男主とエリナをイチャイチャさせる小説   作:リルシュ

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エリナのキャラエピで存在が明かされた例の雑貨店…
規模はどのくらいなんでしょうかね?
あの時代の外部居住区ってことだし、そんなに大きな店ではないというイメージなんですが…
地味にこだわっていたサブタイ漢字2文字で貫き通す!ってのは、自分ではそろそろ限界でしたw

※注:自分でもビビルほどあっっまいです。お前ら付き合う前とか嘘だろってレベルで甘々です


雑貨店

「いらっしゃいませ~」

 

私達がまず最初に来た場所は、コウタ隊長の家の隣にある例の雑貨店だった

店内に入る際に、流石に恥ずかしかったので繋いでいた手を離す

…その時先輩が残念そうにしていたように見えたのは、きっと私の勘違いだろう

 

「エリナってホントここ、お気に入りなんだな」

 

「はい!だってカワイイ物いっぱいあると思わない?雰囲気もカワイイし!」

 

「カワイイ…ねぇ」

 

店内に置かれた品物をぐるりと見渡す先輩の目は、お世辞にも興味津々といえる感じではなかった

 

「前に来た時も思ったけどさ、確かにエリナには似合うもの多いだろうけど、俺にはどうかな…」

 

「え…それは…あはは。買い物買い物っと…」

 

「おい。笑って誤魔化すな」

 

後ろからなんだかんだ言いながらもついて来てくれる彼の気配を感じながら、私は陳列されている商品を吟味しつつ前進する

 

「…お?なぁエリナ。俺ちょっと向こうの方見てきていいか?」

 

あれ?先輩でも何か興味を引かれるようなものがあったのだろうか?

だとしたらちょっと嬉しいかも

 

「分かりました。じゃーあとで集合しましょう」

 

「了解!」

 

彼が私から離れて別の場所に行く

その様子を見ていた店員のお姉さんが、こっそりこちらに歩み寄ってきた

 

「エリナちゃん。今日も彼氏と買い物にきたの?」

 

「っ!?か、彼氏!?」

 

この店によく来る私はお店の人と会話する機会も多々有り、すでにこのお姉さんに名前を覚えられていた

…って、今はそんなこと重要じゃなくて!

 

「ちちち、違います!あの人は彼氏じゃなくて…あの…そのっ…///」

 

彼氏と彼女の関係でないことは事実なのだが、自分でそれを認めたくなくて、すぐにはっきりと拒否できない

 

「え?でもこの間も二人で来てたよね?エリナちゃんが男の人と二人だけでお店に来るなんて初めてのことだったから、よく覚えてるよ」

 

「あぅ…///」

 

そういえば…

初めて来た時も、私とコウタ隊長とエミールの3人だったし、カノンさんと二人で来たことも何度かあったけど…

 

「……まだ…片想いなんです…」

 

恥ずかしかったけど、この人が信用できるっていうのは分かってたから、先輩が去っていった方を確認しながら小さな声で正直に伝えた

 

「へぇ~…そうだったんだ」

 

「先輩ったら、私の事子供扱いしかしてくれなくって…」

 

勢いづいてしまった私は、いつの間にか彼に対する愚痴を延々と喋ってしまっていて…

その間、お姉さんは嫌そうな顔ひとつしないで私の話を聞いてくれている

 

「…っ!ご、ごめんなさい!私…」

 

「いいよエリナちゃん。あなたの話、私楽しみにしてるんだから」

 

「は、はい…ありがとうございます…」

 

私夢中になっちゃって…恥ずかしいなぁもう…

 

「でもね、私から見たら、もうすでにお互いの想いが通じ合っているように見えるなぁ」

 

「え!?そ、そうですか?」

 

「ふふ…自信、もてない?」

 

そりゃー…だって…

 

「店内に入ってから今までの長くない時間ですら、私にはエリナちゃんと彼付き合ってるように見えたんだよ」

 

「…///」

 

やっぱりそういう風に見える人もいるんだ…

…素直に嬉しい

 

「エリナちゃんて、きっと自分で考えてる以上に彼に大事にされているんだと思うな…もちろん女性としてって意味でね♪」

 

「そ、そうかな…えへへ…」

 

持ち上げられて気分がよくなってきちゃった私に、いたずらっぽくニヤリとお姉さんが笑う

 

「でも、あなたがモタモタしてたら、私が彼をとっちゃうかも~」

 

「え!?だ、ダメ!それだけは絶対に!」

 

思わず大きな声を出してしまい、あわてて口を塞ぐがもう遅い

こちらに急接近する足音と共に先輩の声が聞こえてきた

 

「おい!エリナ!?どうした!?無事か!?」

 

「はい、エリナちゃんこれ」

 

「え?」

 

先輩がこちらに来る前に、何か小さな物を手に握らされる

 

「お姉さんのオススメ。是非買ってね!」

 

ちゃっかり商品を勧めてきた抜かりないお姉さんは、ウインクしながらそのまま店の奥に歩いて行ってしまった

 

「エリナ!」

 

ちょうど視界から彼女が見えなくなった頃、入れ替わるように先輩が私の目の前に現れる

 

「あ、先輩…」

 

「どうしたんだよ大声出して…心配したぞ」

 

私になんの危害も加わってない事を確認して、安心したらしい彼がため息をついた

…その間に、私はさきほど手渡された物を確認してみる

 

それは携帯ゲーム機などにつけることができる、画面拭きの機能を備えたストラップだった

しかもペアルックで2つ…

このデザインは…カピバラ?

極東支部にちょうどいるし、かわいい…流石あのお姉さんがオススメするだけあって私はすぐに気に入った

 

そういえばあの人も私達がはまってるゲームやってたっけ?

カルビが成長しすぎて大変だって話を前にしたのも、覚えててくれたのかな

 

「お?それ、買うのか?」

 

先輩が私の手に持っていたものに気づく

 

「はい!ペアルックですよ!先輩!」

 

両手で一個ずつ持って、彼に見せつけた

…なんでだろ

今私…堂々としていられる

 

「ほぅ!これカルビみたいだな!…ていうかカピバラか!」

 

「うん!私達にぴったりだよね!」

 

「お、おう…」

 

彼も私の勢いに少し押されて、照れくさそうに頭を掻いた

 

「私は先輩とおそろい。嬉しいですよ」

 

「え…?そ、そうか…まぁ、俺も嬉しいけど」

 

…あれ?

これってもしかしてホントに脈ありそうじゃない?

さっきから照れまくってる先輩を見て、私にもちょっとだけ緊張感が戻ってきてしまった

 

「あ、あの…先輩は何を…?」

 

彼がさっきから後ろ手に持っていたものが気になって聞いてみる

 

「あ、あぁ…実は…」

 

…あれ?

先輩の後ろから、さっきのお姉さんがニヤニヤしながらこっちを見ていた

あの位置からだと持っているもの見えそうだけど…

 

「もうこれ…買っちゃってるんだけど…エリナに似合うと思ってさ」

 

私に…プレゼント!?

え…え!なんだろ!

すごい楽しみ!

 

「ちょっとばかし高かったし、身に付けるにはもしかしたらまだ早かったかもしれない…」

 

高い?

 

時期尚早?

 

身に付ける?

 

…!!!

 

ま、まさか!?

い、いやいくらなんでもそんなことは…

てゆうかこの店そういうものまで売ってるの!?

 

「これ…受け取ってくれないか?」

 

ドキドキと心臓が落ち着きなく鼓動を奏でる中、私は先輩からのプレゼントを想像して頭が真っ白になりつつあった

きっと目の前には小さくて小綺麗な箱が…

 

………

……

え?

 

 

 

 

私の目の前にあった物

それは眩しいくらい純白な…

 

 

 

 

女性物の下着だった

しかもご丁寧に上下セット

 

……………

 

「いや!やっぱりエリナには白だとおもぶっ!!!!」

 

とりあえず華麗なアッパーカットを一発お見舞いしてやった

 

 

 

 

 

「お買い上げ、ありがとうございましたぁ~!」

 

いつの間にかレジの係になっていた例のお姉さんに、ニヤニヤ笑いながら見送られて私達は店を後にする

念のため下着のサイズを確かめたんだけど、何故か上も下も私にピッタリのサイズだった

…ホントになんでだ…

 

「先輩。最低です」

 

「ごめんなさい!」

 

さっきのゲームの話のときとは重みがまるで違う『最低』という言葉を聞いて土下座する勢いで謝る彼に、私は大きなため息をついた

 

「もう…ちょっとでも期待した私がバカでした!」

 

「え?期待?」

 

「なんでもない!」

 

そっぽを向いてツーンとする

 

 

なんで堂々と女物の下着買ってくるのよ先輩は…

しかもあの店で最初に興味を持ったのがそれですか!

ほんとに最低です!!!

 

…って、あれ?

もしかして…!

 

「ねぇ先輩…私のブラッドアーツ確認しに行った時のミッション覚えてる?」

 

「も、もちろんだ」

 

未だ不機嫌そうな声を出す私に(あたりまえだけどね!)先輩が背筋を正して返事した

 

「あのとき先輩…『白…だった?』って意味分かんないこと言ったよね?…まさかとは思うけどあれって「ははっ!俺と違ってエリナはホントいい買い物したな!」

 

おもむろに先ほど買ったカピバラのストラップを取り出し眺めはじめる先輩

 

「誤魔化さないでよ!!」

 

やっぱり!

見たんですね私の下着!

もう!

先輩任務中に何見てんのよ!

 

「この変態!」

 

「いや!あれは偶然だ!たまたまだ!見えてしまったものは仕方ない!」

 

「ひ、開き直るなぁ!!!」

 

ポカポカと先輩の胸板を叩き始める私に、彼の乾いた笑い声が聞こえてきた

…でも、恥ずかしくはあるけど全然嫌な気持ちにならない私も、結構重症なのかもしれない

…もしかしたら先輩に新しいものを買ったほうがいいと思われるぐらい、似合ってなかったのかも…

 

「私の下着、変でした…?」

 

叩くのをやめて俯いた私の質問に、先輩の笑い声も途絶える

 

「は?い、いや…別に…もうあんまり覚えてないし…」

 

「……見たい?」

 

………

……あれ?

…あれあれ?

ちょっとまって私

今…なんて言った?

 

「…え、エリナ?正気か?」

 

「…あ…あぁあぁああ!!!」

 

ボンっという爆発音が聞こえるんじゃないかと言うぐらい顔が一気に赤くなるのを感じて

 

「カピバラってかわいいですよね!これ自分でもいい買い物しちゃったなって思います!」

 

先ほどの先輩と全く同じごまかし方に、彼も苦笑して頷いてくれた

 

「そ、そうだな…アナグラに帰ったら早速つけますか!」

 

「は、はい!」

 

お互い色んな意味で照れ笑いしながら、私達はアナグラへの道を歩み始める

 

「…って、あれ?そういえばエリナ、他にも行くところあるんじゃ…」

 

「あっ…えっと…実は…全然考えてなくて…あはは」

 

結局あの日はなんにも考えつかなくて、早起きできるようにってそればっかり考えて寝ちゃって…

 

「そうなのか?じゃーさ!これはやく付けたいし、久しぶりに協力プレイで例のゲームやらないか?」

 

「あっ!いいですね!賛成!」

 

まだお昼には早いって時間だし、食事は極東支部の料理に優るものはなかなかないだろうしね

 

「ふふふ…俺が度重なる休暇で鍛えあげたテクニック…エリナにたっぷり見せてやるぜ」

 

「…なんか先輩が言うといやらしく聞こえるなぁ~…」

 

「なんで!?」

 

結局荷物はストラップと女性用の下着という謎の組み合わせだけだったが、私は大満足で休暇の一日を過ごすことができたのだった

 

 

…余談だが、先輩が買ってくれた下着は彼と二人っきりの時だけ大事に着させてもらっている

もちろん。彼には内緒だけどね♪

 

END




GEの女性陣は、動き回ることを考慮して服装を選んだほうがいいですね(真顔)

この話にでてくる雑貨屋の店員。実は、GEとして適合しなかった場合のIF女主人公っていうオリジナル裏設定です

どうでもいいですねはいw

そしてエリナが勘違いしたものは、もちろん婚約指輪ってやつですw

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