いきなり謝ったのは、この二つ。
一つ、投稿が遅かったこと。
二つ、又少しベタな展開が有るかもしれないって事。
とりあえず楽しんでくれたら幸いです。
~闇の世界三日目~
昨日の出来事、今でも鮮明に覚えている。
漆黒の闇を手足の様に動かす奴の姿は…
瀧賀)ファガン…お前…どうして!
ファガン)…そこの小娘を渡せ、特別に生かせてやるぞ。
瀧賀)ざけんな、アスタロトに何のようだ?
俺ならまだしも、アスタロトが狙われる理由はないはず…
ファガン)…わしには時間がない、早くしろ。
瀧賀)断る、コシュマル、行くぞ。
魔公コシュマル)ああ、ご主人を守るんだ。
ファガン)…身の程知らずか、思い知らせて…む?
彼方から多数の黒い影が近づいて来る、あれは…
魔公コシュマル)ったく…やっとお出ましか、『真・魔王逆十字軍』!
瀧賀)…(中二病かー!)
まさかの痛いネーミングだった。
魔公コシュマル)ま、ベルゼブブが付けた名前だけどな。
瀧賀)痛すぎるわ!
遂に突っ込みを入れてしまった。
サタン)…ファガンよ、始めるぞ。
ファガン)なめるなよサタン!
ベルゼブブ)どーやら眼中に無いようだな、俺ら。
織天使ルシファー)黙れ、舜花(しゅんか)、宜しく頼む。
ルシファーの隣に黒い服装をした人が居る、もしや…
瀧賀)あれって人じゃ…
魔公コシュマル)当たりだ、『闇のパズドラー』、舜花ちゃんだ。
瀧賀)…凄く睨まれて居るけど?
魔公コシュマル)…
何故苦虫を噛み潰す様な顔をする。
魔公コシュマル)と、とにかくだ!舜花はとてつもなくパズルが上手い!
あ、ちゃん付け禁止なんだ。
舜花)…御託は良い、さっさと終わらせよう。
ファガン)のぼせ上がるな、小娘。
瞬間、舜花の目の前にパネルが出現した。
舜花)…闇4×3、光3×2、火3×1
瀧賀)…!
まさかのドロップの構築時間が二秒もしないうちに組上がった。
瀧賀)レベルが違う…
魔公コシュマル)な、言ったろ?パズルが上手いって。
こうやって話している間にも凄いスピードでパズルを組み上げていく。
瀧賀)………
もう上手いってレベルじゃなかった、もはやチートだ。
織天使ルシファー)終わりにしよう、明けの明星!
瞬時、ルシファーの剣から闇がほとばしり、闇の斬撃が視界を埋める。
瀧賀)っ…
頭の中にビジョンが映る、これは…
瀧賀)そう言う事か…!
脳裏に映ったのは『アスタロトが構築された時間』だった、その時に闇の宝玉がアスタロトの体内に入っていたって事だ。
瀧賀)だからアスタロトを狙って居たのか…
そもそもこのビジョンを放ったのは誰だ?
織天使ルシファー)怪我は無いか?
瀧賀)それよりハクが大怪我してるんだ、助けてやってくれ!
織天使ルシファー)…事情を説明してもらうために必要だな…わかった、善処しよう。
舜花)…逃げられたか。
ベルゼブブ)そーか…サタンの旦那は帰っちまってるし、俺らも帰るか。
舜花)その前に…瀧賀、と言ったな。
瀧賀)…何の用ですか?
何故か睨まれている…何で?
舜花)…お前は光でもなければ闇でもない、ただの人間だな。
瀧賀)…
そう言われると心が痛む。
瀧賀)…そう、ただの人間だ。
舜花)…つまらん、そうやって物事を直ぐに決める等とは…この世界から出ていけ、明日中にだ。
魔公コシュマル)!、てめぇ…
舜花)貴様はこいつが立ち去るまで封印をするな、わかったな。
魔公コシュマル)…わかったよ。
そうして今に至る、一人でどうするか…
瀧賀)…
ケーキを作りながら考えている。
瀧賀)アスタロトは…なんて言うだろ?
魔公コシュマル)おーい、なんか手伝うこと有るか?
瀧賀)ピンクの毛が舞い散るから何もしなくて良いよ。
魔公コシュマル)ひでぇな。
コシュマルと多分最後の会話をする。
魔公コシュマル)…本当に出ていくのか?
瀧賀)ああ、普通の人間が居たって何にも良いことないしな。
魔公コシュマル)…そうか、ご主人…泣くかな?
瀧賀)分からん、だから今ケーキを作って居る。
魔公コシュマル)…ケーキは思いを届ける為に有る、誰か言ったな。
瀧賀)さあな、ところで…舜花だっけか?何であんなに怒って居るんだ?
魔公コシュマル)しらんな。
瀧賀)そうか…あとはイチゴを乗せるだけだな。
魔公コシュマル)…気を付けろよ、兄弟。
瀧賀)…お前もな。
エプロンから着替え、闇の境目…つまりは彼方に戻る場所にやっと着いた。
瀧賀)やっとか…以外と遠かった…ん?
誰か居る、あれは…
瀧賀)…舜花だっけか?俺に何のようだ?
舜花)貴様は逆らうと言う言葉を知らない様だな…気が変わった、貴様を…殺す!
瞬間、刀を引き抜き切りかかって来た。
瀧賀)…どう言う事だ。
舜花)…言ったろ、貴様を殺すと。
瀧賀)マジかよ…
ご存じの通り俺は超絶弱い、パズルも大して上手くない、それに対しあっちは太刀を構えている。
瀧賀)…逃げるか。
舜花)させんぞ。
瞬間、足を切られた。
瀧賀)ぐあっ…
血が吹き出してしまった、歩くのは難しいな…
舜花)このままにしてても死ぬが…この手で殺してやろう。
瀧賀)…そうはいかないぞ?
近くの砂利を掴み顔に当てる。
舜花)ぐぁぁぁっ!
瀧賀)…一つ教えてやる、別に俺は逆らいはするし、物事を直ぐに決める事はしない。
舜花)では何故…
舜花の問いにこう答える。
瀧賀)…礼儀って奴だ、それ以外は無い。
舜花)…そうか…ますます気に入らん…死ね!
刀を掴み、また切りかかって来た。
瀧賀)…そうか。
舜花)!!
避けようともせず、動かず、切られることを選択した。
瀧賀)…亞栖、じゃあな…
目を閉じ、その時を待つ。
その時、ガキンと言う音がした。
目を開けると、何故かアスタロトと魔公コシュマルが居た。
魔公コシュマル)ふざけんなよ…兄弟に危害加えるやつは、俺が全力でぶっ潰す!
舜花)…!
何故かアスタロトとコシュマルが普通に立っていた。
魔公コシュマル)…俺は封印してねえし、力もセーブしてもいねえ、進化したんだ!俺とご主人は!
決めセリフっぽい事を言っていた。
天真アスタロト)…私は、 天真の魔神卿・アスタロト、お兄ちゃんの為に…強くなった!
瀧賀)…
俺の為とか言うな、お前は新しい人生を送れば良いのにな…
舜花)…貴様らは、何故そいつにこだわる。
魔公コシュマル)…決まってるさ、大切な『家族』なんだからな。
天真アスタロト)だから許せないの、家族を傷つけられるって事を…
家族…か、その通りだよ、今は言えないけど確かに『家族』だもんな。
舜花)…気が変わった、殺すのはやめよう、この世界に居ても良い。
瀧賀)…
何か裏が有りそうだな、詮索しようか…
舜花)…一つ良いか?
瀧賀)え?
舜花)…建前でも良い、だから私を…家族…と呼んでくれないか…?
?!!ドーユーコト?
舜花)…悪い、変な事を言ってしまったな、済まない。
天真アスタロト)お姉ちゃん、変じゃ無いよ。
舜花)!!
姉と呼ばれてびっくりしてるぞ、まぁ…人の事を言えないがな。
舜花)…ふふっ、ふはっ…あはははっ…本当の妹だと思ってしまうな。
実の兄がここに要るがな。
舜花)とりあえずは済まなかった、この通りだ。
舜花が深々と頭を下げる。
瀧賀)いや、とりあえずはこのくらいの怪我で済んだし、大丈夫だ。
もちろん嘘、実際は物凄く痛くてたまらない。
天真アスタロト)お兄ちゃん、早く帰ろうよ。
瀧賀)そうだな。
舜花)私も邪魔じゃ無ければお邪魔しても良いか?
天真アスタロト)勿論良いよ。
何気に気さくな性格なんだな、この人。
瀧賀)っ…
天真アスタロト)どうしたの?
瀧賀)ああ、悪いが先に帰っててくれないか?用事を思い出した。
魔公コシュマル)そうか、気を付けろよ。
瀧賀)分かってる。
また頭の中にビジョンが映る、ここで待っていろと。
多分俺にこの事を教えている奴だろう、どんな奴だ?
期待と不安を感じながら待つのであった。
次は多分オリジナルと番外編を作るので遅れると思われまする、睡眠時間を削り本編も作ります。