最近友達の一色いろはがあざとくない件について   作:ぶーちゃん☆

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(逸らし目)






かくして私の友達はプロムクイーンとなる④

 

 

 

 パーティー会場に響き渡るメロディアスなナンバーと、スポットライトに照らされたミラーボールから降り注ぐキラキラな煌めきの中心で、美しきキングと可憐なクイーンの舞いは、今まさに佳境を迎える。

 

 軽やかなステップと、コートのテイルが華麗にはためくターンでオーディエンスを魅了し続けたキングのダンスに、会場内の女性陣(主にJ組女子)が異常な程の色めきを見せ、そんなキングの超絶美技に終始振り回されっぱなしではいたものの、ステップミスでキングの足を踏んでしまったり、ターンのタイミングがズレてよろめいたりする度に、しゅんとしたり恥ずかしげに微笑んだりという、お得意のあざとさ全開で技量不足の見栄えをカバーしていたクイーンのいじましさに、会場内の男性陣のハートはがっちりキャッチ。

 

 そんな、我々を魅了し続けた今宵のキングとクイーンのダンスも、ジャン! というBGMの締めと同時に見事に決まった決めポーズと共に、ゆっくりと幕を下ろしたのです。

 いろはってば、“未来の”どころか、今日でプロムクイーンになる夢叶えちゃったじゃん! あんた二年後にプロムを開催したって、今日のクイーンっぷりよりも耀けるクイーンになんてなれっこないよ。

 

 

 ──こうして私の友達は、見事プロムクイーンの座を手に入れたのだった!

 

 

× × ×

 

 

「……やー、いいもん見たー。いろはも思ってたよりは良かったけど、やっぱ雪ノ下先輩ってマジとんでもないんだね……」

 

 鳴り止まぬ歓声が響くなか感慨に耽っていた私は、隣でそう呟いた紗弥加の声に覚醒した。

 いやはやホントとんでもないよあの人。文武両道だ容姿端麗だと色々と言われてはおりますが、まさかまさかダンスまで……しかもクイーンいろはを見事にリードしつつ、男性パートをなんなく踊りあげてしまうだなんて……。ありゃマジもんの化け物だぜっ……

 

 

 ……ん? なんで雪ノ下先輩が出てくるんだよ、本日のキングは美少年じゃなかったのかよ! って?

 そう。本日のクイーンはもちろんウチのいろはすだったんだけど、キングの方は……なんと! 男装の麗人・雪ノ下雪乃先輩だったんですよ!

 

 てかいろはす〜、あんた雪ノ下先輩にエスコートされてる時、だらしない顔晒しすぎだから! なにあの恍惚の表情。あいつ絶対「美少年侍らせんのって超気持ち〜」とか思ってたでしょ。ゲスだなあいつ。

 今は比企谷先輩LOVEではあるけど、いろはってそもそもが面食いだもんなぁ……

 

 あと周りの男共には興味失ってあざとさを発揮しなくなったくせに、なんで女の子の雪ノ下先輩に対してはあんなにあざとさ振りまくのよあんた。

 そして未だに鳴り止まない黄色い歓声を上げてるJ組のテンションがヤバい。なんていうか……、百合? ちょっと百合入っちゃってんの? 若干我らがエリエリが「三浦さまぁ〜!」とか言ってんのと被っててちょっと恐いんだけど、ま、まぁ宝塚の男役にキャーキャー言ってるヅカファンに見えなくもないからギリでセーフ……、か……?

 なんつーか、いろはといいJ組のお姉さま方といい、時代は百合へと傾いてんのかしらっ?

 

 

 おっと、あまりの素晴らしいショーを目撃したあまりに、ついつい思考が逸れてしまったよ。いつまでも百合百合しい現場にハァハァしてる場合じゃなかった。

 

 そうなのだ。紗弥加の言葉や歓声が示す通り、キングとクイーンのダンスショーは素晴らしかった。本当に素晴らしかった。

 それはそれとして〜………………、えと、パーリーピーポーな学生達がノリと勢いだけでうぇいうぇい騒ぐプロムって、……こんなんだったっけ……?

 

 なんかこう、プロムで行われるクイーン&キングのお遊戯ダンスというよりは、なんかガチもんのダンスショーを見せ付けられたかのようなこの満足感はどうよ。

 え? 私たちモブなエキストラもこれから踊るんだよね? 私たちにもこういうの求めてるのん? 無理無理無理無理無理!

 

 

 そんな愕然としている私をよそに、とりあえずメインであるクイーン&キングのダンスシーンは撮り終えたという事で、休憩と言う名の映像チェックに入る生徒会と奉仕部ご一行様。

 お、華やか過ぎる雪ノ下先輩の影に隠れてて今まで気付かなかったんだけど、いつもはぼさぼさしてる髪をきちんとセットして、タキシードに身を包んだオシャレな比企谷先輩はっけーん! やばいなんかウケる!

 そんな比企谷先輩の晴れ姿を横目でチラチラ覗き見てはニヤニヤしてるいろはは、さっきから何度となく噴き出しそうになってるし。

 そしてさっきまで私たちの着付けを手伝ってくれていた由比ヶ浜先輩も、いつの間にかドレスアップしちゃってますねー。

 やめて! J組のせいでただでさえハイソな空間になっちゃってんのに、由比ヶ浜先輩までもがそんなに可愛く着飾っちゃったら、さらにここの女子レベルが倍率どんっ! と上がっちゃって、私のようなちんちくりんは余計に居たたまれなくなっちゃうよぅ!

 

 

 しかし「はい休憩入りまーす」と言われても、いろは達と違って我らエキストラ陣はオーディエンスという役回り以外まだなにもしてないので、疲労とか全然ないのよね。んで、結局はただのご歓談タイムである。

 そこかしこで「雪ノ下さんのダンス凄かったね!」「めっちゃ格好良い〜……!」「あぁ……私も雪ノ下さんにリードされて舞い踊りたい……」なんていう怪しげで色めいた会話が繰り広げられている中、下心丸出しでちょくちょく声をかけてくるサッカー部一年男子共やら、マリーアントワネットらと適当に雑談しながら執行部側をぼんやり眺めていると、あれあれ? どうやらあちらでは何かしらトラブっているみたい。

 ……いや、トラブルというか、なんかいろはがモニターを微妙そうな表情で眺め、それを後ろから覗きこんでる雪ノ下先輩も苦い顔してこめかみに手を当ててるって感じ。

 ん? もしかしたら撮れてなかったとかピントがブレブレだったとかなのかな……?

 

 あーでもないこーでもないと、いろはが嫌そうに顔をしかめたり比企谷先輩が嫌そうに顔を歪めたりの打ち合わせが続き、しばらくすると──

 

「それじゃ、とりあえず一回やってみますか」

 

 そんな声を本イベント執行部に発したいろはが、てけてけと我らエキストラ陣の方へと歩いてきて、ぱしぱしと手を叩いてこれからの予定を指示し始める。

 

「えーとみなさん注目でーす。只今わたしと雪乃先輩でメインを撮り終えましたので、これからみなさんにも一緒に踊ってもらって撮影したいと思いまーす」

 

 と、どうやら先ほどの打ち合わせは、別に撮影ミスがあったとか、そういった類いのトラブルではない事が発覚する。

 はて、それじゃさっきの微妙そうなやりとりはなんぞや?

 

 果たしてその答えは、次にいろはが語りだす内容により明らかになる。

 

「ただ、今のはちょーっと雪乃先輩が本気を出し過ぎちゃったんで、楽しいダンスパーティーというよりは、かなりガチな競技ダンスみたいになっちゃってましたよねー?」

 

 そう言ういろはをぽかーんと見つめ、発言の趣旨を理解出来ずに「なに言ってんだこいつ」って顔で眉をひそめたエキストラ陣ではあるが、次第に脳内で発言の意味を理解してゆくメンバーの間では、くすくすと笑いが広がりはじめる。

 ほっほう、なるほどなるほど。さっきのあの微妙な顔での打ち合わせはそういう事ね。どうやらさっきのガチダンスがプロムらしくないと感じてたのは、なにも私だけじゃなくて、ご本人様たちもそう感じてたみたいで一安心です。……ふぅ、私もガチダンスしなくちゃいけないのかと思ったよ。

 そしてこうしてウケてるって事は、ギャラリーのみなさんも感歎の溜め息漏らしながらも、実はやっぱそう思ってたんですねー。

 

「ちょっと一色さん……? アレは私だけのせいだと言いたいのかしら」

 

「……ひゃいっ! すみません!」

 

 そして当然のように雪ノ下先輩から雷を落とされるいろはの肩がびくりと跳ね上がる。すっごく仲良くなったみたいだけど、やっぱりまだ怖いのね!

 そんな二人のやりとりに、またも穏やかな笑いが起きた。あらやだ微笑ましい。

 

「んん! ん! で、でですねー、さすがにああいう動画だけだと紹介動画としてはアレすぎて、たぶんそれ見た卒業生のみなさんがプロムに対して構えちゃうと思いますので、これからみなさんにやっていただきたいのはさっきみたいなガチなのじゃなくって、もっとこう……クラブとかでやってるような、ノリノリでうぇいうぇいで超適当な感じのヤツを求めてますのでよろしくでーす」

 

 クラブで踊ってる人たちに謝罪と賠償を要求されそうな酷い言い草でそう説明を締めくくるいろはす。超適当て。

 でもまぁ超適当でいいと言われれば、我らエキストラも気が楽になるというものよ! いろはの説明に納得した私達は、いろはが勧めるままにぞろぞろと所定の位置へと移動を始めた。

 

 とはいえダンスなんかした経験のない人達ばかりである。クラブとかでやってるようなと言われても、このエキストラ陣の中でクラブに行った事があるのなんて居ないでしょ。なにせ私らまだ高校生、しかも進学校の生徒ですもの。

 みなさんなんとも戸惑いというか照れくさいというか、なんか浮き足立って照れ笑いを浮かべていると──

 

「始めのうちはどうすれば分かんないかもしれませんが、このシーンでも一応わたしがメインとして、そして誠に遺憾ながらなぜか戸部先輩と嫌々ながらも真ん中で踊りますので、みなさんもそれを見ながら適当に踊っちゃってくださいねー」

 

「酷くね!?」

 

 そんないろはと戸部先輩の掛け合いに、場は一気に和やかムードへと変貌した。

 戸部先輩を出汁に使ってみんなの緊張をほぐすとは、いろはすめ、なかなかやりおるわ。

 

 と思ったら、あ、いろはすってばリアルで嫌っそうな顔してました! どうやら別に緊張をほぐす為の計算的発言ではなかった模様です!

 なるほど、さっきの打ち合わせ中のいろはの嫌っそうな顔はそれが原因かっ! 本当なら比企谷先輩と踊りたいであろうに、さすがに目立つのが嫌な比企谷先輩を……そして知名度皆無な比企谷先輩を、紹介動画のメインパートナーとして使うわけにはいかなかったんだろう。

 しっかし……、ぷっ、いろはってばさ、もう葉山先輩には興味ありませんってのが露骨すぎじゃありませんかねー。

 自分がクイーン役でチークタイムとかを撮影する気なら、そこは普通戸部先輩じゃなくて葉山先輩呼ぶでしょうに。葉山先輩であれば相談されれば確実に参加してくれただろうし、いろはに言われるがまま流れでキング役をやらされたって、なんとも爽やかな苦笑を浮かべて受け入れてくれたでしょう。

 なのに葉山先輩ではなく奉仕部に声を掛け、葉山先輩ではなく戸部先輩にお願いしてるって時点で、いろはの心情丸出しよね〜。

 

 そんでもって当の比企谷先輩のパートナーは……なんともはや……、由比ヶ浜先輩だし!

 うっわぁ……別に気にしてないですけどー、なんてフリしながらも、いろはがちらっちらっと二人にジェラジェラ視線を突き刺してますよぅ……。女ってコワイ。

 

「あの、家堀さん、お、俺と一緒に踊らね……?」

 

 舞台中央で繰り広げられている二等辺三角関係を戦々恐々で眺めていると、……おや? なんかサッカー部一年のなかなかのイケメン君が、私にシャルウィーダ〜ンス? してきたよ? あんた誰?

 

「え、えと……ごめんね? 私もうパートナー決まってるんだよねー……」

 

 だがしかし、残念ながら私はそんなに軽い女ではないのだよ。ていうよりは、初めて会った殿方とシャルウィーダンスするとか無理無理〜。だって明らかに下心ありそうだし、これを機に「夜も俺とベッドでシャルウィーダ〜ンス?」とか言われても困っちゃいますしぃ。

 

「そ、そっか、ごめんな」

 

「や、やー……こっちこそなんかごめんね……?」

 

 気まずそうに苦笑を溢し、猫背でとぼとぼと去っていく見知らぬ男子の背中をなんとも言えない気持ちで眺めていると、なにやら痛い視線がビシバシと。

 

 ……おうふっ、紗弥加と智子の、まるで可哀想な物でも見るかのような視線が突き刺さるぜ! これはあとで「これだから香織は……」と暴言を吐かれるコースが待ってそうだぞぉ?

 ど、どうせアレでしょお……? なんでせっかく男が出来そうなチャンスを台無しにしちゃうのかねこの残念な女は……、でしょ?

 ごめんね!? こんな残念な子で!

 

 だってしょーがないじゃん、前の彼氏ん時に懲りてんのよ。異性として特に好きってわけでもない男の子と手とか繋いだ時の気まずさは異常。いやマジマジ。

 なのに今知ったばっかの男子と仲良くダンスしろとか確実に無理っす。笑顔が引きつって、気持ち悪い顔になっちゃう未来しか見えない。なんなら踊りながら「きょ、今日はいい天気ですねー(棒)」とか言っちゃいそう。

 余談ではあるが、会話が途切れた時に天気の話題を出す=会話が保ててなくて気まずいんですけどー、ってことダヨ? 女の子と二人の時に天気の話題出されたら気を付けなはれや!?

 ……こんな私にも、いつの日かビビっとくる男の子が現れてくれるのかしらん?

 

 

 

 そうこうしてるうちに、ダンスパーティーの舞台は着々と整ってゆく。「ウェイっしょ、ウェイ。ほら、ウェイ!」などと謎の戸部呪文が響き渡る中、紗弥加達からのそんなイタい視線をまるっと躱し、私は本日のパートナーの前へとしずしず向かうのです。

 シャルウィーダ〜ンス?

 

 

 

 やがて場内に流れはじめたダンスパーティーのスタンダードナンバー。スポットライトとミラーボールが、本日のダンサー達にキラキラな輝きを降り注ぐ。

 最初はなんとなく気恥ずかしくって、誰もがぎこちなく肩を揺らす程度だったけど、戸部先輩をはじめとするノリ先行型のメンバーが楽しそうに激しく踊りはじめると、その熱と笑いは次第に周囲へと伝染していき、会場は一気にばか騒ぎのるつぼと化すのだ。

 

 特にパートナーを持たず、男同士女同士の団体でにこやかにステップを踏む者。

 いつの間に仲良くなったのか、初対面であろう男女で腕を絡めたり、肩と肩に手を回し合い、出鱈目なワルツを踊る者。

 調子に乗ってパートナーの腰に手を回そうとするチャラ男に対し、調子に乗るなと回し蹴りでもかますかのような、切れのあるターンでスキンシップを全力で拒否する者。

 まぁ最後のチャラ男と回し蹴り女のくだりは戸部先輩といろはだけど☆

 

 みんな思い思いに、このプロムナードを楽しんでる。あはは、もうこれは単なる紹介動画撮影の為の偽物のプロムってことを、みんな忘れちゃってんじゃないのっ?

 

 だったら私だって撮影の演者である事はさくっと忘れて、今を思いっきり楽しんでやろうじゃないか!

 そして、ついに私の時間が始まる。

 さぁ! 火曜夕方五時五十五分からと木曜夕方六時二十五分から、自室のテレビの前で存分に鍛えあげた、テレ東師匠仕込みの私のキレッキレなダンスを披露する時がやってきたぜ!

 

 何曲かのダンスナンバーが続いていき、アバの名曲『ダンシングクイーン』が響き渡る頃には、会場はもう乱痴気騒ぎ。

 私も、時にはかしこまったり時にはフフッヒと笑い声をあげながら、この身に深く染み込むほど馴れ親しんだ、ぷりっぷりでアイドル活動なダンスを、目の前で楽しそうに踊る今宵のパートナーのマリーアントワネットと共に本気で踊り上げ、この非日常の宴を心行くまで堪能するのでした。

 

 踊る阿呆に見る阿呆。同じアホなら踊らにゃシンガッソー!!

 

 

× × ×

 

 

 宴が幕を下ろすと、会場内には拍手と歓声が巻き起り、ダンスパーティーの終演と共に皆様あちらこちらで友達やパートナーとの写真撮影なんかを始めてる。

 

 なんとも意外だったのは、我がパートナーがその個人撮影会で謎の大人気なのである。……おいおい、襟沢との撮影に行列できちゃってんぞ……。ここはディスティニーランドなのかな?

 

 まぁアレよね〜。ここで撮った写真やら情報なんかはすぐさまSNSへとアップするんだろうし、マリーアントワネットとのツーショットとか超ウケそうだからインスタ映えでも狙ってるのだろう。分かる〜!

 ……なんだよインスタ映えって。口を開けばインスタ映え。二言目にはインスタ映え。三・四がなくて、五でインスタ映え。

 お前ら写真ばっか撮ってないで、さっさと出された料理食べなさいよ! せっかくのお料理が冷めちゃうでしょうが!

 てかいくら集客の為とはいえ、料理出す側のプロが味じゃなくてインスタ映えをウリにすんなよ、アホか。

 とりあえずインスタが映えとけばいいっていう頭の悪そうな風潮、いかがなものかと思います!

 

 

 などと近頃のイケイケな女子共(てか女子って何歳まで使っていいのん? 三十路四十路過ぎのOLさん達が女子とか言ってんのってイタいよね☆)や世間を内心で嘲笑いながらも、全力でアイカツした為になかなかの疲労感を憶えた私は、喉の渇きを潤す為に、ケータリング類が置かれたテーブルへと向かう事にしたのである。

 

「およ?」

 

 用意されていたジンジャーエールをくいっと傾けようとした時だった。幾つか用意されているテーブルの中の一角に、見知った顔を見つけたのだ。

 

 普段ならぼっさぼさにしっぱなしな髪なのに、本日はパーリーピーポーという事で生意気にもお洒落なセットを施し、普段はよれっとしたブレザー姿なのに、本日はビシッとしたタキシード姿。

 にもかかわらず、普段と特段変わらない猫背と疲れ切ったサラリーマンみたいなその表情の持ち主の名は、もちろん言わずと知れた比企谷八幡先輩その人。

 

 おやおや、先程までは由比ヶ浜先輩と肩を寄せ合ってラブラブちゅっちゅダンスに勤しんでいたくせに、なにをそんなに疲れてるんですかねー?(ゲス顔)

 まぁあの人も色々あるんだろうからなー。雪ノ下先輩と由比ヶ浜先輩を天秤に掛けちゃったりとかー?(ゲス顔)

 

 なんにせよ、私と同様お疲れのご様子でドリンクを傾けている先輩を見掛けた以上、一応声でも掛けてみますかね。今日はまだ話してないし、私の麗しいドレス姿もまだ見せ付けてないし!

 何よりも、そろそろ前にお借りしたラノベが読み終わりそうだから、「次を! 次を早よ!」と催促しなくっちゃだわさ♪

 いやん、先輩に話し掛ける理由が欲まみれ!

 

 てなわけで、可愛い後輩をアピールしつつレンタルを強請る為に奴に近付いて行こうかとてけてけ歩き出した私ではありますが──

 

「……うおっと……!」

 

 思わず小声でそうツブヤッキー、くるっと回れ右をすると、すたこらさっさ〜と人影に潜む私であった。

 だって、ねぇ……? 別方向から比企谷先輩の姿を発見し、とててっと小走りで駆け寄ってくる女の子の姿を発見しちゃったら、お邪魔虫は一旦退散してからこそっと業務を遂行するしかないじゃあーりませんか。

 

 

 そして私は比企谷先輩が居るテーブルの隣のテーブルを静かに陣取り、そんな二人の様子を覗き見……うおっほん! 観察する事にしたのでした。

 うふふ、お仕事お仕事〜!

 

 

 

続く

 

 





終わらないというね。




さて、予告はしておきましたが、まさかこんなに更新に時間が掛かってしまうとは……!
ふぅ、危うくエタるとこだったぜ(・ω・;)

というわけで、この度もお読みいただきありがとうございました!
そして次回、ようやくこの作品のメインである八色夫婦漫才です☆

そして、実はその次回も結構書いてあったりします。(ホントは1話にまとめるつもりだったのですが、結構長くなっちゃいそうだったので)
なので今回はめっちゃ更新遅くなっちゃいましたが、あざとくない件完全完結編になる次回は、どうやら早めに投稿出来そうです(^^)

ではでは1週間以内にまたお会いいたしましょうっノシノシ

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