ネタ色々詰め合わせ   作:歌猫

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【はじめに】
歌猫はwikiや二次でしかダンまちに触れていません。
それでも読んでやんよとおっしゃってくれる方はどうぞ。

↓ ↓ ↓

ヘスティア強化物、ヘスティアがダンまち→ファンタジール→ダンまちと転移。
ヘスティア愛され、若干苦労人。
神様血縁関係は、それぞれの神話に基づく(一部捏造有)。
ほのぼの6割、ギャグ3割、シリアス1割予定。
原作改変。


【FLL】ヘスティア強化物【ダンまち】

 そこは、とても優しい世界だった。不幸な出来事がそこそこ在りながら、それ以上に幸福が満ち溢れていた世界だった。

 人々は自身に適正がある職業(ライフ)に就き、お金(リッチ)を稼いだり、数多くの小さな偉業(しれん)を成し遂げ名声(スター)を得て器を昇華させ(ランクアップし)たり、誰かを助けて(ハッピー)を高めたり。全ての人がそうしながら、満ち足りた日々を送れる世界だった。

 その少女もまた、人々と同様の日々を送る子供だった。だが、たった一つの出逢いが切っ掛けで、世界の命運を賭けた騒動に巻き込まれた。尤も、辛い旅路であった訳ではない。他の人達よりも多くのスリルと刺激に満ちた冒険をして、他の人達よりも沢山誰かを助けただけだ。

 時にはドラゴンを助け、時には貴族と海賊間の問題を解決し、時には魔王と友達になり、時には妖精の村に立ち寄り、時には空想の存在だった空島に足を踏み入れる。

 そんな大冒険の末世界を救う手助けをした少女は、何時しか『かみさま』の後継と(ゴッドランクに)なった。しかし彼女は、最期まで人間であり続けた。時にはモンスターを間引き、時には素材を集め、時には腕を奮って製作に勤しみ、そして、唯一無二の相棒と共に世界中を旅して回り、その生を終えた。

 

 

          *   *   *

 

 

「――とまぁ、中々に楽しい人生でしたよ!」

「そうか、そいつは重畳じゃ」

 

 思うがままに紡いだボクの話に、目の前にいる『かみさま』もまた満足気に頷いた。

 ここは、月世界マーズ。ファンタジールを含めた数多くの世界を創った『かみさま』と、その家族が住まう世界(いえ)。ファンタジールを救うためにと初めてやって来た時には、その地に満ちた神気に当てられ柄になく緊張してしまったけど、今では自分の家のように寛ぐことが出来る。それは、ボクがゴッドランクになったことも理由の一つとして挙げられるが、やっぱり、ボクの相棒(ユエリア)の父親兼最後の師匠である『かみさま』の気安さのお蔭が大部分を占めているだろうと思っている。(ステラ様)を愛し、我が子達(ユエリアとノーラ)を愛し、創った世界を見守りながら、しかし自身の手から離れ滅び行く世界に、何の手も打てない自分の無力さを悔いていた。そんな優しさと、ちょっとしたお茶目さ、妻や娘達の尻に敷かれる情けなさといった人間味溢れる巨大な老人は、肉親のいないボクにとって父とも祖父とも言える、そんな存在になっていた。

 

「それで、本当に良いのかの?」

 

 ボクが全てを話終えて暫くして、『かみさま』は真剣な瞳を向けてきた。心なしか身体が重く感じるのは、『かみさま』から発せられる神威を浴びているからだろう。それに応えるように、ボクもまた拙いながらに神威を発し、遥か頭上にある『かみさま』の目を真っ直ぐ見上げる。

 

「はい。ボクはもう、人としての人生は十分に満喫しました」

 

 それに、『かみさま』は隠居してイチャイチャしたいのでしょう? なんてステラ様のことをちらつかせてみれば、儂をからかうでない! と耳まで真っ赤にする。そんなボクのからかいに一つ、咳払いをした『かみさま』は、僕の前に一つの世界を持ってきた。今まで見たことが無い筈の、多くの神威が感じられる世界。『かみさま』には圧倒的に敵わず、しかしボクと同格の神気を放つその世界は、神気の種類から多くの神々が居ることを示している。

 

「…………これは?」

「儂がほんの数十年前に創った世界じゃ。お前さんにはこの世界の神としての神生(じんせい)を歩んでもらう」

「どうしてですか?」

 

 その言葉の意図がいまいち掴めず、ボクはどうしてか懐かしさを覚える世界から『かみさま』へと視線を戻した。…………『かみさま』は、気まずげな表情で顔を逸らし、何かを誤魔化すために口笛を吹いていた。

 

「『かみさま』?」

「実はそれ……お前さんが本来居るべき世界なんじゃよ」

「…………ファッ!? それは一体どういうことだい!!?」

 

 『かみさま』が放った衝撃的な内容に、敬語も忘れて思わず詰め寄る。

 

「お前さんはこの世界で、神の一柱(ひとり)として生まれた。だが、どういった訳かその十数年後ファンタジールに迷い込み、そのままファンタジールの人間として組み込まれてしまったんじゃ……」

 

 その事実に気付いたのは、ボクと初めて介した時だったらしい。でんせつランクまで至っていないただの人間が、マーズに満ちた神気に当てられていながら、体調を崩さなかったことに違和感を覚えたらしい。ボクにゴッドランクの道を指し示したのも、直に会う機会を増やすことでその違和感の正体を突き止めることにしたのだとか。

 その話を聞いてボクは、驚くと同時に納得した。ユエリアに初めて逢う日以前のことを一切覚えていないのも、異様な早さで器の格を上げることが出来たのも、ボクが人間では無かったからだったのだと。

 

「つまり、ボクが『かみさま』の後継に成れたのは、ボクが元々神として生まれたからなのですね」

「いや、それは違う。確かにお前さんは神じゃが、それは創られたばかりの世界の話でのことじゃ。器を昇華させやすかったことは事実じゃが、ファンタジールでは才能ある人間の一人に過ぎん。実際、全ての職業(ライフ)人類最高峰まで昇華させ(でんせつランクにし)たのは、お前さん以外にもおったじゃろうが」

 

 『かみさま』の言葉に、ボクはある老人を頭に浮かべた。ボクの友達の一人であるお転婆姫(ラウラ)の実祖父であるウェルドさん――通称、かんむりじいさんだ。

 国王という責任ある立場に就きながら、息抜きと称して全ての適性ライフを極めた猛者。長い時間をかけたらしいが、ボクのように騒動に巻き込まれることなく自力で人類最高峰に至った彼の方の資質は、明らかにボクより上だった。もし、世界滅亡の危機が数十年前に起きていたなら、ここにいるのはボクではなくかんむりじいさんだったに違いない。

 

「ファンタジールに住まう者は皆、儂の後継足りうる素質を秘めた者ばかりじゃ。それを育てるも腐らせるも本人の努力と運次第……」

 

 そこで、『かみさま』は一旦言葉を切り、真剣な表情でボクを見つめる。

 

「ティア――否、ヘスティアよ。お主が儂の後継に至れたのは、お前さんの努力の結果じゃ。だから、負い目を感じる必要は無い。良いな?」

「……はい、ありがとうございます」

 

 

 

 やっぱり、『かみさま』は最高の師だと、この時ボクは思った。だから、ボクの本来の世界でも、『かみさま』の後継に恥じない生き方をしようと、そう思って、帰還して。

 

 

 

「右目が醜いから? そんな理由で実の子を育てないとか何考えているんだいヘラ? ポセイドンはいい加減諦めてくれボクはまだ結婚する気が無いんだ。ハーデスはせめてデメテルに許可を求めてからペルセポネを妻にしてくれよ、デメテルがいじけて仕事放棄したせいで世界が大変だったんだぜ? ゼウスも見境なしに女性と関係を持つんじゃない。は? ハーレムは男のロマン? そういうのは手を出した女性達とその子供達の面倒をしっかりと見れるだけの甲斐性を持ってからにしろこの色欲魔。その無駄に元気な一物削ぐぞ」

 

 弟妹達が揃いも揃って問題児ばかりで早々に挫けそうだよ……まぁデメテルは天然過ぎるだけだからまだマシだけど、もうファンタジールに帰りたい相棒(ユエリア)と冒険したい。でもそうしたら甥姪達の面倒を誰が見るんだって話になるから駄目だ、頑張れボク。

 ん? ポセイドン、ハーデス、ゼウス? どうしてそんなに顔が青褪めて……はっ、まさか体調が悪いのかい!? すまない気付かなかったよ直ぐエリクサーの用意をするからね!!




●ヘスティア
 皆大好きロリ巨乳紐神様。最新世界(ダンまち)の神として生まれたが、何の偶然か最古世界(ファンタジール)に転移し、その世界の人間として生きて、再び最新世界に転移した。最古世界にて『かみさま』の後継へ至った経験から、その立場に恥じないよう神生を歩もうとするが、弟妹達が問題児だらけで挫けそうになる。デメテルと甥姪達が癒しだったが、甥姪達が独り立ちしてからはそれも怪しくなってきた。
 甥姪達の得意技能の基礎は、全部こいつが叩き込んだ。そのせいか、養い親であることも相俟って、崇拝に近い尊敬を抱かれ懐かれている。甥姪達が独り立ちした後は、それまでの忙しさの反動からグータラ駄女神と化すが、面倒見が良いため有事の際には駆り出される最後の切り札的立場に収まった苦労人。
 ゼウスらと共に下界に降りるも、自分のファミリアを立ち上げることなく、世界中を気ままに放浪してはオラリオに帰り、弟妹や甥姪の所に居候を繰り返していた。だが、ゼウスとヘラがオラリオから追放されたのを機に、両ファミリアの遺された子供らを保護するために【ヘスティア・ファミリア】を立ち上げることになる。
 悪化するオラリオの治安をアストレアと共に最低限維持させ、家族を亡くして不安定な状態である眷族をフォローし、ロキ・フレイヤ両ファミリアを潰しヘスティアをトップに据えようと画策し始める古参中堅ファミリアを運営している血族達を抑えるといったオーバーワークの末に爆発。下界に降りてから五十年と経っていない新参神のロキとフレイヤをひっ捕まえ、オラリオのルールとトップファミリアの義務と責任を三日間休みなしでとつとつと叩き込み、二柱を涙目にさせたのは最早伝説となっている。因みに、オラリオや眷族が正常化したら再びグータラ駄女神に戻った。
 神の力は封印されているものの、LV7相当の実力があるため、基本無害だが怒らせてはならない神筆頭。最古世界の相棒の影響で、無自覚に歯に衣着せぬ物言い(どく)を吐く。
 興が乗った時に露店を開き、気分転換で作った家具・小物・付与なし衣服・手軽に作れる軽食を売っては一時間もしない内に完売するため、懐は常に余裕がある。また、作った武器・防具・装飾品・付与あり衣服はほぼ死蔵しており、薬の類いは緊急時以外では一切人に使おうとしない。
 普段は中堅ファミリアの主神にして駄女神、極希に裏ボス化するロリ巨乳はこいつです。

●ヘスティア・ファミリア
 来る者拒まず去る者追わずがモットーの中堅ファミリア。衣食住が満たされた善人であれば必ず守れる規律に従ってさえいれば、何をしても問題がないとても緩い組織。組織と言うよりは、血の繋がらない家族、孤児院みたいなファミリア。
 眷属が望めば、改宗(コンバージョン)もあっさり認められるが、何だかんだいってヘスティアに恩がある子が多いせいか、出向者や一つの道を究めたい者以外に改宗する者は滅多にいない。主神の考えの下、団員は全員戦闘以外にひとつ以上の製作職活動に従事しているため、冒険者を辞めても職に困ることは無い。
 子供や人族、小人族が大半を占めており、最古参の団員(5人)はレベル5に達している。

●ヘスティアの弟妹、甥姪
 神界時代、時に厳しく時に優しく接し、導き、見守ってくれていたヘスティアを、皆が皆慕っており、沢山甘えて頼りにしていた。だが、子育てを終えて駄女神化したヘスティアを見て、もしかして自分達はヘスティアに甘え過ぎていたのではと思うようになり、なるだけ彼女に甘えないよう自分で出来ることは自分でやるようになる。が、何だかんだで最終的に頼る辺り、まだまだ甘えている。
 ヘスティアが不利益を被った瞬間バーサク化し、その度にヘスティアから宥められる(因みにヘスティアが宥めていなかったら、神界時代にアポロンの存在を確実に抹消していた)。未だに駄女神でグータラしているヘスティアに呆れつつ、甘えてくれることに喜びを感じている辺り、相当ヘスティアに甘い。でも、ヘスティアの胃痛の原因は大体こいつら。

●ロキ、フレイヤ
 黒竜討伐に失敗し主戦力を失ったゼウス・ヘラ両神のファミリアを壊滅させた後追放。その後オラリオのトップに立ったものの、下界に降りてから五十年も経っていない新参神だったので、オラリオのルールや暗黙の了解等を完全には理解しておらず、トップファミリアの義務を果たさなかったため暫く古参かつ中堅ファミリアの主神達から総スカンを喰らった不憫な二柱。尤も、追放するのは構わないが引き継ぎのために暫くオラリオに滞在させてくれというゼウスとヘラの懇願を突っぱねたため、割と自業自得なのかもしれない。
 基本的に裏表がなく子供っぽい駄女神なヘスティアに、無表情かつ淡々とした口調で、オラリオのルールを三日間休みなしで叩き込まれた上に毒を吐かれ続けたせいで、心をへし折られた過去を持つ。だがその後僅か半年で、(ヘスティアのフォローがあったものの)オラリオのトップファミリアの主神として相応しい成長を遂げた。
 何だかんだ言いながら自分達のフォローをしてくれたヘスティアを気に入り、もっと仲良くなりたいと思っているが、ヘスティアの血族や眷属がそれとなく邪魔して上手く事が運べないでいる。あのデメテルですら邪魔する時点で、二柱はもう諦めた方が良い。

●FLL(ファンタジーライフ リンク)
 3DS専用ソフトで、MMORPG+どう森のような、長く楽しめるゲーム(主観)。
 温かくて優しい世界観であるため小さい子供にお勧め。やり込み要素が沢山あるため、大人にもお勧め(ステマ)。
 12の職業(ライフ)を自由に選び、貴方だけの冒険を楽しもう!

職業(ライフ)ランク(FLL)―レベル(ダンまち)
・かけだし―レベル1
・いっぱし―レベル2
・うできき―レベル3
・たつじん―レベル4
・マスター―レベル5
・えいゆう―レベル6
・でんせつ―レベル7
・神みならい―レベル8
・ゴッド―レベル9

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