絶望を払う者~狂気の神々vs愉快で〇〇な仲間達~   作:葉月華杏

100 / 591
踏み台くん名募集中!!
名前だけでも良いのでくださいませんか?
サブ登場人物の名前も募集中です!


七六話

Re:

 

 

数日後。

フレールくんが、ギル・グレアムを補足する。

魔力リミッターをガッチリ付けて、守護騎士に悟られぬようたった一人で観光客風を装っての登場だ。

きっと、次元航行艦アースラが本局に戻るのを待って……もしくは、そうなる様に手配しての登場だろうと判断される。

様々な問題を抱えているだろうに、色々と手を尽くしてこの海鳴市に来たのだろうけど……それが、残念で仕方が無かった。弱者的な意味で、こちらの戦力的な意味も含む。

ギル・グレアムを見た師匠は、当初『リーゼ姉妹のねこ鍋後を見せてやろうぜ!』とか言い出した。

だから、現在ディアーチェがユーリと協力して師匠を抑えていた。なんでこう……弱っている相手に更なる精神的ダメージを与えたがるかなぁ……ウチの師匠は。

 

「早々簡単に、出歩く事ができる立場なのでしょうか?」

 

「いやぁ……無理だと思いますよ?」

 

「ですよね。だとしたら……お忍びですかね?」

 

「有給じゃないッスか?どちらにせよ、捕まえてみればわかるッスよ!」

 

師匠は今忙しいので、ラヴォルフさんと相談しながら様子を伺う。リーゼ姉妹は、例によってフレールくんに囲まれているので動けない。今すぐ、主の元に飛んで行きたいだろうに……師匠は、逃がす気はないらしい。

 

「では、マスター。行って参ります!」

 

「待て!何故、シグナムがここにおるんや!?」

 

「ああ!?僕の使い魔だよ!!」

 

そんな声が聞こえて、振り返って見ればシグナムに変身(?)した誰か(使い魔)が師匠作の闇の書を持ってスタンバイしている。慌てて、ラヴォルフさんと止める為にシグナム(偽)にタックルして押し倒した。

 

「何する気ですか!?」

 

「もちろん、ギル・グレアムを捕まえて八神家に放り込むんだよ!自分のヤっている事を理解するには、一番簡単で効率の良い方法だろう!?」

 

「ちょ、原作はどうするんですか!?」

 

「どうせ、【転生者】がいたらマトモな進行は無いんだから問題ないって!それに、魔法ってのは夢と希望を叶えるモノなんだよ!!」

 

「あんたは、鹿目まどかですか!?」

 

「あ!?誰だよ、鹿目まどかって!?」

 

「魔法を『夢と希望を叶える』モノだと認識している魔法少女ッスよぉ!!」

 

「ーーーはあ?……あ!アニメの話か!?……わからねぇよ、お前らの時代のアニメの話は!!」

 

「兎に角、ギル・グレアムを守護騎士に襲わせたらダメッスよ!!全然、全く関係ない人に襲わせないとっ!!」

 

「なら、アホの子に行って貰う!!フェイトちゃんと同じ姿で、髪の色が水色なら良いんだろう!?おい!!」

 

「え!?ちょーーー」

 

師匠の言葉通り、シグナムだった者がフッと消えたかと思えば、水色髪になったフェイト・テスタロッサ似の姿へと変化していた。

ニヤニヤ八重歯のアホそうなフェイト似の女の子が、師匠から預かったバルディッシュを持って仁王立ちしている。

パッと見たままであるなら、間違いなく俺が知っている【レヴィ】が再現されていた。

俺がいた世界で、チョロッと話したくらいのモノだったのにこの再現力……ヤバイ、師匠が本気だ。

 

「強いぞ、ボク!サイキョーだぞ、力のマテリアル!!」

 

「うわぁ……ガチッスね!」

 

「よし、行ってこい!!」

 

「って、ダメッスよ!?フェイトに迷惑が掛かるじゃないですか!!」

 

「大丈夫、大丈夫!フェイトちゃんは、今ガッコーに行ってるよ!アリバイは、完璧さっ!!」

 

「クソッ!師匠まで、アホの子ッポクなってるだと!?」

 

「フッフッフー!ボクに任せろ!ちゃんと任務を成功させて、ギル・グレアムを連れてくるよ!!」

 

そう宣言して、レヴィ風使い魔は秘密基地の外へと飛び出して行く。追い掛けようとしたが、俺もラヴォルフさんも師匠にガッチリ捕まっていて動けない。

 

「どこまで、本気なんですか!?」

 

「何処までも、全力全開で本気だとも!ついでだから、シュテるンも再現して紫天の書事件って事にしようぜ!!」

 

「もう、闇の書どころの話じゃねぇ!!ラスボスは、どうするんッスか!?」

 

「ユーリがいるじゃない!!」

 

「勝てねぇよ!普通に!!つーか、何でここにはラスボスしかいないんだよ!?」

 

俺の渾身かつ、超切実な叫びだった。

師匠……【魔王】の名を持つ、正真正銘のチートラスボス。

ユーリ・エーベルヴァイン……【リリなの】公式チートラスボス。どこまで考えても、どこまで戦力を揃えても勝てる気がしない布陣だった。そして、ここに『高町なのは』も名前を連ねるだろうから……本当に、ラスボスしかいなくなる。

ディアーチェもいずれ、チート系のラスボス化する可能性があるし……きっと、俺自身も。

《神殺し》の肉体を与えられた以上、大成すれば間違いなくラスボスになっている可能性があった。

 

「くっ!レヴィ(偽)と、ギル・グレアムが接触したぞ!?」

 

フレールくんの目を通して、ギル・グレアムの同行を伺っていたディアーチェが、レヴィ(偽)と接触したと報告してくる。

振り返って、ディアーチェが見ている画面を見れば、既に撃破されて倒れているギル・グレアムの姿があった。

 

『ああ!?お、お父様っ!!』

 

そして、容赦なく蒐集を始めるレヴィ(偽)。

この時点で、原作云々は消滅したと言い切って良いレベルだ。と、そこまで考えて……ギル・グレアムが、この時期に地球にいること事態が原作からの解離であった事に気がつく。

 

「既に、今更だった……」

 

「よっしゃー!ギル・グレアム、GETぉ!!」

 

いや、もう、本当に……どうしたものか、この人は。

とりあえずで、原作をシッチャカメッチャカにする師匠を本気でどうにかする必要があるようだ。

いっそうの事、桃子さんに事情を話して師匠を預けてしまった方が良い気がしてきた。そうすれば、師匠はヤバイ時まで幼児後退化してて貰えるから便利そうではある。ただ、元に戻った時……俺やその他の方々の命が超危険だけど。

 

「さぁて……闇の書の主に選定されたからって、高々10歳に満たない女の子を孤独に追いやったクソッ爺の言い訳を聞いてやりますか!!まあ、死刑確定なんだけど……」

 

最後の呟きが無ければ、超尊敬できる人なんだけどなぁ…。

師匠は、ギル・グレアムを迎える為に秘密基地から出て行く。神社の境内に陣取って、レヴィ(偽)に運ばれてきたギル・グレアムと体面した。傍らには、リーゼ姉妹もいるので紹介でもさせる気なのだろう。

そして、ギル・グレアムが俺達の目の前に連れられて来た。

 

「やあ、初めまして。ギル・グレアムだね?」

 

「くっ……君が、私の娘達を誘拐した首謀者か?」

 

「誘拐……なんの話だ?あれか、被害妄想か?まあ、良いや。さて、ギル・グレアム……君の立てた計画は、失敗しているよ?デュランダルによる闇の書の主諸とも凍結封印……それ、失敗に終わるから。計画を返上するなら、早めにしておくと良い……」

 

「……何の事かね?」

 

デュランダルと聞いて、一瞬目を見開いて驚いたのが目に見えてわかった。だけど、直ぐに体勢を立て直したのは流石と言わざるを得ない。

しかし、相手が悪過ぎる。

 

「嘘じゃないよ?結論から言うけど、防衛プログラムは基本的に魔力の塊だからね?そんなモノを凍結したところで、止まるはずがないだろう?」

 

「…………何の話かね?」

 

「いやいや、普通に考えたまえ。防水処理をされたパソコンを冷凍庫に突っ込んだところでエネルギーが有る限り動き続けるだろう?」

 

「……………………」

 

あるぇ?ギル・グレアムが、喋って無いのに何故か会話が成立しているけど……あれかな?【真実の瞳】効果かな?

 

「君達の使っている魔法も、同じモノだろう?闇の書が、デバイスでプログラムの演算をする為のコンピューターなのはわかりきっているだろう?普通に、デバイスを冷凍庫に突っ込んだところで、こちらもエネルギーが有る限り動き続けるだろう!?」

 

「君は……私の心を読んでいるのか!?」

 

「違う。僕のは、もっと上等なスキルだよ。正式名称【真実の瞳】……簡潔に能力説明をするなら、『人生のカンニングペーパー』かな?俗称名……【神の瞳】。ぶっちゃけると、この世の全てを知り得る能力!」

 

「……………………」

 

デスヨネー。師匠が、人間離れした事しているけど……気にしちゃダメなんだろうなぁ……。

 

「残念ながら、そんな予知や情報収得能力でもない。そんな、チャッチイ能力じゃない。その気になれば、【神様】の領域にも手が届く能力だ……闇の書を止める事もできるし……無害な魔導書にする事も可能だ!」

 

「ーーーーー」

 

「八神はやてを救う方法も、闇の書が二度と悪さをしない様にすることだって可能だ……まあ、《ルール・ブレイカー》と併用すれば……全次元世界で、魔法が使えない様にもできる能力だよ……」

 

『はあ!?』

 

「ちょ、そんな事聞いてないよ!?」

 

「『できる』ってだけさ。やる予定もやる気もないっていうか……お前等にこの手の話はしてないだろう?世界の根源、世界を構築している式にチョイ干渉。ちょこっと弄って、魔法の演算式に虚数加えたら終了するってお話だ。まあ、【真実の瞳】にしろ【ルール・ブレイカー】にしろ【神格】が無いと使えないから……ぶっちゃけ、人間には到底真似できないんだけど……」

 

「……………………」

 

「そこまで、喋っちゃいますか……」

 

「うん?あー、まあ、そうだな。【神】なんて、ありきたりな存在名乗る気はないけど……似たような存在だな。厳密には、違うんだけど」

 

「???」

 

「ああ、気にするな。これは、僕の主義的な意味でだよ。元・人間が、神格得たからって【神】を名乗るのはおこがましい的な話だよ」

 

「そうか……」

 

「あれぇ?簡単に信じちゃうンだねぇ……いや、違うかな?平行世界で、かなり無茶をしたからなぁ。その補正が入ってるのかな?まあ、仕方無いかなぁ……地上管理局を消し飛ばしたあげく、管理局の闇を次元世界に暴露しちゃったから……後悔が、上書きされたって感じなのかなぁ……時間軸的には、もう過ぎちゃってるもンねぇ……あちらの管理局崩壊は」

 

「何の事かね?」

 

TAKE1での、改竄の事ですか?

管理局崩壊とか……また、無茶をしてますねぇ……。

その時の後悔が、時間軸を過ぎた事で上書きされたって現象ですか……なんだか、世界の法則というか補正というか……が、意味不明なんですけど?

 

「平行世界って言うのは、『もしも』の世界の事だよ。僕は、《時渡り》と呼んでるけど。君達の言う次元世界……この場合は、並列世界って表現するけど。僕は、この並列世界ではなく平行世界から来た……君達風に言うなら、次元漂流者に該当するかな?」

 

「大体は、わかったが……」

 

「まあ、要するに……君達は、その平行世界からの影響を受けているんだよ。感覚的に僕に逆らうとどうなるかの結末が理解できているんだ。だから、普通だったら絶対に受け入れられない事でもすんなり受け入れられちゃうんだねぇ……」

 

「……………………」

 

「理解は出来ないのに、納得しちゃってる時点でダメなんだけどね。平行世界では、管理局の闇をぶちまけ過ぎたかな?後の祭りだけど、僕達がいなくなった後の風評的な後悔が後押ししてくれているんだろうねぇ……」

 

「それで、君……君達は、どうするつもりなのかね?」

 

「とりあえず、成行任せかなぁ?レン・K・ヴォルフラムは、ハラオウンに逮捕されて拘束されたんで問題ないだろうけど……」

 

「あの後、5回も殺されましたもんねぇ?」

 

「念入りにって感じだったけど……まさか、あの凶行がアースラに生中継されていたなんて思いもしなかったみたいだけどね……アースラスタッフが、一時的にベジタリアンになっちゃってたし……(笑)」

 

「まあ、普通にトラウマレベルでしたからね……」

 

「不死性高めておいて、正解だったよ(笑)」

 

「君は……一体……」

 

気になりますよねー。とっても、今一な内容の話をしていた訳だけど……下手にツッコメば、時空管理局が無くなる事柄なので気にしないことをお勧めします。

 

「まあ、色々あるんだよ……さて。クライド・ハラオウンの報復なんて考える暇があるなら、全力で後世の育成に時間を割くべきだったんじゃないか?幾ら後悔が先に来ていたとは言え、もう少し冷静になるべきだったね……」

 

「君に……何がわかる!?」

 

「わかるとも!一万年も存在していれば、そういうのは幾らでも体験できるよ。僕を見た目で判断しない方が良い……」

 

「い、一万……年…………」

 

「まあ、君よりかは……人生経験は、上かな?しかも、クソッタレな人生なんで……後悔と懺悔のし通しだけどねぇ。さて、闇の書に関してはこちらに任せて貰うよ?ま、悪い様にはしないから……手、引いてくれるよね?」

 

「…………私は、どうすれば良かったんだ……」

 

「普通に悲しめば良かったんじゃないか?もしくは、クロノやリンディに親身にするとか……色々あったんだろうけどね。復讐なんぞに走るから、おかしな事になるんだ。そもそも、闇の書を造ったのは時空管理局の前身組織だろう?」

 

「なぁ!?」

 

「今から、160年前の話だ。あれ?知らない?……そうか。無限書庫漁ったら、たぶん普通に出てくると思うぞ?まあ、あー、えっと?「ユーノ・スクライアです。師匠……」そうそう、ユーノくんだ!今のところ、この世界に滞在してるけどクロノ経由で手を回して無限書庫に放り込めば整理してくれるそうだよ?僕はまだ、会ったこと無いんだけど……そっち方面で、優秀と聞いている」

 

「スクライアの一族が……」

 

これだけ、この世界に関わっているのに……未だに顔合わせ出来ていない原作キャラがいるとは……流石です。師匠!

本当に、世界救済にしか興味が無いんですね!!

 

「まあ、高々10歳にも満たない女の子に……本来であるならば、時空管理局が取らないといけない責任を押し付けて凍結封印とか計画しているなんて……無責任な上に、大人のすることじゃないよね?それとも、君は『管理局が負わないといけない責任なんて関係ない』とでも言うつもりかい?」

 

「ーーーそ、そんなことはっ!!」

 

「ぶっちゃけ、適当に主に選ばれた少女を『犯罪者なんだから人権なんて存在しない』なんて非道なこと言い出す予定なのかな?この世で最も最低最悪の組織だな!時空管理局!!」

 

「ちょ!お前、なんて事を言い出すんだ!?」

 

「前科持ちは黙ってようね?」

 

バッサリ行ったー!!

流石です!師匠っ!!そこに、痺れて憧れます!

まさかの『前科持ち』発言っ!!管理局の現役提督を捕まえて、犯罪者呼ばわりするなんて普通はしませんよー!?

 

「私達は、そんなことをするつもりなんてーーー」

 

「僕達がいなければ、何も知らない事を理由に突っ走っていただろう?ぶっちゃけ、同じ事なんだよ……」

 

「そ、それは……」

 

「その通りだ。誰にも止められていなければ、私達は取り返しのつかない事をしようとしていた……」

 

あ、ギル・グレアムが認めちゃった。

リーゼ姉妹は、往生際が悪いなぁ……。

 

「それで、潔いつもりか?言ったよね……高々、10歳にも満たない女の子を孤独な状況に追い込んで認識阻害やら様々な魔法で精神を歪めたあげく……凍結封印して、屠ろうとしたその罪が……その程度で、許されるはずが無いだろう?今すぐ、八神家に行って全部を話して許しを貰って来い。で、守護騎士に切り捨てられて来いよ!」

 

「うわぁー……死刑宣告ッスか!?」

 

「うん。死んでこい!」

 

「そんなっ!お父様にそんな事をさせる訳にはっ!!」

 

「別に一人で行けなんて言ってないじゃないか。もちろん、リーゼ姉妹も行くんだよ?」

 

『……………………』

 

「デスヨネー。安定の悪人っプリに、超安堵を覚えてしまいました!!もう、俺もダメな方向に一直線ッス!!」

 

「そうなんだ……僕は、リンカーコア生成魔法で闇の書完成させて闇をブッパーして未来に帰りたい……」

 

「既に、やる気の無い発言を始めた師匠がいるっ!!桃子さん宅で幼児後退化して来たらどうですか?」

 

「リニスに弄られる未来しか想像出来ないなぁ……んで、八神はやてが主人公名乗る【転生者】に凍結封印されてRETAKEかなぁ……?」

 

「レン・K・ヴォルフラムは、殺人容疑で拘束収用されたじゃ無いですか?」

 

「ああ、お前は見てないのなぁ。アイツの魔力ランク、管理局のデータ上ではAAになっていたけど……使い魔の調べでは、SSSランクなんだよね。で、追加情報なんだけど……本局に着く前にレン・K・ヴォルフラムは脱獄しました(笑)鋭意捜索中……」

 

「アースラからッスか!?」

 

アースラの内部情報の収得早いッスね!

あ、使い魔を潜入させてましたね。

 

「うん。良くわからない事を叫びながら、局員を数名殺して出て行ったッポイ……」

 

「ダメじゃん!何がしたいんッスか!?」

 

「知らないよ。もう、闇の書事件を早めてアレが【原作】なんて無かったと言い出してくれる事が一番良いんだが……」

 

「無理ッスね!他に【転生者】がいるとか言い出した時点で、それはないッス。師匠を殺したのも、師匠を【転生者】だと判断したからでしょうし……」

 

「お前等って、物騒だよな……」

 

「師匠にだけは、言われたくないッス!!」

 

本心から言い切った。

師匠は、『にゃははは』となのはみたいな笑い声を上げるとギル・グレアムに視線を戻す。そして、『八神家に行こうか?』と言い出した。

 

「状況は、刻一刻と変化している。できれば、できるだけ早くアースラにアルカンシェルを積んでくれない?できないなら、こちらでなんとかするから……」

 

「なんとかとは?」

 

「超高出力魔力で吹き飛ばす。その気になれば、小銀河の一つや二つ楽々消し飛ばせるから(笑)」

 

『ええっ!?』

 

「てことで、ディア……もとい、未来から連れてきた闇の書と完全融合しちゃった【八神はやて】に御登場願います!」

 

「うむ。我が、未来から連れてこられた【八神はやて】の成れの果てだ」

 

「今年の冬に凍結封印した場合……5年後の未来で復活して、時空管理局を壊滅させる危険な存在!!なんだけど……ここにいると危険度が一番下になってるよね……」

 

「デスネー。師匠が一番危険だし、次にユーリ……情報云々専門だけど、ユーリの次が俺か。で、ディアーチェ……と」

 

「闇の書の危険度が一番下……」

 

「闇の書レベルのロストロギアを大量生産できる上に、小銀河程度ならバカスカ消し飛ばせるからなぁ……普通に危険度No.1だよな……」

 

「その次が、私ですか?」

 

「性格的には、素直で可愛い女の子。しかし、その実態は……ロストロギア。永遠結晶エグザミアだろう?」

 

「素直で可愛い……ありがとうございます!」

 

「あるぇ!?なんか、お礼を言われてしまった!?」

 

「ユーリ口説いても、逆らえない彼女ができるだけだぞ?」

 

「え、あ!?」!Σ( ̄□ ̄;)あ?

 

「神崎さん?」

 

「あ、や、何でもないです!!」

 

「立場、弱いよなぁー(笑)」

 

笑い事ではない。早急に何とかしないとイケないだろう。

明確には、ラヴォフルさんとの修行を頑張らねばならない。

目指せ、脱下っ端!!それを一先ずの目標と定めた。

 

「お小遣いが足りない時は、神崎から貰ってくれ……」

 

「カツアゲ!?下っ端である事を明確にされた!?その上、師匠それは犯罪です!!」

 

「可愛い女の子にお小遣いをあげる……男としては、夢の様な出来事だろう?」

 

「途用が違います!途用が!!」

 

「あん?このロリコンが!!そんなんだから、変態踏み台とか言われるんだよ!!」

 

「そこまでは、言われてません!!」

 

「え?何、知らなかったのか?」

 

「止めてください!!真顔で、憐れむのはヤメテェー!!」

 

「ディアーチェ、教えてやれよコイツがどんな風に言われていたかを……」

 

「変態でロリコンのクズやな!!しつこくてウザイから、みんなから嫌われとったわ……」

 

「ゴフッ……………………」

 

あ、本当だったんだ。

そんな事を思いながら、俺はゆっくりと倒れていく。

師匠達は、そんな俺を無視して話を進めて行った。

 

「それで?この後は、どうするのだ?まさか、これで終わりとはいうまい……」

 

「もちろん!ギル・グレアムをリーゼ姉妹共々、八神家に放り込んで土下座でもさせようかと思ってる。ついでに、闇の書を夜天の書に直してハッピーエンドだ」

 

「そして、我は消える……と」

 

「その前にディアーチェの存在する理由に行き着けたら万々歳だ。わからないからと、そのまま放置する訳にもいかないからな……」

 

「そうですね……」

 

「まあ、可能性があるとすれば……①やっぱり、現在の【八神はやて】が闇の書と融合説が有力か……②修正力から見放されたとか?③実は、生き返っちゃってる。アインスとユニゾンしたまま、ディアーチェの中でアインスが気絶しているとか?」

 

「…………良くポンポンと仮説が出せるなぁ……って、生き返っとるって事あるんか!?ってか、私の中で気絶!?」

 

「あ、八神家に行けばわかるんじゃね?シャマル先生がいるんだから調べて貰えば良いんだよ!!」

 

「ちょ、待って!どう、説明するんや!?私が、【八神はやて】やて説明する気なんか!?」

 

「それが、一番手っ取り早いんだが……どうせ、説明するんだからその方が良いんじゃないか?」

 

「あの……その場合、守護騎士の皆さんと戦闘になりませんか?前回も似たような事になったと記憶しているんですが?」

 

「その時は、ユーリが無双してくれるはず。最悪、僕がバインドで拘束して蒐集しちゃえば問題ないね」

 

「どっちも、無双ッポイんやけど……」

 

そして、ディアーチェの空間攻撃で全滅……と。

ダメだ。守護騎士が、ラスボス達に蹂躙されるイメージしか沸いてこない。名前からして、かなりの強者の集団のはずなのに……否、強者だったはずなのに勝てるイメージすら浮かばないとはどういう差なんだ!?

 

「最悪、僕とユーリがタッグを組んで殺るよ……」

 

「世界が終わる……」

 

「終演の時か……」

 

俺の言葉に、ディアーチェが続く。

 

「……その二人は、そんなに危険な存在なのかね?」

 

そのやり取りを傍観していたギル・グレアムが疑問を問うて来る。それに対して、師匠は正直に答えた。

 

「うん?僕の方は、先程述べた通りだ。ユーリは……見た目で判断してはダメだろうなぁ……」

 

「魔法戦をさせたら、チートと言われる程だな。チートと評価するなら、双夜もそうなのだがな……」

 

「あ、チートってのは反則って意味ですよ?主にネットゲームで使われる用語です。……それで?これから、八神家に行ってみるんですか?」

 

「行く予定。だけど、ちょっとだけ待って欲しい。僕が造った闇の書モドキを完成させてくるから!んー……三時間程くれれば、問題ないから!!」

 

「完成って……それ、完成してるんじゃないんッスか!?」

 

「再現はしてあるよ?でも、制御可能な闇の書の方が良いじゃない!レン・K・ヴォルフラムの動向も気になるだろうからな……」

 

「……レン・K・ヴォルフラムは、何がしたいんッスかねぇ?」

 

「さあ?でも、闇の書事件は起こす事にしたかな?」

 

「……どうやって?って、モドキの方を使うンッスね?」

 

「うん。何が目的なのかわからない以上、原作云々なんて言ってられないだろう?本物の闇の書は、夜天の書に戻してしまえば危険は無いはずだ。ぶっちゃけ、闇の書と夜天の書の関係性が否定されるようにしたいところ……」

 

「……………………」

 

【転生者】の存在がある限り、『魔法少女リリカルなのは』は【原作】通りに進まないと言う事らしい。

 

「そんな事が出来るのかね!?」

 

「勘の良い奴なら気が付くだろうけど……実際にそこにいて、体験した奴から言わせれば良いんだよ。って訳で、フェイトちゃんとなのは、さんに連絡して♪」

 

「策士がいる……ってか、アルカンシェルはどうするんッスか!?クロノ・ハラオウンも必要でしょう!?」

 

「後、シグナム達に瓜二つの守護騎士モドキもいるし……うわぁー。僕、大変♡♪」

 

「全然、大変って顔じゃねぇ……」

 

ーーヤヴァイ……ここに、悪魔がいる。

しかも、その一言で守護騎士と似たり寄ったりな技術やスキルを持った使い魔を使用するんだという事も理解できてしまった。偽闇の書が、誕生するらしい。

 

「守護騎士のレベルが、現・闇の書を遥かに上回っている状態……比べると?」

 

「十数倍の差があると思うよ?手加減はさせるけど……」

 

「ダメだ。チートが過ぎる……」

 

「ぶっちゃけ、僕から見て守護騎士は……『雑魚』と断言出来てしまうレベル!」

 

『雑魚……』

 

「剣を合わせたら、確実に殺しちゃうレベル?」

 

『……………………えっと、冗談?』

 

「……だったら、どれ程良かったか……師匠、加減の出来ない武器で戦うのは止めてくださいね?」

 

「わかってるよ!どうせ、レイジングハートでヤるから問題ない。まあ、相手を蒸発させちゃったら知らないけど♪」

 

「非殺傷設定は、ガッチリお願いします」

 

「最近は、非殺傷設定が機能してても殺しちゃうレベルになりつつあるけどね!」

 

『え……!?』

 

「……どんなレベルの魔法ッスか!?」

 

「ブレイカー通り越して、イレイザー級に……」

 

「収束魔法が、消滅魔法になっただと!?」

 

「瞬間収束で、SLB並の砲撃魔法なら乱射が可能!」

 

「まさか、シューターがDBレベル!?」

 

「威力だけなら、なのはママに負けないぜ!!」

 

「安定の化け物っプリに言葉がねぇよ!!」

 

「レイジングハートが、ブラスターモードにハイパーモード付けちゃったらしい!」

 

「だああぁぁ!!どんな進化をしてるんッスか!?」

 

「限界が無いと、何処までも!状態らしいよ?」

 

そういえば、レイジングハートさんは担い手以上にアクセルを踏み込むデバイスさんでしたね。そして、限界が無い師匠とレイジングハートの組み合わせはダメだ。更に、レイジングハートさんには師匠の技術が盛り込まれた魔改造状態。

相乗効果で、本当に何処までも行くデバイスと化していた。

 

「……師匠、レイジングハートさんにリミッター付けた方が良いですよ?」

 

「えー……レイジングハートが、のびのびと魔法を使えないじゃないか……」

 

「この際、もう敵の事を考えてあげましょうよ。可哀想になってきましたよ!?」

 

「敵になる方が悪い」

 

「……そりゃ、そうですけど……」

 

「理不尽な程の差があった方が、現実が理解できやすいだろう?それに、僕のストレスになるじゃないか……」

 

「安定の鬼畜っプリに脱帽です。じゃなくてですね、ちょっとは殺られる人の事も考えましょうよ!」

 

「なら、お前がやれよ。僕は、前線から身を引くから……そんで、ヤバそうになったら干渉してあげるよ……?」

 

「……………………」

 

「………………次から!」

 

「つまり、TAKEを潜るんですね……」

 

「良く良く考えたら、記憶や記録から消えちゃう僕よりも残る神崎の方が情報的齟齬が無いよね……神崎召喚は、お買得だったかも!?」

 

「じゃあ、私と毎日一緒に遊んでくれますか!?」

 

「あー、毎日はちょっと……でも、そこそこは遊べると思うにょ?(下手に『うん!』と言ったら、本当に毎日付き合わさせられそうでヤバイ……)」⬅直感

 

「良いじゃないですか!……神崎さんに任せるんですよね?」

 

「任せると言っても……影の黒幕はやるつもりなので!」

 

「か、影の黒幕!?か、格好いいです!!」

 

「神崎曰く、僕は『ラスボス』らしいので……今後は、その方針で行く予定!」

 

「え!?ちょ、俺が主体になるんッスか!?」

 

師匠の補佐的扱いになるのだと思っていたのに……主体側になるらしい。それは困ると打診したが、師匠は『決まりー♪』等と楽しそうに言い続け俺の話を聞いてくれない。

最後は、バッサリ『お前がヤレ。命令だ!!』と言って師匠は秘密基地の研究室に籠ってしまった。

三時間後、闇の書モドキの魔改造をすませた師匠が秘密基地から出て来てリーゼ姉妹とギル・グレアムを促し、八神家へと向かう事となる。

 

「ああ。波乱の予感が……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 




さあ、闇の書事件を始めようか!!(嘘w)
そして、何故か【レヴィ(偽)】がギル・グレアムを襲いに行く始末。神崎くんの切実な叫びが笑いを誘う。
そして、神崎くんが黒くなって行く。折角、真っ白(?)にしたのにダメじゃん!!いや、これは……白無垢みたいな感じなんですかね!?双夜に染められる神崎くん!?釜化!?
ってか、諦めないで!!

レン・K・ヴォルフラムに関して……作中では語られてないけど……クロノのデバイスに匿名で情報が送られる➡レン・K・ヴォルフラムの元に武装隊が来て罪状を読み上げた所で逃亡➡逃亡中に再度双夜を確認➡殺害➡蘇生を確認➡もう一度殺害➡再度蘇生➡殺害➡蘇生➡殺害➡蘇生➡殺害➡武装隊に追い付かれる➡逃げる➡クロノに捕まる……って事がありましたw

また、5日後に!

誤字・方言あれば報告をお願いします。
m(_ _)m

感想もあれば、お願いします!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。