ソードアート・オンライン ・ホロウフラグメント・蒼の竜剣士と紫の少女の出会い [改稿中] 作:恋愛紳士
前回のあらすじ、ヒースクリフのファインプレイ!
コウキサイド
フィリアの隠れ家
俺は皆から去ったあと、真っ直ぐフィリアの隠れ家に来ていた、手がかりを探す為に……がそこには何も手がかりはなかった……あったのは。
コウキ「フィリア……」
俺の手にはフィリアの短剣……メタルソードブレイカーを持っている……焚き火近くに突き刺さっていて耐久値もあともう少しで無くなる寸前だった……
コウキ「フィリア……お前は今何処にいる……?」
俺は上を向き、木々の隙間から見える星空を見る……綺麗な星空も今日は心なしか寂しく見えた……
コウキサイドエンド
フィリアサイド
???
フィリア「…………」
……私はコウキとユウキを落とし穴へ落としたあと、PoHに連れられ、何処か分からないところで軟禁された……
フィリア『ちょっと!ここまで連れてきて……なによここ!?』
PoH『oH,oH……おれぁ……信じたいのだが何か余計なことをするかも知れねぇから数日ばかしここで大人しくしててくれ、じゃあな』
そのあとは食事と水分をPoHのいるギルドメンバーが渡してくるだけで何もしてこない……
あとはただ何もないところでただ壁に寄りかかって座っているだけだ……
フィリア「……早く終わらないかな……」
私はこれから後に起きてしまう運命を抗う為にPoHの策略に乗った……これからもコウキと一緒になれる為に……だから私はコウキ達を……
フィリア「…………」
私はふっと自分の左腰を見た……そこはコウキが作るのを手伝ってくれたメタルソードブレイカーが差さっている場所である。
けど私は隠れ家に置いてきた、これから自分がすることに対してこれは相応しくないと思ったからだ……
フィリア「早く……会って……謝らないと……」
今でも思い出してしまう……落とし穴に落ちてくコウキとユウキの顔を……それを思い出すと胸が痛む……
フィリア「コウキ……ユウキ……早く……会いたいよう……!」
また私の瞳から涙が零れた……
フィリアサイドエンド
コウキサイド
訓練場
ザッ!ズバッ!ザッ!ズバッ!ザッ!ズバッ!
コウキ「……!……っ!」
俺はあれからアークソフィアに戻り、訓練場で……かつての自分の動きを取り戻す為に敵(かかし)を斬っていた……
訓練内容としては手足のあるかかしを50用意し、それを適度な感覚で置く。
そして俺はそれをかかしの手足を(無論身体をぶつけずに)全部斬りながら規定時間までに目標地点に着くという訓練……言うだけは簡単だがこの訓練を細かく言うなら。
かかしの手足はそれぞれ赤・青・緑・黄・銀とあって、赤は長剣(太刀)、青は中剣(片手剣)、緑は短剣、黄は投擲武器、銀はソードスキル、などで攻撃をしなければならない、更に言えばそれぞれに向かうルートもある、つまり。
『規定時間』までに全50のかかしの手足を『決められた場所』と『決められた武器』で『全部』斬ってなおかつそれらに『身体をぶつけず』に『目標地点』に辿り着くという……素人ならまず無理と言わざるを得ないの事である……が、俺は……
コウキ「……規定時間オーバーか……前なら数十秒余したが……」
俺は今それを規定時間こそオーバーしたがかかしにぶつからずに全手足を決められた武器で斬って、目標地点まで辿り着いた。
俺は剣の感触を確かめながら今のできばえを評価する……
コウキ(……まだだな……まだ取り戻しきれてない……があと少しまで近づいている……あと少しで……)
そう結論付けてまたやろうとすると。
???「こんな夜遅くに練習?」
コウキ「!?」
コウキ(馬鹿な!?普段ならともかく今の俺が気が付かなかった!?)
俺は声がしたほうへ向くと……!
ストレア「やっほ!久しぶり!」
コウキ「……ストレアか」
そこにはしばらく会ってなかったストレアがいた……
コウキ(……そういえばストレアはあの場にいなかった……)
とりあえず俺は兜を外し、ストレアと面を向かえあった。
コウキ「……どうしてここに?」
ストレア「なんか寝つけなくて……散歩してたらね……コウキは?」
コウキ「……似たようなものだ、ここで訓練してた」
ストレア「そう……コウキ」
コウキ「……なんだ」
ストレア「ずいぶんと変わったね」
コウキ「……まぁな」
ストレア「うぅん、違うよ?」
コウキ「えっ?」
ストレア「たぶんコウキが思っているのは装備だと思う、けどあたしが言っているのは雰囲気のことだよ」
コウキ「…………」
図星だった……ストレアは俺に何があったか感づいていた……!
コウキ「……なんのことだ?」
ストレア「嘘ついたって分かるよ、前に会ったときとは雰囲気まるで違うもん……なんか……らしくないよ」
ピクッ!
コウキ「らしくない……だと?」
ストレアの言葉に気にさわった俺はストレアに睨み付ける。
コウキ「何がらしくないだ?お前に俺の何が分かる!?」
カチッ!
そう言って俺は剣を掴む……がストレアは怯えはしなかった……むしろストレアは続けて言った。
ストレア「……確かにコウキの過去は知らないよ?……けど今までのコウキは知ってるよ」
コウキ「……今までの俺……」
ストレア「……初めてここで会ったコウキ、その後に再会したコウキ、それからは会うたびに何かと何かしら起きて……そして助けてくれるコウキ……」
コウキ「…………」
ストレア「……今の君は今までの明るかった自分?それとも暗かった頃の過去の自分?」
コウキ「……俺は……俺は……」
ストレア「それを答えられるのはあたしじゃない、結局はコウキ、君が答えないといけない、けどヒントなら君の近くに沢山あるよ?」
コウキ「ヒント?」
ストレア「うん、けどそれも自分で見つけないとね?」
コウキ「自分で……か」
ストレア「……コウキ、ちょっと目を閉じて?」
コウキ「?何でだ?」
ストレア「いいから!」
コウキ「まったく……いきなり何を……」
そう言って俺は目を閉じる……そして次の瞬間!
グイッ!ギュ!!
コウキ「ムグッ!?」
突然腕を引っ張られ、前のめりに倒れて、そして顔面に何か凄く柔らかい物が当たる!
コウキ「ムグッ!?ムグッグッ!?(ちょ!?なんだぁ!?)」
ストレア「ちょっと!そんな動かないでよ!」
コウキ「ムグッ……(えぇ……)」
黒コウキ(うほっ!)
コウキ・白コウキ((帰れ))
……しばらくストレアに抱きつかれ(無理矢理(これ重要)に)、顔面に柔らかい感触を感じつつ……そしてやっと離れてくれた……
それからしばらく……俺はストレアに抱きつかれ(無理矢理(ここ重要))……やっとストレアが俺から離れてくれた……
ストレア「ふぅ~……」
コウキ「し、死ぬところだった……(精神的に)」
ストレア「それで?」
コウキ「はっ?」
ストレア「元気になった?」
コウキ「……?……!なるほどな……」
さっきの奇行はストレアの励まし方のようだ……だが
コウキ「余計に疲れたわ」
ストレア「あれぇ?」
コウキ「……プッ!ハッハッ!!」
ストレア「ちょ、ちょっと!笑わないでよ!!?」
俺はいつのまにか笑っていた……さっきまで笑顔なんて忘れたみたいに心を暗くしていた俺がいつのまにか忘れていた……そしてストレアは。
ストレア「……やっと笑ったね」
コウキ「……ああ、お前のおかげでな……けどストレア、俺は……」
ストレア「うん、わかってる、あとはコウキが考えて決めて?」
コウキ「……ああ」
ストレア「……じゃあ私帰るね?」
コウキ「ああ……ストレア」
ストレア「ん?」
コウキ「ありがとうな」
ストレア「…………」
ストレアはニッコリと笑ったあとそのまま帰路へと歩いて行った……
コウキ「……ありがとうストレア」
コウキ(俺に元気をくれて……けど)
ストレアのおかげで心の中は軽くなった……が俺は……
コウキ「すまない……ストレア」
コウキ(俺は……過去で散った人達の為にも……そしてあいつとの約束の為にも……あいつらが俺の世界に巻き込む訳にはいかない……だから)
俺は目を閉じて……開くといつもの蒼目ではなく、銀目になっている。
コウキ「答えは……今の自分は、過去の……『狂残光の銀目』としての自分だ」
そして俺は兜を被り直す、それは自分の決意を固める意味を込めて。
コウキ(さぁ……戻ろう……あの暗く……負の感情に染まった闇の場所へ……希望の光を照らし……後にその人の心が希望の光を灯せる為に……)
コウキサイドエンド
ユウキサイド
エギルの店
ユウキ「……だけど」
皆がコウキのことで黙る中……ボクが口を開くと皆がこっちに向く……
ユウキ「だけど……だからってコウキこのままにはしておけないよ!」
ラン「ユウキ……」
ユウキ「だって……ここでコウキのことを忘れようなんて……今まで一緒だったコウキとの思い出を否定するってことじゃないか……そんなのヤダよ!!……それに」
そこまで言ってから……ボクは涙を出しながらも言い続ける。
ユウキ「コウキのことを……忘れるわけ……ないじゃないか……」
泣き崩れそうになりそうになりながらも足に力を入れて踏み留まる……すると今まで黙っていたキリトが……
キリト「……俺も同感だ、今までアイツが抱え込んでいたことを聞いた以上、俺が忘れて何もしないってのはまずない」
ユウキ「キリト……」
アスナ「キリト君……うん!私も手伝うよ!」
ユイ「パパ、ママ!私も出来ることがあればおてつだい致します!」
シリカ「あたしも……今までコウキさんにお世話になりぱなしですから……これで恩返しします!」
ピナ「キュルキュル!」
リズ「……まっ、私もアイツには借りがあるし……それにここで引き下がっちゃったら女が廃るってもんよ!私も協力するわ!」
リーファ「アタシも!コウキさんにはここに来てからお世話になってた……だから今度はアタシが力になるだ!」
シノン「私も……ここに来て……ここで生きるすべを……アイツに教えて貰った……それに助けにも来てくれた……だから今度は私がアイツを助ける番!」
クライン「……へっへっ……俺だってな……アイツには色々とあったがな……それでもよ、いつか現実に帰ったらアイツと飲みに行くと決めてんだ!勿論キリトたちも連れてな、だからここで引き下がれるかってんだ!!」
ハンク(あっ、蘇った……今まで気絶してたが……気を伺ってたのか?)
エギル「……オレも店のことで世話になってるし……それにこいつらのストッパーもしないとな」
ラン「私も……ハンクさん達に助けられて……ギルドに入ってからも助けられてばっかでした……けどこれで今まで恩を返します!」
ユウキ「姉ちゃん……皆……ありがとう」
皆が……コウキの為に頑張ろうとしてくれてる……ボクは……何だか涙が止まらなくなっていた……
ハンク(……ヒースクリフ……見てるか?今までアイツが本心では孤独だった奴が今ではこんなにも仲間に恵まれているんだぜ……アイツは『本当の勇者』なのかもな……けど今は……)
ハンク「盛り上がってるところすまないが……何にしてもまずはコウキのこと何とかしないと」
キリト「そうだな……」
ハンク「今のアイツになに言っても無駄だろ……何か他のことでアイツをどうにかしないと……」
ユウキ「……(グシグシ)……ハンク、そのこと何だけど」
ハンク「……なんだ?」
ユウキ「この件……ボクに任せてくれない」
ボクは覚悟を決めた目でハンクを見た。
ユウキサイドエンド
次回……『銀目コウキVSユウキ……純銀色の絶望と黒紫色の希望』お楽しみに