち込む訳には行かなかったので、高町家のなのはママのベッドの下に全額突っ込んでおく。数千万程なので、帰郷して見付けたらビックリする事間違いないだろう。まあ、迷惑料みたいなモノだ。
ついでに、手紙も添えて置く。その手紙には、細工がしてあって読んでいる間だけは記憶が戻るようにしてあった。
手紙の中身としては、この世界軸から離れるにあたって要らなくなったお金を全額なのはママ達に譲るということと、【砕けぬ闇の書事件】の全貌と理由が主な内容だ。
後、一言の謝罪を添えて終了。
これで、十分理解して貰えるだろうと踏んでいる。
物凄く怒るだろうけど、その時には俺はこの世界にいない上にすぐ忘れちゃうだろうから問題は無いだろう。
「さてはて、養い口が増えちゃった?」
「養い口が……資金、集めますね?」
「あの、地球のお金は使えないんですか?」
「換金しても良かったんだけど……足が付くのを避けたかったので、諦めた」
『ああ!』
「数週間程待って、『闇の書事件が起きた!?』と管理局が騒ぎ出す所まではディアーチェ(本物)達を匿うぞ?」
「で、蒐集対象はどうします?」
「犯罪者含む、局の魔導師で良いんじゃない?」
「……適当ですね……」
「さっさと、『闇の書』認定して貰ってブッパーしようぜ!と、その前にフレールくんに探して貰いたいモノが……」
『???』
一先ず、守護騎士風使い魔で局員や魔力ランクの高そうな奴等を狙って蒐集活動をして貰う。犯罪者からは、二度と魔法が使えなくなるぐらいの蒐集をして、局員からは数日間魔法が使えなくなるくらいに手加減しておく。
それでも、下手を打つならば俺のリンカーコア生成魔法の発展魔法でリンカーコア自体の治療も施して行った。
その結果、割りと早い段階で魔導師襲撃事件が【闇の書事件】であると様々な所が騒ぎ始める。
そして、一週間もしない内に【闇の書事件】認定をされて局員が血眼になって主探しを始めた。しかし、そうそう簡単には見付かる訳にはいかないので、守護騎士役の使い魔達にはローテーションを組んで事にあたって貰っている。
守護騎士役、合計12体。三交代制で、24時間対応。
「鬼か!?なんで、24時間三交代制でローテーションなんて組んでるんですか!?」
「面白そうだったんで……」
「守護騎士が12体になってるじゃないですか!」
「大丈夫だよ。見た目は、四人にしか見えないから!」
「なんて、戦力の無駄遣いをっ!!」
管理局が主探しをしている間にも、蒐集被害は拡大し続けている。だが、管理局は闇の書処か守護騎士達の動向の尻尾すらつかめていなかった。
そして……一ヶ月もしない内に、600ページも集まってしまう。だから、闇の書から魔力を抜いてページ数を減らして……大体、100ページ程にして使い魔に手渡した。
闇の書から抜いた魔力は、生成したリンカーコアに注いで行く。まだ、予定魔力量には届いていない。
「もうちょっと、頑張ろうか?」
使い魔からは、なのはママ達も動き出した事を告げられる。だが、まだ彼女達に補足される訳にはいかない。
いや~もう、かなりしらみ潰しに探されてるらしいけど。
まだ……まだ、見付かる訳にはいかないのである。
「師匠、師匠!ほら、ほら、飲食店のゴミ箱漁ってるフェイトさんがいますよ!!」
「……………………」
使い魔のサーチに、フェイトちゃんが引っ掛かったのを神崎が楽しそうに報告してくる。見れば、頭の上に魚の骨を乗せたフェイトちゃんが写っていた。それ(フェイトちゃんの奇行)を、シグナムが呆然とした顔で見詰めている。
「フェイトさんを止めに行きたい……」
「僕も……でも、行っちゃダメだよ?」
「わかってます……わかってますけど……アレを止められないのが、一番辛いッス!!」
「己ぇ……八神はやてめぇ……」
「は!?はやてさんは、関係ないのでは?」
「いや、絶対ヤツが一枚噛んでる!!」
ああやって、フェイトちゃんに恥をかかせていれば俺達がホイホイ現れると考えているのだ。流石、妖怪腹黒大狸(ディアーチェ)と仲が良かったヤツらしいやり方である。
フェイトちゃんを見ていたフレールくんには、映像を送らなくて良いと命じておいた。あんなモノを見せられ続けると、うっかり止めに行きたくなってしまうからだ。
「あ……消えちゃいました」
「師匠?」
「フッフッフッ……」
レイジングハートを取り出し、八神はやてのアドレスを確認し秘密基地のPCを使って怪しげなサイトの運営に、片っ端から八神はやてのアドレスを送ってやった。
それと同時に、デバイスを狂わせるウィルス入りのメールも送ってみる。ヤツのデバイスは、ストレージなのでリインフォース・ツヴァイが気が付かない限りは地獄だろう。
ただ、普通に送るとバレるので二通に分けて送り付ける事にした。もう一通の本体を送れば、ウィルスが起動するようにしておくのだ。大量の迷惑メールに紛れて、ウィルス入りのメールを送る。カモフラージュも出来るし、ヤツの鼻もあかせて万々歳だ。
しかも、未熟なツヴァイの方に送るのがミソ。
ツヴァイが、可哀想ではあるが……全ては、八神はやてが悪いのだから仕方がない。え?ギル・グレアムに言った事に似てる?……問題ないよ!俺、【悪】だから!!
ついでに、まだ迷惑メール飽和攻撃が薄い頃に『赤ちゃんの作り方知ってる?』の質問メールを送っておく。
さあ、八神はやて。ツヴァイに、赤ん坊の作り方を聞かれて困れば良い!!「あーはははは!!」と笑いながら、地味な嫌がらせを開始した。使い魔経由で、結果を確認すると八神はやてが顔を真っ赤にして怒っている。
なんと言うか、地味な嫌がらせに悪戦苦闘中といった感じで迷惑メールやらを削除し続けていた。流石、華の16歳乙女であると言ったところか。
俺の送った、起動キーも削除していたのでほくそ笑む。
これで、本体を送ったらツヴァイがおかしくなって頭を抱える事になるだろう。あれは、一度でも受け取ると削除しても残留するウィルスだから質が悪い。
その後も、何回かに分けてウィルスを送くる。
一度に送っても、バレる可能性の方が高いからだ。
八神はやては、送られてくる度に迷惑メールを削除していた。その結果、ツヴァイがマリーさんに預けられる事となる。そして、それに気が付けなかった自分を責めて、最終的に俺へ怒りの矛先を向けてしまう。
「あーらら。師匠が、はやてさんを本気にさせてしまった。これは、荒れるぞぉ……!!」
「荒れないよ。荒れさせる訳無いだろう?さーて、アレも見付かった事だし……予定していた魔力も集まりつつあるし……管理局イジメも大詰めだ!」
「管理局イジメ…………」
「じゃあ、そろそろ永遠結晶エグザミアを起動して【砕けぬ闇事件】をおっ始めよう!!」
とは言え、やれる事は限られている。
ディアーチェ(本物)達を、それぞれの場所に転移させて憑依させていた使い魔を抜くだけで管理局側は原作組込みで混乱を始める訳だ。何たって、原作組には明確な犯人像が存在した訳だけど……ディアーチェ達の出現で、全く別の誰かの可能性が浮上してきてしまった訳だ。
そりゃ、混乱もする。それでも、八神はやての気転で行動が阻害される事は無かった。
「『誰が犯人でも、ヤる事はおんなじや!』か……ちぇっ!的を射た事を言い寄ってからに……まあ、原作組は要監視で局員を大混乱にさせてやろうかなぁ……」
それこそ、地上管理局本部を襲う勢いで……むしろ、破壊するつもりで?破壊するなら、地下にいるあの脳みそも何とかしないと……いや、アレを使う予定だからアイツ等の予定は狂うのか。何にせよ、最高の嫌がらせにはなるだろう。
老朽化と見せ掛けて、地盤を支えている所への処置も終わったし……地上で、大暴れすればどうなるか。
「さて、ディアーチェ達が引っ掻き回してくれている内にこちらも移動しつつ、次の段階に移行しますか?」
ディアーチェ達が、活動を始めたところで俺達は下水道を通ってミッドチルダ市街地から離れていく。
一人の方が行動しやすいって理由で、ユーリ達には躯体を放棄して貰って……秘密基地も何もかもを回収しての移動を開始した。持って行くのは、俺の【紫天の書】。
背中に、《Aile》……小さな光の翼を展開して、揚力で素早く移動していく。ルートの方は、フレールくん探索で確認済みなので問題なく順調に移動出来ていた。
途中、下水道だけでは飽きたらず大人が通れそうにない土管の中も通って近道しつつ移動。
透明化の魔法やら何やらを使って、追ってのサーチャー等を撒いて何とか外に出た。
「見付けたよ!!」
「にゃ!?」
声が聞こえて、振り返ると何故かフェイトちゃんの姿を確認。どうやら、待ち伏せをされていたらしい。まさか、ディアーチェ達の方にではなく……こちらにフェイトちゃんを配置しているとは。八神はやて、マジうざい。
《Aile》の枚数を増やして、揚力を上げる事でフェイトちゃんから逃げる。
「あ!待って!」
「やー!」
「お話し、聞かせて貰うよ!!」
「なにょはママみたいな事言っても話さないよー!」
逃げる俺。追うフェイトちゃん。
加速に限界の無い俺が、圧倒的に有利だった。
魔力をブチ込めばブチ込むだけ、どんどん加速出来るこちらとでは地力が違い過ぎる。一気に加速して、マッハを超えたら終わった(笑)。勝負にすらならなかった。
瞬間加速のフェイトちゃんvs継続加速。
途中、囮になってない事に気が付いて恐る恐る戻って見たらなのはママが増えてた。慌てて逃げ出すと、なのはママに見付かってまた追いかけっこ(?)の再開だ。
今度は、先程と違ってフラフラと飛ぶ。だけど、追い付かれたくはないので近付かれたら超絶技巧を駆使してギリギリで回避し続けた結果……囮だとバレる。
出来るだけ、首都郊外へ引きずり出せたので問題は無いだろうと考えるが、S'sLBは撃たない方が良いだろう。
「なのは……」
「うん!」
なのはママが、離脱しようとするので漸く俺は紫天の書を呼び出してユーリを召喚する。
「逃がさないよ?なのはママ♡フェイトちゃんも♪レイジングハート、セットアップ」
《Stand by Ready…set up!》
「ユーリ!!」
「はい!撃沈しない程度に、弱らせたら良いんですね!!」
「足止めって事!?」
「え!?……ちょっと、待って……(焦)」
「待ちません!行きますよー?」
「ディバインバスター!!」
《Divine Buster!!》
なのはママのDBに対して、レイジングハート(俺側)が本気の収束DBを放つ。結果、なのはママのDBが呑まれて……でも、なのはママはそれの直撃を回避。直ぐに、シューターで牽制して来た。
小技で、こちらの隙を伺いDBを撃ってくるなのはママ。
その戦闘スタイルは、遠距離が得意のはずの砲撃型なのに接近戦闘と来た特殊スタイル。まあ、こちらも似たような戦闘スタイルだけど……元々が、近中遠の万能型。
どれかを取るなら、中距離が最も得意だけど。
変則性を取るなら、SビットやBビットを展開してシューターとバスターで攪乱しつつ、大技で仕留めたい所だけど……今回のミッションは、相手を落としてはイケないので相手の攻撃を無害化する事に集中する。
「なんで、こんな事をするの!?」
「馬鹿は、痛い目を見ても馬鹿のままだと言う事だよ!!」
「どういうこと!?」
「さあ?自分で考えてごらんよ!」
シューターをバラ撒き、ドンドンなのはママの攻撃を無害化していく。と、なのはママがシューターの中に潜ませていたDBに撃ち落とされた。
「あ!」
見た目はシューター。
でも、中にはDBの術式が押し込められている。
シューターが、敵の近くまで届くとDBに変化する騙し討ちDBになのはママが引っ掛かった。
結果、距離が空いて……でも、なのはママは逃げなかった。
むしろ、DBでこちらを落としにくる始末。
この戦闘が、時間稼ぎって事は伝えてあるのでなのはママ達は離脱出来れば万々歳なのに、なのはママ達は普通に戦っている。
「あー……スイッチ入っちゃったかな?」
多分、押したのは俺。
こちらとしては、主力を抑えていられるので問題ないけど……八神側としては、戻って欲しいんじゃないかな?
願ったり叶ったりなので、ちょっと煽るような闘い方を選定して攻撃する。即ち、殺傷設定でシューターを掠めてみた訳だ。すると、なのはママが凄く怒りだして……本気のDBを撃ち返された。
「きゃー!管理局の白い悪魔が、コッワーイw」
「もう、許さないんだからっ!!」
「たあ!」
「ひぃいぃ!!!」
なのはママの声と一緒に、フェイトちゃんの悲鳴が聞こえた様な気がしたけど……見れば、普通に戦っているので気のせいだろうと判断した。
「よそ見してると、痛いよぉ!!」
「空間遮断に匹敵する防御魔法があるから大丈夫だよ♪」
「え?」
なのはママのDBを完全に防いで見せて、えっへんと胸を張ったら呆然とした顔でこちらを見ていた。
「何それ!反則だよ!?」
「僕とユーリは、ラスボスだよ?多少の理不尽は、諦めて!!」
「ちょ、ずるいっ!!」
「にゃははは!!」
縦横無尽に飛び回っていると、ガキンッ!と腕を一瞬取られる。しかし、次の瞬間にはブチブチと千切れる音がして見たら何も無かったので首を傾げていると、なのはママが『なんで!?』と驚愕の表情を浮かべていた。
それで、今のがバインドで……俺を拘束しかけたのだと理解する。だが、高速で移動している状況では何の意味も成さないだろうから、その戦術は意味が無かった。
「残念だったなぁ!!」
「むー……次は、捕まえてみせるんだからっ!!」
「にゃははは!捕まえれるもんなら、捕まえてみろー!」
「え?わわっ!!」
「ん?おっと……」
赤黒い巨大な剣先が、俺となのはママの戦域を掠めて振り落とされる。見れば、ユーリが魄翼を剣状にして振り回していた。
「危ないなぁ……」
「フェ、フェイトちゃん!?」
「にゃ、にゃのはあああぁぁぁーーー!!」
半分以上、泣いた状態でユーリの攻撃を避け続けているフェイトちゃんが、俺の目の前を通過してなのはママの元へと飛んでくる。それを、おもむろにシューターで阻害して押し返してみた。結果、フェイトちゃんが本当に泣く事に。
「こら!フェイトちゃんを泣かしちゃダメでしよ!?」
「今は敵同士だよ!なのはママ!!」
「それはそれ、これはこれだよ!!」
理不尽な事を言っているけど、ユーリ……手加減下手……の相手をしているフェイトちゃんの身にもなって上げて欲しい。って事で、ユーリと相手を交換してみた。
素早い動きで、相手を翻弄しつつ撃破する近接戦闘のスタイルと重装甲砲撃近接戦闘型の俺との闘いとシフトする。
先程の、当たれば即落ちな状況から一転、大量のシューターに動きを阻害されつつ……時折、上下左右からDBが襲ってくる変則戦域へと突入したフェイトちゃんは、やっぱり泣いたまま縦横無尽に飛び回っていた。
そこへ、更に変則的なDBを撃ち込んでみる。
卍型に魔法陣を合計12枚展開。
そこから、DBを同時に放出する。
それぞれが、極大のDBなのでかなりの広範囲を埋め尽くした超極大DBが、フェイトちゃんの回避する場所すら埋め尽くして穿たれた。結論だけをいうならば、フェイトちゃんはそれを何とか回避して、俺の頭上を飛び越えて後ろへ回り込む。ガキンッ!!という音と共に、フェイトちゃんの魔力刃は俺の空間遮断に匹敵するバリアに止められてしまう。
「残念♪」
「ううっ……」
「さあ、蹂躙の時間だ!!」
「っ!?バインド!?」
「フェイトちゃんGETぉ!!……何で、こんな首都圏から離れた郊外で戦闘していると思ってんのさ?」
「……………………(青)」
「昔見せた、絶望の光を今一度っ!!スター『ズ』ライトブレイカー……行ってみようか!?」
レイジングハートの矛先を、天空へと指し示す。すると、帯状の魔法陣が空に幾つも展開されて魔力を収束し始めた。だが、余り魔力散布状況がよろしく無かった為に収束が上手く行かない。だから、リンカーコア生成魔法を使って空間いっぱいにリンカーコアを生成し、それを一瞬で爆発させた。所謂、《リンカーコア・バースト》である。結果、大量の魔力が周辺いっぱいに散布された状況となった。
「にゃははは。さあ、絶望の時だぁ!!」
《Star's light Breaker EX maximum‼》
「や、止めて……」
「止めないよ?穿つからね?」
「にゃあああぁぁぁーーーー!?」
なのはママが、ユーリに捕まって悲鳴を上げている。
一瞬、振り返って無事なのを確認し、S'sLBを穿ち放つ。
それらは、フェイトちゃん達を避けて郊外の森へと着弾していく。結果、ピンクの極光が郊外の森を薙ぎ払い、大地を呑み込んで何もかもを消し飛ばして行く。
そして、長きに渡り大地の中に埋もれていた、とあるロストロギアの船頭を剥き出しにしてしまう。ピンクの極光が晴れた時、それは表舞台にその巨体を表した。
即ち、『聖王のゆりかご』。
「やれぇ!神崎ぃ!!!」
地上にいるであろう、神崎に大声で指示を出す。
生きていれば、計画通りに進むはずなので後はあの馬鹿に託した。
「ピピピ、ピィンクゥゥゥゥッ!!ピィンクウゥのか、か、壁がああぁぁぁッ!!か、壁ェが迫って来りゅうぅぅぅ……っ!!!!!」
「神崎ィッ!!(激怒)」
「だあああっ!わかってますよっ!!もう、知りませんからね!?出でよ、闇の書の闇っ!!ナハトヴァールッ!!!!聖王のゆりかごを取り込んで、完成体と成れ!!!」
魔改造を受けたナハトヴァールの暴走浸食体が、巨大な《聖王のゆりかご》を呑み込んで自らの肉体を構築していく。船頭から、約三分の二程を呑み込み漸く暴走浸食体の浸食行為は終了した。残った三分の一が、放置される結果となっているが……肉体を再構築しているナハトヴァールの影響か、バランスを崩した残りの部分も黒い淀みの中へと沈んで行った。
「あ……」
その時、偶々視線をずらした先にジェイル・スカリエッティの姿を捕捉する。S'sLBで、大地ごと吹き飛ばされたジェイル・スカリエッティが戦闘機人に連れられて逃げて行くのが見えた。まあ、今回は別段関わる気はないので見逃すのだが……その際、ジェイル・スカリエッティが涙目で闇の書の闇に浸食されていく『ゆりかご』を見ていたからちょっと吹き出す。あれだけの爆発に巻き込まれて、生きていた事にも驚いたが……船体の約半分を浸食して、構成されていく浸食暴走体を見て涙目とは、イカれた違法科学者らしい反応ではあった。
しばらくして、黒い淀みから三体の巨大な生き物が出現する。神崎がデザインした、ゲペル〇ッチとかゾ〇ドとかゴ〇ムという存在らしい。なんでも、超時空要塞何ちゃらっていうアニメの敵なんだそうだ。適当で良いと言ったのに、やるなら徹底的に!!が良いんだと。
全く、これだからヲタクは……。
まあ、兎に角……その蛇の様な生物(?)の中で、最もエネルギー値の高い一体を帯状の魔法陣で囲み転移させた。
向かう先は、首都ミッドチルダ。自分達が、魔改造した闇の書の闇を体験して貰おうという計らいだ。
残りの二体は……放置して良いなら、このままにして置きたい処。なのだが、なのはママ達が攻撃を開始していた。
だが、なのはママ達の魔法が敵に届く前に消滅している。
暴走浸食体に、そんな機能はないので【聖王のゆりかご】の能力か何かなのだろう。
「頑張れー……」(棒)
「手伝わないんですか?」
「えー……僕等、十分戦ったよね?」
「でも、苦戦されてますよ?」
「せっかく、作ったのに壊すのはちょっと……」
「本当に良いんですか!?」
「うん。放置したい……」
「あ、師匠!」
「ん?……何でラヴォルフにお姫様抱っこされてんの?」
「だあああっ!言わないで下さい!!飛べないからですよっ!!ちょ、エーって顔しないっ!!」
「暴れないで下さい……」
「あ!スイマセンッ!!」
神崎の護衛に付けてあったラヴォルフ達も合流して、俺達はノンビリと傍観モードへと移行する。足場として、ちょっと大き目のプロテクションを展開して座り、持参したお茶を飲みつつなのはママ達の戦いを観戦していた。
すると、フェイトちゃんがこちらに近付いてきて呆然とした顔で俺達を見上げている。
「何か用かな?」
「何か用かな?じゃないよ!?何で、寛いでいるの!?」
「何でって……やる事もやったし、する事が無くなったからだけど?」
「じゃあ、一緒にアレと戦ってよ!?」
『……………………』
「それこそ何で?アレを呼び出したのは、僕達だよ?倒す必要を感じないんだけど……」
「ええっ!?」
「さあ、フェイトちゃん。ガンバッ!!」
「頑張れー、フェイトさん!負けるなー、フェイトさん!!応援してるんで、ヤっちゃって下さい!!!」
「なんで、棒読みなの!?全然、応援してないよね!?」
「え、えっと、頑張って下さいっ!!」
「……………………ユーリ、貸してくれないーーって、何で嫌そうな顔をするのぉ!?」
「ユーリは、僕のだから貸さないよ!!」
ユーリにガバァッ!!と抱き付いて、フェイトちゃんを睨む。隣から、『はわわわっっっ!?ふうきゅうぅぅぅ……』という声が聞こえたけれど気にしない事にした。
さてはて、神崎が漸く紫天の書の守護騎士になりましたとさ……。空飛べないとか……本当に使えない守護騎士の誕生です!!神崎は、使えない中ボスw空飛べないwww
ほぼ、知識だけの小使い魔状態にww
そして、漸く始まったのは複合された『砕けぬ闇の書事件』。本来なら、《旧・神族》の件がなければその年のクリスマスにやるはずだったのに(笑)闇の書事件をw
その年始に砕けぬ闇事件とかwなのに……。
更には、『聖王のゆりかご』まで出てきて侵食暴走体にくべる始末。全ては、旧・神族がイケないんだ。凍真達の時代で滅ぼされて置けば良かったモノを……全く。
「ピンクの壁」に関しては、多分神崎の渾身ネタなんじゃないかなぁ?
あ、と……闇の書モドキの守護騎士は、胸無しシグナム風女剣士とロリ巨乳のヴィータ風ハンマー娘……女装趣味の筋肉男ザフィーラ風格闘家と見た目ゆず子ちゃんなシャマル先生風金髪美少女でヤってますwwww
もはや、完全な嫌味ーー挑発でしかないww
しばらく、不定期更新しますw
誤字・方言あれば報告をお願いします。
m(_ _)m
感想もあれば、お願いします!