東方風雷郷 ~Last Boy Story~    作:沼倉風太

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第32話「平和は少なき下総の端」

「はぁ~、やっと終わった~」

結局、クラスはF組に決まった。

2学年7クラスとか、少子高齢化じゃないじゃん。

 

 

 

清龍神社に戻ると、なぜか賑やかだった。

「ただい・ま?」

(「なんで疑問系なんですか?」)

以前作った式神:生野 共祁(せいや きょうぎ)が脳内会話を図る。

しかし、すぐに居間に付く。

この神社内で、自由に使える数少ない場所だ。

あとは、宴会場、書庫、調理所が、同じ建物の中にあるために、この部屋は狭い。

ま、布団6枚はぎりぎりひけるけど。

しかし、居間に入った僕は、びっくりしてしまった。

「皐月ねぇさん!?なんでいるの!?」

すると、共祁と話していた姉さんが答える。

「なによ~、いちゃいけないって言うの!?」

「いやいや、そんな事言ってないから」

「そう、ならいいけど」

そして、立ち上がった姉さんは、座った。

 

次期神主としての生活は、あと2年か。

法律で決まった3年間の悪魔の時間。

働けるようになるには、15歳に成んないといけない。

それまでの、1年と少し。

この間は姉さんの補助で何とか生活できている。

 

 

清龍の神主として、生きる時間も、もう少しかもしれない。

たとえ、それが運命だとしても。

 

 

 

 

 

宿題を片付けて、夕食を作ろうとした。

姉さんも一緒に、と誘ったが、自分の家に帰るといい、帰ってしまった。

しかし、冷蔵庫を開けると、在庫が少ないことが分った。

「あした、買わないと行かんな~」

そう、呟きながら、野菜を切る。

 

 

煮込んでいる間に、さっさと境内をそうじする。

そろそろ、畑の雑草も取らないとな。

そんな事を考えながら、箒で掃き終え、落ち葉を畑の隅っこに置く。

「あれ?こんなものあったけ?」

畑の中にきらきらと光るものが見えた。

僕は、箒を壁に立てかけ、それを見に行く。

「流石に下駄で畑を歩くのはむずい」

そんな事を言いながら、きらきら光るものを持ち上げる。

「なんでこれ?」

それは、微かに神力を感じる物であった。

丸い球体に三つの勾玉?の模様が彫ってあり、その模様は僕が持ち上げると虹色に変わった。

装備品?

とにかく、書庫で調べよう。

僕は、持ちながら母屋に戻った。

そういえば、火つけっぱなしだったな。

(大丈夫です、私が火をきちんと見ていますから」)

共祁が答える。

あ、そう、ありがとな。

(「ほんと、湖南様って雑なんだから」)

仕方ないだろ。

 

しかし、次の瞬間、空が紫色に変わった。

「っ異変か!?」

僕は、走って母屋に戻り、装備を整える。

しかし、空は元の青色だった。




次回から異変です。
それと、番外編でクロスオーバーやってみたいですね。

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