ネタ色々詰め合わせ   作:歌猫

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【はじめに】
歌猫はwikiや二次でしかダンまちに触れていません。
それでも読んでやんよとおっしゃってくれる方はどうぞ。

↓ ↓ ↓

ベル強化物、モンハン世界のベル君がダンまち世界のベル君に転生。
ベル君可愛がられもの、ベル以外にもモンハン世界からの転生者有の予定。
一応R-15指定。
●所属ファミリアーヒロイン
・ヘスティアー未定
・ロキーアイズ(確定)
・フレイヤー未定


クロスオーバー
【MH4G→ダンまち】ベル強化物


(…………困ったなぁ)

 

 生まれて初めて潜ったダンジョンの五階層目にて、僕ことベル・クラネルは、ちょっと困ったことに瀕していた。

 目の前には身体のあちこちから血を流し、満身創痍ながらも未だに闘争心を失っていない牛の頭を持つ人型モンスター。逆に僕は、体力は消耗しているものの怪我は掠り傷程度で余裕はあるが、長年愛用していた短剣は壊れてしまい、今まで倒してきたモンスター達の魔石を入れていた麻袋を利用した打撃武器も破れて使い物にならなくなった。愛用のポーチに入っている道具も砥石やランタン、自作の閃光玉やこやし玉等といった、殺傷力の無いものばかりで、もう僕からこのモンスターへ攻撃する手段は残されていない。

 こんな状況なのだから、逃げるのが正解だろう。実際機動力を削るために執拗に足を攻撃したから、間違いなく逃げ切れる。あのモンスターの出血量からしても、僕が逃げてもそそまま死ぬだろう。だけど、万が一にでも生き延びてしまった場合、このダンジョンを利用する人達に迷惑がかかってしまう。

 それが嫌だから無手の状態になってもこうして対峙したまま、死ぬのをまだかまだかと待っているのだけれど。

 

「…………お腹空いたなぁ」

 

 そう呟きながら、モンスターの攻撃を紙一重で避けて背後に回る。ちょっと前ならここで蹴りが来ていたが、僕の攻撃でモンスターの足はもうボロボロだし、足元には今まで集めた魔石が散らばっているから、こけるのを警戒してか撃ってこない。実際それで一回こけて、体勢を立て直す前に僕に素手で右目を抉られてしまったことが効いたようだ。ついでにそのまま戦意を失ってくれると有難かったんだけど、物事はそう上手く事を運ばないらしい。

 僕は小さく溜息を吐きながら、僕は今までのことを思い返した。

 

 

 物心ついた頃から、僕には今とは違う別の記憶があった。武器を持ち防具を纏い、己が身一つで何十倍もある大きさのモンスターを狩る、ハンター達が活躍する記憶だ。その記憶の中で僕は、恐れ多くも最年少のG級ハンターとして有名になり、そして呆気なく死んだ。まぁその辺りは割愛するとして、総括しても短命だったけど悪くない人生だったと思っている。そして今生もきっとハンターを目指すだろうなと思っていたら、どうやらこの世界にはハンターが存在していないらしい。それどころか、僕の知るモンスターは一切存在していなかったことに目を剥いたのは、昨日のことのように覚えている。

 その代わり僕が目を引いたのは、唯一の肉親であるおじいちゃんが教えてくれた冒険者の生き様だった。魔物と戦い、世にも恐ろしいダンジョンに挑み、財宝を手にし、剣を振るい、魔法を撃ち、仲間と共に苦楽を共にし、心躍る冒険をする。そんな冒険者達の冒険譚はハンターに負けず劣らず魅力的で、僕が冒険者になりたいと思うのに、そう時間は掛からなかった。

 十五歳になってから世界で唯一ダンジョンが存在する都市オラリオへ行こうと思っていたら、その一年前におじいちゃんが死んだ。悲しかったけど、これもまた一つの転機だと自分に言い聞かせ、身辺整理をした後故郷を離れ、この迷宮都市オラリオへと辿り着いた。

 そこまでは良かったけど、路銀の底が尽き宿代どころか食事代さえままならなかったから、そのままダンジョンに潜りモンスターを狩ることにした。幸い携帯食もまだ残っていたし、ゴブリンやコボルトは狩り慣れている。二階層目からは外では見たことが無かったヤモリみたいなモンスターが出たものの、そう時間を措かずゴブリンやコボルト同様に狩れるようになった。だから、もうちょっとだけ先を見てみようかと欲を出した結果がこれだ。正直に言って、自業自得だったと今更ながら思う。常に冷静でいることを心掛けていたつもりだったけど、未知の場所に来たことに舞い上がっていたらしい。

 ちょっと、反省。

 

 

 このままこのモンスターが死ぬまで時間を稼ぐことしか、今の僕には出来ない。けれど、僕の今の身体能力はハンターの時と雲泥の差だし、隙を見て食い繋いできた携帯食も水も品切れだ。目の前のモンスターがどれだけタフな存在なのか分からないから精神的疲労は半端ないし、時間の掛けすぎで他の人がやって来る可能性もある。

 

(このモンスターを倒せる人なら問題ないけど、そうじゃなかったら大変なことになる……)

 

 このモンスターの戦闘力は、明らかに僕が今まで倒してきたモンスター達が束になっても敵わないレベルだ。それがどうして五階層で出現するかは分からないし、もしかしたらこれがこのダンジョンの当たり前のことなのかもしれない。けれど、万が一のことを考えると、このモンスターを四階層に上げさせる訳にはいかないと思うのは当然のことだった。

 モンスターの攻撃を切り抜けつつ、僕よりも弱い人は来るなと念じているのは、僕にこのモンスターを仕留める手段が時間以外に無いからだ。現状、四階層に上がらせないために足留めするので精一杯の身である。それ以外を気にかけ、護りきる自信は、今の僕にはなかった。

 僕がバテるのが先か、モンスターが出血多量で死ぬのが先か、或いは第三者が介入するのが先か。

 

「え……?」

 

 答えは、最後のものだった。

 目の前で八つ裂きにされたモンスター、その血を被り真っ赤に染まる僕、そして――

 

「…………大丈夫ですか?」

 

 ――それを成したと思われる、剣を片手に長い金糸の髪を棚引かせた、神秘的な美しさを持った女の子。その可憐さに目を引かれ、助かった実感を覚えた頃には、その人は僕の近くまて来ていた。

 

「――――っだあああああぁぁぁあああああ!?」

 

 彼女のような人に慣れていない僕は、気恥ずかしさのあまり彼女から離れるために後ろへ飛び退る。普通ならそれで問題なかったけど、場所と僕自身の状態が不味かった。

 

「あ……」

 

 それに気付いた時には、もう後の祭。怪我は少ないものの大分疲弊している上にモンスターの血でずぶ濡れになっていた僕は、飛び乗った階段から足を滑らせ後ろに倒れる。

 

「あだっ!?」

 

 我ながら締まらないなぁ、なんて思いながら、後頭部を強打した僕はそのまま意識を失うのだった。

 

 

          *   *   *

 

 

 助けた少年が目の前で気絶してしまった。しかも、自分が近付いた結果そうなった。その事実に、彼女――【剣姫】アイズ・ヴァレンシュタインは思わず途方に暮れた。レベル2のミノタウロスを相手に、ソロかつ無手で無駄なく洗練された動きを見せていただけに、その衝撃は大きい。そして、あの白兎のような少年にとって自分は、大きく飛び退ってしまうほどに恐ろしく映ったのだろうかと、内心でとても落ち込んだ。

 

「これは凄いな……」

 

 そんな彼女の耳に、彼女が所属するファミリアの団長である小人族の男性の呟きが届く。彼の方へと顔を向けると、彼の視線は今しがたアイズが絶命させたミノタウロスの死体にいっていた。確かに、と、アイズもまた死体を見て同意する。

 アイズが切断した部分は置いておくとして、ミノタウロスの状態は無残なものだった。鈍器で割ったのか角は両方ともひび割れているし、右目があるはずの眼窪からは引き千切られた神経が飛び出ている。体の方も綺麗な傷ではないが、血が多く出血する急所を的確に傷つけ抉っていた。極めつけはその両足。傷ついている箇所なんてどこにもないのではないかと言わんばかりのおびただしい傷から、死してなお血が流れ続けている。

 ただ、それらの傷は全て深いものではない。実際、件の少年が使用したと思われる短剣は、ギルドから支給される短剣よりはマシ程度の品質でしかなかったのだから当然とも言えるのだが、それでも、その程度の短剣であのミノタウロスにこれ程の傷を負わせる冒険者の話は、今まで見たことも聞いたこともない。そんな風に観察していると、ミノタウロスは魔石とひびの入った角だけを残して灰となった。

 

「鈍器の正体は恐らく、一面に散らばっている魔石じゃな」

「あ? こんなちんけな魔石をいくら投げようが、ミノタウロスの角にひびを入れられる訳ねーだろうが。どこぞのアマゾネスでもあるまいに「何か言ったかしらベート?」――いででで!? 引っ張んじゃねぇよこの馬鹿力女ァ!!」

 

 狼人の男とアマゾネス姉妹の姉の険悪な言い合いをスルーし、小人族はボロボロに破れ血に染まっている麻袋を手に取る。

 

「多分、この麻袋を利用したんだろうね。魔石を詰めて振り回せば結構な威力になるよ」

 

 尤も、それだけであんなことが出来るとは到底思えないけど、という小人族の言葉に、一同が沈黙したその時、

 

 

「あああぁぁぁぁあああ!?」

 

 

 仲間の一人である、アマゾネス姉妹の妹が驚いたように大声を上げた。少年の治療をしているハイエルフの女性の制止も聞かず、ミノタウロスの血で真っ赤に染まっている少年を隈なく見聞している。

 

「やっぱりだ! うん、絶対そうだよ!!」

「静かにしろと言っているだろう!!」

 

 ハイエルフの怒気を意に返さず、アマゾネスは自分の姉と、鈍器に関する考察をしていたドワーフの男のみが理解できる単語を発する。

 

「ティオネ、ガレス! この子、『ちびウルク』君だよ!!」

「何だって!!?」「何じゃと!!?」

 

 慌ただしく件の少年の許へ向かうドワーフとアマゾネスに呆気に取られる中、三人は喜びと驚きがない交ぜとなった雰囲気で騒ぎ立てる。

 そんな騒がしい中でも、件の少年は目を覚ますことが無かった。

 

 

 

 これは、かつて英雄と呼ばれたハンターが英雄と呼ばれる冒険者に至るまでの、一つの【物語(ミィス)】である。




●ベル・クラネル(MH4G)
 幼い頃から伝説のハンターだった祖父の話を聞いて育ったためハンターに憧れ、ハンターになった白髪赤目の少年。性格はダンまち原作から異性に対する憧れを引いた感じだが、やっぱり年上の女性に弱い。
 ダレン・モーランを協力して撃退した縁で、新人ながら『我らの団』専属ハンターになる。そのまま堅実にハンターとしての経験を積むと思いきや、数多のトラブルに巻き込まれ、その都度必死で乗り越え段々飛びでランクアップせざるを得なくなった、ある意味可哀想な子。
 でもその結果が歴代最年少かつ最速のG級ハンター昇格であったため、「確かに大変だったけど、『我らの団』のハンターになれて本当に良かったです」と純粋な笑顔で口にしては、男女問わず皆から頭を撫でられ可愛がられた。
 G級になって直ぐの秘境の探索依頼で金銀リオ夫婦と激おこラージャン最大最小コンビに腹ペコジョーと最大シャガルに遭遇。逃げようにも逃げられなかったため、この情報をオトモアイルー(新人時代からの相棒)に託して逃がし、自分は囮を買って出、激闘の末死亡。
 享年十七という若すぎる死だった。
 集会所で仲良くなった先輩ハンター達からは、ちびウルク(ウルクスス:白兎な大型モンスター)の愛称で親しまれ、可愛がられていた。

使用武器:双剣、片手剣、操虫棍(補助として各種投げナイフ)

●ベル・クラネル(ダンまち)
 基本原作通りだが、ハンターとしての経験があるせいか、モンスターに対して怯まないし、未見の相手でも用心深く観察しながら戦う癖がついているせいかかなり強い。最強ではないが、【神の恩恵(ファルナ)】を貰っていない状態かつギルドから支給される短剣よりは良い程度の短剣でミノタウロスを瀕死まで追い詰めた時点でお察しください。

使用武器:短剣、双剣(補助として各種投げナイフ)

●スキル【怪物狩人(モンスターハンター)
 モンスターと対峙した時のみ発動、全ての基本アビリティが倍になる(スキル発動時のみ上限突破可能)。モンハン世界でハンターをしていた者は全員、【神の恩恵】を得た際に発現する。

●ベルのお相手について
 兎系純朴少年とクール系天然美少女のカップリングが好きなためアイズ一択に絞りたいが、ロキ・ファミリア以外では(主神的意味で)不可能なCPなので、ロキ・ファミリア以外のファミリアでのヒロインは未定としている。

●モンハン世界からの転生者
 モンハン世界でベルに関わった先輩ハンター達が大体転生する。老若男女関係なくベルを可愛がっていたため、モンハン世界でのベルの死を悔やんでおり、ダンまち世界でのベルの冒険を心配しつつも見守っている。善人は基本的に原作通り、悪人は善人化する過程で多少の差異はあるものの所属ファミリアは原作通り。全員が上級冒険者であり、事ある毎に全員で集まって飲み会する程度には仲が良い(但し、一人は場所的に参加できず)。
【転生予定者(増減する可能性有)】
ガレス、ティオネ、ティオナ、椿、オッタル、ガリバー兄弟、ザニス、アイシャ、リュー、マリウス、アリーゼ

●ベルの所属ファミリアについて
 階段に後頭部をぶつけて気絶したベルをロキ・ファミリアが拾ったため、ティオナはそのままベルを自分のファミリアに入れようとするが、他転生者のことを考えたガレス、ティオネがこれに反対。飲み会にてベルの所属ファミリアを決めようとし、その際に自身のファミリアの特徴から椿、ザニス、アイシャは辞退。ロキ・ファミリアとフレイヤ・ファミリア(のハンター転生者)の間で勝負事に発展。ロキ・ファミリアが勝った場合はロキ・ファミリアに、フレイヤ・ファミリアが勝った場合はフレイヤ・ファミリアに。三日間に渡って決着が付かなかった場合はベルが眷属を探していたヘスティアに偶然会うため、ヘスティア・ファミリアに所属することになる。勝負内容は未定だが、割と平和的にする予定。

※アストレア・ファミリアの存亡は未定だが、存続していたとしてもベル争奪戦参入する気は無い。因みにアリーゼの生死も未定だが、(ファミリアが壊滅しかつ)存命した場合はリューと共に豊饒の女主人の所で厄介になるか、他のファミリアに入団すると思われる。

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