東方戻界録 〜Return of progeny〜   作:四ツ兵衛

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黒亮という名前で投稿しているのに作者の肌はすごく白い。俺に問う。何故、この名前にした?
今回から投稿ペースはゆっくりになります。
サブタイトルはフランのための宴会だから。
では、本編をどうぞ。


第二十七話 幻想郷の仲間入り

宴会の会場には既に多くの人が集まっていた。ほとんどの人が集まったみたいだし、宴会を始めよう。

 

「範人、私に乾杯の音頭をとらせてくれ。」

 

「ああ、頼んだ。」

 

特に乾杯の音頭が思いついていなかったため、魔理沙に頼むことにした。

 

「フランに正式な仲間入り、範人とデューレスの幻想入りを祝して乾杯!」

 

全『乾杯!』

 

宴会が始まった。みんなが料理を食べ始めたり、話し始めたりし始めた。俺も妖夢といっしょに幽々子のほうに行く。

 

 

 

幽々子は相変わらずの食欲だ。大量の料理があっと言う間に消えていく。俺もなるべく食い溜めするが幽々子のスピードには勝てない。充分に食べたところで魔理沙が話しかけてきた。

 

「おい、範人。お前は酒飲まないのか?」

 

「うーん……飲めと言われたら飲むけど、自分からは飲もうとは思わないな。今のところだけど。」

 

「なら、飲まないってことはないのか。範人も飲もうぜ。」

 

「わかった。妖夢も来るか?」

 

「いえ、私は幽々子様といっしょにいます。」

 

「じゃあ、行ってくるわ。」

 

 

 

俺が魔理沙についていくと霊夢と優、そして知らない少女がいた。

 

「久しぶりね、範人。」

 

「おう、霊夢。久しぶりだな。そっちの人は始めましてだな。」

 

「始めまして、私はアリス・マーガトロイドよ。」

 

「俺は旅行 範人だ。よろしく。」

 

「よろしくね。」

 

「さて、範人と妖夢が恋人関係になったことを祝して乾杯といこうか。」

 

「おい待て、魔理沙。お前も優と恋人関係になっただろ。それはどうなんだ?」

 

「範人、それは本当なの?」

 

「本当だ。なんなら、魔理沙か優に直接訊いてみれば?」

 

「範人、バラさないでくれよ。せっかく驚かそうと思っていたのに……。」

 

「悪い悪い。」

 

「まあ、いいか。範人の言った通りだ。てわけで飲もうぜ。」

 

みんなは日本酒を飲むが、俺はワインを飲む。ちょっと苦いが普通に美味い。アメリカは未成年の飲酒に関して厳しかったけど、こんなふうに規制のない場所もあったのか。

 

「見たことのない酒だな。範人、分けてくれよ。」

 

俺は黙って瓶を渡す。

 

「ありがとな。」

 

うーん。酒を飲むと酔うって聞いたことがあるけど全然平気だ。たくさん飲んでいないからかな。

 

「範人、なんだこの酒は?色がおかしいぞ。香りは良いけど。」

 

「これは赤ワインだからな。元々そういう色をしているんだ。同じワインにも色が透明に近いものがあるぞ。お前らがいつも飲んでいるのは日本酒だな。」

 

「ほー。外界の酒って結構種類があるんだな。」

 

そう言いながら魔理沙はワインを飲む。

 

「普通に美味いな。なあ、他にはないのか?」

 

「ほらよ。飲み過ぎには気をつけろよ。」

 

ウィスキーの瓶を渡す。

 

「早速飲んでみるか。」

 

そう言って魔理沙は飲み始めたが全然平気そうだ。

 

「魔理沙、平気なのか?」

 

「平気だぜ。鬼の酒に比べたらまだまだだ。」

 

「うぇーい、範人ー。いっしょに飲みましょ〜。」

 

魔理沙と話をしていると酔っ払った霊夢が割り込んできた。

 

「うわ⁉︎れ、霊夢どうしたんだ?」

 

「多分、飲み過ぎたんだな。」

 

「魔理沙、代わりに相手しといてくれ。紅魔館メンバーの方に行ってくる。」

 

「おう、任せろ。」

 

霊夢のことは魔理沙に任せて、紅魔館メンバーの方へ向かった。ああいうときは付き合い長い友人に任せた方が良い。まあ、第一に面倒くさいってこともあるけど。優は霊夢に大量に酒を飲まされて、既に倒れていた。

 

 

 

紅魔館メンバーのもとに着くと、早速フランに飛びつかれた。今回は吹っ飛ぶことなく受け止めることができた。もう注意しても無駄だろう。そこへレミリアが話しかけてくる。

 

「ありがとう。フランのために宴会を開いてくれて。」

 

「別にいいさ。頼まれたことだし。」

 

みんなとの友好関係も深めることができるから、宴会くらいなら頼まれればすぐに開く。

 

「範人も赤ワインを飲むのね。」

 

「初めて飲んだ酒だからな。普通に美味いし。」

 

「そうなの。ところでこの料理作ったのは誰?」

 

「仕込みは俺で、仕上げは俺と妖夢と咲夜だ。」

 

「料理上手だったのね。今度、何か作ってくれない?」

 

「お安い御用だ。あ、そういえばプレゼントがあった。フランもこっちにおいで。」

 

「なーに、お兄様?」

 

俺は倉庫のスキマを開き、とある薬品を取り出した。二人に説明を始める。

 

「これは光の粒子と水をはじく粒子で作った特殊な薬品だ。液体に見えるが水じゃない。これが体にかかると体の表面全体を光の粒子と水をはじく粒子が数ミクロメートル離れて覆う。光の粒子が吸血鬼にとって有害な光を遮断する。これらの粒子はすべて非物体だから、生活に支障はない。まあ、簡単に言えば吸血鬼の弱点をなくす薬だ。」

 

「なかなかすごい薬じゃない。どうやって作ったの?」

 

「俺の能力の応用だ。で、どうする?欲しいか?」

 

「そんなもの欲しいに決まっているわ。」

 

「私にもちょーだい。」

 

「じゃあ、渡しておくよ。効果時間は一週間だ。いくらでも作ることができるから無くなったら言ってくれ。」

 

「わーい、これで外を出歩けるよ。ありがとう、お兄様。」

 

「どういたしまして。それともう一つプレゼントがある。」

 

俺はスキマを開き、とある絵を取り出した。四百八十年程前に描かれたと言われている絵だ。

 

「これは!」

 

絵を見たレミリアの目から涙がこぼれる。その絵には、レミリアとフラン、そして金髪の男が描かれている。描かれた三人の顔には笑顔が浮かんでいる。

 

「ジェイド……。」

 

「欲しいだろ。その絵もあげよう。」

 

「範人、ありがとう。」

 

「いいんだ。その絵は俺じゃなくてレミリアが持つべきだ。」

 

「お兄様、しばらくお家に泊まっていっていい?レミリアお姉様からは許しはもらったよ。」

 

「俺は別に構わないんだが、妖夢に訊いてみてくれ。」

 

「それなら、いっしょに訊きに行こう。」

 

「構わないぞ。じゃ、俺はこれで。」

 

俺とフランは妖夢の方へ向かった。デューは美鈴と酒を飲んでいた。楽しそうだったため、声をかけるのはやめておいた。

 

 

 

妖夢の隣では幽々子が料理を食べ続けていた。本当にあの身体のどこに入るのだろう。幽々子の胃袋は宇宙にでもつながっているのだろうか?幽々子を見ていると自分が生物兵器という化け物であることを忘れてしまいそうだ。

 

「お姉様。」

 

「何ですか、フランちゃん?」

 

「しばらくお兄様のお家に泊まってもいい?」

 

「いいですよ。範人がいいなら。」

 

「わーい、ありがとう。お兄様、今日はいっしょに寝てね。」

 

「今日は私もいっしょですよ。いいですか?」

 

「いいよー。」

 

交渉が成立したところで幽々子が横から口を出してくる。

 

「こっちから見ていると親子みたいねー。」

 

「「幽々子(様)⁉︎」」

 

「ふふふ、ごめんなさいねー。」

 

驚いて声を出してしまった。親子じゃなくて兄妹って言ってもらいたかった。フランのほうが年上だけど。

 

「親子…それもいいなー。」

 

フランが小声で何か言っているがまあいい。妖夢とはまだ結婚もしていないから。俺と妖夢が幽々子に文句を言っていると、聞き覚えのある声が飛んできた。

 

「おい、範人。サイキョーのアタイが来てやったんだ。感謝しろ。」

 

「アー、ウン。ソウダネ。アリガトウ。」

 

チルノには言い返しても無駄なため、テキトーに返事をする。こいつはバカだから、テキトーに返事をしても気がつかない。

 

「範人、先生からの伝言だ。サイキョーのアタイが伝えに来たんだからよく聞けー。」

 

「ほう、で、どんな伝言だ?」

 

「三日後にしゃ……あれ?なんだったっけ?」

 

うん。こいつは相変わらずのバカだ。まあ、そういうところがこいつらしいんだが。

 

「社会科見学だよ、チルノちゃん。」

 

そんなチルノに大妖精のナイスフォローが入った。お前って本当に良いやつだな。

 

「そうそうそれだよ。社会科見学に行くけどいいか?だって。」

 

「そういうことか。別に構わない、と伝えてくれ。任せたぞ天才。」

 

「ふふふ、この天才のアタイに任せろー。」

 

こいつ本当にバカだ。なんでこんなに単純なんだよ。俺の言っている天才=バカなんだぜ。いい加減気づけよ。

 

「おう、頼んだぞ。」

 

 

 

俺がチルノとの話に区切りをつけると魔理沙が半泣きで助けを求めてきた。

 

「範人ー、助けてくれー。霊夢が酒に酔って暴れ始めたー。止めてくれー。」

 

「大変だな。気絶させてもいいか?」

 

「方法は選ばなくていいから止めてくれー。」

 

「わかった。」

 

霊夢のもとに行き、首の後ろに手刀を入れる。霊夢は意識を失いその場に崩れ落ちた。しかし、霊夢が暴れたことにより弾幕ごっこが始まってしまった。部屋が傷つかないために壁と畳をモノリスでコーティングした。宴会は弾幕ごっこが起きたことにより、ドタバタになってしまった。魔理沙が流れ弾に被弾してしまい、気絶してしまった。俺は妖夢、フランといっしょに場の沈静を始めた。

 




安定のドタバタ落ち……。
酒を瓶に入れてくれたのは優です。彼の能力は本当に役に立つ。
ひとまず、この話で第一章の本編は終了です。第二章もよろしくお願いします。
次回からはレミリアの過去の話になります。レミリアの過去は三話に分けて投稿します。
ではまた、次回お会いしましょう。

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