IS~平凡な俺の非日常~   作:大同爽

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買い物をするために出かけた颯太、シャルロット、楯無、簪の四人。
なんやかんやあって弾と虚のデート現場に遭遇。
二人にバレないように尾行を開始したのであった。
ようするに前回の続きである。


 


第120話 王道は成功法

 昼前に駅で虚先輩たちを発見し尾行を開始した俺たち。

 その後近くのファミレスで食事をし、その辺をぶらぶらとしているわけだが――

 

「特に何も起きないわね」

 

 師匠が視線を虚先輩に向けたまま言う。

 そう、師匠の言う通り特に何も起きないのである。二人は普通に楽しんでいそうだ。

 

「というか、それなりに仲良さそうだし、実はもう付き合ってるんじゃないの?」

 

「それはないな」

 

 訝しげに言うシャルロットに俺は断言する。

 

「どうしてそう力強く言い切れるの?」

 

「見ろ」

 

 俺はシャルロットの問いに答えるべく目標の二人を指さす。

 

「一見楽し気ながらふいに視線を逸らす。会話が途切れている証拠だ。それに二人の歩行速度はバラバラ。まだ互いの歩幅を知らない証拠だ」

 

「お、おぉ……颯太のたまに見せる観察眼……」

 

「こういう時の颯太って、やけに説得力がある……」

 

 俺の言葉にシャルロットと簪が息を呑む。

 

「以上のことを踏まえて、二人は何度か連絡は取り合っているものの、こうして二人きりで出かけた回数は数度、もっと言えば1、2回程度で、付き合うところまではいっていないと思われる。だが、それも時間の問題だろう」

 

「「おぉ~!」」

 

「確かに私も同意見ね」

 

 俺の推理に二人が感嘆の声をあげ、師匠も頷く。

 

「でも、時間の問題なら、私たちが手出ししない方がいいんじゃ……」

 

「ばっきゃろう!こういう時こそ周りが手伝わないと、ふとした瞬間に水の泡になるんだよ!」

 

「でも、逆に僕たちが手を出したせいで悪い方向に行くってことも……」

 

「その時は……」

 

「「その時は?」」

 

「みんなでゴメンナサイしよう」

 

「「無計画かよ!」」

 

「さて、そんなこんなで俺に妙案がある」

 

「ほう?」

 

 興味津々の師匠。

 

「ここは古典的な手でいこうと思います」

 

「「「古典的?」」」

 

「そう、その作戦概要は――」

 

 

 

 〇

 

 

 二人はデートを続け、その後いくつかの店を回り、ウィンドウショッピングをしていたのだが

 

「あ、あの!虚さん?」

 

「は、はい?」

 

「そ、その…実はその……と、トイレに……」

 

「あ、は、はい……じゃあこの辺りで待ってますから……」

 

「そ、それじゃあすみませんが……」

 

 と、そんなこんなで弾がトイレに向かい

 

「フゥ……ちょっと緊張しすぎて会話がなぁ……。でも!きっと悪くは思われていないはずだから、これからもっと頑張って行こう!」

 

 グッと力強く決意してトイレから出てきた弾。と――

 

「大変です!弾君!」

 

 弾に駆け寄る人物たち。楯無、シャルロット、簪である。

 

「えっ!?えっと…確か、楯無さんに簪さんにシャルロットさん?なんでここに――」

 

「そ、そんなことより!」

 

「その…虚ちゃんが、大変!」

 

「っ!?どういうことですか!?虚さんに何が!?」

 

「虚ちゃんが強盗に襲われてるの!」

 

「ええっ!?どこで!?」

 

「さ、さっき別れたあたり……?」

 

「っ!」

 

 三人の言葉を聞き、弾は慌てて走り出す。

 

「……計画通り」

 

「……いいのかな?」

 

「……というか、上手くいくのか……」

 

 

 

 〇

 

 

 前方、数メートル先に立って弾を待つ虚先輩の姿を捉え、俺はビルとビルの間の隙間からニヤリと笑う。

 

「よし!準備はできた!」

 

 俺は笑いながら――と言うか頭にさっき適当なコンビニで買ったストッキングをかぶって上に引っ張てるので豚みたいな不細工な顔なので表情なんてわからないだろう。

 

「(名付けて『強盗に襲われてしまうヒロインを勇敢に助けるヒーロー作戦』!危機的状況であやふやだったお互いの気持ちも燃え上りメロメロに~!)」

 

 俺はほくそ笑みながら小声でつぶやき、こっそりと虚先輩の方に歩を進める。

 

「(我ながらナイスな作戦だぜ!ぶっちゃけマンガでよく見る手だが、よく見るって言うことは王道!これ以上ない良案と言うことで――)」

 

「あれ?」

 

「っ!?」

 

 と、こっそりと近づいていた俺と虚先輩の目が合う。や、やばい!が、落ち着け!ま、まだバレていない!このまま強盗で突き通せば――

 

「えっと……井口君?」

 

「って、なぜバレたしっ!?」

 

「その…女性用のストッキングを被って一体何をしているんですか?」

 

「いやっ!これは!その!」

 

 アタフタと言い訳を考える俺。そんな俺の思考を遮ったのは――

 

 ジリリリリリリリリリリリリ!!!!!

 

 耳を塞ぎたくなるほどの大音量で警報音が鳴り響く。

 

「銀行強盗だぁぁぁぁ!!」

 

「え?」

 

「ぅえぇ?」

 

 どこからともなく聞こえてきた叫び声に、パッと横を見るとちょうど真横が銀行で

 

「逃げるぞ!」

 

「あ、兄貴、待ってくだせぇ!」

 

 いかにもな目と鼻と口だけの空いたニット帽を被った強盗が背負った風呂敷から札束を覗かせながら飛び出してくる。が、けたたましい音ともにパトカー数台がその場を包囲する。

 

「「ひぃ!もう来た!」」

 

 二人の強盗は驚きの声を漏らすと

 

「くそう!来るなぁ!こいつらがどうなっても知らねぇぞ!」

 

 先ほど兄貴と呼ばれていた強盗は虚先輩に左手を首のあたりに回して拘束し、右手に持っていた拳銃を虚先輩のこめかみにあてる。さて、俺はと言うと――

 

「あれぇぇ?」

 

 もう一人の方に羽交い絞めにされていた。

 あれ?俺が強盗のふりをするはずだったのに気付けば俺が襲われてる。

 なんで?

 




と言うわけでなぜか強盗に虚さんとともに人質にされてしまった颯太。
これからどうなる!?
次回をお楽しみに~♪


そして来ました質問コーナー!

颯太「質問全然来なかったな」

言うな!二件も来たんだぞ!
もっと喜べ!

颯太「二件〝しか〟な」

こ、これからどんどん来るんだい!
まあそれは置いておいて、今日はこの質問!
Mr.鯖さんからいただきました!
「颯太君に質問です!好きな英霊と、好きな宝具を教えて下さい。理由も述べてお願いします!」
だってさ

颯太「好きな英霊か……男性ならクーフーリン(槍)とエミヤ(弓)かな。女性ならスカサハ師匠。宝具は新茶のかなぁ。あとセリフで好きなのが水着ネロの宝具かな」

ほほう。
ちなみに理由は?

颯太「Fateはアニメから入ったってこともあってクーの兄貴とエミヤがやっぱり好きかなぁ。スカサハ師匠はなんていうの?華麗な感じといい感じの色気が堪らないよね。まあうちには水着師匠しかいないけど」

なるほど。
宝具の方は?

颯太「あの古城みたいなところからジャンプしてきて棺桶から機関銃だのミサイルだのぶっ放して最後にビームって……カッコいいじゃん!水着ネロの『あれはなんだ!?美女だ!ローマだ!もちろん余だよ?』のセリフが可愛すぎる」

あれは可愛かったねぇ~
あれが聞きたいがために周回中何度ネロの宝具使ったか……

颯太「あ、でもマシュとマシュの宝具も好き」

ほほう?理由は?

颯太「あのお城がせり上がってくる感じとかカッコいいじゃん?英霊って枠に入れていいか微妙だから名前あげなかったけど、ぶっちゃけFGOでマシュが一番好き。理由はあんなPerfectな後輩が欲しいから。マシュのマシュマロボディーをマシュマシュしたい」

と、いうことだそうですよ~!Mr.鯖さん!
そんなわけで今回の質問コーナーはここまで!
また次回!

颯太「皆さん、どんなな内容でもいいんで質問してやってください。皆さんからあんまり質問いただけないんで作者ちょっと悲しくなってるみたいなんで」

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