今回はゲーム設定の説明を長々としております。
知ってる方もいると思いますが、ゲームをやりこんでる人じゃないと知らない方も多いと思うので軽く説明しました。
では暇つぶしでもどうぞ。
念願の10歳となり、待ちに待ったポケモントレーナーとして旅立つ日。
二日前から荷物の準備をし、何度も何度も忘れ物がないか確認した。
そして昨日の夜は遠足に行く子供のように寝つけが悪かった。
こっちの世界に転生してから、あれほど緊張した夜は初めてだ。
旅なんかしたことがないから当然だろう。
本日は晴天なり。
見上げれば雲一つない空をポッポの群れが見える。
旅立ちにふさわしい空だ。
「それじゃ、行ってらっしゃい。立派なトレーナーになりなさいよ」
「・・・姉さん」
「あら、忘れ物があったの?」
「いや、そうじゃないけど」
これからしばらく、もしかしたら何年もここに戻らないこともあるかもしれない。
やっと旅立つことが出来ると思う反面、やはりさびしいと思う気持ちもあるわけで。
実年齢はともかく、なんだかんだで体は10歳になったばかり。
無意識に一人で旅に出ることに不安があるのかも知れない。
言いたいことは今言うべきだと思った。
「姉さん、いままで俺の訓練に付き合ってくれてありがとう。姉さんのおかげで色んなことも学んだよ」
何度も気絶したが姉さんの訓練のおかげで前の自分じゃあり得ないぐらいたくましくなった。
「姉さんが鍛えてくれなかったら、もっと不安な気持ちで旅立つことになってたと思う」
「・・・」
「つらくてやめたいって思ったこともあったけど」
「・・・」
「でも姉さんの訓練のおかげでこれから何があっても大丈夫だって思えたりもするんだ」
「・・・」
「だから、ありがとう」
本当はもっと言いたいけど恥ずかしさが出てこれが限界だった。
姉さんの顔を見上げると目が少し潤んでた。
こんな姉さんの顔を見るのは初めてだ。
「・・・シゲル。あなたは今までよくがんばったわ。今ではフォークボールを使って2枚抜きが出来るようになり、ドードリオに引けを取らないほど走れるようになったわ」
潤んだ目で俺を見ながら今までの俺の頑張りを認めてくれる。
「あなたはこの旅が終わったら、今の自分よりもっと立派になって帰ってくるわ」
「姉さん、俺きっと・・・」
「そのときは、今度はイワークを超えれるように鍛えてあげるわ!」
「イワーク」・・・いわへびポケモン
おおきないわをもくらいながらじめんのなかをほりすすむ。そのスピードはじそく80キロ。
byプラチナ図鑑
とんでもねぇオチがつきやがった!!
「だから頑張りなさい。そしてちゃんと帰ってくるのよ!」
・・・・・・・・つまり、立派になるまで帰らなくていいってことだよね。
「姉さん、俺立派になるよ。・・・時間が掛かると思うけど」
たぶん4,5年ぐらい時間掛ける・・・じゃなくて掛かると思う。
少なくともイワークを忘れてくれるぐらいの時間が。
「・・・それじゃ行ってきます」
「ええ、行ってらっしゃい!!」
潤んだ目でハンカチを振り出す姉から、走って逃げたい気持ちを抑え研究所に向けて歩き出す。
旅はまだ始まってもないのに足取りはすこぶる悪い。
旅立ちにふさわしい晴天なのに気分は全く晴れやかではなかった。
静かに足を叩いて首を左右に振るイーブイのしぐさに哀を感じながら俺の旅が始まる。
◇◇◇
「おお、一番最初に来たのはシゲルじゃったか」
「あれ、誰もいない。早すぎた?」
時刻はAM9:00。
これまでの先輩トレーナーもだいたいこれくらいの時間に研究所にきてたはずだけど。
せっかちな人は前日の夜に研究所の前に居座って、寝袋でスタンバってるくらいだ。
正直、あれはうっとうしかった。
「実はのシゲル、今回は少々問題があってな」
「問題?」
「うむ、本来初心者用のポケモンは人数分用意されるんじゃが」
この研究所で長いことその手伝いをしているから、それは知ってる。
「しかしのぅ、前日になって内1体のポケモンの具合が悪くなってのポケモンセンターに送ったのじゃ」
「え?もしかしてもらえないってこと」
「いや、送ったのは1体だけじゃ。ただ人数分のポケモンが用意されてないんじゃ」
「・・・たしか今回旅立つトレーナーって、俺とサトシ含めて4人いなかったっけ?」
「そうじゃ、しかし今用意されてるポケモンは3体しかいない」
あれ、そうなった場合どうなるんだ?
「まぁ、こうなってしまった場合早いもの勝ちじゃな。今までもそういったことがあったしのぅ」
ポケモンをもらう時は基本的に人数分用意されている。
新人トレーナーが何人いても一匹を渡せるように予備も用意しておくのだ。
旅立つトレーナーがよほど多い町とかは誕生日に期限を記入して別々に取りに来させる所もある。
ただ、マサラタウンのようなそれほど大きくない町はこうして一斉に取りにこさせる所もある。
なぜならトレーナーが来るたびにポケモンの様子をチェックして渡さなければならない。
それならばまとめた日に来させてポケモンもまとめてチェックして用意したほうが楽だからだ。
またオーキド研究所は研究員が少ない。
そのため必然的にポケモンや図鑑の説明はじいちゃん一人でやる。
しかし、仕事が重なって他の町に出かけることもあるため、その人の誕生日に無理があったりする。
もろもろの理由からマサラタウンでは決まった日にちに旅立つようにしている。
「といっても、ポケモンセンターからの連絡では3日で戻ってくるようじゃ。 一番遅かったトレーナーにもちゃんと渡すことは出来る」
「そうだけどせっかく旅立つのにいきなり3日延長ってがっかりすると思うよ」
「しかし、こればかりはのぅ。・・・まぁ4体目がいないわけじゃないんじゃが」
「え、なに?」
じいちゃんが目をそらしながらぼそぼそとなんか言ってる。
じいちゃんは首を振り、なんでもないとつぶやきながら少し奥に進み、
「さぁ、シゲル。気を取り直して最初のポケモンを選ぶのじゃ!」
そういってじいちゃんはモンスターボールを置いてる円形の台から一つを手に取り・・・
「まずは炎タイプ・ヒトカゲじゃ」
そういってモンスターボールが開き、中から光と共に赤色の体色のトカゲが現れる。
「次に水タイプ・ゼニガメじゃ」
2つ目に出てくるのは甲羅を背負った水色のカメだ。
「最後に草タイプのフシギダネじゃ」
3つ目は緑色に大きな種を背負った・・・・・カエルかな?
ゲームもやってたし、こっちの世界に来てからも見てたんだが図鑑じゃ「たねポケモン」としか書いてないんだよ。
まぁ、いちいち突っ込んだら駄目なんだろうけど。
「さぁシゲル、この中から一匹を選ぶのじゃ」
やっぱり色違いはいないな・・・ちょっとは期待してたけど。
「その前にじいちゃん。ポケモン図鑑くれない」
「なに?」
「1匹しかもらえないんだから、せめて他の2匹も図鑑に登録しときたいんだ」
ほんとは違う理由だけど。
「なるほど、そういうことか。ほらこれがポケモン図鑑じゃ」
そういってじいちゃんはポケモン図鑑を渡してくれた。
「ありがと。それじゃ早速」
ポケモン図鑑を開き、さっそく3匹をそれぞれ図鑑に登録する。
そして同時にポケモンが覚えてる技と性格に目を通す。
「ヒトカゲ」・・・うまれたときからしっぽにほのおがともっている。ほのおがきえたときそのいのちはおわってしまう。
『おくびょう』な性格 特性-もうか
わざ『ひっかく』『にらみつける』『ひのこ』
「ゼニガメ」・・・ながいくびをこうらのなかにひっこめるときいきおいよくみずでっぽうをはっしゃする。
『ゆうかん』な性格 特性-げきりゅう
わざ『たいあたり』『なきごえ』『あわ』
「フシギダネ」・・・うまれたときからせなかにしょくぶつのタネがあってすこしずつおおきくそだつ。
『おだやか』な性格 特性-しんりょく
わざ『たいあたり』『なきごえ』『つるのむち』
うむ、やはりゲームの時と違って各タイプのわざを最初から覚えてる。
この世界の初心者用ポケモンはゲームの時と違ってある程度育てられてる。
今までも先輩トレーナーのポケモンを見せてもらった時もそうだった。
たまに最初から『ほのおのうず』や『バブルこうせん』を覚えてる個体もいたな。おそらく親から遺伝したのだろう。
まぁそれよりもポケモン図鑑を先に渡してもらった理由はわざだけじゃない。
俺が一番気にしたのは「性格」だ。
ポケモンを育成するにあたってどういった育成をするかを決めるのは性格といっても過言ではない。
ポケモンは性格によって上がりやすい能力と上がりにく能力が決まっているのだ。
例えば「ヒトカゲ」の『おくびょう』な性格は
「すばやさ」が上がりやすく、「こうげき」が上がりにくい。
似たような性格で『ようき』な性格の場合は
「すばやさ」が上がりやすく、「とくこう」が上がりにくい。
この二つの性格を比べた時、上がりにくい能力が「こうげき」と「とくこう」と分かれている。
つまり物理主体の技構成(『ほのおのパンチ』や『つばさでうつ』など)の場合は「とくこう」が下がっても気にする必要はない『ようき』な性格が適している。
逆に特殊主体の技構成(『かえんほうしゃ』や『ひのこ』など)の場合は「こうげき」が下がっても気にする必要はない『おくびょう』な性格が適している。
これは一例に過ぎず、『ゆうかん』の性格は「こうげき」が上がりやすく、「すばやさ」が上がりにくい。
「こうげき」が上がりやすい性格だが「とくこう」はなんの影響も受けないため、「こうげき」・「とくこう」両方の技を覚えさせる(両刀型)なんてのもある。
さてこれ以上はキリがないからこれまでにしておこう。
問題はこの3匹からどいつを選ぶか・・・。
『おだやか』な性格のフシギダネは選択肢から除外する。
『おだやか』な性格は「こうげき」が上がりにくく「特防」が上がりやすいからだ。
ゲームの対人戦では十分活躍できる性格だが、ストーリー攻略の際はあまり活躍できる性格ではない。
基本的にストーリー攻略を優先するならば攻撃寄りの性格を選んだほうが手っ取り早い。
対人戦特有の読みあいがないためゴリ押しでどうにかなるからだ。
ゲームと違うとはいえテレビのバトル中継を見る限り、技の読みあいはあまりない。
ほとんどが攻撃技の応酬。ゴリ押しだ。もしくは補助技に頼りきる戦い方だ。
そしてほとんどのトレーナーが「かわせ」と指示してたりする。
・・・解せぬ。
話を戻して、選ぶならヒトカゲかゼニガメのどちらかだが、こいつのことも考慮しなければならない。
「イーブイ、ちょっといい」
「ブイ?」
「ついでにお前も図鑑に登録しておくから、ジッとしといて」
「ブイ!」
こいつの性格も確認して、進化形に目途をつけておこう。
物理攻撃寄りの性格ならブースター・特殊攻撃寄りの性格ならサンダース・防御寄りの性格ならシャワーズにしよう。
あとはタイプがダブらない方のポケモンを選ぶのが無難だろう。
「イーブイ」・・・3しゅるいのポケモンにしんかするかのうせいをもつめずらしいポケモンだ。
『ひかえめ』な性格 特性-きけんよち
わざ『たいあたり』『しっぽをふる』『すなかけ』
・・・・・
特性-きけんよち
・・・・・
特性-きけんよち
「アイキャンフラーイ」
「ブ~イ!」
この子、ドリームワールド産のポケモンでした。
・・・・・
特性-きけんよち
大事なことので2回書きました。
3話目の8月30日というのは2011年に限定公開された「ポケモングローバルリンク」の「ポケモンカフェ」の公開期間でした。
この期間中「イーブイ」・「ドーブル」・「ニョロゾ」・「ミノムッチ」の夢特性が限定配布されました。
夢特性とは通常の特性とは違う特性のことです。
イーブイの通常の特性は「てきおうりょく」です。
正直、このカントー地方の話で特性のゲーム設定は付けないほうがいいかなぁと思いましたがアニメではいつの間にか特性という設定が出来てました。
今ここで特性の設定をつけないと何時つければいいかわからないので最初からアリにしました。