東方戻界録 〜Return of progeny〜   作:四ツ兵衛

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どうも!アレルギー体質に悩んでいる四ツ葉 黒亮です。今回から少し書き方を変えてみました。では、本編をどうぞ。


第九話 闇纏いし少女

俺は今、デューの働き口を見つけるために紅魔館に向かっている。しかし、

 

「迷った。」

 

方向がわからなくなってしまった。

 

 

 

幻想郷の夏は気持ちが良い。元いた世界の夏はもっと気温が高く、空気もべっとりとしていた。日差しが眩しくて、思わず目を細めてしまうが、これが本来の日差しの強さなのだろう。幻想郷は空気が澄んでいておいしいため、元いた世界の空気は汚かったに違いない。

 

「ん?なんだ、あれ?」

 

黒い球体が浮かんでいる。興味深いものを見つけたため、近づいてみる。

 

 

 

近くで見てみるとその球体は黒よりも、もっと暗かった。しかも球体は浮かんでいるだけではなく、動いている。不思議に思い、更に近づいてみる。すると黒い球体が消え、中から金髪の少女が現れた。少女が話しかけてくる。

 

「あなたは、だーれ?」

 

「俺は旅行 範人だ。君は?」

 

「わたしはルーミア。ねぇ、範人。範人は、食べていい人間?」

 

初対面のやつにいきなり、食べていい?と訊かれた。俺のことを人間と言ってくれたのは嬉しいが、さすがに喰われて死ぬわけにはいかない。

 

「俺はたしかに人間だが、純粋な人間じゃないぞ。」

 

「そーなのかー。」

 

「それでも喰うのか?」

 

「そーなのだー。」

 

「分かった。」

 

仕方がない。俺はネックレスを右手に持ち、力を込めた。ネックレスは、覇剣クリムゾンに変化した。俺は覇剣クリムゾンで自分の左腕を切り落とした。切り口から真っ赤な血が噴き出す。俺は覇剣クリムゾンをネックレスに戻し、左腕をルーミアに投げつけ、ルーミアはそれをキャッチする。そして、今はない左腕に力を込め、左腕を瞬時に再生させた。

 

「ルーミア、俺は喰われて死ぬわけにはいかない。だから、左腕で我慢してくれ。」

 

「範人みたいな人間は初めてなのだー。わたしに会っても逃げなかったのだー。」

 

そりゃ、初対面で、食べていい?なんて言われたら、誰でも逃げるよ。俺が異常なだけだ。

 

「そういえばルーミア、紅魔館ってどこかわかるか?」

 

「そういう建物なら、向こうにあるのだー。」

 

俺はルーミアが指を指した方向を見る。

 

「方向教えてくれて、ありがとな。」

 

「別にいいのだー。左腕のお礼なのだー。」

 

俺はルーミアの教えてくれた方向へ飛んだ。

 

 

 

しばらく飛んでいると湖に着いた。しかし、湖の様子がおかしい。今は夏のはずなのに湖面が凍っていて、空気も冷たい。

 

「何が起きたんだ。」

 

俺が呟くと同時に氷の弾幕が飛んできた。弾幕が飛んできた方向を見ると水色の服を着て少女と緑色の服を着た少女がいた。背中にある羽根から、少女たちが人間ではないことがわかる。

 

「はっはっはー、参ったかー。」

 

「いきなり攻撃しちゃ駄目だよ、チルノちゃん。」

 

「大丈夫だよ、大ちゃん。アタイはサイキョーだからね。」

 

「いきなり危ないだろ。誰だおまえら?」

 

「アタイはチルノ!サイキョーだ。」

 

「私は大妖精と申します。名前はありません。」

 

「俺は旅行 範人だ。範人って呼んでくれ。で、何故攻撃してきたんだ?」

 

「それはアタイがサイキョーだからだ。」

 

「ハイ、ソーデスカ(棒)。」

 

(自分で最強って…。何言ってんだ、このバカは。)

 

「あ、今おまえバカにしたな。」

 

(何故わかったし。)

 

「氷漬けにしてやる!」

 

チルノと勝負することになった。

 




今回から書き方を変えてみました。これで読みやすくなれば幸いです。さて、範人は左腕を切り落としてもすぐに再生しました。これは範人の生物兵器としての超再生能力です。戦いのときは、このような描写が増えるかもしれません。ご注意ください。

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