ゼロの使い魔で割りとハードモード   作:しうか

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 お待たせしました? なんかノリノリで書いてたら長くなっちゃった(テヘペロ
それではどうぞー!


23 交渉というもの 後編

 少し考えをまとめよう。王宮の勅使であるモット伯が学院へ何かの用事で訪問した際、シエスタに出会ったのだろう。彼はいたくお気に召したようで、王宮の勅使という権限を使いカスティグリアを脅してまでシエスタ獲得に乗り出した。

 

 学院長室で彼女の入れた紅茶が出された形跡は見られない。となると、夜のお世話込みの雑用係として雇いたいのだろうか。もし彼が女好きでその方面でシエスタを欲しているのであれば少々もつれるかもしれない。

 

 しかし、カスティグリアを巻き込むというのであればこちらも覚悟を決める必要があるようだ。ふむ。また彼女を泣かせることになりそうだが、まぁ今回もお見逃し願うとして、

 ―――さて、往こうか。

 

 「シエスタ、俺は今まで貴族の誓いを破った事はないが初めて破る事を決めた。クロア・ド・カスティグリアは“君に手を出さず、誰にも手を出させない”という誓いを只今を持って破棄することを宣言する。君に立てたこの誓いを貴族であるこの俺が守り続けられなかったことは本当にすまないと思っている。」

 

 と言いつつ持ってきた羊皮紙をパラパラめくる。横ではシエスタが涙声で「いえ、ご迷惑をおかけしました」と言った。

 

 「ふむ。まぁ今回のことは大目に見ようではないか。カスティグリア卿のご子息もトリステイン貴族のあり方というものがわかっているようで関心したぞ。」

 

 羊皮紙の目的の紙を探しているので表情はわからないがモット卿は嬉しそうだ。しかも、何か知らないが大目に見てもらえる上に関心されたようだ。あまり嬉しくないがね……。

 

 目的のページに書かれている文章やサインを確認したあと、そこのページを開いたままシエスタに関する書類の束を後ろにいるクラウスを見ることなく渡す。

 

 「シエスタ」と、言いながら背もたれとシエスタの腕に捕まり、立ち上がるとシエスタが涙を流しながらこちらを見た。いやはや泣かせてしまって本当にすまない。

 そして彼女の肩に手を乗せ、彼女の頬に触る。涙に濡れた柔らかい感触が手に伝わり、少しドキドキしてきた。

 

 「本当にすまないね。シエスタ、大好きだよ。」

 

 シエスタは俺の目を見つめながら今にも泣き叫びそうなのを我慢しつつ涙を流している。頬に添えている手に彼女の手が添えられた。

 

 ―――そして片手で彼女の顔を少し引き寄せ目を瞑り、彼女の唇に自分の唇を重ねた。

 

 クラッとしたができるだけ彼女の柔らかい唇と頬の感触を意識しないように目をギュッと瞑って耐える。そして3秒ほどキスをして唇を離し、シエスタの顔を見ないよう顔を逸らしてからそっと少し目を開け、先ほどまで座っていたソファに崩れ落ちるように座った。

 

 「じ、次期当主、クラウスよ。成立したかね?」

 

 ぜぇぜぇという荒い呼吸をしつつモット伯の目を見ながら後ろに立っているはずのクラウスに声をかける。モット伯は何が起こったのかわからないような驚愕の表情を浮かべシエスタを見ているようだ。

 

 「に、兄さん!? えー、あー、なるほど、これか。んんっ。カスティグリア家次期当主クラウス・ド・カスティグリアは契約が成立したことによりタルブ村のシエスタがクロア・ド・カスティグリアの介助要員兼側室候補に任命されたことをここに宣言する。

 シエスタ、こんな状況ですまないね。君の身分は一応今のところ平民のままだが、これからはタルブ村のシエスタではなく、カスティグリアのシエスタになることが本日付け(・・・・)で決まった。まぁまだ候補だけどね。」

 

 クラウスの驚愕のあと真面目な貴族の仮面を被ったクラウスの宣言が部屋に響いた。途中から脱力したような感じになり最後の言葉はボソッと言っただけだったが……。

 シエスタは色々とショックな事が立て続けに起こり混乱したのだろう。「え? え?」という戸惑ったシエスタの声が聞こえるが今確認するのは大変危険だ。交渉中だからして、今倒れてクラウスに預けるわけには行くまいて。

 

 「モット伯。いやはやお知らせするのが遅れて真に申し訳ない。実は本日付けですでにシエスタは俺の側室候補になっていた(・・・・・)のだよ。まだ俺は婚約者がいる身で正式に結婚していないから候補止まりなのだがね? まさか王宮からの勅使殿が俺の側室候補を横取りなどすまいね? むしろそのような話をこちらの耳に入れただけでもカスティグリアを侮辱していると取られてもいたしかたあるまいよ?」

 

 曖昧な権力をくだらないことに使い、カスティグリアを脅し、俺に誓いを破らせ、先行きは俺の寿命次第という不安定なシエスタの将来を俺に決断させ、シエスタを泣かせた代償を支払っていただこう。

 

 「き、貴様ら。そ、そのようなことが通るはずなかろう! 馬鹿にしてるのか!? 勅使に対しての無礼だけでは済まんぞ? この事は必ずカスティグリアに―――」

 

 「よろしい。トリステイン王宮勅使殿のご用件はこのクロア・ド・カスティグリアが完全に承った。証人はこの場にいるカスティグリア次期当主のクラウスとトリステイン魔法学院学院長のオールドオスマンでよろしかろう? ではお引取り願おうか。」

 

 完全に激昂したモット伯に対し、そっと杖を抜くことなく握り恫喝する。モット伯は宮廷の勅使なだけあってこちらが恫喝したことで頭が少し回ったのだろう。少し引きつった笑顔でこちらに問いかけた。

 

 「杖を抜く気かね? やはりカスティグリアは田舎で野蛮な者が多いようだ―――。しかし、まぁ、待ちたまえ。参考までにこれからどうするつもりなのか聞いておこうではないか。」

 

 別段答える必要はない。杖は相手が杖をこちらに向けた瞬間にダミーで抜いて相手の杖を吹き飛ばす準備をしているだけだ。だがまぁ、向こうも落としどころを見つけようとほんの少し歩み寄ったようだし、こちらも極わずかだが歩み寄ろう。

 

 「別段答える必要があるとは思えませんが、勅使殿の職分でしょうからな。参考までにお伝えしておきましょう。

 トリステイン王宮の勅使であるジュール・ド・モット伯爵がマザリーニ枢機卿を始め、カスティグリア伯爵や次期カスティグリア伯爵、次期モンモランシ伯爵である婚約者殿とその父上であるモンモランシ伯爵、ついでに両家の伯爵夫人と俺や姉のサインが入った『シエスタを俺の介助要員兼側室候補に認める』という契約済みの書類にケチを付け、その契約済みの書類に関して異存がありカスティグリアに正式に抗議すると宣言されましたからな。

 当然、こちらもトリステイン王宮がどのような権限、意向でこのようなことをこちらに要請したのか理由くらいは直接問い合わせるべきでしょう? マザリーニ枢機卿のサインまで入っているのに王宮の勅使殿が抗議に来たわけですからな。ああ、お気になさらず。王宮には両親がおりますし、風竜を使えば確認までそんなに時間はかかりますまい。クラウス、風竜の準備をしたまえ。時間がかかるようならタバサ嬢に協力を要請することになるかもしれん。」

 

 モット伯は目に見えて焦り始めた。恐らく自分の勅使という身分だけでねじ伏せるつもりだったのだろうが、今やその身分に伴う権力が彼の首を絞め始めている。クラウスはブラフだと気付いているのだろう。「わかったよ、兄さん」と言って持っていた書類を確認しながら丁寧にまとめ、不自然でない程度にゆっくりと部屋の出口へ向った。いや、まぁ実際実行してもあまり問題はないだろう。トリステイン貴族が一人消えるだけだ。

 

 「ま、待ちたまえ! どうやら誤解があったようだ! クラウス殿、まだ問い合わせる必要はない。クロア殿、どうか弁解の機会をいただけないだろうか。」

 

 モット伯の顔色はすでに青くなっており、必死にクラウスを止め、丁寧語が出てきた。どうやらようやく交渉する気になったようだ。

 

 「ふむ。誤解ですか? 確かに誤解でこの時期に内戦が勃発するのはトリステイン王国にとってもよくありませんな。クラウス、すまんね。一度戻ってくれ。」

 

 そう言ってクラウスを呼び戻し、背もたれに寄りかかったあと首を少し傾げて軽く手を振りモット伯に続きを促した。

 

 「まず最初に私は確かに王宮の勅使として学院を訪問したが、この件に関して王宮に関わりがないことを明言しなかった事については申し訳ないと思っている。しかし、勅使として学院を訪問している以上、この件に関しても勅使として対応されるべきであることはご存知のはずだ。」

 

 勅使が安全に職務を遂行できるよう、前世の記憶にかすかにある外交特権のようなものがあるのだろうか。ぶっちゃけハルケギニアの国際法やトリステインの法律はほとんど知らない。恐らく接待国の保護義務や身体の不可侵程度であろう。というか国内法はトリステインの司法権を司る「高等法院」の長である賄賂に弱いリッシュモンがモリモリ法律を書き換えていてもおかしくないのであまりアテにならない。

 

 「ふむ。生憎と法律関連は不勉強でしてな。迎える側の保護義務や勅使殿の身体の不可侵あたりだと想像したのですが、他に権利が認められているのですか?」

 

 「ほぅ。ご想像の通りだ。そして、それらに付随する形で勅使には可能な限り便宜を図ることや、超法規的な行動が許可される。といったものがある。」

 

 恐らく嘘はないだろうが、ニュアンスの違いなどで攻められないのが厳しいかもしれない。チラッと隣に座るオスマンを見るとこちらに気付いたのかわずかにうなずいた。まぁ付随する形でと言ったので先の二件が侵害されそうな時の保障や外交においての治外法権関連だろう。でもまぁ、簡単に戦争や内戦、紛争が頻発する世界だ。情勢や国力次第ではあるのだろうがね。

 

 「それで今回その権利を行使すると? なるほどなるほど。つまり保護義務のある学院長や学院にも迷惑がかかるだろうから見逃せということですかな?」

 

 「うむ。話が早くて助かる。こちらも誤解を生み、そちらを誤解していたことを認め、シエスタ嬢に関しては今後一切関知しない。それで手打ちにしようではないか。」

 

 そうモット伯は笑顔でこちらに提案した。まぁ恐らく平和的に杖をおさめるならこれが一番なのだろうが、それにしては向こうの譲歩が少なすぎる気がする。後ろにいるクラウスを見るとかすかに笑顔を浮かべて少しうなずいた。横のオスマンを見るとホッとしたような顔をしている。今日誕生したばかりの側室候補殿を見ると未だ混乱中のようだが、事態が好転したのがわかったようでこちらを見てニコッと笑った。

 

 くっ、シエスタ……お前もか……。しかし今は交渉中だからして、極力彼女は意識から外そう。

 

 「あはははは! ごふっ、ぜぇぜぇ……、勅使殿、あまり笑わせないでいただきたい。病み上がりの身体に響きますからな。」

 

 シエスタからのダメージのタイミングを何とかずらし、違和感を与えることなく相手を恫喝する。ここからは相手の譲歩というか相手が受け入れられる謝罪や罰則の許容範囲を見極める必要が出てくる。身体を背もたれから起こし、少し前傾になりこの赤い目を見開く。威圧と表情を読むためだったのだが、モット伯の顔がよく視えるようになったようだ。

 

 彼の笑顔の貴族の仮面の下にある、提案を蹴られたことによる驚愕がはっきりと視える。そして視えたことが嬉しくて自然と顔がニヤけるのが止まらない。耐えに耐え、待ちに待った攻撃する機会がようやく回ってきたのだ。もはや抑える必要もなかろうて。

 

 「まだ少々誤解があるようですな、モット伯。なるほど、俺はよく知らないがカスティグリアは成金貴族、田舎貴族、確かにそうかもしれない。そのことに関しては俺も異存は無いがね?

 しかしだね、モット伯。モットは勅使を任されるほどの由緒ある都会貴族なのだろう? こちらが受けた損失に対する賠償くらいなら多少見逃してもいいかもしれないがね? 最低限、正式な謝罪と今後このようなことが起こらないよう、対策を立てるくらいのことはしていただきたい。」

 

 こちらの要求を曖昧に伝え、どこまで出すか考えさせる。モット伯はこちらの挑発と強気な態度をいぶかしみながら裏で一応計算を始めたようだ。こちらとしては書面での正式な謝罪と、本来シエスタが学院や俺の介助で得るはずだった実家への仕送り分の給金と、今後モット家がシエスタの平民の親戚や学院に勤務している平民に手を出さなければ問題ないような気がする。 

 

 「ああ、学院には悪いがね? あなたなら解ると思うが、もはやこれは外交交渉になったようだよ、オールドオスマン。」

 

 オスマンを横目で見ながらそう言うと、「じゃから、穏便にと言ったじゃろぅ」と小声で言ってため息を吐いた。「穏便に済むかは相手次第ですね」という意味を込めて少しだけ口を吊り上げる。

 

 「クラウス、お前の権限で宣戦布告と同時に風竜隊や火竜隊は出せるな? 

 ―――さぁモット伯。相手が落ちた学院の門弟風情で悪いが勅使の本領を存分に発揮する機会が来たようだ。王宮勅使殿のお手並みを拝見させていただこうか。

 ああ、モット伯、一応忠告しておくがね。モット領がどこにどの程度存在するのかは知らんが、もの別れに終わったら全てが灰になることを覚悟したまえよ? まぁその程度の覚悟は最初からお持ちだろうが、俺も覚悟は出来ている。そう、おっしゃる通り、カスティグリアには野蛮な者が多いようですからな。」

 

 後ろを向いてクラウスに確認すると、わずかにうなずいた。い、いや聞いたの俺だけど出せるんだ!? ブラフですかね? マジでクラウスそんな権限持ってるの? い、いや、交渉に合わせてくれているだけだろう。きっとそうに違いない。覚えていたらあとで聞いてみよう。

 

 そして再びモット伯に向き合うと、何やら色々と彼の中で符号が一致したのか、目に見えて怯えだした。風石を担保に金融業でもやっていると思ったのかね? トリスタニアにいる人間のカスティグリアの認識はそのようなものだったのかね? あまりに自分を基準に考えすぎではないかね?

 

 実際モットと内戦になっても一週間もかからないだろう。しかも艦隊や竜部隊の実弾訓練にしかなるまいて。恐らく現在カスティグリアやモンモランシの竜関連の部隊を指導しているのは、出るかもわからない風石が産出されるまで地中奥深くに無誘導爆弾で精密爆撃し続けた経歴を併せ持ち、トリステインの空なら敵がいないと公言してしまうようなアグレッサー部隊だ。

 

 そんな部隊が育てた竜部隊を連れた艦隊が到達したらモット伯の屋敷など3分も経たずに更地になるだろし、小さい領地なら丸ごと更地になってもおかしくない。まぁ敷地の規模にも寄るが、あのフーケのゴーレムを消滅させたくらいだ。屋敷くらいなら俺でも一人で時間を掛ければ出来そうではある。まぁ風竜隊がいないとだどり着けんがな。

 

 「ク、クラウス殿? まさか本気ではなかろう? トリステイン王国の貴族同士で内戦など……。」

 

 モット伯が少し腰を浮かし、クラウスに訴えかける。

 

 「いえ、モット伯。残念ながら本気です。私は基本的に兄の味方ですからね。しかも今回の件は兄が覚悟を決めたのであればモンモランシはともかくカスティグリアとしては追従するつもりです。

 今回のトリステイン王国内での内戦に関してはご安心ください。恐らく一日でモット領は全て更地になりますし、カスティグリアの部隊にはよい実戦訓練になるでしょう。モット領はあまり人間がいない割りに立派なお屋敷があるとお聞きした事がございます。よい訓練場になりそうですね。

 ああ、そうでした。その際の戦費などはモットは当然のことトリスタニアにも請求いたしませんので国力を激しく落とすこともないでしょう。」

 

 おっと、まさかのクラウス君からの援護射撃が入った。もしかしてカスティグリアが好戦的なのは父上もクラウスも遺伝なのだろうか。そして、俺にも遺伝しているのだろうか。いや、俺はできるだけ話し合いで終わらせようとしているはずなのだが……。

 

 しかし、一週間だと思っていたら一日で終わるのか。「一日内戦」とか後日言われるのだろうか。「一日艦長」みたいな響きだな。

 はっ! もしかしてこの内戦でちょっと艦隊にお邪魔して安全そうな旗艦に乗り込めば軍役ポイント付くんじゃね? 一日くらいなら従軍できるんじゃね? 完全に諦めていたシュヴァリエ資格が貰えちゃったりするんですかね? 夢が広がりんぐですね。

 

 俺もちょっとやる気出てきましたな。もしかしたら軍役ポイントをたった一日で稼げるチャンスですからな。ふむ。せっかくだからちょっと聞いてみよう。

 

 「そういえばクラウス。確かシュヴァリエ授与資格の条件に軍役に就くというものが追加されたと小耳に挟んだのだがね? 今回の内戦で俺もフネに乗せてもらえればこの『軍役に就く』というものは達成されるのかね? 一日で終わるのであればぜひとも実績を積んでおきたいのだがね? いやむしろそれならモンモランシーやシエスタ、ルーシア姉さんも連れて行くかね?」

 

 後ろにいるクラウスに振り向いて尋ねると、「ああ、なるほど」といった顔をした。

 

 「そうだね、兄さんは身体が弱いからね。内戦とはいえ軍事行動での戦闘行為だから実績になるんじゃないかな? その辺りはマザリーニ枢機卿に聞いてみようか。確かに僕もそれなら今後無理やり徴兵されて前線に出る必要も長期間戦場に拘束されることも無くて済みそうだね? それにシエスタ嬢のような女性でも軍役に就いた実績がもらえるとしたら戦費を出してもお釣りが来るかな?」

 

 クラウスがとてもいい笑顔で賛成してくれた。そして再びモット伯の方に視線を戻すと、何か俺とクラウスとオスマンを驚愕した顔で順番にキョロキョロ見ていた。ふむ。よく考えたらいい手かもしれない。さっさとこの話も終わるしシエスタの紅茶にありつける。ついでに後日軍役に就いたことがあるという実績がたった一日で付いてくる。

 

 「では開戦を「ま、待ってくれたまえ! カスティグリア殿! そちらの言う通り私はまだ誤解していたようだ。正式な謝罪もするし賠償金も出来る限り払わせていただく。今後一切カスティグリアに関わらないと誓おう。どうかそれで手を打っていただきたい!」……。」

 

 「してもいいかね?」とクラウスに聞こうとしたところで、モット伯が割り込んできた。クラウスと「クロア君シュヴァリエ獲得大作戦」について楽しく話していたというのに、モットおじさんに邪魔されてしまったようだ。しかし、せっかくシュヴァリエに推薦していただいている身、ここでさくっと軍役に就いたという実績を一日で取れば不可能に思えたシュヴァリエにも手が届く。

 

 いや、ぶっちゃけ名誉職みたいな物だし、お金を貰っても使う機会は来ないと思うが……。

 はっ!? そういえば以前モンモランシーとのトリスタニアデートをお金の問題で諦めたような……。

 

 内戦して貰っておくべきか? いやいや、せっかく折れてくれたんだ。現実的な話に戻ろう。

 

 「ふむ。そういえばそんな話でしたな。つい、将来いただけそうな資格で話が盛り上がってしまいました。なにぶん俺は病弱でして、シュヴァリエに推薦していただく機会があっても軍役に就く事はできないと諦めていたものでしてな。いやはや申し訳ない。では少々クラウスと相談させていただきます。失礼。」

 

 そう言って、ちょっと後ろを向いてクラウスに少し声を抑えて相談する。ぶっちゃけ適正な賠償額が全く解らない。そしてその賠償金の行方も今のところ不透明だ。次期当主殿と考えをすり合わせる必要があるだろう。まぁ賠償理由や金額を聞かれてもそれほど問題ないだろうから別室に移動するまでのことはしなくてもいいだろう。

 

 「クラウス、個人的に賠償金はこれからシエスタが稼ぎ、ご実家へ仕送りしていたであろう額を請求するつもりだったのだがね。どうやら怖がらせすぎてしまったようだ。あまり取りすぎても今後に差し支えるだろう。確かシュヴァリエの年金が500エキューあたりで四人家族の平民が余裕を持って暮らせる額だと耳に挟んだことがある気がする。これに対して20年分くらいでいいのかね? そこまで俺が生きられるとは思えんのでさすがに取りすぎだろうか。」

 

 そうなると、一万エキューほどになる。キュルケさんが買い叩いたシュペー卿の剣が五本分。デルフリンガーだと百本分。確かキュルケさんの剣一本で庭付きの立派な家が買えるとかそんな話もあった気がしなくも無い。やはり取りすぎではなかろうか。

 

 となると4年分くらいで二千エキューくらいか? 最初は吹っかけた方がいいというのがこのハルケギニアの常識みたいなことを聞いたことがあったような気がする。二千エキューを吹っかけて千エキューで収める感じだろうか。

 

 「ふむ。兄さんは本当に優しくて慎ましいのだね。恐らく今の状態なら十万エキューくらいまでなら向こうも安心して気持ちよく払うと思うんだけど、今回の被害者は今のところ兄さんとシエスタ嬢だけとも言えるからね。こちらとしてはシエスタ嬢関連の話が進んで逆にありがたいくらいだからそれでも構わないよ?

 ああ、彼女のご実家に送る支度金にしてもいいかもしれないね。それだと平民を迎える一時金としては破格の千エキューほどを考えていたのだけど、兄さんの言うとおり一万エキューほど送ってみようか? ちょっと反応が面白そうだものね?

 あと五千エキューほどいただいて、兄さんとシエスタ嬢のお小遣いにするといいんじゃないかな?」

 

 と、最後はにこやかに笑いながら提示してくれた。十万までいけるとかモット伯どんだけ金持ちなのかね!? 正直都会貴族舐めていたよ!? 一万でも取りすぎだと思っていたよ!? 正直千エキューくらいかなー? とか思っていたよ!? そ、相談してよかった。

 

 「あと彼は今後一切カスティグリアに関わらないと言っていたが少々言いすぎではないだろうか。同じトリステイン王国に所属する貴族同士で係わり合いがないというのは後々問題になるかもしれん。学院で働いている平民の女性を雇うための条項を厳しくしたり、今後シエスタのご家族に手を出さないという念書がいただければ良いと思っていたのだが、どうだろうか。」

 

 「ふむ。確かにそうかもしれないね。その方針で提案してみていいと思うよ。でも兄さん、軍役に就いたことがあるという実績はいいの? この前の件でシュヴァリエの推薦を貰ったってモンモランシー嬢から聞いたんだけど。」

 

 ふむ、シュヴァリエか。俺はモンモランシーに人生を捧げ、カスティグリアに生かされているようなものだし、ぶっちゃけ俺自身お金を使ったことも見たこともない。モンモランシーとのデート費用くらいしか今のところ必要性がない。年金を貰っても俺にかかる費用をカスティグリアにそっくり補填するかモンモランシーやシエスタに贈り物をするだけになりそうだ。

 

 しかし、よく考えると今後シュヴァリエである事を笠に着て威張り散らす平民が出てこないとも限らない。ぶっちゃけシュヴァリエ単体だと男爵未満なので原作のカトレア嬢のように、所持しているようならカスティグリアの一地方の領主という肩書きをつけてもらって男爵あたりにしてもらってもいいのだが、それはそれでめんどくさい。

 

 俺はカスティグリア伯爵の長男だが、カスティグリアに関する全ての相続権は放棄しており、将来的にカスティグリア姓を捨てるということが決まっている。ぶっちゃけ最初はクラウスに養ってもらう気満々だったからな。

 

 婚約のことがなければ伯爵家四男であるギーシュ未満の地位になっていた。しかし、モンモランシーが次期モンモランシ伯爵に内定しており、その婚約者というのが今の俺の地位だ。今後はモンモランシ伯爵夫人のような立場になる。いや、男だが!

 

 しかし、クラウスやモンモランシーですら、すでに書面で「次期当主である」という宣言があっても今現在は法規的にはまだ貴族になっていないような気がしなくも無い。そこに最下層のシュヴァリエのみとは言え、貴族の権利をほんのり持っているものが来ると、たとえ平民でも強気に出てくる可能性がある。

 

 だがまぁ、将来性を考えるとシュヴァリエは必要ない気がする。ちょっとマントに装飾が増えるとか、モンモランシーが病弱な俺を迎える口実に追加されれば良いかな? といった程度のものだ。

 

 つまり、「無くても困らないし、くれるなら少し便利」くらいのものかもしれない。

 

 「ふむ。シュヴァリエか。貰ったとしても年金はそっくり俺の面倒を見てくれているカスティグリアに補填するつもりだったが、確かにマントが変わるのは少々惹かれるものがあるな。

 ただまぁ、せっかく推薦をいただいても無駄になるというのがだね……、その……、俺の身体の弱さがご好意を無駄にしてしまっているようで申し訳ないとは思っている。だが、俺としてはそれほど固執しているものではないよ。」

 

 「なるほど、確かに実績や功績があっても兄さんが貰うには難しいからね。諦めていたものが目の前に転がってきてちょっと欲しくなった程度かな?」

 

 「うむ。まさしくその通りだ」とクラウスに返すと、「じゃあその方針で僕がまとめるよ」とクラウスは笑顔で答えた。まぁぶっちゃけそこまで重要じゃないし、無ければないで特に問題はない。クラウスもシュヴァリエや軍役関連は条件に付けるようなことはしないだろう。いや、完全に別件だしな。これで貰ってもちょっと困るかもしれない。

 

 クラウスは俺とモット伯の間にあるテーブルのお誕生日席の位置に空いてる椅子とオスマンの机にあった何も書かれていない羊皮紙を数枚オスマンに断って持ってきた。

 

 交渉役がクラウスに移ったので少し周りを見つつ交渉内容を見学することにした。ぶっちゃけ相談内容は横に座っているオスマンやシエスタには筒抜けだったので、オスマンには先ほどまであった緊張感はない。むしろオスマンは今後の学院が抱えるであろう平民のメイドに関しての条項も加わることで少しやる気が出たようだ。シエスタは危険な可能性があるので、まだ一応意識外に置いている。

 

 モット伯にも聞こえていたらしく、先ほどのような混乱や焦燥といった彼の感情も窺えない。最初の頃の傲慢な態度やこちらを侮っている感じも見受けられないので両者とも納得できる和解が成立するかもしれない。

 

 「ではここからの交渉は兄の相談もありまして、モット卿には失礼かもしれませんが私が引き継がせていただきます。」

 

 クラウスが引き継ぎの宣言をするとモット伯も「ああ、構わないとも」と笑顔で応じた。

 

 横で見ていると、和やかにモリモリ決まっていった。基本的にモット伯の立場を気遣って重要な点以外はこちらが歩み寄るスタンスらしい。モット伯もクラウスが丁寧に対応しているので勅使らしい余裕を持っておおらかに対応し始めた。

 

 書面での謝罪は後々モット伯の汚点になる可能性があるため口頭のみで、すでに話し合いの途中頂いた形にするらしい。

 そして、シエスタやシエスタの親族の平民には今後手を出さないという念書を書いてもらった。これに関しては、シエスタが俺の側室候補なので特に汚点にはならないし、大っぴらに出すものでもないのでモット伯がこの件に触れない限り秘匿されることとなった。

 

 謝罪を残さないため、賠償金ではなく見舞金という名義になった。一万五千エキューが王宮にいる両親に小切手のようなもので支払われるらしい。両親への説明と報告はクラウスがやってくれるそうだ。そのうち一万エキューは予定通りシエスタの支度金になるそうだ。五千エキューに関してはカスティグリアで預かり、必要になったらそのたびにくれるらしい。エキュー金貨がどんな物か知らないが金貨一万五千枚とか重そうですな。馬車や風竜が必要になりそうですな。

 

 学院の平民に関してはオスマンが話し合いに参加し、メイドや雑用関連も含め、“学院にいる平民”を引き抜く際の手続きが追加され、雇う側の身分が高くても学院長や本人の意思が優先されることになった。これはモット伯だけでなく、貴族が学院に関わる際の規定になるので、トリステイン王宮からの勅使として学院の立場の低さに憂慮し温情を持って規定を認めるという形になった。

 

 モット伯の名誉を極力傷つけず、多分モット伯にとっては小額の見舞金しか動かない上に、「モット家とカスティグリア家に本日学院にて謝罪や賠償を含め両家が不和になるような問題はなかった」という内容の証人のサインも含めた正式な書類を双方が持つことで、そのまま穏やかに和解が成立した。

 

 オスマンも肩の力が抜けたようで背もたれに寄りかかり、モット伯も大きな問題にならずに済んだ上、勅使としての能力をクラウスに上手く自然に持ち上げられ、威厳を保てたようで大変満足しているようだ。

 

 しかし、和解が成立し場の空気が緩んだところを見計らって、唐突にリラックスした笑顔を浮かべたクラウスがフーケの話を始めた。

 

 「時にモット卿。『土くれ』のフーケの件はご存知でしょうか。先日『土くれ』がこの学院で事を起こしたところ他の学生の協力もあり、兄クロアがかのメイジが操る身の丈30メイルほどのゴーレムをたった一つの魔法を一回行使しただけで土くれではなく塵に返し、かのメイジにも瀕死の重傷を負わせたのですが、その事はご存知でいらっしゃいますか?」

 

 クラウスの話は大体本当のことなのだが、そう聞くと俺もちょっと信じられん。まぁモンモランシーがいなかったらその場に行けなかったし、彼女のレビテーションが間に合わなければフーケの状態が瀕死ではなく死亡になったかもしれないという違いだけだが……。

 

 モット伯もどのように捕縛したのか初めて聞いて驚いたようで、オスマンに視線で確認を取り、オスマンは深々と何度かうなずいた。

 

 「フーケが捕縛されたことは存じていたが、そのような背景があったのは恥ずかしながら初めて知った。クロア殿は大変魔法の才能がおありのようだ。」

 

 と、褒められた。ちょっと嬉しい。いや、うん、アレ!? 手柄放棄したはずなのだがね!? クラウスは何を言い始めたのかね!? 

 ちょっと抗議の視線をクラウスに向けたのだが流されてしまった。

 

 「兄はこのように慎ましい人柄ですので、その場にいた学生に手柄を全て譲ったそうです。恐らくそのことを無下にしないよう、モット卿を始め王宮に詳しく報告されなかったのでしょう。

 しかし、オールドオスマンの計らいにより、その場にいた学生全て、つまり兄にもシュヴァリエの推薦をいただいたのですが、兄は史上稀に見るほどの病弱でして伏せていることの方が多いのです。そのため兄はシュヴァリエの『軍役に就く』という新たな条件を達成することが出来ないと諦めていたのです。」

 

 クラウスが演技交じりで悲しそうに、それはもう雨の日に捨てられ衰弱した憐れな子犬の事を語るようにモット伯に訴えかけた。

 そのように言われるとちょっと恥ずかしいのだがね? クラウス、もうこの際シュヴァリエはどうでもいいから止めにしないかね? ほら、モットおじさんも俺の事を憐れんで見始めたよ!?

 

 「おお、何ということだ……。まさかそのような背景があったとは……。このモット、シュヴァリエの規定改変の不備に遺憾の念を覚えざるを得ない。

 病弱が原因で軍役に就きたくとも就くことができない貴族の若者が、命を賭してトリステイン貴族の名誉を守り切り、そのように慎ましやかに自分の手柄を誇るでもなくにその場にいた同じ生徒の未来を想い譲ってしまうとは! これほどの事を成し遂げたというのに、生まれながらの病気がちな身体が原因で正当な勲章を得る事ができないとは! なんという、これはなんという規定改変の不備であろうか! このモット、強く感銘を受けましたぞ!」

 

 クラウスの悲哀劇場につられたかのようにモット伯もどこかの勇敢な病弱の貴族の若者の悲哀を訴えるような感じの演目が始まってしまった。いや、別に軍役に就きたいわけではないし、全然命賭してないし、手柄はサイトに上げなきゃいけなかったし、ぶっちゃけその後紅茶を楽しんでたわけなので、誤解は訂正せねばなるまいて。

 

 名俳優モット伯爵に「あの……」と訂正を入れようとしたら何事もないかのように流され、彼は身体の向きを変えクラウスに正対した。彼には俺の声が届かず、視界にも入っていないようだ。クラウスもモット伯爵に正対しており、断固としてこちらを見ないようにしている。「クラウス?」と尋ねてみても反応すらしない。

 

 「クラウス殿。先ほども話したが王宮の勅使には『超法規的な行動が許可される』というものがある。このような時にこそ使うべき権限であろうと私は思うのだよ!

 王宮の勅使として、その訴えを厳粛に受けとめさせていただこうではないか。不肖このジュール・ド・モットが王宮に確かに伝え、彼のシュヴァリエ受勲の妨げになる規定条項の特別解除、および実力、実績共に十分であるという証言をさせていただく。その際、少々事の次第を最低限話す必要はあるだろう。その点だけご了承いただきたい。」

 

 王宮勅使役のモット伯爵がキリッとした顔で超法規的に俺にシュヴァリエを受勲させると言い出した。おい、さっき超法規的に罠を踏んだばかりではなかったかね? そういうのは緊急事態に使うべきだと思うのだよ。

 

 「おお、モット卿! このクラウス恥ずかしながらモット卿のことをまだ少々誤解していたようです。小さな誤解から不幸な行き違いがあったばかりだというのに、なんと寛容な!

 私は今モット卿のトリステイン貴族に対する深い慈愛とトリステイン王国に対する深い愛情に心打たれております。今後トリステインが不幸を生まぬよう、そのように厳粛に受け止めていただけるとは何と懐の深い! そのような並び立つものが無いほどの大器ですら愛情が溢れるようなモット卿だからこそ王宮の勅使に選ばれたのでしょうな。

 モット卿さえよろしければ今後も兄クロア共々、カスティグリアと懇意にしていただければ大変光栄です。」

 

 え? うん。愛が溢れすぎて平民の若いメイドを狩ってたらしいですからな。間違えではないのかもしれない。しかしクラウスよ、少々大げさではなかろうか。名優クラウスも完全に悲哀劇場に入り込んでいるようだ。そして、この“悲哀を訴える若者とおおらかに受け止めその若者を救うべく立ち上がるダンディな伯爵”の劇はいつ終わるのだろうか。

 

 オスマンを見るとなぜか目を瞑ってウンウンと深くうなずいている。付いていけてないのは俺だけなのだろうか。危険だがシエスタをチラッと見ると、少し頬を染めキラキラとした目で胸の前で手を組んで感激しながら二人の劇を見ている。

 

 おや? 大好物でしたか。母上と話が合いそうですね。憧れのような表情がとても魅力的でいつまでも見ていたいところだが目が合うと危険なのですぐに戻し、モットクラウス劇場の演劇に戻る。

 

 「うむ。うむ。クラウス殿。この愛の勅使、ジュール・ド・モットに任せたまえ。私としても小さな行き違いがあったばかりだが互いに深く分かり合えたと感じている。是非とも気高きカスティグリアと懇意にしたいと思っていたところだ。今後ともよろしく頼むぞ。若き次代の当主よ! 共にトリステインを支えようではないか!」

 

 「モット卿からそのようにおっしゃっていただけるとは恐悦至極にございます。モット卿がいらっしゃればトリステインも怖いものなしでしょうとも! このクラウス、トリステインを守るため、モット卿と共に微力を尽くすことを誓いましょう!」

 

 お、おおう? なんか同盟みたいな感じになりましたか? 誓っちゃっていいんですかね? ああ、守るためならいいのか? 貴族流の「善処します」みたいな言い回しですかね? 

  

 二人とも今回の演劇に満足したのか、笑顔でウンウンうなずきあっている。そして、交渉が終わったようだ。いや、何がどうなったのか曖昧すぎてよくわからなかったのだが、クラウスとしては問題ない範囲なのだろう。王宮の勅使とつながりができたとかそんな感じだろうか。

 

 モット伯は急ぎ王宮に戻ってこの件に取り掛かるとかで王宮へ向った。

 

 とりあえず用件が全て終わったので俺たちも部屋に戻ることになった。クラウスにレビテーションを掛けてもらい、二人に引かれて塔を下り、部屋に戻ったところで体力が尽きた。塔の往復はレビテーションがあってもやはり俺には厳しいものだったらしい。とりあえずお部屋に帰れたので遠足は安全に終わったと言っていいだろう。

 

 ぜぇぜぇ言いながらマントを外し、ベッドに潜り込むと、あっさりと意識を失った。

 

 

 

 

 

 

 




参考や設定補足:金持ち貴族の総資産は二千万エキューらしいです。そして決闘における男爵の身代金が千エキュー↑ となると戦時捕虜での上級貴族の身代金は十倍くらいですかね? ついでに領地からの収入が小さい領地でも年間一万エキューとか普通にあるらしい。
 そこから考えてモット伯の総資産(建物、本、使用人、家具など含む)は上限二千万エキューでそれに近い額、年収一万エキュー以上、十数万エキューくらいまでならセーフかな? 通貨レートは不明ですが、単純に1エキュー1万円くらいだとするとマジぱねぇっすね! 
 シエスタの給金や仕送り額はわからないのですが、年に500エキューでもかなりあげすぎだと思います。ええ、クロア君ですから大目にですね。


前話から書いてる途中で思いついたネタ。本編とは当然関係ありません。

オスマン クロア恐ろしい子! クラウスはもっと恐ろしい子! カスティグリアこわっ!
クラウス またか……。実は兄さんも好戦的? あ、もしもしアグレッサーの隊長さんですか?
シエスタ あ、ありのまま今起こったことを話すわ。捨てられたと思ったら側室に内定していた
モット  馬鹿にしたらいつの間にか死の淵に立ってた。マジ死ぬかと思った
モンモン ようやく最後の案件が片付いたみたいね
ルーシア え? 自力でキスできたの!?

カスティグリア ふむ。次はモットか。小さすぎてよくわからない
モンモランシ  何かカスティグリアからの派遣部隊が活気付いてる気がする
マザリーニ   ゲルマニアに行っていたら内戦の危機だった。宰相代理つらいわー

新型テスト部隊 噂ではテスト用の屋敷と人を模したマジックアイテムが用意されたらしい
アグレッサー  空戦の予定は無し……だと……!? 活躍するチャンスこねぇ!?
火竜隊     まさかの実戦訓練一番乗りだぜ! ひゃっはー! 汚物は消毒だー!

ええ、後書きが長すぎましたね。すいません。次回はどんな内容にするかも考えていないので間が空くと思います。しばしお待ちを><;

次回おたのしみにー!


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