インフィニット・ストラトス 龍の魂を受け継ぐもの   作:すし好き

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梅雨の季節となり、暑くもなってきて、コロナのことも考えた
新しい生活様式になってきました。
マスクが、暑くてしょうがないです(汗)

少しずつ日常が戻ってきましたが、
コロナだけでなく夏バテ等も、みなさん気を付けてください。


昔話・その2

「あっ。透也さん。

 皆さんの師匠を呼ぶことは出来ないんですか?」

 

過去の恐怖体験から必死に逃げているカズキを一夏達が、子供を

あやすように慰めていると、スザクがふと思い浮かんだ疑問を口にした。

 

「カズキさんだけでなく、皆さんも鍛えた師匠なら

 もっと鍛えてくれるんじゃ……」

「それは、やめておいた方がいい」

 

スザクの考えに、みんな確かにと思った顔をするや否や、現実に

帰ってこれたカズキがキッパリと否定した。

 

「IS学園、いや……。

 この島が跡形もなく沈められるよ……師父に」

「だな」

「ええ」

「そうだね」

 

どうしてと誰かが聞く前に、カズキは至極真面目な顔で突飛もないこと

を言って、透也達もそれに続いて苦虫を嚙み潰した顔だったり、苦笑して

同意する。

 

「師父は、蒸気機関の発明から人間の堕落は加速したとか言っているから、

 近代技術の塊なここを見たら、

 “てい!”って、かわいらしい掛け声とはかけ離れた威力の拳を

 放つのが簡単に想像できる……」

「確かに、あの人ならやりかね……いや、やるな。ほぼ確実に」

 

頭に浮かんだ光景を否定しきれる要因がないのか、カズキと透也は頭を

抱える。

 

「ど、どんな人何ですか?

 カズキさん達の師匠って?」

『気になる所だな。ものすごく』

「かわいらしい掛け声ということは、女性の方なんですか?」

「いや、甘いで明ちゃん!

 世の中には、女の子よりもかわいい男の娘なんてもんがいるんや。

 透也さんが兄弟子っちゅうことも考えると、そんな意表をついた人かもしれへん!」

 

はやての言葉にどういう意味だと聞きたい透也だったが、ぐっと堪える。

 

「…………ぶっ飛んだ人……か……な?

 色々と……」

「いや、カズキさん達の師匠なんだからカズキさん達以上に

 ぶっ飛んだ人っていうのはわかりますよ?」

「あれ?私達のこと変人とか思ってる、君?」

「えっ!?

 ち、違うんですか!?」

 

絞り出すように答えるカズキに、一夏は率直に自分の考えを述べる。

恋華は、そんな一夏にどういうことかと聞くと、一夏は心底驚いた

表情を見せた。

一夏の天然に、恋華が意味深な笑みを浮かべている傍らで、

カズキは考えにふけっていた。

 

「う~ん……。

 自分でも、こんな説明じゃわからないって思いますけど……ねぇ?」

「だったら、何を説明したものか……だな」

「ありすぎて困るというか、無さすぎて困るというか……。

 いや、説明すればするほど混乱して真実が隠れていくというか……。

 神様をぶちのめしたなんて話もあるくらいだからなぁ~。

 (そもそも、何であの人は俺なんかを助けてくれたのやら――)」

 

自分がこうして生きていられるのは、師父のおかげであると分かっているし、

鍛え上げてくれたことにもカズキは感謝している。

だが、それ以前にどうして出会うことができたのか納得できる答えをカズキは

見つけられていなかった。

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

時は、十数年前。

地球とは違うとある世界の小さな村……だった場所。

そこで、“地獄”が現世にあふれ出ていた。

 

「ははは……ハハハハハっ!!!」

 

あふれ出させているのは、一人の少年……カズキであった。

彼を中心として地獄の空気が広がっていき、次々と周囲の植物や地面の

命を奪っていく。

だが、そんなことを気にすることなく、カズキは涙を流して乾いた笑い

を続けた。

この地獄が広がり続ければ、周囲の村まで飲み込まれることも、

二度と命が住めない不毛の地になろうとも……自分の命が消えることに

なることもカズキにはどうでもよかった。

止める者もいなかった……いや、“いなくなっていた”。

カズキ以外の村人は、全て横たわり二度とその目を開くことない……。

 

「ははははは!!!!!」

 

絶え間なく頬に流れるのが、振り続ける雨なのか自分の涙なのかも

どうでもいい。

今、使っている地獄と現世を繋げているこの力もどうでもいい。

もう何の意味もないと、カズキは嗤いつづける。

 

「あはははははっ!!!!!!!!!!!!」

 

このまま力を使いつづければ、自分だけでなく世界も大変なことに

なったとしても、それはカズキには救いに思えた。

もう、世界にも自分にも何の価値もないと力を更に

解放しようとした瞬間――。

何の前触れもなく、“彼女”は現れた。

 

「おやおや、まさかこんな童がこれを起こしていたとは」

「っ!?」

 

淡々としながらも感心をにじませるその声に、カズキは驚愕した。

地獄の空気に満ちているこの空間は、力を行使している自分以外の

生者が生存できるような場所ではないのだ。

だというのに、女性は平然とカズキへと近づいていく。

 

「――ふっ」

 

害はないが煩わしくは思ったのか、彼女が腕を払うと広がっていた

地獄の空気は瞬時に消え去った。

 

「なっ!?」

 

カズキは呆然と立ち尽くした。

彼女が何をしたのかまるで理解できなかった。

そして、理解した。

自分が手にしたこの力は、無意味で、強大で――

わずか一動作で打ち消されるようなちっぽけなものなのだと……。

 

「ちくしょう――」

 

心底悔しく呟いたのを最後に、カズキの意識は途絶えた。

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「いいか、カズキ。

 表と裏、どちらしかないコインなどないように、人間が住むこの世界と

 この世非ざる者達の世界は切っても切れぬ関係にある……。

 故に、互いが関わらずにいられないが、関わりすぎるのもよくない。

 大事なのは、バランスだ」

 

道着に身を包み正座するカズキは、向かい合う師の言葉に耳を傾ける。

修業をする前に必ず聞かされる、世界の理である。

 

「だが、怒りや憎しみ、自らの欲望で人間は踏み越えてはならない境界を

 簡単に越えてしまう……その境界の先に何があるのか見もせずに――。

 その者達を待っているのは、自らの破滅だ。

 破滅は周りにも広がる……何の縁もゆかりも無い者達も巻き込み……。

 そして、理不尽に巻き込まれた者達や絆を持つ者達がまた境界を越え……

 破滅は際限なく広がっていく」

「それを防ぐために境界を越えてしまったモノを討ち、破滅を広めぬための境界と

 なる者が私達“境界師”」

 

自分自身にも問いかけるように語る師……父に続いてカズキは、自分達が

何者かを刻むように言葉を紡ぐ。

 

「もう一つ、忘れてはならぬのが境界師も踏み越えてはならぬ境界を簡単に

 越えてしまう人間だということだ。

 いや、境界を見極める分、踏み越えやすい存在でもあると言えるかもしれん……。

 だからこそ、境界師は自分の心と人一倍向き合い続けなければならない。

 怒りや悲しみを持つな、感じるなとは言わん……。

 目を逸らさず見続けるのだ――」

 

師から弟子へと受け継がれ続け、また自らも見続けているのか、カズキは

父の言葉を何度聞いても気圧される。

 

「……見続けて……自分の心なのに自分でも分からない時は……後悔を

 しない選択をしなさい」

 

最後の言葉は師としてなのか、父としてなのかはわからないが、カズキは

修業を始めようと立ち上がり……。

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「あ、れ……?」

 

カズキが目を開けると、そこに入ってきたのは知らない天井だった。

自分は先ほどまで、父といつものように修行をしようとしていたはずなのに

どういうことだと思う前に、声がかけられる。

 

「おや?起きたようですね、境界師」

 

体を起こして声が聞こえた方に首を回すと、そこにいたのは天女を

思わせる美貌の少女であった。

瞬間、カズキは一気に頭が覚醒し今まで夢を見ていたこと……

父も母も仲間達もみんな既にこの世にいないのは逃れられない現実何だと

理解した。

……理解したくなかった。

 

「っっっ~~~!!!!!」

 

声にならない感情がカズキの体を駆け巡り、爪が食い込むほど拳を強く握りしめる。

頭の中で、どうして?何故?とこの信じられない悪夢のような現実が起きてしまった

疑問が渦を巻く。

何度も……何度も何度も何度も何度も何度も――――。

 

「どうして……俺だけ……」

「おや?何を悲しんでいるのです、童?

 お前は、感謝すべきなのです。

 この武の頂点に座する私と出会い、目に適ったことを」

「感謝……っ!」

 

こちらの気持ちを考えていないにも程がある少女の物言いに、カズキは歯ぎしりして

睨みつける。

本当ならまずは、自分を助けてくれたことに礼を言うべきなのだが、

カズキにそんな余裕などなかった。

 

「そ、んな……武の頂点が……なん、で……あん……な

 とこ、ろに……いたん、だ……?

 何で、みんなを助けてくれなかった!!!」

 

仮にも命の恩人に向かって言うべきではない完全な八つ当たりだったが、

それでも叫ばずにいられない。

頭の中に渦巻く感情を口に出さずにはいられなかった。

 

「私があの場にいたのは、何やら不愉快な儀式が起きる気配がしたため……。

 そして、何故私が下々の者を助けねばならないのです?

 命を失ったのは、私が助けなかったからでなく、あの者達や童の

 力が足りなかったから……分を弁えなさい」

 

欠片も悪びれることなく、少女はカズキに正論を言い放つ。

上から目線の物言いだが少女の言う通り、彼女に非はないのだ。

 

「本来であれば、童とて私の姿と声を見聞きした罪で両目をくり抜き、耳を

 削ぎ落さねばなりませんが、その才に免じて今の無礼と合わせて不問としましょう」

「才……?」

 

カズキは少女が何を言っているのか分からなかったが、一つの単語に引っかかる。

 

「才って……何の才だよ?」

「お前は何を言っているのです?

 この世非ざる世界の一つ……罪人達の逝きつく先、地獄をこの世と繋ぎ、

 その力を行使しながらも精神が崩壊していない……。

 触れれば、発狂してしまう力を使いながら……。

 童……この世非ざる世界への素晴らしい耐性をお前は持っているのです。

 これを才と言わず、何と呼びますか」

 

少女の言葉をカズキは、にわかには信じられなかった。

確かに、気を失う前にとてつもない力を奮っていた気がするが、

いきなりそんな才能があると言われても自覚できなかった。

 

「(才能が……力があるからって……何の意味がある……っ!)」

 

少女が言う才能とは別に、カズキは才あふれる子供であった。

頭もよく、どんなこともそつなくこなし、

教えたことは砂が水を吸うがごとく身につけ、

大人と戦っても負けることはほとんどなかった。

そのためか、カズキはどこか冷めてもいた。

淡々と修業し、淡々と他人と関わり、淡々と日々を過ごしていた……。

 

 

 

だから、この敗北がカズキにとって本当の意味で初めての敗北であり……

初めての挫折であった……。

 

「(くそくそくそくそくそっっっ!!!!!)」

 

カズキは、自分でもわからない制御できない感情に振り回されていた。

淡々と過ごし関わってきたつもりで、カズキは自分で考えている以上に

両親や仲間のことを大切に想っていたのだ。

だからこそ、カズキは怒りと悲しみという感情に振り回されていることに

カズキは気付いていなかった。

そして、頭をよぎる……一人の人間の姿が……。

 

「(あの男……っ!)」

 

全ての元凶、忌むべき敵、許してはならないその男は、ふらりと

何の前触れもなくカズキ達の村に現れた。

自分達に境界師に話があるらしく、父を含めた大人達が話を聞くことになった。

カズキは一人、村から少し離れたところで自主訓練をしていてたいして気にも

止めていなかったが、村に戻った自分を待っていたのは変わり果てた姿となった

村の者達であった――――。

 

「(何が夢だ!何が光だ!

 みんなの命を奪っておいて、どの口が言うっっっ!!!)」

 

何が起こったかわからないカズキに気付くことなく、その男は傲慢に……

わが身が裂けるような痛みに耐えるかのような震える声で呟いた。

 

“我らが夢のため……全ての人々に光を――――”

 

男の顔は愛する家族が、友人が、恋人が死んだかのように悲しみで歪んでいた……

 

 

 

 

 

その手を村の者達の血で真っ赤に染めながら……。

 

「(だけど、負けた……。相手にもならなかった……っ!)」

 

わが身を焼き尽くさんばかりの憎悪の炎は、少しずつ小さくなっていく。

腹の底から沸き上がった怒りに任せて、男に戦いを挑んだカズキだったが

結果は惨敗……ぐずる幼子をあやすかのように軽くあしらわれてしまった。

 

「(ああ、そうか……。この力の意味は……)」

 

一度は、自らの無力さにジリジリと小さくなった憎悪の炎は、再び大きく燻り始める。

今の自分には覚醒した力がある。

何の意味も価値も見いだせなかった、その力の使い道があることにカズキは気づく。

生きていることを!存在を!抱く夢を!

決して許してはならない相手……敵の命を奪う……っ!

この力は、“その程度のこと”のためにある……と。

 

「(すいません、父上。

 どうやら、自分は境界師ではなかったようです。

 越えてはならない境界を踏みとどまれるのが人間なら……

 俺は人間でなくていい……っ!)」

 

境界師の教えに背くことを、カズキはためらわなかった。

あの男を許すことこそ、生涯にわたって後悔することになると

カズキは“境界”を超えることを決意する。

 

「(だけど……できるのか?)」

 

“復讐程度”に、自分の存在全てを注ぐと決めたカズキだったが、

それを成すことができるのかと、冷静に考える。

今の自分は、所詮世界の広さを知らない未熟な子供に過ぎない。

強大な力を手にしたとはいえ、それを十全に使えるかと言えば、答えは否だ。

 

「……自らを武の頂点に座するという、あなたに問いたい。

 あなたが、助けようと思えば村は助かった……

 あの男に勝つことができましたか?」

 

寝かされていた布団の上で、正座をしてカズキは少女に尋ねる。

未熟とはいえ、才あると言った自分の力を何の苦もなく払いのけ、

傲慢でありながら他を寄せ付けない圧倒的な自らへの自信と揺るがぬ存在感。

相対するだけでも、この少女がただものでないことは明白であった。

どれほどの力の差があるのかすら、見当もつかない。

 

「その問いに、私への侮りはありませんね……。

 いいでしょう。

 あの程度の者相手なら万一もありません。

 答えは肯定をもって返しましょう」

 

この少女の万一と自分の万一では、比べるのもおこがましいが、

ほぼ確実にあの男に勝てるのは間違いないとカズキは確信する。

 

「お願いがあります」

「申してみなさい」

「自分をあなたの弟子にしてください」

 

カズキは、布団から降り頭を地面につけて少女に懇願する。

目的は言うまでもなく――。

 

「復讐のために?」

「はい」

「無意味なことのために、力を望むと?」

「はい」

 

無意味?

だから、何だというのだ。

それが、復讐しない理由になるのか?

この力も自分も……“その程度”の存在価値でいいと、

カズキは迷うことなく言い切る。

 

「あの男を殺せる力をください――」

「…………」

 

少女は、無言で自分に頭を下げるカズキをしばし見続けた。

 

「いいでしょう。

 素質は、申し分なし。

 無意味な道を行くのもまた一興――。

 我が性は羅、名は翠蓮、字は濠。

 その名を刻み、精進しなさい」

「わかりました師父。

 以後、よろしくお願いします」

 

こうして、カズキは少女――羅翠蓮の弟子となった。

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「(今考えてもわからない……。

 あの場に師父がいたのは、師父が言うように本当にたまたまだったとしても、

 何で自暴自棄な俺の願いを聞き入れて弟子にして、鍛えてくれたのか……)」

 

自分の始まりを思い返して、カズキは答えの見つからない問いを自問自答する。

 

「…………うっ」

『おい、どうしたカズキ?

 二日酔いしたみたいに顔色が悪いぞ?』

「ああ、大丈夫。

 ち、ちょっと昔のことを思い出してね。

 それで、師父のとんでもない修業も……。

 我ながら、目的というか復讐のために

 よくあんな修業を乗り越えられたなぁ~……ってね?」

 

あんな修業というのがどんなものか気になる一同だったが、ぐっとその疑問を

口に出すのを堪えた。

カズキがこんなに気分を悪くするような修行など、聞いただけでもゾッとする。

特に一夏は、自分もカズキから思い出しただけで青ざめる修行を受けているから

口元が盛大に引き攣っていた。

 

「…………」

「何だ?」

「ん?」

 

一夏以上に、カズキの気持ちがわかるのか乾いた笑みを浮かべる透也達の

傍らで千冬と一夏は自分達に視線を送るカズキに訝しむ。

 

「いや、別に?

 (そうだった……。こうして、俺が復讐だけで終わらなくて済んでいるのは、

 師父や師兄達だけでなく、この二人のおかげなんだよな……)」

 

先程までの気分を悪くした青い顔はどこに行ったのか、カズキは温かい目をした顔で

“碓氷カズキ”を形成してくれた二人に感謝する。

 

 

 

修業を乗り越え、復讐を果たした後のカズキは目的も夢も何もなく、ただ行く先々で

出会った理不尽を強いる略奪者達を淡々と潰していった。

中には、傲慢な管理局員もいたがカズキの知る所ではなかった。

そんな時に地球へとたどり着き、学校へと通う学生を目にして、雪が学生生活というのを

熱弁していたのを思い出したのだ。

復讐が終わったら、そこに行くのを強く進めていたことも――。

 

 

 

「(で。

 たまたま適当に選んだ学校で千冬と出会って、一夏とも知り合って友達になって……

 あっという間につまんなかった学生生活ってものが楽しくて仕方なくなったんだよね~)」

 

最初は雪が熱弁するほどのものじゃないと決めつけていた学校だったが、

千冬との出会いで文字通り世界が一変したことを思い出してカズキは笑みをこぼす。

 

「ねぇ、千冬ちゃん?」

「何だ?」

「キスしてもいい?」

「……はぁぁぁっっっ!!!!!!!!!?」

 

何の脈絡もなくとんでもないことを聞いてきたカズキに、千冬は

大声を上げて仰天し、他の者も盛大に吹き出す。

唯一、雪だけが石像のようにビシリと固まった。

 

「いや~、昔のことを思い返してたら急に千冬ちゃんと触れ合いたくなってね~?」

「おおおお前は、こんにゃ人みゃえでにゃにを言って!!!」

「誰かに見られながらってのも、なかなかいいものよ~?」

「恋華……お前は黙っていろ。

 後、雪はその斬馬刀をしまえ」

 

一瞬で混沌の嵐を巻き起こしたカズキに、頭を抱えながら透也は

的確に二次被害を抑えるため、恋華や雪をなだめる。

 

「(この戦いが終わったら、師父に会いに行こう)」

 

見方によっては立ててはいけないフラグに見えなくもないが、カズキは

創生種との戦いに決着をつけて、師である羅翠蓮に会いに行くことを決める。

別れた時には無い守るもの、愛するものを持ったことで

弱くなっているのを嘆かれるかもしれないが、それでも

今の“碓氷カズキ”を見てもらおうと、カズキは慌てふためく千冬達を見ながら

思うのであった――。

 




はい。カズキの過去話第二弾でした。

カズキや透也達の師は、その名の通りカンピオーネの羅翠蓮です。
噂では、原作のように神を殺したとか何とか。
仙人なので、透也達より(かなり)年上です。

カズキが地球にたどり着いた当初は、復讐を終えて完全に抜け殻になっており、
無気力、無関心でしたが、千冬のまっすぐさや一夏の純粋さに
人間らしさを取り戻していきました。
一夏のことは、弟分や弟子とかだけでなく友達とも思っています。
口にはしませんがwww

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