男主とエリナをイチャイチャさせる小説   作:リルシュ

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添い寝
短いけど糖分高めを目指してみた
デレエリナの頑張り
そして主人公の性格安定しねぇーw(今更)

時系列はアナザーワールド開始前
二人がなんで一緒に寝ていたのかのお話


添い寝

「先輩ー!今日もこっちで寝ていいよね?」

 

ニコニコと凄まじい破壊力を持つ笑顔でこちらを見上げるエリナ

夜中の就寝時間になるたび、必ずと言っていいほど彼女は俺の部屋に来るようになっていた

 

「毎日毎日よく来るなー」

 

「だって、少しでも先輩の近くにいたいから!」

 

ギュっと腕を絡めて密着しながらそんなことを言うエリナに、理性がどこまで持つか心配になるよまったく

 

「じゃーほら、先に横になっていいぞ」

 

「ダメ!先輩も一緒よ!」

 

「お、おい!」

 

腕を取られたまま引きづられるようにベッドへ誘われて、そのままダイブする彼女に俺も続くハメになった

 

ボフンっ!

 

「…先輩の匂いがする…」

 

「やめろ恥ずかしい…んじゃ、おやすみ」

 

枕に顔をうずめたままのエリナに背を向けて照れを隠す

 

「…またそっち…向いちゃうの?」

 

っ!

寂しそうな声でポソりとつぶやく声と、背中辺りの服をチョンと引っ張られる感触が…!

 

「ねぇ先輩…たまにはこっち向いてくれてもいいじゃない」

 

このやりとりもほぼ毎回繰り返されているわけだが、流石にお互い向き合った状態で『はいおやすみスヤァー』なんて芸当は、まだまだいろんな意味で若い俺には至難の業なのであり…

 

「無理だ」

 

「…どうしても?」

 

「どうしても」

 

「…絶対ダメ?」

 

「…ダメ」

 

「…………」

 

「…………」

 

じっとりとした視線が背後から突き刺さり、背筋を寒くさせる

あ、鳥肌たってきた

とゆうか、今日はやけにしつこいぞ…

嫌な予感が…なにかよからぬことを企んでいるんじゃ…

 

「えいっ!」

 

「うわぁ!」

 

唐突に体に腕が回されたと思ったら、勢いよく抱きしめられた

 

「先輩がこっち向いてくれないなら、せめて私から抱きしめることぐらい構わないよね!」

 

フフッと笑う彼女の吐息が首筋をくすぐり、その反動で揺れる髪の毛がサラサラとそれに続き、控えめな胸の感触が背中に温かみをもたらす…

こ、この理性削り攻撃のコンボは半端ない威力だ…!

後ろ向きでこれなのだから、向き合っていたら身が持つ気がしない

 

「エリナ…このままだと俺とてもじゃないが眠れない」

 

背後にぴったりと彼女の感触が張り付き、煩悩を打ち消すことに全精神力を注ぎ込む

脳が活性化し、休息なんてとれたもんじゃない

 

「…私も眠れない」

 

更に力を込められて、痛いぐらいにお腹が圧迫される

耳元で静かに囁かれて、頬が熱くなるのを感じた

 

「それじゃーダメだろ!?満足したら、離して眠るんだ!」

 

「満足できないよ。先輩がこっち向いてくれるまで…」

 

ホントにコイツは…

この甘え上手め

ふぅ…仕方ない!

 

「わかったよ、そっち向けば満足なんだな」

 

「えっ!?」

 

ビクリと体を震わせたエリナの腕による拘束が若干緩んだ

 

「なんだよ。自分から言い出したんじゃねーか」

 

「そ、それはそうだけど…ま、まさか先輩がホントにこっち向いてくれるって言うなんて…思わなくて…」

 

まだ背を向けたままだったが、そわそわしながら照れているエリナの表情は容易に想像できる

 

思わずニヤリとしながら俺は振り返った

 

「あっ…///」

 

ほらな?

振り向いたことで、頬を真っ赤に染めた可愛い彼女の姿が瞳に映り込む

回されたままの腕も途端にまごつき始めたが、今更逃がすわけにもいかない

 

「さぁー向き合ったぞエリナ。これで満足だよな?」

 

「え…えと……あの…せ、先輩も…っ!」

 

ギュッ!

 

「抱きしめて…だろ?」

 

「っ~!!!わ、わかってるのに聞かないでよイジワル!」

 

お返しと言わんばかりに回されていた腕にまた力を込められた

 

「「…………」」

 

お互いしばらく無言で抱きしめ合い視線を絡ませあう

しばらくして、コツンと鎖骨辺りになにか当たる感触

目を合わせることが恥ずかしくなってきたのであろうエリナが、顔を俺の胸に埋めてきたからだ

 

「はい。今日もエリナの負け」

 

「う、うるさい!なんで先輩はそんな平然と見つめ合えるのよ!」

 

「いやいや、あと1秒…いや、0.1秒ぐらいエリナが踏ん張ってたら、俺も限界だった」

 

「毎回同じこと言ってる!」

 

「毎回お前が同じタイミングで目をそらすんだよ。俺時間計ってるからな」

 

「うそ!?」

 

「うん。うそ」

 

「なっ!…ぅぅぅううう!!!」

 

ポカポカと胸板を叩き始めた彼女の頭をよしよしと撫でる

あーホント可愛いなお前

からかうのがやめられねぇぜ

 

「次こそ私が勝つんだから…覚悟しておいてよね!」

 

それだけ言うと、エリナはぷいっとそっぽを向いてしまった

 

「なんだなんだ?今ので満足したのか?」

 

「…してない…いくらしても満足なんてできないよ…」

 

っ!?

甘えた声でそんな事を言いながら瞳を潤ませて振り向き俺を見つめる彼女に、ドキドキして思わず視線を逸らしてしまう…って、あ

 

「やった!私の勝ち♪」

 

「うわぁあぁああ!卑怯だぞエリナ!」

 

「卑怯でもなんでも勝てばいい…先輩いつもそう言ってるじゃん!」

 

さっきまでの憂いを帯びた表情はどこにいったのやら、イタズラに成功した子供のような笑顔に、返す言葉もなかった

 

「ぐっ…仕方ねぇな…今回は俺の負けだよ」

 

「油断してるからいけないのよ♪」

 

俺の鼻をちょこんと突っつきながら嬉しそうに微笑むエリナ

…ま、そんな顔を見せてくれるなら、わざと負けてやるのも悪くないかもな

 

 

 

 

そしてその日から、添い寝状態で視線を先に逸らした方が負けという謎の戦いが俺たちの間で恒例化していったのだった

 

END

 

 

 




久しぶりの更新!
とにかく甘い話にしようと頑張りましたw
ネタだけはたくさんあるんですが、文章にするのが大変…!

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