『 坂上湖南に関する調査報告書
報告先 学園都市統括理事会
報告元 検体番号10334号
報告書番号:114514
本報告書は、あくまでも5月10日時点のものであり、後に追加していきたいと思います。
1 概要
本報告書は
及び原石に置いて第二位相当の能力法則解明。
また、
更には能力の限界値測定、我々とは異なる法則に関するデータ収集を目的とします。
2 報告
今回の調査に置いて解明した点が二つ存在する。
一つ目は、能力の応用範囲の広さ。
磁力を操作し空中を飛行することはおろか、他人と
また、弾幕というエネルギー球体を放つことが出来る他、之を使用した競技がある模様。
尚、こちらについては特能学園においての
二つ目は、彼自身の存在について。
彼自身、元々養子であるが出生記録が付いておらず、戸籍上も通常とは対応が違う模様。
また、現代では知りえない知識を多数所持している他、人間では不可能とされいてた、
なお、弾幕については本人より指導がありすでにミサカ10901号通じて統括理事会の方に伝わっていると思いますが、”自らの中にある僅かな力を理解しようとしない限りは使用できないとの事です。
また、その僅かな力を感じるにもそれなりに手順が必要との事です。
3 考察
以上の点より坂上湖南は我々の理解を超える存在であるということがお分かりいただけたと思います。
ただし、これらは生活風景の一部にしか過ぎず、全体像はいまだに不明であります』
「やっと報告が終わりましたと、ミサカは報告します」
そう、ミサカは言うと携帯ネット端末の電源を切る。
「しかし、フリーWI-FIが入るとは以外です、とミサカは独り言を呟きます」
ミサカはそっと立とうとした所で後ろに殺気を感じた。
まるで、かつての『実験』の時に仲間が感じた恐ろしき殺気。
「別に報告書を送るなとは言わない。
だが、人には知られたくないところがあるんだ、分ってるよな?」
その声の主の表情はミサカには見えない。
しかし、見なくても分る。
普段、大人しい人程の闇の深さは薄っすらと感じる。
ミサカは恐怖を覚えた。
人間であれば、教えて貰わなくても分る事。
それは、人間と言う生命体の中に元々ある感情。
ミサカは他の仲間から教えてもらった感情。
──死への恐怖──
それさい感じれば十分だった。
ミサカの額に冷や汗がかよう。
かつて、仲間のみんなで決めた二度と死んでたまるか。
その決意の終わりを始めて感じた。
「人間の感情って言うのは簡単に壊れる。
それについては俺等が一番知っている基礎だ。
そうだろ?
ミサカ10334号?」
ここで、この殺気の正体が誰なのかにミサカは気づく。
しかし、もう遅い。
今更戻ることは出来ない。
そう言った考えがミサカの頭の中を回る。
「之はあくまでも忠告だ。
人のことについて調べるときは気を付けるんだな」
そのセリフと共に殺気が消える。