絶望を払う者~狂気の神々vs愉快で〇〇な仲間達~ 作:葉月華杏
名前だけでも良いのでくださいませんか?
サブ登場人物の名前も募集中です!
神崎くんの武器名募集中!!
神崎くんの格好いい中二病溢るる武器名を考えてみませんか?感想でも活報でも良いのでカキコよろしくです!!
テーマは、【重力】です!!
双夜
八神はやての【夜天の書】と俺の【紫天の書】を賭けて、クロノ・ハラオウンと模擬戦をする事になってしまった。
本来なれば、【夜天の書】は八神はやて自身の手で護らなければならないが……まだ、足が不自由な八神はやてを模擬戦に出す訳には行かないとリインフォースが言うので、仕方なく代理で戦う事となった。
「別に良いけど……僕が代理で問題無い訳?」
「強いんやろ?」
「まあ、ユーリよりかは普通に強いけど……」
「せやったら、この試合を見て考えるわ……」
リインフォースによって、超広域展開された結界の中で高町夫妻や高町兄妹と月村家・バニングス家を含む全員が観戦モードで待機していた。ノエルさん達や鮫島おじいちゃんもいて、お茶していたり何かを摘まんでたりしている。
戦場のレイアウトや障害建造物は、時空管理局ではなく俺が構築したモノ。レイアウトや建造物は、因果律に干渉して一時的に海にあった同量物質を建造物へと変換したモノである。だから、破壊されても、消し飛ばされても問題はない。試合終了後に、自動再生されるモノなので。
そして、今正にユーリとシグナムが模擬戦開始の合図を今か今かと待っている最中であった。
八神はやては、この試合を見て判断するという事らしいが……神崎曰く、【ラスボス】な俺達で良いのか?と聞いたつもりだったのだが、今一伝わらなかった様だ。
平行世界で、一対四でもヴォルケンリッターを圧倒したユーリがシグナム一人に遅れを取るはずも無いので、シグナムには悪いけれどもう一ランク厳しいレベルで戦っていただくとする。
「ユーリ!負けたら、二度と添い寝してやんないからなぁ!?絶対、負けるなよー?」
「ーーっ!!はい、任せてくださいっ!!」⬅本気Mode
『!?』
「貴様ー!!まだ、そんな事をするつもりか!?」
「いやぁ、だって……目の前で、燃え盛る炎を見たらガソリンとか入れたくならない?」
「…………お主、鬼か!?」
「間違いなく、シグナムが瞬殺されるよ(笑)」
「はあ。もう、止められそうに無いな……」
「うん。ガッツリ、燃料は突っ込んだからねぇ……」
そして、シグナムは模擬戦開始直後……お星様になった。
ディアーチェが、顔を手で覆い嘆いている。
魄翼で、シグナムを撃沈したユーリは両手を上げて「わーい♪」と喜んでいるが、周囲は完全に沈黙。
まさか、ユーリが古代ベルカの騎士とまで謳われたシグナムを瞬殺するなんて思いもしていなかったのだろう。
「私はそこそこ強いですが……双夜は、もっと強いですよー?なんたって、私を一撃で倒したんですからぁー♪」
ついでに、ユーリが俺攻略の難易度を上げて行く。
そういう情報は、出来るだけ出さないで欲しいのだけど……仕方がない。チラッとクロノんを見ると、アレ以上!?的な感じでこちらを見て、すぐリンディさんの方に振り返って何かを訴えていたけど……現実は残酷だった。
まさかの『死んでこい』命令が下され、クロノんは真っ青な顔でゆっくりと前に出て行く。
「さて、八神はやて。僕で、本当に良いんだな?」
「構わへんよ!むしろ、有難いくらいや!!」
「OK。じゃあ、後でシャマルさん貸して?」
「エエけど、何するん?」
「一緒に料理をと思って……」
「え゛!?」
何か、物凄いモノを見るような目でこちらを見る八神がいたけど気にしない。まあ、八神が『え゛!?』と聞き返したくなるその気持ちがわからない訳じゃないからだ。
普通なら、考えられないオファーだ。
それ故に、こちらの真意が判らず彼女は頭を抱えていた。
そんな八神を横目に、俺もゆっくりと前に出ていく。
その途中、俺を劣化させている《R・B》を胸の真ん中から抜き去り、本来の12歳程の大きさに戻る。
そして、左手の平の上にはピンク色に輝くリンカーコア。
それを自らの胸に取り込み、俺はデバイスを持ち出す。
「……………………それが、君の本当の姿か……」
「どっちも、本当の姿だよ。ただ、チミッコイのは劣化状態なだけだ。能力の大部分を封印してあるんでな……」
「能力の大部分を封印…………」
「ああ。安心して良いぜ?チミッコイままだと、手足が短いからリーチがなぁ?限定的に解放しただけだし……それに、同じ土台じゃないとフェアじゃないからなぁ。こちらも、リンカーコアを使った魔法を使用させて貰う!!構わないだろう?」
「ーーーーーはっ!!いや、待て!?そのリンカーコアは、どこから持ち出してきた!?」
「あん?そんなもん、こうやって……」
右手を前に出して、手の平を上にした状態でリンカーコアを生成して見せる。それだけで、クロノんは目を見開いて固まっていた。
「こんなもん、後で幾らでも見せてやるから……さっさと始めようぜ?それぇとぉもぉ……リンディおばあちゃーん、見ててねぇ?」
「ちょ、待てえぇぇぇ!!??」
「エイミィ?」
「ひぃっ!?は、はいっ!!それでは、クロノくん対双夜くんの試合を始めたいと思いますっ!!レディ……GO!!」
「S2Uセットアップ!!」
「レイジングハート!セーットアーップ!!」
『ええっ!?』
「私と、同じバリアジャケットに……」
「なのはの、レイジングハート?」
なのはママとフェイトちゃんの驚きを聞きながら、俺は砂浜を走って移動する。
「レイジングハート!カートリッジロード。モード、エクセリオンッ!!」
《All right. Master》
「カートリッジシステムだって!?」
《Exelion Mode!!》
カートリッジを二回ロードして、レイジングハートはエクセリオンモードへと変化した。
そこで漸く、俺はフィンを展開して空へ。
クロノんは、出遅れたけど俺を追って空へと飛び立つ。
それを狙っていたかのように、ディバインバスターで狙い打ちしてやった。そのまま、射線をズラして凪ぎ払う。
飛び立ってしばらくは、高度がなくて無軌道な軌道を取れないのを良いことに狙い撃ってみた。
しかし、クロノんは読んでいたかの様にプロテクションで防いでいる。残念。
「ディバインシューター!シュート!!」
一旦、ディバインバスターをカットした俺は誘導・直射型シューターで相手の行動を阻害しつつ、バスターのタイミングを計る。ついでに、クロノんが仕掛けている設置型バインドを潰すのも忘れない。
「くっ……何で、設置型バインドの位置を!?」
「アクセル!!」
それまでは、ゆっくりとクロノんがいる場所へと向けて動かしていたシューターを素早く移動を始める。
結果、一瞬視線がこちらから反れた。
《Divine……》
「バスターァ!!」
それを見逃す、レイジングハートと俺ではない。
直撃は避けられたモノの、クロノんは低空飛行で直射型のシューターを回避しつつ大きな円を描くように移動。
「妖精魔法《ステルス》……と、ブラスターワン!!」
《Buster Fast‼》
ブラスターモードで、Sビットを数機喚んだ俺は先に展開しておいた妖精魔法でSビット自体を見えなくする。
「《Sonic Move》!!」
使っているデバイスが、レイジングハートだけなので自分自身でソニックムーブを展開する。ついでに、周囲を飛んでいるビット以外のモノの制御も俺が担当。
さて、問題です。元々見えないモノを、超スピードで更に見えなくした場合、クロノんはそれらに反応出来るだろうか?
……答え、不可能。
そして、蹂躙の始まりです。
「ディバインバスター!フルバースト!!」
見えないSビットからシューターで撃ち抜かれ、怯んだ所をディバインバスターの集中砲火で落としに掛かる。
突然の猛攻撃に、クロノんは上手く移動が出来ないみたいだった。それでも、スナイブショットやステンガーレイ等で応戦しようとしたみたいだけど、俺のSLB級のディバインバスターに打ち負け呑み込まれ押し返される。
ついでに、N&Fブラスト・カラミティをも一人で再現。
魔力弾と砲撃の雨霰をクロノんに叩き込んで行く。
それにより、俺が何を企んでいるのかがクロノんに知られるが問題無し。最終的に、穿たれるアレが待っている事もわかって、クロノんは必死にもがいていた。
しかし、現実は無慈悲である。ついに、クロノんがディバインバスターの直撃を受けてしまう。その瞬間を狙って、俺はクロノんを例の解けないバインドで拘束した。
「いっくよーぉ?」
《Starlight Breaker!!》
「くっ……ちょっ!!」
帯状の魔法陣が、巨大な円を描き周囲に散っていった魔力を収束していく。クロノんは、それでもまだ時間があると希望を持っているようで頑張ってバインドを外そうともがいている。
それを見た俺は、おもむろに収束速度を引き上げた。
ほぼ、一瞬で完成するスターライトブレイカー。
「う、嘘だろう…………!?」
誰もが、口をパカーンと開けて絶句していた。
「使い切れずにばらまいた魔力を、もう一度自分の所に集める……なのはママが考えた、知恵と戦術、最後の切り札……受けてみて!全力全開っ!!」
「ちょ、止めっ!?」
「スターライト……」
「うわあぁあぁぁぁ!!!!!」
「ブレイカァー!!!!」
穿たれるピンクの極光。
バインドに拘束され、防ぐことも出来ずにクロノ・ハラオウンはピンクの極光に呑まれて行った。模擬戦用にと結界内に組まれたレイアウトも呑み込んで、その威力を知らしめて行く。全てが、ピンクの光に染められて……それが晴れた時、クロノ・ハラオウンの姿は無かった。
妖精魔法の《ステルス》が解けて、数機のビットも周囲を漂うように飛んでいる。周囲を見回して、クロノんの反応を確認していると波に揺れるクロノんを発見した。
ちゃんと、原型を留めているのを確認。良かった!収束砲撃に成るように、手加減していたから無事だったんだね。
流石に、楽しい旅行に来ているのに殺人事件とかになったら白けるもんなぁ……。
「…………わーい!勝ったー♪」
『……………………』
みんなの反応は無いが、これはなのはママの戦術なので文句や抗議は受け付けません。俺は、波に揺れるクロノんを回収するとみんながいる待機場所に戻り、リンディさんにクロノんを預けて俺はなのはママ達の元に行った。
「勝ったよー?」
「あーうん。凄かったでぇ?」
「楽勝だった!まあ、なのはママの使ってる戦術なんだけどねぇ……」
「へぇ……なのはの……」
「そうなんだ……なのはちゃんの……」
「そうか、なのはちゃんの戦術なんやー……」
『……………………』
「え?何々!?なんでみんな、そんな目でなのはを見るの!?」
みんなが、なのはママを恐怖に近い視線で見ている。
それを受けて、なのはママが困惑していた。
フェイトちゃんが、頑張ってなのはママを励ましているけど……今一、効果が無いようだ。
「僕は、ずっと疑問に思ってる事があるんだ。SLBを受けて、なのはママの友達になったフェイトちゃんの精神がとっても不思議……」
『え゛!?』
「???え……何!?」
『あ……うぅん。何でも……』
今度は、得体の知れないモノを見るような目を向けられるフェイトちゃん。それにフェイトちゃんが気が付くと、ほぼ同時に反らされた視線。
多分、みんな似たような疑問を持ったと思われる。
「まあ、僕の戦術も酷いモノなんだけど……こればっかりはねぇ……モードリリース。リンカーコア排出、ブレイク!」
「ちょ!?あなた、リンカーコアを握り潰すって……どういうつもりなの!?」
「僕にとっては、リンカーコアは消耗品認識だよ?」
『消耗品……』
「壊れたなら、リンカーコア生成魔法で何度でも幾らでも作れば良いんだよ」
「…………なんて、能力……」
「じゃあ、次は誰の番?」
「え?えっと……」
「私となのはがヤるよ……ね?」
「あ、うん!」
「そうか……本家本元が、殺るらしいよ!?」
なのはママとフェイトちゃんの模擬戦は、戻って来たシグナムによって中断され、何故かヴォルケンリッターvsN&F+ディアーチェでの戦闘となる。ザックリ言うと、ラストステージでのラスボス戦みたくなった。けれど、概ね予想通りの展開でなのはママ達が勝利を納める。
その後は、全員vs俺とユーリ戦をやって……俺とユーリがはっちゃけた結果、全力で拗ねるシグナムがいた。
いや、ちょっと108機のビットを使ってディバインバスターを乱射しただけなんだけど。ユーリは、一対一に持ち込んでエンシェントマトリクスをした後に魄翼でガシッ!と掴んで俺のはっちゃけてる空域に投げただけだ。
トドメに、スター『ズ』ライトブレイカーを使って叩きのめしたらそうなってしまった。
流石にSLB数十の輝きは、彼女達を絶望の淵に引きずり込むのに時間はいらなかったらしい。空を見上げて、棒立ちになっているところに、容赦なくSLBを撃ち込んで模擬戦は終了となった。
そして、漸くマッタリ(?)とした時間を得て、俺達は別荘に戻って行く。
「リンカーコアが、砕けたのに再生成して再攻撃なんて普通は考えない!全く、無茶苦茶してくれる……!!」
「私のSLBが、撃ち返された……」
「108機のビットからのディバインバスターとか、私のファランクスシフトでも撃ち返せないよ……」
「近付く事すら、ままならないとは……無念……」
「あんなん、反則やっちゅうねん!!」
「……………………」
「あ、そうだ!なのはママ、SLB禁止ね♪」
ついでだったので、俺はなのはママにSLBに付いての注意点を告げる事にした。
『ええっ!?』
何故か、他の人達まで驚いているけど気にしない。
「なんで!?」
「何でって……今のなのはママには、アレかなり負担になってるよ?とりあえず、身体が出来上がるまでは止めといた方が良いかも……そうだねぇ、14、5までは控えた方が良いね!」
「14、5…………」
しょぼ~ん……と落ち込むなのはママを見て、勘違いしている事に気が付いた。
「いや、別に撃っちゃダメって言ってる訳じゃ無いよ?」
「撃って良いの!?」⬅喜
「模擬戦では、撃っちゃダメ!!」
「ええっ!?」
まあ、早々SLBを使うような事件が起こる事はないから模擬戦でSLBを禁止にしておけば、十二分に身体を休める事が出来るだろう。
「えっと、えっと……れ、練習とかは……」
「練習?収束砲の?……普段、ディバインバスターを乱射していれば普通に訓練にはなるよ?なのはママのディバインバスターは、収束込みなんで、問題ないかな?」
「あうあう……それだと、威力が……」
「魔力コントロールを頑張れば、威力の底上げくらいは出来るよ!ああ、そうそう!カートリッジシステムには、手を出さない様にね?あんなドーピングしてたら、普通に体壊れるから♪」
「あ、でも!ソウニャくんのレイジングハートには……」
「うん。でも……そのせいで、僕のなのはママはリンカーコアを損傷して非魔導師になった上に利き脚に後遺症を持ってたんだよ?」
「あ……うぅっ……」
「本当なら、メディカル系は大人の専売特許なんだけど……この世界の大人は、アクセルを踏み込む事しか教えないからダメダメだよね!その癖、目は節穴と来てるんだから……本当、役立たずだよね!特に、時空管理局とか!!」
『……………………』
「忙しいからって、前線に立つ者のメディカル方面くらいは気にしておかないと……いざという時、痛い目を見るのは自分達なのに……」
「うぅっ……耳が痛いです……」
「しかも、9歳や10歳程度の女の子を使い潰そうとするんだから、人手不足って言われたって非人道的と非難されても仕方がないよね!!」
『……………………』
「双夜の毒舌が、切れっ切れだな……」
「え?猛毒吐いて良いの!?」
「止めてあげてください!」
「兎に角、なのはママはしばらく休養をした方が良いかな?魔法に威力を求めるなら、尚更適度な休養が必要だねぇ」
「…………休養って、何をすれば良いの?」
「レイジングハートを金庫にしまって、ダラダラグタグタするだけの日々だよ?」
「ええっ!?」
「のんびり日向ぼっこでもしながら、僕ならリーゼ姉妹をイジメるかな?」
「や、止めてよ!?お前の悪戯は、心臓に悪いんだからっ!!」
「イジメ……と、蜥蜴が……蜥蜴があぁぁぁーーー!!!」
「お、おい。アリア!?」
リーゼアリアが、唐突に頭を抱えて叫び始めるのでクロノんが驚いてアリアを掴み揺さぶっている。しかし、トラウマが再発して壊れたリーゼアリアは気が付かない。
「アリアは、まだ壊れたままか……」
「お前のせいだろう!?何とかしろよっ!!」
「えー……面倒臭い……」
「お前なぁ……」
「ぶっちゃけ、カウンセリングするにしても時間が掛かりすぎるからなぁ……記憶を封鎖するか?」
「それでも、トラウマは残るんじゃないのか!?」
「……じゃあ、ちょっと無茶をして……因果律にアクセスしてアカシックレコード方面からトラウマを得る瞬間を無かった事にすれば良いんだよ!」
「因果?アカ???何だ、それ……」
「世界の記憶をちょこっと改竄。過去の一部を無かった事にします。ああ、この方法は魔法使いでも到達出来ない方法だから気にしーーー???あれ?エラーが出てる……」
「……エラー?」
「……何で、エラー何て……まだ、フリーズはしてないから問題無さそうだけど、一体全体なんでーーーーー」
「アリアは、治るんだろうな!?」
「治るってか、無かった事にするんで大丈夫だよ……つーか、それ以外の問題が……何かあったっけ?」
パッと思い付く原因ッポイのは、レン・K・ヴォルフラムと神崎大悟。それから、まだ見ぬカガリロウハである。
しかし、アレ等が何をしたところで原作人物達は、こちらが確保している状況。何が、出来る訳も無し。
今一、不明瞭なエラーであった。とりあえず、リーゼアリアのトラウマだけは無かった事にして秘密基地に帰ってからジックリと確認しようと思う。今は、のんびりまったりと楽しめれるだけ楽しもうと考えて棚の上に上げた。
思考の方は、マルチタクスで端っこの方へと追いやる。
「ああ、なのはママ。魔法を使わなければ、普段通りの生活で問題無いからね?魔法を得る前の生活をしてて……」
「魔法を得る前の生活…………」
「何で半泣き!?覚えてないの?じゃあ、アリちゃママ達に思い出させて貰って?僕では、力に成れないだろうから」
「アリサちゃぁ~ん……」
「全く、しょうがないわねぇ……」
「アリちゃママが、ニヤニヤしてますが……すずかママは、どう見ますか!?」
「アリサちゃん……嬉しいのに無理するから……」
「嬉しいのに、やれやれな風を装っているそうです。なのはママ、そのままデレッデレにしてしまえ……」
「デレてないわよ!?」
「あー、はいはい。じゃ、僕はシャマル先生と料理をします!楽しみだなぁ。ポイズン☆クッキング♡」
『……………………』
「誰に食わせる気だ!?」
「一日目の惨劇を忘れたのか!?」
「そうだ!我等は、二度とシャマルの作る料理(?)は食べんからな!?」
「みんな、酷いです……」
「おやおや、僕から逃げられるとでも?」
『……………………』
「で?生け贄は、誰にする?」
『シャマル(先生)(さん)で!!』
「はぅっ……」
という訳で、僕とシャマル先生はキッチンへ。
とりあえず、壊れたり溶けたり無くなったりしたモノは俺の魔法で直すとして、人に食べられそうなモノを作らせる。口に入れられそうに無い物は、マジカル☆クッキングで食べ物には戻せるから……そう、食べ物には戻せるので!誰に食べて貰えるか楽しみではある。
「さて、どんなサンプルが生まれるのか楽しみだなぁ♪」
シャマル先生と俺の、ポイズンでマジカルなクッキング始まります。
……………………。
シャマル先生との楽しい時間を終えて、一汗かいた後……例によって俺が強行に走り、その結果が目の前にある。
そう、目の前には屈強な戦士達の屍が並んでいた。
ちょっと、ヴィータがビクンッ!ビクンッッ!!と痙攣しているけど気にしない。その隣で、沈黙を保っているザフィーラとシグナムの影がやけに薄くなっているが問題ではないだろう。シャマル先生が、穴という穴から色々出しているけど……詳しくは、当人の名誉に傷を付けるだけなので何も言わないでおく。
「なのはママ達、何で部屋の隅で固まってるの?」
「え!?えっと、な、なんでもないよ!?」
「なら、こっちに来て食べてみなよ?天に昇る様な気持ちになれるよぉ?」
「なるか!?絶対、そんな事にはならないわよ!!」
「えー……なるよぉ?あまりの不味さに、魂が抜けちゃうよぉ?デッドエンド的な?」
「それ、死んでる!死んでるから!!」
「もう、みんな我が儘だなぁ……」
『我が儘じゃないよっ!!』
適度になのはママ達を弄って満足した後は、何もされていない事に青冷めているリーゼ姉妹の料理に取り掛かる。
そんな風に期待されたら、放置予定でも弄りたくなるじゃないか。本当なら、シャマル先生に全部飲み込んで貰う予定だったPK物を一つ一つミキサーに入れてガガガガッ!!とみんなの目の前でミックスしていく。
そして、ある程度したところで俺は物体Xを指で掬ってペロッと舐めてみた。
瞬間、味蕾に突き刺さる刺激。
そして、鼻から突き抜ける異臭。
たった一舐めで、俺の意識をぶん盗って行こうとするPKにちょっとだけ引いた。
「うほっ……こ、これは、また……凄まじいなぁ……」
生半可なマジカル☆クッキングでは、人が食べられる物には戻らないと予測できてしまう程の出来だった。
とりあえず、【エリクサー】を突っ込む。これで、人死には出ないはずだ。ダメージを受けた所から回復していくので問題ない。次に入れたのは、【特濃ミルクの樹液】。
刺激物でしかないアレを、まろやかに出来るかな?と思ったのたが……まだ、刺激があった。仕様がないので、【千年樹の蜜】を大さじ三杯入れてみたら……刺激物では無くなる。そう、刺激物では無くなったのだ。
ただし、味の方は混沌としている。
形容しがたい味なので、コメントは控えさせて貰うが……混沌とした味になっていた。そこへ、あまり使いたくはないけど貴重食材とも言われる【妖精の木苺】を放り込んだ。
そして、再度ミキサーする。その上で、また味見。
何故か、微妙にフルーティーな味へと変化した。
【妖精の木苺】は、ちょっと酸味の強い甘い木苺なのでそっち方面へ行くかと思ったけど……また、変な反応をする。
一度、サンプルを取ってから次の手を考えるが……さて、どうしよう?このまま、酸味系に走るか方向を転換するかで迷う。ウィンドを開き、今ある食材を確認。
【妖精の食材シリーズ】で攻めても良いが、出来るだけ貴重な食材は使いたくない。
そう、やるならB級食材までで抑えたい所だ。
しかし、【妖精の木苺】を入れた以上……次の食材は、A級かS級くらいしか思い付かなかった。
「流石に、【黄金バナナ】(B級)は無いよなぁ……」
味の方向性を考えると、方向性を固定してしまう【黄金バナナ】はない。出来れば、【黄金のりんご】(A級)か酸味の強い【ウルルのオレンジ】(S級)を突っ込みたい所。
「うーん……あ!【完熟ドラゴンフルーツ】(B級)ならっ!」
思い立ったが吉日とばかりに、【完熟ドラゴンフルーツ】を取り出す。ちょっと、大きいので半分に切って果肉の部分だけをミキサーに突っ込んで行った。
箸で突きながら、再度ミキサーに電源を入れる。
それから、味見をしてみらたミックスジュースみたいな味になっていた。
「おおぉっ!良い感じになって来た!!」
適当に幾つかのコップに注いで、【妖精の胡桃】(C級)で最後の仕上げをする。それで、完成だ。
「うん。上出来!!まあ、見た目はアレだけど……リーゼ姉妹、飲んでみようか?」
『ええっ!?』
「ええっ!?じゃないよ。僕に弄られたかったんだろう?ほら、君達が期待するから出来た一品だ。飲め!」
「き、期待なんてしてないっ!!」
「放置する予定だったのに、期待して怯えてたお前らが悪い!ほら、飲め!!さもないと……」
『ひぃっ!?』
怯えきったリーゼ姉妹が、恐る恐るコップの前に立ち無言でソレを見下ろしている。
「こ、これを本当に飲めと!?」
「見た目はアレだけど、大丈夫。大丈夫!味覚関係は、問題ないから!!」
「それ、色々と問題だらけじゃない!?」
「ほら、ググッと行っちゃって?」
「……まあ、逃げたって捕まるだろうし……」
「その場合は、強制で飲まされるだけだから……仕方ないわね、ロッテ……」
「アリア……天国に行っても、一緒だよ?」
「ええ、いつまでも仲の良い姉妹でいましょう……」
「うん…………南無三ッ!!」
リーゼ姉妹は、コップを手に取ると一気に煽った。
そして、一口飲んで驚いた様にカッ!?と目を見開くと二口、三口とコップの中身を飲み干して行く。
なのはママ達が、見守るなかリーゼ姉妹はソレを完食してしまった。
「どだった?」
「うまい!?」
「普通に飲めたわよ!?」
『え?ええっ!?』
「ほら見ろ!美味しくなっていただろう?」
副作用の方は、黙ったまま疑心暗鬼なみんなにリーゼ姉妹が進めている。士郎達も、得体の知れないモノを見るような感じだったけど、怖いもの見たさか……『一口だけなら……』と口を付けて、驚いた後飲み干して行く。
【エリクサー】や【特濃ミルクの樹液】や【千年樹の蜜】は、回復アイテムなので問題はない。ただ、【妖精の木苺】は若返りの木の実で……【完熟ドラゴンフルーツ】は、成長促進アイテムだ。どんな副作用が出るか、見当も付かない。そして、【妖精の胡桃】は……何処にでもあってランクの低い食材な分、効果はほとんど無いだろうけど【獣尻尾】が生えてくるのである。普通に行けば、獣化なんだけど色々混ぜてあるからなぁ……どんな未知の効果が出て来るかは、完全にお楽しみな状態であった。
「わあ!ホントに美味しくなってるぅ!!」
「見た目はアレだけど、確かに美味しいわぁ!!」
気が付けば、なのはママ達もソレを飲み干していた。
俺は首を傾げつつ、リーゼ姉妹達を弄る為のモノが全員の手に渡っているのはどういう事かなと考える。
リーゼ姉妹を見ると、何の悪意もなくシャマル先生のPKが俺のマジカル☆クッキングを通すとこんなにも美味しくなるんだせ!?とみんなにその驚愕を共有していた。
それを見て思う事は、もう少し不味くても良かったかなぁ……という後悔のみ。まあ、後悔しても反省はしないけど。
しばらく、様子を見ていたけど直ぐには効果がないらしく結果待ちをする事になった。
その後、夕食を取って男性陣はリビングでのんびりと……女性陣は、お風呂へ。
俺の目が離れたその時に、アレ等の効果が出た。
結果として、モモちゃん達は身体が大きいまま女らしさを失い……なのはママ達は、子供のまま女らしくなったのである。即ち、モモちゃん達は寸胴に……なのはママ達は、ロリ巨乳(?)腕長足長に変化した。
ぶっちゃけ、アンバランスな状態なので俺のトラウマには引っ掛からない女体が曝される。
「ちょっと!これ、どういう事よ!?」
「ああ、そうなったか……まあ、予想の範疇だなぁ……驚きも意外性もない……と?」
「ふざけてんじゃないわよ!?さっさと、元に戻しなさいっ!!」
「無理」
激怒するアリちゃママを、適当にあしらって男性陣の方を見る。そこには、暗い雰囲気で膝を抱える男性陣がいた。
まあ、それは女性はその程度だったけど……男性の方は、自信を失ってしまうくらいもっとおかしい状態だった。
大人な男性陣は、男の象徴が縮んでしまったのである。
ぶっちゃけると、子供サイズに変化していて大笑い。
因みに、クロノんは一般的な男性の約2倍程になったらしい。それでと言うか何と言うか……士郎達は、無言でorzの状態のまま固まっている。
みんなが、士郎達を見て首を傾げるから事細かに説明してしまった所、士郎と恭にぃが男泣きを始めた。
それを、モモちゃんと忍が慰めるが何の効果もない。
「クロノくんは!?」
「でかくなった(笑)」
身体が……ではなく、男の子象徴のみがである。
エイミィさんの問いに、俺はそう答えた。
今、クロノんは自室に引きこもっている。
でかくなったのと同時に、性欲も暴走を始めてしまったので自制の為にも一人になりたいとの事だった。
そこへ、この光景をS2Uを通して送る。
正確には、エイミィさんオンリーの画像。
さてはて、どうなることやら。
「解毒剤は!?」
「食材の副次効果だよ!?生姜食べたら、ポカポカして来たみたいな話だよ!?解毒剤なんて、ある訳ないじゃん……」
「食材効果……じゃあ、これも時間効果ってこと!?」
「うん。あ、なのはママだけ尻尾生えたんだね……」
「うっ!?ううっ……」
「しかも、また虎縞……なのはママは、捕食者の性質があるのかな?獲物を捕まえて、モシャモシャ……?はっ!?リーゼ姉妹は?」
リーゼ姉妹の事を聞くと、みんなが視線を反らしていく。
良く見れば、アルフやリニスもいなかった。
否、良く見れば生まれて間もない感じの小ちゃい子猫が三匹と同じ様な子犬が一匹フェイトちゃんに抱かれている。
もしかすると、あれがリーゼ姉妹とリニス&アルフなのかもしれない。
「子猫の踊り食いかぁ……」
『ビクッ!?』
「ちょ、双夜!?」
「あ、ごめん。つい、イジメたくなったので……にゃははは。あー……ん?完全な子猫じゃないんだね……題して、不完全な子猫かな?頭が大人。胴体は小さいのに手足がチンバになってるのか……」
「元に戻せ!」
「それで、人語も操ると……フレールくん!」
「ひぃっ!?いぃやああぁぁぁぁーーー!!!!!」
「おい!?何で、ヌイグルミ蜥蜴を呼び出すんだ!?」
「あれ?因果律経由で、無かった事にしたじゃん……何で、怯えるの!?……………………あ、ああ~」
あの後で、また逃げ出したのかも知れない。だが、それだとそのトラウマは一生涯消える事はないと思われる。
パッと直ぐに、有効的な打開策を思い付かなかったので、ナムナムとアリアに祈りを捧げ俺はロッテに依頼破棄を宣言した。
「何でだよ!?」
「何度、無かった事にしても……過去、リーゼ姉妹が逃げ出すイベントを繰り返すなら、そのトラウマも同じ様に付いて回るからだけど……」
「じゃあ、カウンセリングは!?」
「僕がやると、酷くなる可能性があるけど……やる?」
「このっ!鬼ぃー!悪魔ぁー!!人でなしぃーー!!!」
「にゃははは。誉め言葉だにゃん♪」
ギャーギャー喚くロッテの文句をBGMに、たくさんのクレームを聞きながらベランダへと躍り出る。
はあー、今日も楽しかったぁーと天に輝く星空を見上げて俺は全力全開で現実逃避に走った。
背後から、『元に戻せー!!』と叫ぶアリちゃママの金切り声にビクビクしながら今日の日を終えようとするが……この騒ぎはまだまだ続きそうだ。全く、放って置けば勝手に消えてしまうって言うのに……アリちゃママも、学習しないねぇ。まあ、未来の……という意味でだけど(笑)。
さぁて、いっぱい遊んだし帰ったら忘れていた仕事をしないとな!
ラスボスが、はっちゃけるとシグナムが拗ねるらしいww
後、双夜が『燃え盛る炎にガソリンを~』の所で思ったのは『真似すんなよ!?』っていう注意警告だけかな?
後、マジカル☆クッキングがヤバイ。若返りなのに、成長促進アイテムを混ぜるのはダメだと思うw
後、『チンバ』は地方の方言の可能性があるので『不揃い』と訂正しておきます。
子猫の踊り食いとか言ってるけど……基本無理だよねww
その後で、アリアにまだフレールくんトラウマがある事に気が付いて依頼放棄☆!まあ、仕方がないかな?
誤字・方言あれば報告をお願いします。
m(_ _)m
感想もあれば、お願いします!