東方戻界録 〜Return of progeny〜   作:四ツ兵衛

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儚月抄を「むげつしょう」と読んでいたことがありました。恥ずかしい。


第六十話 地底へ

朝起きて、正面には妖夢の顔。布団から起き上がり、背伸びをしてからもう一度彼女をみる。

妖夢が泊まりに来たときの大体の光景だ。俺の隣には半裸の妖夢が……え?半裸⁉︎

俺は驚き、また妖夢を見る。俺の目は間違っていなかったようで妖夢は上に何も着ていない。慌てて自分の服装を確認する。良かった……夜中に何かあったわけではなさそうだ。包帯を巻いただけの上はともかく下はしっかり着ている。

 

「あのー、妖夢……」

 

「う…ん……何ですか?」

 

「服は?」

 

「暑かったので脱いじゃいました。

それとも、もっと熱い夜にした方が良かったですか?」

 

おお、なんともとんでもないことを言う少女である。

確かに五月にしては暑かったし、俺も妖夢の身体が見れて嬉し……じゃなくて、俺の年齢が制限に達するまで待ってもらいたい。17才がR-18に踏み込むって相当な問題だろう。いや、側から見れば、布団の上に一組の若い男女が半裸で居るこの光景は充分にR-18臭がプンプンするだろうが……

 

「せめて、恥じらいは持ってくれていいんじゃないか?」

 

「別に私は恥ずかしくないですよ。それに今すぐに襲っていただいても構わないですから……」

 

「お、おい⁉︎」

 

妖夢は上体を起こすと、俺の手を掴み、自分の胸に押し当てた。妖夢の柔らかい膨らみが俺の手が当たったことで形を変える。妖夢の行動に恥ずかしくて赤面してしまうが、ここで手を離そうと動かしてしまうと胸を揉む結果になり兼ねないため強引に離れる方法は諦める。

 

「なぁ、やめてくれないか?」

 

「いいじゃないですか。一度でも経験してしまえば、恥ずかしさなんて無くなりますよ。」

 

「そういうことじゃなくてだなぁ……」

 

「お願いします。私……範人の全てが欲しいんです。」

 

妖夢は俺の手を掴んだまま後ろに倒れる。手を掴まれているため俺も倒れてしまう。そして、状況はさらにマズくなった。

俺が妖夢に覆い被さるような状態だ。これはもうほとんどR-18臭しかしない。側から見ればもう大惨事確定だが、上が俺で良かったと思う。妖夢に上を取られていたら、レッツドッキング!ということになっていたはずだ。

 

「あらあら、押し倒してくるなんて、範人は肉食系ですね。」

 

「妖夢が引っ張ったんだろうが……」

 

「知りませんね〜。ほらほら、今ならヤり放題ですよ〜。」

 

そう言いながら、妖夢は身体を揺らす。それにつられて胸も揺れる。しかし、俺の心は崩れない。大丈夫、理性はまだ保つ!と言ったところだろうか。いや、実際のところは今すぐにでも崩れ去りそうなのだが……ここで負けないのがこの俺だ。

 

「来ないのですか?仕方がない範人ですね……」

 

「な……」

 

妖夢が上体を起こし、俺は言葉を言い切ることができなかった。俺の唇は妖夢の唇によってふさがれてしまったのだ。妖夢は俺の口の中に舌を突っ込んで此方の舌に絡めてくる。

もちろん、そんなことをされたら、思考に影響がないわけがない。口の中を這う舌の感触となんとなく甘く感じる唾液の味にだんだんと頭の中が真っ白になり、自身を制御する精神力が抜ける。理性が溶けていく。

 

「ふふふ…そうですよ。それでいいんです。そのまま私をイかせちゃってください。私の中でイっちゃってください。」

 

「…妖夢……」

 

俺は獣になりかけている。いや、人である部分が元々少ないため、獣になってしまったのかもしれない。何も考えられない。ただ、目の前にいる妖夢のこと以外は何も考えられず、目に入らなかった。

 

「範人〜妖夢〜いる〜?」

 

「げげっ⁉︎姉さん⁉︎」

 

「紫様⁉︎」

 

「あらあら、朝から盛んねぇ。」

 

呼ばない限り神出鬼没である八雲 紫の登場。

妖夢も俺も同時に離れる。そして、理性が戻り、彼女の言葉に顔が真っ赤になる。

恥ずかしいが、正直なところは姉さんが来てくれて助かった。あそこで姉さんが現れなかったら、確実に一線を超えていたと思う。ひとまず、今回は感謝の一言だ。恥ずかしいけど……

 

「ね、姉さん…これは…その……」

 

「わかっているわ。子供…作ろうとしていたんでしょう?私がいることは気にせず続けてくれて構わないわよ。」

 

「うわー!言わないでー!」

 

「じゃ、ごゆっくり〜♪」

 

姉さんはスキマで帰っていった。俺と妖夢は呆然として、布団の上に残された。心は絶望の海に沈められ、口も動かなかった。

 

数秒後、やっと意識が復活し、口がきけるようになった。

 

「妖夢、お前…積極的になったな。」

 

しかし、動くようになった口から出たのはこの言葉だけだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あの後、妖夢と一緒に朝食をすぐ食べ、身支度を整えると地底に続く大穴に向かった。

現在はその大穴の前にいる。しかし、忘れてはいけないのがここが妖怪の山からそこそこ近いであること、そして、妖怪の山にはその名の通りに妖怪が多くいるということだ。つまり……

 

「ぐへへ…追い詰めたぜ、人間。さて、どこから食ってやろうか?」

 

はい、現在多数の妖怪に囲まれております。そして、大穴は自分のすぐ背後に控えて、ゴオォォという音が似合う状態で構えています。

 

妖怪たちは俺たちをどう食べるかを想像して舌舐めずりをしている。本当なら、追ってきたときに叩き斬ってあげても良かったのだが、命懸けのマジな鬼ごっこがなかなか面白いものだったため、生かしておいてあげた。

 

「やれやれ、中々デカイ穴だな。それにかなり深そうだ。」

 

「おい、人間。俺たちが怖くねぇのか?俺たちはよぉ〜、怖がって泣いている人間を食べるのが一番美味ぇと思うんだよなぁ。だからよぉ〜、怖がって泣いてくれねぇか?」

 

呑気に話す俺に向かって、精一杯の脅しなのか何か言っている妖怪。

怖がってくれ、とは…笑わせてくれる。こんな雑魚妖怪など怖くもなんともない。俺は今まで数々のB.O.W.を相手に金稼ぎをしてきた。数を増やして常に自分たちが優勢だったこいつらには逆境がわからねぇと思うが、逆境を乗り越えてきた俺からすれば、こいつらは可愛い盛りの子猫よりも怖くない。

 

「さあ、妖夢。行くか?」

 

「はい。」

 

「テメェらは俺たちに食われて逝くんだよ!」

 

「なかなか楽しい追いかけっこだったぜ。じゃあな、また遊んでやるよ。」

 

「テメェ……ふざけたこと抜かしてんじゃねぇぞ、人間がぁー!」

 

俺の問いに妖夢が頷く。俺は包囲の輪を狭めてくる妖怪たちを揶揄うように言った。案の定、単純な妖怪たちは挑発に乗ってくれる。その方が俺も嬉しい。

何故なら、調子に乗った相手が悔しがる姿ほど面白いものはないからだ。バカって素晴らしいと思う。

 

俺と妖夢は同時に後ろに倒れた。もちろん、後ろには大穴があり、そこに仰向けで落ちる。穴から見えるのは俺たちの行動を見て唖然とする妖怪たちの驚いた顔。まさに、目が点になるといった感じである。妖怪たちの驚いた顔が見れて最高の気分だ。

 

地底へと続く穴の中。俺たちはある一定まで落ちると体制を整え、飛んで地底を目指した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あれ?あの人たちは誰だろ?」

 

見ると白衣を着た金髪の青年と刀を持った白髪の少女が地底へと下っていく。2人の様子からすると恋人同士だろうか?

少女の方はともかく、青年の方は私の知らない人物である。半年以上前に新聞で漆黒の化け物について読んだがそれに関係あるのだろうか?そう考えると興味をそそられた。

 

「ついて行ってみよ〜♪」

 

私は気付かれないように能力を発動して二人の後を追った。あの2人について行くついでに地霊殿に帰ってみようか?この2人の後をついて行くとなかなか楽しそうだ。もしかしたら、お姉ちゃんに話す内容が見つかるかもしれない。




なんで前半にあんなのを書いてしまったんだ⁉︎しかも、これをiPhoneで打ち込んでいたとき、電車とバスの車内だったよ⁉︎……そうだ。妖忌のジッちゃんが悪いんだ。あの方が子供の話なんてするからいけないんだ。

サイゴニデテキタノハ、ダレカナァ?(棒)

ではまた、次回お会いしましょう。

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