インフィニット・ストラトス 龍の魂を受け継ぐもの   作:すし好き

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早くもお気に入りしてくれる人がいて、すごくうれしいです♪
執筆は大変ですが、それ以上に楽しいです。
ここから先は、すごく遅くなると思いますが、がんばっていきます!


波乱な始まり

この世には、世間一般で知られている常識から逸脱した非日常な出来事が存在する。

 

――助けを呼ぶ声が聞いたら、魔法の世界への扉を開ける

――初対面の女性に首輪をはめられる

――世界を手に入れようとした異形の者たちから世界を救う

 

えっ?そんなこと起きるわけがない?本やテレビの中だけ?

いえいえ、何かの歯車が天文学的な確率でかみ合った時、運命とも言える非日常との出会いが起きるのです。

 

女性にしか動かせなかった飛行パワードスーツIS。

 

それを男なのに動かすことができ、世界で知らない人間はいないほど有名になってしまった少年織斑一夏もそんな非日常な世界への扉を開けた一人である。

 

だが、彼が開けた非日常への扉が一枚だけではないことを知っているのは、彼が現在いるIS学園の教室にはほとんどいなかった……。

 

そんな人よりも多くの不思議な出来事を経験してきた一夏も今の状況には、すっかり戸惑っていた。

 

 

「こ、これは想像以上にきつい……」

 

彼がこう思うのも無理はない。

何故なら、彼を除くクラスメート29名全員が女子であり、しかも席が最前列の真ん中と彼女たちの興味津々な視線が全て座っている一夏の背中に向いているのだ。

落ち着けと言うのが無理だろう。

 

『(私に視線が向いているわけではないが、確かにこれは落ち着かないな)』

「(なんとかしてくれ、相棒!)」

『(無茶を言うな!)』

 

共に戦ってきた相棒、ゲキリュウケンにテレパシー?で助けを求めるが、手足の無い彼ではどうしようもないだろう。

 

「動物園にいる動物たちの気持ちが、わかるぜ・・・」

 

一夏がどうしたものかと途方に暮れていると、窓際の席に見知った顔を見つけた。

 

「箒?」

 

長い髪をポニーテールにまとめた少女は、一夏が6年前にわかれた幼馴染みの少女であった。

ふと、一夏と視線が合うと慌てて逸らされてしまった。

 

「(おいおい、それが久しぶりに会った幼馴染みへの反応かよ)」

『(彼女にとっては、お前は幼馴染みではないとうことだろ)』

 

相変わらず、その手のことに鈍い一夏にツッコミをつぶやくゲキリュウケンだが、それは誰の耳にも入ることはなかった。

 

そこでプシューと空気が抜けるような音がして、教室のドアが開き一人の女性が入ってきた。

 

 

「始めまして、皆さん。私はこのクラスの副担任の山田真耶です。

 今日から一年間、よろしくお願いしますね♪」

 

自己紹介した彼女は、身長がやや低めで雰囲気が若干ほわっとしていた。

それに加え、着ている服もサイズがあっておらず、子供が無理して大人になろうと背伸びをしている感がいなめない。

それでも普通なら、ここであいさつが返って来るものだが、皆一夏に集中しているため教室の中は無言である。

 

「え、えっとそ、それじゃあSHRを始めますので自己紹介を出席番号の順でお願いします」

 

変な空気に泣きそうになる山田先生だが何とか、場を和ませようとした。

そんな彼女に大丈夫かと思う一夏だが、原因は自分にあるのですみませんと心の中であやまっていた。

 

 

 

一夏がいろいろとテンパっている中、

彼とは違った意味で心中穏やかではない者たちがいた。

 

「(むぅ~、いかん。

  まさか、一夏と同じクラスになるなんて/////

  まあ、確かに同じクラスになれたらと思わなかったわけではないが、

  いきなり目が合うとか、私にも心の準備というものが、だな/////

  しかし、一夏の奴テレビで見るよりずっと……って、

  何を考えているんだ私は!)」

 

「(ふふふ、なんかますますカッコよくなったな一夏♪

  これからは一緒に屋上でお昼を食べたり、放課後一緒にそうじとかしたり、

  それから……キャッ♪)」

 

「(フンフ~ン♪よ~し、かんちゃんのためにがんばるぞ~

  そして、私もあの人をGETだZE~☆)」

 

久しぶりに会って戸惑う者、企む者、友達のために頑張ると意気込む者もいれば、

 

「ふ~ん?あいつが世界初の男子操縦者ねぇ~

 なんか、パッとしないかも」

 

「ちょっと、失礼だよ~」

 

ヒソヒソと感想を漏らす者、

 

「(彼が、調査対象の織斑一夏くん……)」

 

「(見た感じ、普通の男の子やけどなぁ~)」

 

「(何にも知らない普通の人を調べるのは、あまり気が進まないね……)」

 

やるべきことに、抵抗を感じる者と様々な思惑が交錯していた。

 

 

 

 

「(はぁ~。これだったら、みんなと初めて会った時の方がマシだったかも)」

 

自己紹介が続く中で、一夏は早くも現実逃避に過去のことを思い出していた。

それは、ある人物にこれから共に戦う仲間を紹介すると言われた時のことである。

 

目的の部屋に行く途中で出会った、服のセンスはイマイチだけど気のいい奴とあっという間に打ち解け、他のメンバーがどんな奴らなのかと心を躍らせ、その部屋に入ったらそこにいたのは…………、

 

大柄で拘束具に覆面という、怪しさ満載の人物だった――。

 

その後も、無表情で何考えているんだかわからない大食いの姉妹に、オネェな科学者、女よりもそっちに興味があるという噂の軍人、女好きなお調子者、ものすごく頭いいけどものすごいシスコンな奴、天然、、騒ぐのが楽しいお姉さん、等々。

 

一癖どころではない連中が出るわ出るわ。

 

こんなのとやっていけるのかと当初は不安だったが、今ではかけがえのない仲間たちである。

 

閑話休題。

 

「(あれ?こう思うと、やっぱりこの状況の方がマシかな?)」

『(一夏。現実逃避もわからなくはないが、そろそろ前を向いた方がいいぞ)』

「(前って?あっ!)」

 

「――り斑君……織斑君!」

 

「っ!はいっ!はいっ!?」

 

呼ばれていることに気付いて思わず大声で反応してしまった一夏の姿がおもしろいのか、周りからクスクスと笑い声が聞こえる。

 

「驚かせて、ゴメンね?

 でも、自己紹介が『あ』から始まって、今『お』で織斑君の番なんだよね。

 自己紹介してもらっていいかな?ダメかな?」

 

山田先生が、本当に大人のかなという感じで一夏にお願いをしてきた。

 

「は、はい。わかりました」

 

席から立ち上がり、後ろを振り向くが女子たちの視線に気押されそうになる。

気のせいか、彼女たちの目が一瞬ピカーン!と光ったように見えた。

 

「うっ!」

 

今まで味わったことのない迫力に気圧される一夏だが、意を決して言葉を発し始めた。

 

「お、織斑一夏です。

 特技は家事全般、趣味というより日課はトレーニングと料理かな?

 見ての通り男ですが、そんなのに関係なく仲よくしてくれればうれしいです」

 

自己紹介としてはまずまずな方だと思うが、女子たちは「もっと、何か言って――」と目で語っているので、終わるに終われない空気となり

どうしたものかと一夏が考えていると、

 

「すまない、山田君。遅くなった」

 

背後からよく知った声が聞こえ、振り向くとそこにいたのは彼がよく知る人物だった。

 

「なっ!?や、ヤマタノオロチ!?」

「誰が、頭が八つある伝説の怪物だ!」

 

スパッ――ン!と

振り落とされた黒き宝剣(出席簿)を真剣白刃取りで受け止め、振り下ろした人物を改めてみるとそこにいたのは、黒いスーツを着こなした一夏の実の姉である織斑千冬だった。

 

 

「な、何で千冬姉がここに?」

「ここでは、織斑先生だ!」

「ちょっ!

 タンマ!タンマ!」

 

振り下ろされた出席簿にさらに力が込められ焦る一夏だが、ふいに込められた力が抜かれた。

 

「はぁ~全くお前という奴は~

 まぁいい。

 私がここにいるのは、私がこのクラスの担任だからだ」

 

「えっ?」

 

「さて、諸君!

 私が君たちの担任の織斑千冬だ!

 私の仕事は、お前たちが大人になるための一歩を手助けすることだ。

 わからないことがあったら、いつでも聞きに来い、わかるまで指導してやる。

 聞くこと、理解できないことがあることを恥じるな!」

 

一夏はある人物からこの学園に姉の千冬がいることつい最近知ったのだが、まさか自分の担任になるとは思っておらず、思わぬ展開に少し呆けてしまった。

 

そんな一夏を無視して、担任としてのあいさつをする千冬だが、そんなんじゃみんなから引かれるぞと一夏が甘いことを考えてると…………

 

「「「「「「「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーー!!!!!!!!!」」」」」」」

 

窓ガラスが震えるほどの黄色い悲鳴があがり一夏は思わず耳をふさぐが、一瞬遅れたため脳が揺れるような感覚を覚える。

 

「千冬様よ!本物の千冬様よ!!!」

「ずっとファンでした!!」

「私、お姉さまに憧れてやってきました!北九州から!」

 

そんな数々の言葉とは逆に千冬はうっとうしいとばかりに頭を押さえた。

 

「全く、毎年毎年よくもこれだけの馬鹿者が集まるものだ。

 私のクラスにだけ、集中させているのか?」

 

千冬が本気でうっとうしいと思っているのを、弟の一夏はわかったがそれでもクラスメートからしたらそれは、ご褒美だったみたいだ。

 

「その顔も素敵!!」

「私と是非姉妹の契りを!」

「罵って!」

「私をしつけて――!!!」

 

後半からだんだん危ない感じになっているが、それを止められるものはいなかった。

 

「(相変わらず、すごい人気だな)」

 

一夏が口には出さずに苦笑いしているが、千冬のこれ程までの人気はある意味当然のものなのである。

彼女は、第一世代のIS操縦者であり、元日本代表なのだ。

更にスポーツとしての形に落ち着いたISの世界一を決める大会、モンド・グロッソ。

その大会で見事総合優勝を勝ち取り、世界一の座に君臨したのが織斑千冬なのであり、多くの女性にとって憧れの人物なのである。

ある日突然、引退したが今なおその人気は衰えてはいないのを実感した一夏だった。

 

「で?お前は自己紹介も満足にできないのか?」

 

ギロリと効果音がつきそうな目つきで、千冬は一夏を睨む。

 

「い、いや~千冬姉、俺は普通にやったはずなんだけど~」

 

スパッ――ン!と再び黒き宝剣(出席簿)を一夏に振り下ろし、一夏もまた再び真剣白刃取りでそれを受け止めた。

 

「織斑先生だ。二度も言わせるな」

 

「わ、わかりました織斑先生」

 

冷や汗を流しながら、千冬の攻撃を受け止める一夏だが、

このやりとりで二人が、姉弟であることわかり周りが再び騒がしくなった。

 

「織斑くんって、千冬様の弟?」

「じゃあ、男なのにISを動かせるのもそれが関係してるのかな?」

「千冬様の弟ということは、彼と結婚すれば千冬様が本当のお姉さまに……」

「静かに!」

 

また騒がしくなる前に、千冬は一喝して場を鎮めた。

 

「確かにこいつは私の弟だが、だからと言って特別扱いするつもりはない」

 

「そんなこと言って~

 本当は大~好きな弟が、自分の生徒になってすっっっごくうれしい・く・せ・に♪」

 

突如、千冬の後ろから一夏とは別の男の声が聞こえてきた。

 

「だ、誰だ!?」

 

背後から何の前触れもなく聞こえてきた声に、千冬が振り向くとそこにいたのは……

 

 

 

 

緑色の体に……

 

タレ気味な目……

 

首に貝殻を下げたラッコの着ぐるみ……

 

 

 

タバ○ッ○であった。

 

 

「やぁ♪」

 

「……」

 

「「「「「…………」」」」」

 

「?」

 

タバ○ッ○はあいさつするが、そのあまりにも予想外な姿に千冬を始め、山田先生もクラスのみんなも声を失ってしまう。

 

そんな周囲の反応に首をかしげるタバ○ッ○であったが、そんな中唯一着ぐるみの正体がわかった一夏が謎の着ぐるみに呆れを含んで問いかけた。

 

「何しているんですか?カズキさん?」

「ははは♪

 よく俺だってわかったな、一夏♪」

 

カポッと着ぐるみの頭部を外して顔を覗かせたのは、黒髪のツンツン頭で誰もが美形だと答えるような顔立ちをした青年だった。

 

気のせいか彼が顔を見せた瞬間、少女マンガでイケメンが登場した時のようにバッグに花が一斉に咲き誇り、風が吹いたような感じがした。

 

それを証明するかのように山田先生をはじめ、みんな頬を赤く染めている。

 

「何でって、アンタ」

『(そんな恰好を好き好んでするのは、お前ぐらいしかいないだろう)』

「それで、何なんですか?

 その着ぐるみは?」

「これか?

 これは、タバ○ッ○だ♪」

「そういうことじゃなくて……、いえもういいです」

 

互いに知っている一夏と謎の青年は普通に会話しているが、周りは謎の人物の登場に混乱していた。

 

「えっ!誰、あのすっごくかっこいい人!!!」

「織斑くんの知り合い?」

「謎の青年に迫られる織斑くん・・・これは売れる!」

「な、なんか織斑くんとは違う大人の男の色気が/////」

「あ~ん、私の耳元で甘~い言葉をささやいてほし~い」

 

ヒソヒソ声だが、先ほどの千冬にも劣らない人気を得たようだ。

そして、そんな中で一番混乱していたのは……、

 

「なぁっ!カカカカカ、カズキ!?

 何故、お前がこんなところにいる!!!」

 

先ほどまでの冷静さはどこにいったのやら、軽くパニックになっている千冬だった。

 

千冬の予想もしない姿に、クラスメートたちは一斉に騒ぎ始めるがそんなの知ったことではないと言わんばかりに千冬と向き合った。

 

「何故、ここにいるかって?

 そんなの、千冬ちゃんに会うために決まっているじゃん♪」

「なぁっ!?」

 

顔を真っ赤にする千冬。

そんな彼女を見て更に教室は騒がしくなっていった。

 

「ひょひょひょっとして、あの人って千冬さまの/////」

「誰か!うそだと言ってぇぇぇ――!!!」

「千冬さまって意外と初心?」

 

各自好き勝手言ってるが、関係者である一夏は涼しい顔をしているが千冬はそうはいかない。

 

「おい!!!

 どうするんだ、これ!!!」

 

「ははは、俺は別に変なことはしてないよ~♪

 千冬ちゃん♪」

 

「千冬ちゃんって言うなぁぁぁ!!!」

 

最早、完全にいじりいじられている彼氏彼女の図である。

 

 

「千冬姉。

 もういい加減、素直になろうよ。

 できないのに料理をしに部屋にいったり、手作りのプレゼントを渡したり、

 自分からキスもしたんだからさぁ~」

 

進まない状況に痺れを切らしたのか一夏がサラリと、

口に出した言葉にクラスは一瞬で静まり返った。

そして1秒、2秒、と時が過ぎていくと……

 

「「「「「「「「えええええぇぇぇぇぇっっっっっ!!!!!?」」」」」」」」

 

今までで最大の叫びがIS学園全体を揺らした。

 

「千冬さまが、そんな!?」

「あんなかっこいい人が彼氏だなんて、羨ましすぎるぅぅぅ!!!」

「イケメン部下にいじられる気の強い女社長……、

 今年の夏は攻め攻めのイケメンで決まりよ!」

 

「みみみ、みなさ~ん!

 落ち着いてくださ~~~い」

 

教室は最早収拾不可能なカオスな状況となり、山田先生が落ち着かせようとするものの焼け石に水であった。

 

「一夏ぁぁぁ――!

 お前、何でそれを知って、って貴様か!カズキ!!!」

 

「やだな~千冬ちゃん。

 俺が、二人の大事な思い出をそんな簡単に言いふらすわけわけないじゃん」

 

「嘘をつけ!

 貴様が教えたのでなければ、どうして……」

 

この混乱の中心人物である千冬は、カズキが自分の弟にいろいろと暴露したのだと思い詰め寄るがその瞬間、

 

キュピ――――ン!

 

とどこぞの○ュータ○プみたいな直感が、千冬の脳裏に走った。

その直感に従い、自分の後ろをおそるおそるゆっくりとふりむくとそこには、

 

「へぇ~

 そういうことしたことあるんだ~♪」

 

してやったりと笑う一夏がいたのであった。

 

ニタ~リと笑うその笑顔は、今後ろで着ぐるみを着ている男のそれとそっくりだった……。

そう、学生時代にいろいろと策を巡らして自分を罠にかけて楽しんでいた男のものと……。

 

千冬が後ろを振り向くと、カズキはいつの間にか再び着ぐるみをかぶっており、口元を押さえて笑いを堪えていた。

 

その瞬間、ブチッ!と何かが切れる音が聞こえクラスは一瞬で静まり返った。

本能で悟ったのだ。

自分たちが今まで経験したことのないような嵐が来ることを。

 

「お前の……」

「うん?」

「お前のせいで一夏がぁぁぁぁぁ!!!!!」

「うおっと!」

 

音の発生源である千冬は何かをタバ○ッ○を着たカズキに振り下ろし、カズキがそれをかわすと……、

ズルッと教卓が斜めに斬られた。

 

千冬の手を見ると先ほど、一夏に振り下ろしていた出席簿が握られていたが、

出席簿で斬れるものなのだろうか?

 

 

「くたばれぇぇぇ!この変態宇宙人!!!」

「ははは♪

 一夏が自分から離れるのがさびしいのわかるけど、

 千冬ちゃんも少しずつ弟離れしないとねぇ~

 いい加減、一夏くん人形を抱いて寝るのも卒業しないと……」

「大きなお世話だぁぁぁぁぁ!!!!!」

 

千冬の常人を遥かに超えた出席簿による斬撃を、ひらりひらりとかわすカズキ……。

……着ぐるみを着た状態で。

 

また自分の秘密をばらされた千冬だが、頭に血が上っている状態なのでそれに気付くのはもう少し先のようだ。

 

「あ、あの~

 お二人とも落ち着いてくださ~い!」

「山田先生。あの二人はほっといて、自己紹介を続けましょう」

 

山田先生や生徒そっちのけでじゃれ合う?二人に、涙ながらに訴える山田先生だが一夏によって止められる。

この状況を生み出した原因だが、一夏はどこか慣れているような涼しい顔をしていた。

 

「え?い、いいのかな?あのままほっといて……」

 

「あの二人にとって、あれが普通なんですよ。

 それに下手にツッコンだら、これから山田先生が

 ずっっっとアレにツッコまなければならなくなりますが、いいんですか?」

 

「え、遠慮させてもらいます……」

 

一夏からの忠告にあっさりと折れた山田先生だった。

そんな彼女やクラスのみんなに向かって一夏は、

 

「大丈夫ですよ♪

 今回は軽めだからすぐ終わるし、

 これから毎日やるだろうから、みんなすぐにこれに慣れますって♪」

 

と本人からしたら励ますつもりで言ったのだが、

彼女たちからしたら聞き捨てならない言葉が出てきた。

 

「「「「「(えっ?これで軽めって。

      てか、毎日これが起きるの!!!!!?)」」」」」

 

どうやら、非日常な世界への扉を開けたのは一夏だけではないようだ。

 

 

 

こうして、1人の少年と29人の少女たちの高校生活が始まった――。

 

 

 

「とっととくたばれぇぇぇ!!!」

「ははは。千冬ちゃんの愛情表現は、相変わらず激しいなぁ~♪」

 

 

始まるったら始まる。

 




如何でした?
これからも千冬さんは、からかわれていきますwww
最後に彼女がブラコンなのは真理です(キリッ)

一夏の仲間たちが登場するのはまだ先ですが、これでわかった人はすごいです。

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