艦隊これくしょん―黒き亡霊の咆哮―   作:ハチハル

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第5話 再会・前編

「鳴川光樹、階級は少将。特生防衛海軍・横須賀鎮守府所属、第1艦隊司令長官並びに、第3艦隊の臨時司令長官を務めている。――榛名及び、第6水雷戦隊。諸君の生還を、歓迎する。久しぶりだな。生きていてくれて良かった」

 

 輸送機の横で、白い軍服に身を包む鳴川光樹が、拓海に向けて名乗り、榛名たち艦娘に気遣う言葉を掛けた。

 続いて三笠が彼の横に立ち、再び自己紹介をする。

 

「改めまして。第1艦隊オプション艦、鳴川少将直属秘書艦の、三笠です。以後、よろしくね」

 

 拓海は呆気に取られながら、数時間前とはすっかり変わってしまった、元の世界の親友を見つめていた。

 

 あの時、確拓海は光樹と共にウェーク島から流された。溺れていた様子も、僅かながら覚えている。

 この島に流れ着いた時には、彼の姿は無かったから、半ば諦めかけていた。

 

 それが、ここに来てまだ3時間くらいしか経っていないというのに、向こうはしっかりと老け込んでいる。

 髪型も体格も変わっていて一瞬分からなかったが、よく見てみると確かに光樹としか思えない。若い頃の優しげな顔が、よく印象に残っていたからだ。

 

 

「色々話したいことはあるが、事務連絡から済ませる。まず、この島の一帯からは、偶然も重なって我々特生防衛海軍の勢力圏に、加わることとなった。よって、南鳥島奪還作戦の完了を、ここに宣言する。無事、南鳥島泊地を設置することが出来そうだ。皆、お疲れ様」

 

 すっかり貫録を持っていた光樹は、榛名たちに目を配り、微笑む。

 作戦が無事終わったことを告げられて、彼女たちは安堵の色を浮かべて、喜び合っていた。

 

「水を差すようですまないが、もう一つある。この島の近辺に展開していた深海棲艦についてだ。衛星からの情報により、この島は先月の作戦失敗後、二重に包囲されていたことが確認されている。神通からの報告からして、島の全面に展開していた第1包囲網は、ゴジラによって破壊されたものと推定される。そして第2包囲網――今回の敵全体を統率していた奴のことだが――――」

 

 光樹は一度言葉を区切り、一人ひとりの表情を確かめていく。

 皆どれも緊張の面持ちをしているが、先の言葉を待っていた。

 

「これを特防海軍は、コードネーム“泊地棲鬼”と呼んでいた。この敵の艦隊が、泊地棲鬼諸共、全て殲滅されていることが、先ほどの第1・第3艦隊からの報告で明らかになった。恐らくこれも、同個体によるものと考えられる。放射能汚染の程度が分からないため、敵の被害状況は詳細不明。両艦隊とも近づけない状況だ。こちらについては後日、専用の機器を用いて調査を行うことになった。その際、ここを拠点に使うことになるだろう」

 

 ――――泊地棲鬼。

 拓海の記憶では、ゲームの中で最初期のイベントボスを務めていた敵だ。拓海自身は戦ったことがないため分からないが、他のボスと同様、強力な敵だったと思う。

 

 そんな敵が、艦隊ごと殲滅された。あのゴジラによって。

 

「それと、今日から明日にかけて、周囲の警戒と施設の修理を兼ねて、第1・第3艦隊と共にここに泊まることになった。修理は、主に発電系統だな。他のライフライン系統の点検・修理も行う。補給物資も沢山持って来てあるから、安心してくれ。今晩は少し騒がしくなるが、よろしく頼む。何か質問はあるか?」

 

 光樹が一同に向けて言うと、島風が真っ先に手を挙げた。

 

「鳴川司令官と白瀬さんって、どんな関係なの? 随分、仲良いみたいだけど」

 

 周囲に連装砲ちゃんを従えている島風に、光樹が逡巡してから、納得したように頷いた。

 

「ああ、そういえばいきなりで、皆に話してなかったな。俺と拓海は、大学時代の同級生だ」

「白瀬さんが、提督の言っていた――」

 

 簡潔に言う光樹の隣で、三笠が事情を知っているかのように頷いている。

 

 ――――三笠に、自分のことがどれだけ知られているのかと思うと、急に不安になって来た。

 

「あれ? でも、しれーかんって、幾つだっけ?」

 

 雷がすぐに気付いたようで、頭に疑問符を浮かべている。暁たちや神通、榛名も大体似た様な反応だ。

 

「50だよ。どう説明したら、いいかな――。ある日拓海と旅行に来てたら、波にさらわれて、それぞれ同じ世界の別の時間に飛ばされた、ってところなんだけど。分かるか?」

 

 あまりにザックリとした答えに、皆の反応は芳しくない。

 三笠が若干呆れながら、光樹に言う。

 

「提督、今のだと短すぎて流石に分かりませんよ……。せめて、何時、何歳の時かくらいは答えてあげないと」

「ん? あ、ああ、そうだ……。すまん。――俺とこいつが同級生なのは話したが、旅行に行っていたのは2015年の5月の頭だ。どっちも大学に上がったばかりで18歳だった。その時に波にさらわれたんだが、俺は同一の日に、こっちの世界に来た。並行世界間を移動した、ってところか。そういえば拓海、お前今幾つだ?」

 

 光樹に問われて、まだ言っていなかったことを思い出す。

 

「まだ、18だよ。俺も光樹と同じ場所で、全く同じタイミングの時に流された。だけど辿り着いたのは、33年後の同じ日だな。――どうなってるんだ?」

「それは、俺も全く分からん。こっちの世界に来て33年経ったら、あの日のまんまのお前がここにいるんだからな。何かの間違いかと思った」

 

 拓海と光樹たちの話を聞いて、榛名や神通、三笠は一応の理解を示していた。

 一方暁型の面々は、あんまり分かっていない顔だ。特に暁は、混乱しているのか頭から煙を出している。

 島風は――――話に興味を無くしたように、連装砲ちゃんと遊び始めていた。

 

 ――――元々話を振ってきたのは、島風じゃないか……。

 

 という愚痴は脇に置いておく。

 

「さて、そろそろ第1・第3艦隊の連中が帰って来ると思うが――。ああ、既に上陸してこっちに向かってるな。俺はこの後の作業の指示がある。拓海たちは、彼女たちに挨拶だな。手が空いてからでいいから、手伝ってくれると助かる。物資の方優先で、人員が少々足りてないからな」

 

 光樹は話を切り上げると、神通たちと敬礼を交わす。

 

「それじゃあ、俺たちはここで一旦、失礼する。行こうか、三笠」

「はい、提督」

 

 光樹は踵を返すと、輸送機の方に三笠と共に歩いて行く。

 

 いつの間にか、遠くを歩いていた親友の背中を、拓海はただ黙って見ている事しか出来なかった。

 

 

 

 

 光樹と三笠が去った後、拓海たちは要塞の方へ戻るために島内を歩いていた。

 

 要塞の北側に差し掛かった時、向こうから走って来る影が見える。

 目を凝らして見ると、榛名と色違いの恰好をした少女が3人、こちらに向かっている。

 

「はーるーなー!!」

 

 中央の栗色の長髪を持った少女――金剛が、大声を上げながら拓海の斜め後ろを歩いていた榛名に飛びついた。

 

「お、お姉さま!?」

 

 駆逐艦との話に興じていた榛名は、完全に不意を突かれ、金剛に為すがままにされる。

 

「うー。榛名、心配したデース。無事と聞いて、早く会いたかったデース」

 

 そう言って榛名に頬擦りをする金剛の目には、安堵の涙が浮かべられていた。

 後からベリーショートの少女、比叡と眼鏡の少女、霧島が追い付く。

 

「金剛お姉さまったら……。でも榛名、私たちも心配したんだよ?」

 

 興奮気味の金剛に苦笑いを浮かべつつ、比叡が榛名に話しかける。

 隣に立つ霧島も、眼鏡の位置を整えながら頷いた。

 

「ええ。榛名が戦闘中に行方が分からなくなってからの、金剛お姉さまは見ていられませんでしたから……」

「比叡お姉さま、霧島……」

 

 金剛を抱き留めつつ、榛名は比叡と霧島を見て微笑む。

 

 再会を分かち合う様子をから、4人はかなり仲が良いと分かる。

 そんな彼女たちを見て、拓海も自然と頬が緩んだ。

 

「白瀬さん、どうされました?」

 

 横に進み出て来た神通が、拓海に声を掛ける。

 

「兄弟とか姉妹とかって、いいもんだなって思ってさ。そういえば、神通さんも姉妹がいたよね?」

「はい。鳴川少将の話を聞く限り、川内姉さんも那珂ちゃんもいると思いますが――」

 

 神通は、周りに視線を向けて、探す素振りを見せる。やはり神通も、自分の姉妹のことが心配のようだ。

 拓海も辺りに目を向けてみると、東の海岸の方から、川内と那珂が歩いて来る様子が見えた。

 神通の肩を突き、二人の方を指差してみる。

 

「あの二人じゃないかな?」

「あ……。本当、ですね……」

「ここは俺に任せて、行ってきなよ」

 

 そう勧めてみるが、神通は戸惑ったような視線を向けて来る。

 

「でも、大和さんとの挨拶が……」

 

 大和――。確か、第1艦隊の旗艦を務めているという艦娘の名前だ。

 

「大丈夫。俺が済ませておくから。神通さんは、行っておいで」

 

 しかし、神通は迷ったように向こうとこちらに視線を彷徨わせている。

 真面目な性分なのだろう。旗艦としての任を務めようとする辺り、そういう一面が感じられる。

 そこに、腰に手を当てた暁が前に進み出た。

 

「行ってきなさい。暁が付いてるから大丈夫よ」

「暁ちゃん……」

 

 響や電と雷も、同様に頷く。

 

「一緒にいられるときは、尚更一緒にいた方が良い。いざってときに会えなくなるのは、悲しいからね」

「私も、同感なのです」

「ここは雷さまに、任せてよ!」

 

 島風も連装砲ちゃんと戯れながら、神通の背中を押す。

 

「私は姉妹なんていないから、分からないとこはあるけど。でも、一人は寂しいから。行った方がいいと思うな」

「――――だってよ。行ってゆっくりしてきなよ、神通さん」

 

 拓海も後に続いて、笑いかける。

 神通は逡巡した後、頭を下げた。

 

「――はい。ありがとうございます。皆さん。行ってきます」

 

 頭を上げた神通は、そう言って嬉しそうに笑うと、川内と那珂の方へ走って行った。

 

 

「ふふっ。皆さん、再会できて良かったですね」

 

 脇から声がして、視線を向けると、赤い傘を差した背の高いポニーテールの少女がいた。榛名や神通の方を見ながら、穏やかな笑みを浮かべている。

 スラリと伸びた背とその表情が、見る者に大人びた印象を与える。

 

「や、大和さん!?」

 

 彼女を見るや否や、暁が緊張した面持ちになった。

 

「暁ちゃん、久しぶりですね。駆逐隊の皆も。――そちらの方は? 見ない顔ですけど」

 

 大和は駆逐艦の面々に微笑みつつ、拓海に視線を移す。さほど、こちらへの興味があるわけでは無いようだ。確認というところだろう。

 外見は、恐らく拓海と同じくらい。身長は榛名や金剛より高く、靴の分を差し引いても拓海とほぼ同じ目線くらいだ。

 左脚に目をやると、横に白いラインが一本入っただけのソックスが履かれている。改装はまだ、行われていないということだろうか。

 

「初めまして。白瀬拓海です」

 

 取り敢えず礼をして、名乗っておく。

それ以上は、何も自分から言う必要は無いだろうと思っていたが、暁が自分より背の高い大和を必死に見上げて、補足を始める。

 

「この人が、暁たちの指揮を執ってくれたのよ! 島風がぱーっと行って、暁たちがバッってやって、榛名さんがドーンって!」

 

 至極真剣な表情で、暁は身振り手振りを交えて話す。その仕草が可愛らしくも面白く、拓海は笑いを噛み殺す。

 響が暁の頭に手刀を入れて、溜め息を吐く。

 

「何よ、響! 痛いじゃない!」

「それじゃあ、半分も伝わらないよ。姉さん。この島に流されてきた司令官が、孤立していた私たちに作戦を提案してくれたんだ」

 

 暁の頭を擦りつつ、響が一言加える。後に続くように、電と雷もそれに補足を始めた。

 

「第1包囲網の中心艦隊に、まず島風ちゃんが陽動に出て、その後から電たち水雷戦隊で挟み撃ちをしたのです」

「それで、榛名さんが敵の旗艦を狙い撃ちしたわ。雨に紛れてやったけど、正直敵艦が来ないかヒヤヒヤしたわ」

 

 確かに、雷の言う通りだと拓海も思う。

 タイミングが少しでも遅ければ、敵の増援に辿り着かれて危ないところだったかもしれない。

 

「最終的に成功させたのは、水雷戦隊の皆と榛名なんだけどな。俺、必要無かったんじゃないか?」

「そんなことは無いよ。司令官」

 

 響が真に迫った顔で、拓海を見上げて言う。

 暁や電、雷が、驚いたように響を見つめた。拓海も思わず、響の方を凝視する。

 すると、大和のくすりと笑うような声が聞こえた。

 

「ふふっ、すみません。皆、この方を信頼してるんだなって思って。“司令官”ですか。良かったですね、白瀬さん」

「ああ、いや。自分はそんな器じゃあ……。それに、ただの民間人ですし……」

 

 拓海の言葉に、大和が首を横に振る。

 

「そういう意味ではありません。私たち艦娘にとって、安心して指示を任せられる、精神的な支柱は必要です。そんな信頼出来る人のことを、私たちは“提督”や“司令官”と呼ぶんです。勿論後者には、役職的な意味もありますけれど。――響ちゃんは、貴方のことを信頼してくれてるんです。そうですよね、響ちゃん?」

「ま、まあ……。そういうことに、なるかな……」

 

 ニコニコと笑う大和に見つめられ、響が恥ずかしそうに帽子で目元を隠し、俯く。

 

 ――――響が、自分を信頼してくれている?

 

「でも、自分は大した指示何て何も――」

 

 それがどういう意味か汲み取れず、拓海が言い淀むと、大和が呆れたように肩を落とす。

 

「もうっ、白瀬さん? 作戦が、どうこうっていう問題じゃありません。響ちゃんは、貴方の事を“好き”って言ってるんです」

「ちょっと――――!」

 

 大和から放たれた言葉に、響が顔を真っ赤にして見上げる。

 

「な、なんですって!?」

「はわ、はわわわっ!?」

「響、やっぱりそうだったの!?」

 

 些か直球すぎる言葉に、暁たちも顔を赤くして響を見つめる。

 一気に注目を浴びた響は、赤い顔のまま両手を振る。

 

「そ、そうじゃなくて。別に好きって言ってるわけじゃ……っ」

「分かりますよ。響ちゃんは、異性としての“好き”じゃないことは。出来ることなら、“自分たちの指揮官になって欲しい”ということですよね?」

 

 響が、大和の言葉に必死で首肯する。 

一方の暁たちは、ホッとした表情をしていた。

 それにしても、心臓に悪いことを言ってくれる。拓海まで、固唾を呑んでしまっていた。

 これでは肩透かしをくらって、操り人形になったような気分だ。

 

「そう思ってくれてるなら、嬉しいけど……。どうなんだ? 響」

「や、大和さんの言う通りだよ。嘘は無い。それに司令官、こういう事に興味があるって言ってたじゃないか」

「それはまぁ、そうだけど」

 

 未だに響は、顔を赤くしたままだ。これ以上聞くのは、止しておいた方が良いのかもしれない。

 そう思って大和に視線を向けると、彼女は意味有り気に微笑んでいる。

 

「今なら、第6水雷戦隊の司令官職は空席です。鳴川少将が、直接指揮している形になりますね。“新米少佐”になることが出来れば、彼女たちの“司令官”になれるかもしれませんよ?」

 

 新米少佐は確か、ゲームの方では着任したばかりの提督の階級だった筈だ。

 こっちの世界のものも、階級なのだろうかと思い、尋ねてみる。

 

「それって、何ですか?」

「特生防衛海軍に限って使われる、“代将”に近いニュアンスの役職ですね。大尉以下の人や、艦娘の司令官職に適正があると判断された場合に与えられるものです。確か、金剛さんたちの戦隊の司令官は、第1世代の頃にそうやって昇進されたと聞いています」

 

 特別な状況の時に与えられる、臨時の階級といったところか。

 話に聞く磯貝少将も、そうやって上がって来たことに、拓海は驚く。

 簡単に将官となることは出来ないだろうが、艦娘たちの指揮官となれる可能性があるということだ。

 

「でも、民間人がそうなったという例って、無いですよね?」

「現状は、()()ですね。民間人が艦娘の指揮を執って、戦果を挙げるなんてことは、普通ありませんし。その分、白瀬さんはチャンスがあります。仮になったとしても、周りからの視線は厳しいかもしれませんけど」

 

 その辺りは、大和に同意だ。

 どこからともなく、素性の分からない若造がやって来て、いきなり艦娘の指揮を執る。彼らとて、プライドを持って職に当たっている筈だ。

 余程のことが無い限り、居場所はまずないだろうと思う。

 

 ふと、傍に立つ暁たちや金剛姉妹と談笑する榛名を見やる。

 

 彼女たちは、自分の無茶な要求に答え、信頼まで見せてくれている。

 そして榛名のことやゴジラのことなど、この世界で気になることが、拓海の中で少しずつ増え始めていた。

 特生防衛軍や榛名たち艦娘隊の傍にいなければ、分からないこともあるだろう。それに、自分が生まれたわけでは無いこの世界では、他に行き場が無い。

 

「――――そうですね。でも、その“新米少佐”を狙ってみるのも、悪くないかもしれませんね。それで、この水雷戦隊の指揮を正式に執ってみるのも良いかもしれない。というか、執ってみたい」

 

 決意を表した拓海に、響たちが目を見開く。

 

「そ、それは本当かい? 司令官」

「い、いいんじゃないかしら? 暁は別に良いわっ」

「司令官になったら、私に頼ってよね!」

「電ちゃんだけには、やらせないのです」

 

 どうやら、反応は悪くないらしい。ここに、神通がいないのが少し申し訳ないが。

 島風は――。いつの間にか、川内姉妹の方に遊びに行っていたようだ。

 

「上々、みたいですね。白瀬さん」

「みたいですね」

 

 榛名を指揮出来ないのは、少しばかり残念ではあるが、そんなことで悩んでも仕方が無い。

 

 大和が、拓海に向かって右手を差し出して来た。傘は、左手に持ち替えられているようだ。

 

「いつか正式な司令官として、ご一緒出来ることを心待ちにしています。白瀬さん」

 

 拓海も応じて、大和の手を握る。

 

「ええ、こちらこそ。精々、頑張ってみます」

 

 拓海の手を握り返す大和の手は、暖かかった。気温のせいか、少し汗ばんでいる。

 そのことで、艦娘たちは確かに生きているのだと、拓海は再び実感するのだった。

 




キーボードを叩く手が躍って、前後編に分けることに。

1話が1万1000越えって……。

ちなみに自分の中では、1話につき1万字前後かな、とは考えています。
区切りの良さを考えて、前後することはありますね。


では次回、後編となります。

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