東方戻界録 〜Return of progeny〜   作:四ツ兵衛

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栗里「チクショウ、スパイ○ィの野郎俺たち非リアを置き去りにしてデートかよ……。」

存山「主人公だってデートみたいなもんじゃないか。」

栗里「あいつはいいんだ…あいつは。」

おや、栗里さん存山さん非リア同好会ですか?私も混ぜてください。

存山「どうぞ〜♪」

栗里「チクショウ…あの野郎!」

栗里さんが爆発しかけているので早く本編に入りましょう。

存山「そうだね。」

『では、本編をどうぞ。』



第三十七話 『mission』と書いて『遊び』と読む

俺たちは今ターゲットを尾行している。と言っても3人で話をしながら歩いているだけだ。こんなところでコソコソしながら歩いていたらむしろ目立つ。潜入ミッションのときは見つからないようにすることが大切だが、こういったところでは周りに合わせて動く、周りに溶け込むことが大切なのだ。

 

「範人、こんなに堂々としていていいんですか?目立ちませんか?」

 

「大丈夫だ。むしろこのくらいのほうがちょうどいい。」

 

「そうなんですか。でも、周りがこちらをチラチラ見てきますよ。」

 

「多分、妖夢がかわいいからだろ。」

 

「そ、そんなこと、こんなところで言わないでくださいよ。」

 

「ハハッ、本心なんだから仕方ない。」

 

そう、これは俺の本心だ。妖夢はかわいい。前に妖夢と風呂に入ったときに理性を保つのがどれだけ大変なことだったか……と、そんなこと考えている場合じゃないな。

もう本当に2人だけで来るならもっと気楽だったのだが、これは仕事だしフランもいるのだから気を抜くことができない。

話しているうちにターゲットに動きがある。俺は聴覚に意識を集中させてターゲットの話を聞き取る。

 

「なるほど、2人ともジェットコースターに乗るぞ。」

 

「なんですか、それ?」

 

「スリルを楽しむ乗り物だな。リックの運転よりは全然マシだから安心しろ。」

 

「そうですか。それなら良かったです。」

 

そもそも、高速で空を飛んで弾幕勝負をする妖夢たちがジェットコースターごときを心配する必要はないだろう。それよりも心配されるのはフランの背の高さだが…多分大丈夫だろう。

俺たちは乗り場へ向かった。

 

 

 

俺と妖夢は問題なく乗れた。しかし、フランはそう簡単にはいかなかった。

係員が目測でフランの身長を測ったのだ。そしてさらにフランに向かって「小さい」と言った。その後はかなり大変だった。フランが係員を能力で破壊しようとしたり、妖夢が刀を抜こうとしたりといろいろあった。結局はフランの身長を測ったところ、ギリギリ足りていたためなんとか乗ることができた。

かなり目立ってしまったと思うが、このくらいのトラブルがなければ面白くない。ここからどう溶け込み直すか、俺のエージェントとしての腕を試されているようだ。

ジェットコースターが坂道を登り始める。

地面が離れていき、このときが一番ドキドキする……はずなのだが俺や妖夢たちからすればこんな高さ日常茶飯事である。こんな高さ全然怖くない。

最高点に達して一瞬止まり、猛スピードで急降下する。

全然スリルなんて感じない。周りの人は悲鳴をあげているが俺にとってはこのスピードが心地良い。普通の人にとって、風と一体化するってこういうことなのだろうか?俺の場合は風なんて置き去って、光速なのだが……。

俺は妖夢のほうを見る。妖夢も俺のほうを見るとニコリと微笑んだ。

あ、やばい、これが天使の微笑みってやつか。破壊力極高だぜ。て、お惚気過ぎだろ、俺!もっとしっかりしろ!そんなんじゃ、ターゲットを守れねーぞ!

そんなことを考えていると嫌な音と匂いがした。銃弾の発射される音と火薬の匂いだ。

俺が音のほうを見るとスナイパーライフルが確認できた。銃弾は真っ直ぐターゲットのもとへ飛んでいく。こんなところで変異も能力も使うわけにはいかないため、俺は銃弾に手を伸ばし、銃弾を手で掴んだ。もちろん銃弾は実弾だ。手が弾け飛ぶがすぐに再生して銃弾を掴む。銃弾はスピードを落として俺の手の中で止まった。血が飛び散ったがジェットコースターの猛スピードでどこにもついていないし、人々は恐怖で誰も気づいていない。

 

「グッ…アッッ……あんの野郎!」

 

向こうのスナイパーは当たったと思ったのかこちらを見ていない。捕まえて拷問をしたところで結局、雇い主の名前は出さないだろう。ならば、この場で殺してしまうのが良い。

俺はスナイパーの頭に狙いを合わせて銃弾をダーツの矢のように投げる。

 

「お返しだ。永遠の夢の中に落ちな。」

 

銃弾はスナイパーの頭に直撃し、頭蓋骨を内側から吹き飛ばした。その様子は頭が爆発したという言葉がぴったりだった。

 

 

 

ジェットコースターは乗り場に到着し、俺たちはターゲットの尾行を再開した。

というか、これはもう監視というレベルじゃない。思いっきり命を狙われている。本当に俺が依頼を引き受けて良かった。じゃないと今頃ターゲットの命はないだろう。

 

「範人、大丈夫ですか?」

 

「ああ、平気だ。……俺は平気なんだが、狙われている子供のほうが心配だ。」

 

「わかりました。気をつけます。」

 

「あっ、あの子がなんか変な建物に入っていくよ。」

 

俺はフランの指差す先を見た……がすぐに目を伏せてガタガタ震えはじめる。

嘘だ嘘だ嘘だ……なんであんなところに行くの?俺は絶対嫌だからな!絶対嫌だからな!意地でも嫌だからな!死んでも嫌だからな!おばけ屋敷なんて絶対嫌だ!

俺が妖夢のほうを見ると妖夢も震えていた。

 

「(なぁ、妖夢も嫌なのか?)」

 

「(当たり前です!あんなところ絶対嫌です!うう〜。)」

 

「(泣くなって……俺も嫌だよ。怖い……でも…)」

 

「(でも…なんですか?)」

 

「(妖夢といっしょなら怖くないかもしれない。)」

 

「(……)」

 

「(頼む!いっしょに行ってくれ!)」

 

「(もちろんいいですよ。範人といっしょなら私もきっと大丈夫です。)」

 

「(ありがとう。)」

 

「2人ともー、早く行こうよ〜。」

 

「「は、はい。」」

 

俺たちはおばけ屋敷に入った。




存山「範人スゲー!」

栗里「おお、あれはヤバイ。」

私も書いていて手が痛くなりました。

栗里「だから範人は良いんだよ。真面目にミッションこなしているから。それに比べて蜘蛛島は……。」

彼も頑張って地底で薬屋をしていますよ。

存山「え⁉︎マジで?」

はい、毒のポーションも新薬開発のためですし。

栗里「ん?今、地底って言ったか?」

言いましたよ?

栗里「てことはまさか!彼女ってヤマメか?」

そうですね。2人での本編登場を検討中です。

栗里「やっぱあいつは爆発だー!」

爆発する前に締めましょうか?

存山「そうだね〜。」

『ではまた、次回お会いしましょう。』

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