東方戻界録 〜Return of progeny〜 作:四ツ兵衛
レミリアとジェイドが結婚しました。二人ともおめでとう。
今回はアレな内容が含まれます。苦手な方はバックするかとばすかしてください。
では、昔話をどうぞ。
結婚式の翌日、俺たちは幸せな朝を迎えた。横ではまだレミリアが寝ていた。俺は吸血鬼になったため通常の状態では日光に当たることができない。そのため、起きてすぐに身体に影を纏った。
「あら、もう起きたのね。」
「おはよう、レミリア。」
「おはよう。」
「じゃあ、朝食作ってくるから。」
「待って、おはようのキスをお願い。」
「ああ、はいはい。」
俺はレミリアの唇に自分の唇を優しく重ねてから、キッチンに向かった。リビングには既にフランが朝食を待っていた。
「お兄様、朝起きてどうだった?」
「レミリアがいっしょに寝ていた。」
「それだけだった?」
「ああ、いっしょに寝たことは前にもあったからな。別に焦るってこともなかった。」
俺は朝食を作り、起きてきたレミリアもいっしょに三人で朝食を食べた。
食器を洗ってから、いつも通りに城に行く。城では兵士たちが出迎えてくれた。今日は城での仕事は特にないが、新入りたちの訓練が気になったため行くことにした。レミリアたちもそれが気になったためついてきたらしい。
『突く、守る。突く、守る。』
訓練所では新入りたちが槍術の練習をしていた。新入りたちの元気の良い声が響いている。今年の新入りたちはかなり質が良いようだ。全員、動きにキレがある。まだ、入ったばかりなのにもう実戦練習に入ってもいいかもしれない。
俺たちは新入りたち一人一人にアドバイスをしてから、城を後にして、城下街の探索を始めた。
城下街では、アクセサリー店を訪れた。結婚式のときに交換した指輪を買ったのもこの場所だった。実はフランにはまだプレゼントも何も渡していないのだ。だから、フランへのプレゼントを探すために訪れた。しばらくして、プレゼントが決まった。家族一人に一つずつラピスラズリの飾りがついたネックレスを買った。俺は二人には買ったことがばれないように家に帰った。
家に帰ってから、二人に先程買ったものを渡す。
「中身は同じだよ。開けてごらん。」
「わぁー。ネックレスだー。」
「石はラピスラズリね。」
「そう。石言葉は永遠の誓い。これを身につけていれば俺たちはいつまでも家族だ。」
「ありがとう、お兄様。」
「お礼はいいよ。俺が好きで買ったんだから。」
さて、夕方になったから夕食を作り始めるか。
「待って。」
キッチンに行こうとする俺をレミリアが止めた。
「私に料理を教えて。妻として料理が作れるようになりたいの。」
「わかった。いっしょに作ろうか。」
「フランもー。」
三人で作った料理はあまり美味くはなかった。それでも家族の優しさが詰まった味だった。
いつも通りに食器を洗い終え、寝るために寝室に入る。寝室ではなぜかレミリアがベッドに座っていた。
「どうした?」
レミリアの隣に座る。
「ねぇ、ジェイド。目をつむって。」
「わかった。」
俺は指示通りに目を閉じる。すると、自分の唇にレミリアの唇が触れる感触がした直後にすごい力で押し倒された。体を起こすことができない。
「ちょ、何をするんだ。」
「もう目を開けていいわよ。」
目を開けるとレミリアが俺を押さえつけていた。俺が言葉を発しようとするとレミリアがまたキスをしてきた。今度はさっきよりも長い時間でしかも口の中に舌を入れてくる。
「……ぷはっ、はあ、はあ。ジェイド、好きよ。」
「ああ。俺もレミリアのことが好きだ。」
そう言うと、レミリアは服を脱ぐ。俺はこれから何があるのかを理解した。
「え⁉︎」
焦ってはいるが俺はそこそこ落ち着いていた。結婚して夫婦になったからだからだろうか?
「これが私の気持ちよ。受け止めて。」
「……わかった。受け止めよう、レミリアの気持ちを全身全霊で。」
俺は覚悟を決めて、後はレミリアに任せることにした。レミリアは俺の服も脱がした。
(自主規制でCUT!)
朝起きると隣には裸のレミリアが寝ていた。俺も同様に裸である。ああ、夜の間にアレがあったのか。
「あら、おはよう。ジェイド。」
「おはよう、レミリア。」
「イタタ……、腰のあたりがまだ痛いわ。」
「自分からやっといて何言ってんだ。」
「だって、初めてだったんだもの。」
「まあ、歩けないならおんぶするからな。早く服を着ろよ。」
「えぇー、ジェイドが着させてよー。」
「まったく……。」
仕方がないので自分が服を着た後に俺がレミリアに服を着させた。レミリアは歩けないようなので俺がおんぶで運ぶ。
フランの生活瞬間はかなり整っているようで、俺たちがリビングに行くと既に椅子に座っていた。
「二人とも昨日の夜は激しかったみたいだね。こっちの部屋まで声が聞こえてきたよ。」
俺もレミリアもそれを聞いて顔が赤くなってしまった。
「別に恥ずかしがる必要はないと思うよ。二人は夫婦なんだから。」
「……ははは。」
「……ふふふ。」
俺は逃げるようにキッチンへ向かい、朝食を作り始めた。
私たちが結婚してから三カ月。幸せな日々は終わりを告げた。吸血鬼狩りが街に来たのだ。街のみんなは私たちを守ろうとしてくれた。城のみんなもだ。だが、そいつらがよりによって私たちの家を訪れてしまった。
「失礼、旅の吸血鬼狩りです。この街に吸血鬼はいませんか?いるなら退治します。」
リーダーと思われる男はそう言って歪んだ笑みを浮かべた。
「別にいないわ。他の街をあたってくれる?」
「そうだ。この街には俺がいる。たとえ、いたとしても人を襲わせやしないさ。」
「そうですか。ところで二人はどういった関係で?」
「これでも夫婦だ。」
夫婦という言葉を聞いた瞬間に男の表情が変わった。怪しまれている。
「ほう、そうでしたか。これは失礼、親子だと思ってしまいました。」
「まあ、そう思われても仕方ないかな。身長の差がありすぎる。」
そこへ羽を仕舞っていない状態のフランがやってきてしまった。
「お兄様、お姉様、どうしたの。その人たちは誰?」
吸血鬼狩りのうちの一人が剣でフランに斬りかかった。ジェイドが腕を掴んでそいつを止める。
「お前ら吸血鬼だったのか!こいつらを殺せ!」
リーダーと思われる男が叫ぶ。その声を聞いた近所の住民たちが駆けつけてくる。
『やめろ。そいつらは悪い吸血鬼じゃない。この街にとって大切な存在だ。』
だが、その言葉を聞いた吸血鬼狩りのリーダーはとんでもないことを言い出した。
「黙れ!こいつらを守ろうとするなら、お前らも吸血鬼なんだろ。吸血鬼狩りたちよ、こいつら全員を殺せ!」
吸血鬼狩りたちは吸血鬼ではない住民たちにも斬りかかった。ジェイドは彼らを守るために影を操って、吸血鬼狩りたちの動きを止めた。
「やめろ!住民たちは吸血鬼じゃない。」
「黙れ!吸血鬼を守ろうとするならそいつらも敵だ!」
「みんなは逃げろ。ここは俺がどうにかする。レミリアたちも早く。」
その言葉を聞いても私はいっしょに戦おうと思った。ジェイドと離れたくない。
「嫌!私もいっしょに戦う。貴方と離れたくない。」
「ならば誓おう。俺の先祖がいた世界、幻想郷。そこでは妖怪と呼ばれる魔物と人間が共存しているらしい。待っていてくれ、幻想郷で。必ず会いに行く。」
「そんなの嫌!お兄様といっしょにいたい。」
ジェイドは私たち二人を優しく抱きしめた。
「忘れたのか?ラピスラズリの石言葉は永遠の誓い。安心しろ。俺たちは必ず再会できる。俺たちの運命はつながっている。離れても家族だから。」
私たちはジェイドからもらったそれぞれのネックレスを握り締める。そうだ、必ず再会できる。家族の永遠の誓いだ。
「わかった。私、待つ。ジェイドとまた会えるときを永遠に。だから、必ず会いに来て。」
「当たり前だ!絶対に会いに行く。どれだけ年月が経っても絶対にだ。」
私はフランの腕を掴む。
「フラン、逃げるわよ。」
「でも、お兄様が……。」
「ジェイドは大丈夫よ。最強の騎士だもの!」
最強の騎士という言葉を聞いてフランの表情が変わった。
「うん。わかった。」
私たちは走り出した、ラピスラズリに永遠を誓って。家に絵を取りに行く時間もなかった。ジェイドが必死になって私たちを守ってくれていたから、少しの時間も無駄にできなかった。
街から逃げ出して、私たちは紅い館に住み着いた。ジェイドと別れてから、フランは狂気に取り憑かれてしまった。でも、私たちは必ず会えると信じている。家族だから。
レミリアとジェイドが離れた理由は吸血鬼狩り。悲しき家族の別れ……。
?「まあ、いいやつだったよ。」
ジェイド「勝手に殺すな!」
ジェイドの本編登場フラグがたちました。