祝!!ポケモン新作発表!!!!
と、告知してみる。
10月が待ち遠しいですね。新種のポケモンも出るようですし。
戦闘は完全に3Dのようで面白そうです。
個人的に初期ポケは単色タイプよりも複合タイプの方がうれしいかなと。
あ、炎・格闘タイプはもうけっこうですから。
なんてゲームのことしか前書きに書いてませんが暇つぶしにでもどうぞ。
「それでそれで! カスミとはどこまで行ったの!」
「もうアヤメ、そんなにがっついたら駄目よ。それでどこまで進んだの?」
「サクラ姉さん、それ同じこと聞いてるわよ。ここはまず、二人の出会いから聞かなきゃ!」
・・・『女三人よれば姦しい』というが昔の人の名言は的を射ている。
矢次早に飛んでくる質問・・・というよりも野次馬。
大人のおねえさんに囲まれながらという状況はうれしいが、こうも露骨に野次馬根性丸出しだと呆れと疲れが先に出る。
対面に座っている道連れことカスミに目を向けるとあちらも同じことを思っているのだろう。疲れた表情をしている。
・・・どうしてこうなった。
数分前、カスミから理不尽な言葉をもらった後、目の前のお姉さんに強制連行。
なにか発言する間もなく「姉さん達に報告しなきゃっ!!」と言いながらジムに連れ込まれ『休憩室』と書かれた部屋に。
中に入ると休憩でもしていたのだろう二人の女性が水着姿のままドリンクを飲んでいた。
俺に不審そうな目、カスミに驚きの目を向けてから俺達を連れてきたお姉さんに何事かと尋ね、
「私たちに弟が出来るのよ! カスミに男が出来たわ!!」
(・・・ナニヲイッテルノカワカラナイ)
そんな感想を抱かざるを得ない返答をしていた。
◇◇◇
そして現在に至る。
「あたしたちって姉妹しかいないから弟って新鮮ねぇ」
「そうよね、カスミよくやったわ。顔も悪くないし」
「そうね、カスミにしてはよくやったわ! 一体どんな手でゲットしたの?」
「そんなんじゃないわよ・・・」
ツッコミにも力が無く、しきりに溜息をついている。流石にちょっと同情。
「え~と、みなさんカスミのお姉さんで?」
話題を変えるため個人的に気になってた所を聞いてみる。
「あら、カスミから聞いてなかったの? 私たちのこと?」
「・・・ええ、カスミに姉がいること自体知りませんでした」
「もう駄目じゃないカスミ。ちゃんと家族のことを教えとかないと」
「私たちは『ハナダジム美人三姉妹』で有名なのよ」
「ちなみにそこにいる四女は出涸らしよ」
「誰が出涸らしよ!! 全然劣ってなんかないんだから!!」
(・・・ゴメン。変える話題間違えた)
「だいたいっ! そいつはジム戦をしに来ただけよ! アタシとはなんの関係も無いの!」
「あら、シゲル君ジム戦をしたいの?」
「・・・カスミの後半の叫びはスル―ですか・・・。 ええ、まぁ今すぐってわけじゃ無いんですけど水中ショーが終わったら挑戦しようかと」
「・・・ショーが終わったらすぐに挑戦するつもり?」
「ええ、そのつもりです」
「「「・・・・・・・」」」
(・・・あれ?)
突然顔を見合わせ渋い顔をしている3人。
なにかまずいことでもあったのか、気まずそうにしている。
「なにか問題があるんですか?」
「・・・え~と、ごめんなさい。ショーが終わってすぐには無理なの」
「?・・・ ショーが終わった後でもですか?」
「今回の水中ショーには私たちのポケモンも出しているの」
話しを詳しく聞くと、どうやら今回の水中ショー、今までと違って自分たちの手持ちのポケモンも出演させているとか。
今までは3人と数人のマネージャーで開催していたのだが、たまにはいつもと違ったことをしてみようと試したらしい。
不評ならば明日からはいつもどおり3人でショーをするつもりだったが概ね好評。
ならば明後日までの間、このプログラムを続けようとマネージャーと決めたらしい。
しかし、そうなると明後日のショーが終わるまでポケモンにはほとんど休み無し。
3人は慣れているがポケモンたちには慣れない仕事で疲労困憊になってしまい、満足にポケモンバトルどころではない。
このショーが終わったらしばらく休養させるつもりだったとか。
「たぶん、バトル出来るのは今回ショーに出ないこの子ぐらいね」
そういってモンスターボールから出したのは、
「・・・トサキント・・・だけ、ですか」
「ええ、この子だけなの。アズマオウにでも進化してくれればある程度戦えるんだけど」
そういって溜息をしながら床を跳ねていたトサキントをボールに戻す。
確かにトサキント1体だけでジム戦というのは・・・。
「では、ショーが終わってからどれくらい経てばジム戦が可能ですか」
「そうね・・・・・3日ぐらいかしらね」
「3日・・・ですか」
確かに急いでる訳じゃないけれど・・・。
明後日のショーが終わるまでの日数を数えると5日間ここに滞在しなければならない。
そこまでこの町に長居するつもりはなかったんだけど。
「まぁ、そちらも事情があるようですし・・・」
「それに問題はそれだけじゃないのよ」
「私たちのほうにも問題があるのよねぇ」
「・・・そちらに問題があるんですか?」
「それが大アリ」
「ジムでショーはしているのだけどジムリーダーはショーよりもジム戦を優先しなきゃいけない決まりがあるのよ」
「じゃなきゃジムリーダーの資格を剥奪されちゃうの」
「・・・なるほど」
納得出来る理由だ。確かにジムリーダーの本来の仕事、ジム戦を疎かにすれば問題アリと見なされるだろう。
これまでジムでショーをやってても『ポケモン監察官』が黙認しているのも頷ける。
用はちゃんとジム戦をしていればジムで何をしようが構わないといった体裁なんだろう。
「ここ最近ジムに挑戦する人が居ないから連日でショーをしようって話になっちゃってね」
「それで今回のショーは特別に3日間連続で行うことにしたんだけど・・・」
「中止しようにもチケットは完売して観客席はいっぱいの状況だから・・・」
「まぁ、中止なんて言った日にはクレームの嵐でしょうね・・・」
思ったよりもややこしい事態になっているようだ。
ジム戦を優先しなければならないけれど、かといってショーを中止するわけにもいかず。
「・・・挑戦者の俺が挑戦を取りやめたってことで解決しません?」
「う~ん、シゲル君がジムに挑戦するってことを私たちに伝えた時点でジムリーダーの責務を果たさなきゃいけないのよね。一応」
「どこにポケモン監察官の目があるかわからないしね」
「まぁ、さっきショーが終わってからってシゲル君が言ってたからそれまでは向こうは口を出さないでしょうけど・・・」
「ショーが終わってるのに挑戦を受けてないってバレると問題になるってことですか」
ニビジムの時と違ってジム戦をする前にジムに入ってしまったのが思わぬ弊害を起こしてしまった。
こんな展開になるとは思いもしなかった。
「まぁ、こんなことになってしまったんなら解決策は1つね!」
「なにか妙案が?」
「ええ、パウワウ!」
サクラさんが手を鳴らして呼びかけるとドアが開き入ってくるパウワウ。
何気に賢いな・・・その手でどうやってドアを開けたが気になるが。
「パウワウ、お願い」
「パウワウッ・・・んべぇ~~~」
・・・どこにバッジをしまってやがる。
「はい、これブルーバッジ。受け取って」
「・・・これが妙案ですか?」
「ええ、別にバッジを渡す条件はポケモンバトルだけじゃないもの」
「・・・そうなんですか」
「そうよ、用はジムリーダーから認められればいいんだから!」
「俺は認められるようなことはなにもしてませんよ」
「大丈夫! 私たちはあなたを弟と認めるわ!」
(・・・・・会話は成り立ってるけど噛み合ってない)
「・・・まぁ、くれるって言うならもらいますけど、良いんですか?」
「ええ、監察官にはジムリーダーが認めたってことで言い訳出来るし、シゲル君もバッジが手に入るし、良い事尽くしでしょ」
「・・・はぁ、それで良いって事なら遠慮なく」
「ちょーーーーーっと待ったーーーーーーーー!!!」
「何よカスミ、居たの。てっきり空気になってるのかと思ったじゃない」
「そうね、さっきから一言もしゃべらなかったから空気かと思ったわ」
「誰が空気よ!! それとサクラ姉さん!! ジム戦もせずにバッジを渡すのはハナダジムの沽券に関わるわ!!」
立ち上がり、息を荒げながら詰め寄ってくる四女。
ジムバッジと俺の間に割り込み指を差してくる。
「シゲル! 姉さんの代わりにアタシがジム戦をするわ! ジムバッジが欲しいならアタシとポケモンバトルよ!」
◇◇◇
『・・・それで、ナツメさん。調査の方は・・・』
「・・・エリカ、怖いわよ」
本気と書いてガチと言えそうなくらい真剣な表情で写っている友人。
口元を横一文字に引き締め、目も睨んでるように見える。
いつもの赤い色を頭に巻いていたものが今は『必 勝』の鉢巻きに変わっている。
まるでこれから戦いに赴かんとしているようだ。
「・・・まぁ、報告からするわね。件の女の子は今もシゲルと一緒に旅をしているようね」
『・・・・・そうですか』
おそらく想定範囲内の答えだったのだろう。
取り乱す様子もなく、静かに受け入れている。
「・・・私が最後に覗・・・コホン、観察したのはオツキミ山前のポケモンセンターから出たとこまでね」
『その間、お二人の様子に変わった所は?』
「・・・これといってないわ。特に邪推するようなことは起きなかったし」
私はシゲルと女の子の二人がポケモンセンターに入り、次の日にオツキミ山へ入っていたところまでを観察していた。
無論、二人が食事をしている間や就寝に入った時は私もそれに合わせて観察を中断していたが。
二人の様子は喧嘩するほど仲が良いといった感じだ。
私の力は見る事は出来るけれど聞くことは出来ないのだが険悪な雰囲気にならず会話も弾んでいるようだった。
邪推するようなことはなく、仲の良い友人という関係だった。
その事をエリカに伝え、落ち着くように言い聞かせる。
段々と強張ったエリカの顔も柔らかくなり始め、電話越しで安堵した雰囲気が伝わってくる。
『そうですか。シゲルさんに仲の良い友人が出来たのですね』
「・・・ええ、ポケモンセンターで一緒に食事している時も会話が弾んでいたようだし」
『それならば、タマムシシティに赴かれた時に三人一緒に食事をしながらお話しでもしましょうか。とても楽しそうです』
「・・・そうね、それがいいわ。友達が増えることは良いことよ」
穏やかな友人との会話と雰囲気。
和んだ空気は心を弾ませ、会話は続いていく。
『それではお食事の後はそのまま就寝されたのですね。ナツメさんもありがとうございます』
「・・・別にいいわよ。私も友人のプライベートを見るのは・・・まぁおもしろかったから」
褒められた行為をしたわけじゃないけれど、それは事実だ。
二人の様子を見ながらこちらも微笑ましい気分になり和んだりもしていた。
「・・・とりあえず二人が揃って就寝したから私もその日は寝たわね」
『そうですか。お疲れ様で・・・・・二人、揃って?』
「?・・・ええ、二人揃って寝たわ」
再び強張り出す友人の顔。
いや、先ほどと違って焦燥間も醸し出している。
『・・・ナツメさん。揃って、ということは・・・お二人は、共に・・・寝られたのですか』
「?・・・ええ、そうよ」
いまいち要領を得ない質問に答える。
・・・と、いきなり目を見開き、口を抑えて、驚愕の表情を浮かべる。
次いで顔を真っ青にし、目尻からは涙が滲み出している。
「!!・・・どうしたのエリカ!?」
『・・・そんな・・・そんな・・・そんな、ことって・・・』
私の声が届く様子が無く、体を震わし涙の量が増えていく友人にどうすればいいかわからず、オロオロと動揺してしまう。
私はそんなにもまずいことを言ってしまったのか・・・。
「・・・エリカ、落ち着いて。一体どうしたの?」
「そんな・・・二人は、既に・・・既に・・・」
目の焦点が合ってない・・・。
画面に映る友人の瞳は涙に濡れながら、自身の体と同じ様に震えている。
こんなにも絶望している友人を初めて目にした。
「・・・エリカ、エリカ、落ち着いて。何があったの」
尋常ではない友人に何度も問いかける。
こういうとき自分の対人能力の無さが悔やまれる。
気の利いた言葉を探せども思い浮かばない。
『・・・二人は・・・既に・・・っ!』
「・・・エリカ・・・」
『二人は・・・既に・・・・・・同衾をなされた関係なんて!!!』
(・・・・・・・・・・・・・)
「・・・・・単に一緒の部屋で寝てただけよ」
10歳の少年少女相手に何を考えているのだろうか・・・。
(・・・・・疲れた)
重い重い溜息をついた。
3姉妹の誰が話しているのかは想像におまかせします。
正直、どうやって区別付ければいいかわかりませんでした。
しゃべり方も文字にするとそこまで違いがなく、セリフの前に名前を付けたときはこちゃごちゃしてわかりづらかったのでいっそ無しにしました。
今回は原作をいろいろいじってこんな風にしました。
次回はシゲルVSカスミのジム戦にします。
では更新速度は期待できませんが次回もよろしくお願いします。ノシ
・・・エリカ?
こんなキャラクターとしか言いようがありません。