東方戻界録 〜Return of progeny〜   作:四ツ兵衛

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どうも!四ツ葉 黒亮です。小説を作ることに少し慣れてきました。今日の授業中は、ほとんど小説について考えていました。えっ、勉強しろだって?大丈夫です。授業と言っても勉強するわけではありませんでしたから。さて、雑談はこれまでにして、本編をどうぞ。


第二話 白黒の魔法使い

境内の様子は砂煙でよくわからなかった。ほとんど何も見えないが、ひとまず声をかけてみる。

 

「おい、大丈夫か?」

 

「別に心配する必要ないわよ。」

 

「はっ?」

 

霊夢は誰かのことをまるで心配していないようだった。しかし、先ほどの声からすると境内に突っ込んできたのは女性である。この激突音からして大丈夫なはずがない。

俺が霊夢の発言に驚いていると、

 

「うぅ、スピード出し過ぎちまったぜ。」

 

「おい、霊夢は心配する必要なんてない、って言ってるけど、本当に大丈夫か。」

 

「大丈夫だ。問題ない。」

 

砂煙の中で人影が立ち上がり、言葉を発した。人影に向けて訊ねると、お決まりの言葉が返ってくる。それはフラグだろうか?

砂煙が晴れると、地面がえぐれているというひどい有様になった境内と少女の姿が確認できた。その服装から、その少女が魔法使いであることが一目でわかる。その少女は恐ろしいことに無傷である。フラグはへし折っていくスタイルらしい。

 

「おう、霊夢。来てやったぜ!」

 

「来てやったぜ!じゃないわよ。この境内誰が掃除していると思っているのよ。」

 

「そりゃ、霊夢だろ。」

 

「分かっているなら、気をつけなさいよ!」

 

口喧嘩が始まって、俺は完全に空気になっている。さすがにこれは悲しい。

神様、俺にセリフか注目をください。思わず天に祈ってみる。しかし、願いなど届くはずが……

 

「そういや見ない顔だが、そこのお前誰だ?」

 

ありました。ありがとうございます、神様。

やっと、話をふってもらえたことに喜び、俺は答えようとする。

 

「俺は旅y「紫の弟よ。」ちょ、霊夢。」

 

霊夢に答えられてしまった。しかも、間違いなく勘違いされてしまうほうの言い方で。案の定、それを聞いた少女はとても驚いたようだった。

 

「は、それって…。お前何歳だよ?」

 

勘違いされてしまった。急いで説明する。これだから勘違いは面倒くさい。

せっかくのセリフを盗らないでくださいお願いします。

 

「待て待て、俺は実の弟じゃないぞ。小さい頃から面識があったから、姉さんって呼んでるだけだ。あと、俺の名前は旅行 範人だ。範人って呼んでくれ。」

 

「そうだったのか。私は、霧雨 魔理沙だ。普通に魔理沙って呼んでくれ。よろしくな、範人。」

 

「ああ、よろしくな、魔理沙。」

 

俺の早口での説明をすべて聞き取り、笑顔で返してくれる魔理沙。

最初は驚かされたが、魔理沙は良いやつそうだ。彼女の言葉からはその勢いで人を元気づけてくれるような感じがする。

 

「互いに自己紹介が終わったところで悪いけど……範人、質問していい?」

 

「何だ?」

 

「範人って、外来人よね。弾幕ごっこって分かる?」

 

弾幕ごっこ……小さい頃、姉さんに教えてもらった記憶がある。ルールはあまりよく覚えてないが、弾幕を撃ち合うことは分かっている。まぁ、殺さずに勝てばいいって話だ。

 

「弾幕を撃ち合うことぐらいしか知らないが…。」

 

「空は飛べる?」

 

「多分できる。」

 

最後に空を飛んだのはだいぶ前だな、と幼き日々を懐かしく思う。

 

「なら、説明することはスペルカードぐらいね。」

 

俺はスペルカードという言葉に思い当たるものがあったため、財布の中を探る。

……あった。スペルカードだと思われる、自分が過去に作ったもの、しかも9枚も。いつの間にこんなに作った?と不思議に思うが、よく考えれば減っているかもしれない。

 

「霊夢。スペルカードってこれか?」

 

財布の中にあったスペルカードだと思われるものの内2枚を取り出し、霊夢に見せる。彼女はそれらを手に取り、表裏を丁寧に眺める。

これらは見せても全然問題ないが、他のものは色々まずいことになりかねないため渡せなかった。

 

「これは確かにスペルカードね。でも、何で外来人の範人が持っているの?」

 

「小さい頃、姉さんに弾幕ごっこを教えてもらっていたし、手強いライバルもいたからな。」

 

スペルカードを返しながら、霊夢は言う。俺は自身満々に答えた。

そんじょそこらのザコと思ってもらっては困る。俺は(多分)強いだろうから。

 

「範人って能力持ち?」

 

「ああ、俺の能力は、『粒子を操る程度の能力』だ。物を粒子に分解したり、粒子を組み立てて物を作ったりできる。素粒子や電子とか、粒子なら基本的になんでも操れる。」

 

「それは、随分と便利そうな能力ね。」

 

さっきから魔理沙が静かなため、心配になり、声をかける。話し方からして元気な彼女が黙っているのは少し不気味な感じがした。

普通の人間からすれば、魔女って時点で不気味なのだろうが……

 

「おい、魔理沙、さっきからやけに静かだが、大丈夫か?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

範人と霊夢が弾幕ごっこについて話をしている。どうやら範人は、弾幕ごっこについて全く知らない、というわけではないらしい。

範人は、霊夢にスペルカードを渡した。

私もそのスペルカードを見たが、それを見て私は、範人と勝負してみたくなった。しかし、その願望を我慢をする。

話は能力についての話に移ったようだった。範人が能力を持っていることが分かった。私は、範人の能力も見てみたくなった。

駄目だ。もう我慢できない。

そんなとき、範人に声をかけられた。

 

「おい、魔理沙、さっきからやけに静かだが、大丈夫か?」

 

「範人、私と勝負しろ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「範人、私と勝負しろ!」

 

「はっ、なんでだよ。」

 

出会ってから、あまり時間が経ってないやつに向かって、「勝負しろ。」とは、魔理沙の頭はどうなっているのだろうか。思考回路の短絡っぷりは半端ないらしい。まぁ、そのくらい積極的なのも彼女らしくて悪くない。

 

「なんでって、そりゃ、私が勝負したいからに決まってるだろ。」

 

まぁ、俺も霊夢と話をしているうちに久しぶりに勝負したくなっていたからいいだろう。

この腕が疼く。間違っても俺は厨二病ではない。本当の話だ。

 

「分かった。勝負してやる。どうすれば勝ちなんだ?」

 

「相手を気絶させたりして、戦闘不能にするか、相手を追い詰めて、降参させたほうの勝ちでいいか?」

 

それはあまりにも大雑把すぎないだろうか?弾幕は確か非殺傷だったような気がするのだが……まぁ、俺は別にそれで構わないし、そもそも戦いには危険が付き物なのだから、これでよしとしよう。

 

「ああ、それでいい。霊夢、境内がめちゃくちゃになるかもしれないけどいいか?勝負が終わったら俺が直すから。」

 

「それならいいわ。」

 

俺の頼みを了承してくれる霊夢がありがたい。

俺の弾幕は非殺傷と言っても威力がバカにならないらしい。昔、兄弟共々に姉さんに怒られた記憶がある。結局、それが直ることはなかったのだが……非殺傷だし大丈夫だろう。

しかし、このままでは外に被害しまう。そこでもう一つの頼みをする。

 

「もう一つ頼みがあるんだが、いいか?」

 

「私ができる範囲ならいいわよ。」

 

「外に被害がでないように境内を結界で囲っておいてくれ。」

 

「分かったわ。」

 

霊夢の返事と同時に境内が結界で囲まれ始める。その結界は思っていた以上に強固で、ちょっとやそっとじゃビクともしなさそうである。「これなら弾幕も軽く防げるだろう」と安心してから身構える。

 

「どんな弾幕かが楽しみだぜ。」

 

「さあ、勝負開始だ。come on!」

 

境内が結界で囲まれるのと同時に、俺たちは弾幕を放った。空中に色とりどりの弾幕が咲き乱れる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「魔理沙、速いよ。少し待ってくれてもいいのに。」

 

俺は、魔理沙の向かった博麗神社へ急いでいた。

魔理沙は箒に乗って猛スピードで飛んで行ってしまったが、最近飛び始めた俺に追いつくスピードが出るはずもない。距離はどんどん離れ、完全に置いてけぼりを食らった。

まぁ、高速で飛ぶ魔理沙のスカートの中が見えたから悪い気分ではないが……




今回は、(作者的に)原作第二の主人公霧雨 魔理沙さんが登場しました。作者的には、霊夢より好きなキャラです。でも、作者的に一番のキャラではありません。さて、最後に?キャラが登場しました。正体が気になりますね。ではまた、次回お会いしましょう。

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