♪~(´ε`")
颯太「おいこら」
「で?なんで偽名使ってたんだ?」
「なんで俺らのこと気付いてたのに名乗り出なかったんだ?」
「なんで自分じゃないって言ったんですか?」
「え~っと………」
俺は今三人から囲まれ、尋問されていた。
俺の正体がばれてからの対応は速かった。一夏と俺の昼食が済み、食後のお茶が出されたときには俺の周りは三人に固められていた。
「………その……なんて言うか…ねぇ?」
「〝ねぇ?〟じゃねぇよ!」
「あの時はちゃんとお礼できなかったんですから、次に会ったらちゃんとお礼言いたかったのに!!」
俺のごまかしの笑みに五反田兄妹が詰め寄る。
「いや……まさかまた会うなんて思わなかったから、あんなふうに行動できたわけで。もしまた会うなんてわかってたらカッコつけて偽名名乗ったりしなかったと思うし、今更ながらにかっこつけすぎだったと自覚して恥ずかしくなったと言いますか……」
『……………』
俺の言葉に三人が無言で納得したような目になる。
「まあなんとなく理由はわかったよ」
「それでも言ってくれればいいのに……」
五反田兄妹はブツブツと呟く。
「まあ理由が分かったところで改めてこっちが五反田弾と蘭。俺の幼なじみってやつだな。弾とは鈴も含めて中学校の時はよく一緒につるんで遊んでたんだ。で、こっちが――」
「ジョン・スミス改め、井口颯太だ。改めてよろしく」
「よろしくな、颯太」
「よろしくお願いします、井口さん」
改めてお辞儀し合う俺たち。
「そう言えばさ」
そこでふと思いついたように一夏が口を開く。
「なんでジョン・スミスだったんだ?」
「………なんで、とは?」
一夏の問いに首を傾げる。
「いや、なんでジョン・スミスって名前を選んだのかなって。偽名ならいくらでも考えればいいじゃん」
「ん~、主に理由は二つかな」
俺はピッと指を立てる。
「一つ、ジョン・スミスは日本で言うところの山田太郎なんだ」
「へ~、そうなんだ」
「知りませんでした」
「――って聞いたことがあった。詳しくは知らない」
「なんだよっ」
「二つ目!」
一夏の突込みを無視して二本目の指を立てる。
「昔見たアニメの主人公が偽名として名乗ってたから」
「…………それ二つ目の理由の方が大きいだろ」
「フシュー♪フシュー♪」
一夏のジト目によるツッコミをできもしない口笛もどきで素知らぬ顔をする。いいじゃん。好きなんだよ、杉田〇和さんの演技。
「まあいいや。で?結局颯太はどうやって二人と出会ったんだ?」
一夏が首を傾げながら訊く。
「よくドラマとかアニメであるやつだよ。ナンパされてた五反田妹を知り合いのふりして庇おうとしたら五反田兄に蹴り飛ばされた」
「うっ!」
俺の言葉に弾が胸を押さえて蹲り、そんな兄を妹の蘭が冷ややかな目で睨む。
「まったく、あの時は恥ずかしかったよバカ兄。せっかくジョン――井口さんが助けてくれてたのに」
「ほんっっとうにあの時は悪かった」
机におでこを擦り付けるように謝る弾を起こしながら俺は頷く。
「いいっていいって。もう過ぎたことだって」
「本当にすみませんでした」
俺の言葉に蘭までもが頭を下げる。
「だからもういいんだって。それに、どうせ言われるなら謝られるよりお礼言われる方がいいな」
「はい、ありがとうございました!」
「うん。どういたしまして」
蘭の言葉に俺は笑顔で頷いた。
○
「しっかし、世界ってのは狭いな」
五反田食堂からの帰り道、一夏が感慨深げに呟く。
「お前から店の名前聞いた時点で俺も同じようなこと思ったよ」
俺は一夏の言葉にため息つきながら答える。ちなみに服装は帽子だけを残してサングラスとマスクはとっている。
「はぁ~、やっぱキャラじゃないことはするもんじゃないな」
「でも、そのおかげで助かったやつがいたんだ。俺はお前の行動は正しいことだったと思うぞ」
「…………」
一夏の言葉に俺は一夏の顔に視線を向ける。
「………なんだよ?」
俺の視線に訝し気に一夏が訊く。
「真顔でそんなこと言って恥ずかしくないの?」
「ぜんぜん」
「………さいですか」
さすがギャルゲー・ハーレムアニメの主人公を地で行く一夏だ。俺にはまねできん。
「まあいいや。戻ってゲームの続きでもするか」
「おう!今度は負けないぜ!」
「返り討ちにしてやんよ」
一夏の意気込みに俺はニヤリと笑みを浮かべた。
というわけで長いことまた期間があいてしまいすみません。
最近どうもスランプ気味なのかあまり筆が進みません。
でも頑張りますよ!
あと、余談ですが
最近息抜きに原作をISじゃない小説とかも書いてみようかなとか考えてしまっている今日この頃。
でも二つも連載してるのに三つ目なんて
どっちかをちゃんと終わらせてからの方がいいとも思いますし……
……どうしましょうね?(;^ω^)
ちなみに書くなら次はラブライブ!かな……