東方風雷郷 ~Last Boy Story~    作:沼倉風太

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第9500C話「ブレインインフォメーションpart5」

「無事八目鰻が完売しました。

 食べてくださったみなさんの為にこの曲を提供します」

 

~東方花映塚「もう歌しか聞こえない~ Flower Mix」再生推奨~

 

わいわいがやがや

 

ってそれですむわけが無いでしょ。

 

「ここ空いておるかの?」

そういいながら、マミゾウさんが隣に来る。

「別にに空いてますけど?」

そう言うと隣に座ってくる。

 

「我は二ツ岩マミゾウと言ってな、佐渡国(現佐渡島)から来たからの、お主知っておるか?」

と、自己紹介と質問をぶつけてくるマミゾウさん。

 

「へぇ、もちろん知ってますよ、佐渡島ですよね?

 僕は旧下総国から来た坂上湖南です。

 旧国名は大体覚えてますよ」

もちろん答え&自己紹介する。

 

「そうか、お主今度の異変で協力してくれぬかの?

 嫌な予感がするからの、大丈夫か?」

伝説の化け狸の感だろうか?

しかし、断る理由も無いので

 

「別にかまいませんけど、感ですか?」

 

「そうじゃなの」

 

 

そうして、マミゾウさんが他の所に行く。

 

 

「零、さっきはよくも私に面倒なことを押し付けてくれたわね」

霊夢さんが説教?を開始する。

 

「別に良いじゃねえか。

 皆も笑ってんだし」

しかし

 

「良くないわよ。

 大体が零の計画した段取り通りに進んでいたのにいきなり計画にない失踪。

 あまつさえ私を指名してくるなんて普通なら夢想封印で会場丸ごと吹き飛ばしてるわよ」

ちょ、さりげなくひどい事言ってるし。

 

「そうだ、僕としても零さんの姿を見ようと思ったのに、霊夢さんが出てきてまさかと思ってしまった」

俺からも言わせてもらう。

 

「見なさい、あなたの行動は他の皆にも迷惑をかけているのよ」

同情している訳ではないけど。

 

「まあ、そう怒るな。

 計画上差しまわりの無い程度にやってるさ」

反論になってないけどいいのか?

 

「あんたねぇ。

 私達に散々、あーだこーだ言っておいてあんた自身がちゃんと出来てないと説得力無いでしょうが!」

ごもっとも。

 

「俺自身、ちゃんとできるわけじゃない。

 他人迷惑かけるなって事を魔理沙に言ったが、それは俺が出来てないから言うんだ」

 

「な、なんのことだぜ!?」

って話して無いのかよ。

 

「・・・、少し、重い話をしようか

 俺はつい数年前まで他人と話したことがほとんど無かった。

 大学入学を木に少しづつ話し始めた。

 そして、この幻想郷に来て、初めて気づかされた。

 自分がどれだけ周りに傷つけていたか、迷惑をかけていたかを。

 紅魔館の皆、チルノや大妖精ちゃん達、慧音さんや妹紅さん、

 何よりフランと出会い、己を見返すことで、

 俺は自分がどんな人物か分かって、

 その度に俺は過去の行いを後悔してきたんだ。

 この宴会の一番の目的は皆さんと接することで、

 自分自身が自分の力によって生まれ変われるかを見たかったんだ」

 

そういう風に零さんが言う。

「初めて心の底からの本音を語りましたね。

 今まで、思ったことそのまま言っても、

 あなた自身が「そんなことを言う資格はないのに」と思っていた。

 幻想郷の皆を知ることで生まれ変われそうかを目的に、

 幻想郷を旅してきた、だけど、もう時間がないことを感じ始めた。

 だからこそ、幻想郷の人々と出会うために宴会を企画した」

 

「さとりの言うとおりだ、紫が俺を連れてきたのは中が起こるから、

 そして、その時がきっともうすぐに迫っている。

 このままでは幻想郷の全部を知るまで帰ることになる。

 あせった俺は皆が集まるきっかけがないか考案した。

 そして、宴会で皆を集めることにしたんだ」

 

「お兄ちゃん、全部終わったら帰っちゃうの?」

フランが悲しそうに聞く。

「正直、悩んでいる。

 幻想郷の皆は大切だけど、外の世界の家族や友人、親戚も俺にとって大切な存在だ。

 俺の悩みはこれなんだ。

 フランの気持ちは分かっているよ。

 それを踏みにじってまで外の世界に返るか。

 それとも外の世界のないもかもを捨てて幻想郷に残るか。

 どちらか決めなければならないし、どちらか捨てなけなければならない。

 もし、帰ることになっても良いように大きな思い出を

 フランと一緒に作りたかったんだ」

!?

「いやだ!!!私!お兄ちゃんと別れたくない!!!」

そして、フランが零にしがみ付く。

「フラン、離れなさい。

 零さんが誰よりも辛いはずなのよ。

 これはフランが大切だからこそ言うわ。

 零さんが帰ることになったらあなたは分かれなければならないのよ」

・・・。

「うわーーーーーーーーーーーーーーーーーーん(大泣)」

 

「・・・。

 零、フランを泣かせたあなたを許さないわ」

 

「許しを貰うつもりなんてないさ

 ちょっと風に当たってくる。

 さすがに疲れた」

そういって零さんは外にでる。

「まさか、人の身の上話で泣かされるとは思いませんでした」

聖が涙目に語る。

「聖さん、それは仕方ないことなんです。

 生き物というものは心の底から本心というのは言おうとして言える物ではないのです。

だからこそ、それを聞いた時、涙を流してしまうのです。

 老若男女、種族、どれもとっても例外なく溢れてしまうのです」

 

「あれが本心ね、正直、馬鹿馬鹿しくて笑いたくなるけど、零らしいと言ったららしいかな」

「まるで子供だ、自分の力で何も出来ず、それでいても甘い。

 だけど、最後の()の光り方、零はこれからが凄くなる。

 能力を得て、本心を話せる仲間が出てきた、遂に歩み始めた」

慧音さん、多分違うじゃないのかな?

俺には、希望の光に見えたけど?

「よく分かるな」

妹紅さんは鈍感なだけだけど。

「伊達に教師やってる訳じゃないからな。

 零はもう青年だから、何も言わずに見守ってきたが、

 私が期待していた通りに鳴ってくれたな」

 

「魔理沙、いつまで泣いてるのよ?」

よく見ると何故か魔理沙がすっごく泣いていた。

「あぁ、すまねぇぜ、でもな、我慢しようとしてもあふれてしまんだぜ」


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