解析完了。
この作品を、24日に投稿したと改竄し、あらゆる工程を凌駕し尽くす!
ここに妄想を成し、作品と成す。
是、聖夜の一時也。
※クリスマス特別編※
「クリスマス? えっとねー、ケーキ食べてー、プレゼント交換したりー、みんなでワイワイはしゃぐ日よね!」
元アインツベルンのお嬢様であるところのイリヤは『クリスマスとは何か?』を以上のように答えた。間違ってはいないだろう、ただし日本人的な意味で。
もはや原型たる聖なんとかを粛々と祝うような厳かな行事であることを忘却しているらしい。
切嗣からアインツベルンより奪還されてより日本人化著しい彼女らしいエピソードである。
これは、そんな彼女が聖杯戦争前に催したクリスマスの日の出来事である。突貫で書いてあるから誤字とかの修正は知らねーのである。
「メリクリー!しろうー、お姉ちゃんサンタが来たぞぉー!うめぇーー!!」
「おう、いらっしゃい。ところで、最近のサンタは勝手に他人の家に入って勝手に飯を食うもんなのか?」
百均で買ったようなお粗末なサンタ帽を被ったタイガー(おそらく人間種)は挨拶するや否や配膳途中のチキンに手を、もとい口を出していた。
あむあむと租借する最中、獣は絶対たる王者の気配を感じ恐る恐る振り向きーーー地獄を、見た。
「タイガー……?(ニコッ」
「……さーせんっしたー、はい。出来心なんです、すみません」
タイガーに対してしっかりと全身を無駄に高級な素材で仕上げた特注サンタ服(約60万円)姿で決め込んだイリヤは、心からの笑顔でタイガーを出迎えた。
おお、いたいけな子どもにたしなめられてタイガーも反省したのだろう。まるで強力な魔力に充てられたかのように全身をプルプルと震わせて己の罪を悔いたのである、聖夜の奇跡といった所か。
おい、その先は地獄だぞ(エ並感)
「い、イリヤさんそこまでしなくても……「あ?」……な、なんでもないです」
「よーし、これで最後だぞー……ん?どうしたんだ皆?」
イリヤの横で、胸や脚を異常なほどに強調するデザインのサンタ服(約30万円)姿の桜が哀れなタイガーに声をかけようとするものの、切ない表情を浮かべて目を逸らした。
たぶん桜は幻覚でも見たんじゃないかな。
遅れてやって来た士郎は何時ものユニ○ロ服の上にサンタ風のエプロンを着用している、何故かビクンビクンと死にかけの魚のように力なく跳ねているタイガーと露骨に口笛で何かをごまこそうとしているイリヤと青少年には刺激が強すぎる格好の桜へと声をかけたが結局は曖昧に誤魔化されてしまう。
改めて一堂に会した四人(?)はクラッカーを用意し、未だ心が死んでいるタイガーの頭にイリヤがビリっとする謎の力をかけて立ち直らせる
「ほらタイガー、何してるのパーティー始めるわよ!」
「はっ!わ、私は今まで何を……うひゃっほーう!肉だー!」
「はしゃぐなって藤ねえ、んじゃいくぞ……!」
「「「「メリークリスマス!!」」」」
ポポポン!
とシャンパンを開けた四人は互いのコップへと注いで誰からともなく用意された聖夜の特別メニューを食べ始めた。
料理描写は割愛する、各自で『クリスマス』『料理』などでググって欲しい。作者的にはクリスマス明けのクリスマス料理が狙い目である、財布事情的に考えて。
「はいはいーい!それじゃプレゼント交換よー、まあ私はシロウにしかあげないけど。はいシロウ!!めりくりー♪」
「ありがとうイリヤ、お……欲しかった料理本だ。んじゃこれ、はいイリヤ」
「ありがとシロ……うそー!やばい、まだ未発売のプリズマな魔法少女アニメのBDboxだー!」
互いの好みを熟知している姉弟は満足のいくプレゼントを渡せたことと、貰ったことにニッコリとしている。
余った形になったタイガーと桜は、一応教員かつ弓道部顧問である立場のタイガーは珍しく気を利かせ道具一式をプレゼント。
桜からは料理の締めのケーキを任せて欲しいと士郎に直談判しており、見事に食後のクリスマスケーキを振る舞うという栄誉を預かっていた。
「どうぞ先輩」
「ありがと桜、とても美味しそうだ」
「実は自信あります、えへへ」
ボンッと服の一部が強調されている桜から手ずから貰うことによって、上方から谷間を最高の角度で俯瞰してしまったシロウ。加えてはにかんだ笑顔という隙を見せぬ二段構えの萌えを味わい当然のことながら心臓が高鳴っていた。
(くくく、さすがねサクラ。今日という日にしかない要素と私すら想定していないあざとさを以てシロウへの有効ポイントは計り知れないわ!
あとでゴムあげなきゃね……うふふふふ)
そんな甘酸っぱい光景を裏で作り上げることに成功したイリヤは満面の笑みの裏側でニヤリとほくそえんだ。
しかし彼女の計略は桜のあまりのヘタレっぷりと鉄心エンドでも迎えたのかと勘違いするほどの強固な精神力を見せた士郎らの手によって阻まれた。
しかしイリヤの衞宮家ハッピーファミリー化計画は始まったばかりである、このあといくつもの手段で二人を結び付ける(物理)為に暗躍をし続けるだろう。
残念ながらそれはまた別のお話しだ(露骨な宣伝)
日本人的なクリスマスを終えた士郎とイリヤは、残されたパーティーグッズの片付けに追われていた。この日に限ってはイリヤもほぼ全ての護衛に暇を出しており衞宮邸は珍しいほどに人の気配がしない場所になっていた。
気遣いのできる女である、家族持ちには喜ばれた。
因みに、よかれと思って出した休暇の日に何処にも行く宛がなく、まるで信じたすべてに裏切られた某掃除屋のように「俺はね、クリスマスなんて知らなければよかったんだ」と絶望と後悔に苛まれ過ごした者達が多かったんだってさ。
「楽しかったねーシロウ」
「そう、だな。うん……楽しかった」
無尽合体キ○ラギのクリスマス特別編を眺めながら士郎とイリヤはコタツで微睡んでいた、すると自分の膝の上に陣取ったイリヤが次第にコクリコクリと頭を揺らし始めたことに気付いた士郎は手元に置いてあった大きな布団を自分とイリヤを包むようにかけた。
「こんなとこで寝たら風邪引くぞ……ったく」
暖かさに包まれ寝入ってしまったイリヤの体が冷めないように、かつ暑すぎて寝汗を掻いたりないしないように気を配りながら日付変更までそうした。
麗しい姉弟愛である。
シャンシャンシャンシャン。
そんな幸せな1日を満喫している彼らを見守るように遥か空の果てにて赤い礼装を羽織った老紳士が幻想種にソリを運ばせながら世界中を飛び回っていた。
英霊サンタクロース
世界中の子どもたちから、そうあって欲しいと願われ誕生した架空の英霊。
12月24から25日にかけ召喚される。
全ステータスEX、宝具によって世界中のよいこにプレゼントを届ける。分霊として世界中のお父さんに憑依召喚され直接プレゼントを渡すこともある、当たり前じゃないっすかーサンタクロースはじつざいするんですよー(曇りなき眼)
「っ!!」
心暖まる光景を見届けた英霊サンタの前に、巨大な漆黒の炎が行く手を塞いだ。それを放った男の存在に気づき、サンタは顔をしかめる。
「ヒャハハハ!どこへ行く気だぁ……“兄弟”ィ…!?」
その男の服装は、奇しくもサンタに酷似していた。
ただひとつ、そして決定的に違うのは色だ。赤の服装のサンタに対し、男は漆黒の服を纏っている。それは単に黒く塗られているというよりは、赤々しい血が乾き黒々と変色したかのような不気味さを醸している。
「……やめよ。我らが争ったところでどうなると言うのだ」
「うるせぇええ!止まらねぇんだよ、疼くんだよォオオオオ!てめぇをぶち殺せって俺の心がさぁアアア!!」
反英霊サタンクロース
嫉妬や怒り憎しみといった全ての負の感情を受け現れた、サンタという英霊の反存在。
12/24から25にかけ現れる、全てのステータスEX。その身は『リア充死すべし』という絶対目標のためだけに力を発揮する。
星の殲滅種。
「避けられぬ戦いと言うならば是非もなし、私は世界中の子ども達のために貴方を倒さなくてはならない……ッ!」
爆発的に膨れ上がった存在感が世界を“凍結”させる。
便宜的に凍結と言ったが、正確には違う。この二人が争うということは、それ即ち五つの魔法すら越える絶対的な力と力のぶつかり合いが地上で巻き起こるということ。その威力に世界は僅かですら耐えられない、故に時空間を超越したこの戦場へとサンタクロースはサタンクロースを閉じ込めたのだ。
そしてこの空間から外に出れるのは、勝利した方だけ。
「くっ、クヒャヒャヒャハハァアア!!殺してやるぞサンタクロースぅううう!」
童……童……と全身から溢れ出す障気にサンタは息をのみーーーこの運命の残酷さに心が軋む音を確かに聞いた。
「貴方を倒します……“兄さん”」
サタンクロースはサンタクロースの反存在である。そう言ったし確かにそれは事実だ。だが、それは『サンタが先に生まれた』と言うことを現しているのではない。
人は正しく生きようとしても、悪の道を捨てきれない生き物である。しかしだ、そもそも悪の道こそ“人の正しい道” なのではないだろうか?
サンタクロースとサタンクロース。
この二人の争いの果てに、我々は人という種の“真理”を知ることができるのかも知れない。
我々は悪であるか。
それとも…………
「…………………………………………………………………………………………………………………………変な夢見たぁ」
いつの間にか寝ていたイリヤはそう呟き、起きた。
イリヤ「夢落ちってサイテー!!」
皆さんクリスマスはどうでしたか?
私的には特に代わり映えのしない1日でした。リア充死なないのでサンタクロースが勝ったんだと思います、ああ…………失望した。