「良かったらうちで休んでください」
そう言う風に声を掛けられたので、着いて行くとそこは一つの民宿だった。
空いている部屋の一室を借りて、その中で優を寝かせることにした。
優が寝ている横で俺は、とある術式の準備をしていた。
「それじゃ、少し痛いと思うけど"開放符"」
俺は霊力回復の上限を開放して、一気に回復さする。
やりすぎると暴走する恐れがあるけど、そこまでの霊力はこめていないから大丈夫なはず。
「う・・・ん?」
「あ、気づいたか」
俺はお札を剥す。
「おい、優が気が付いたぞ」
俺はみんなを呼ぶ。
「良かった、二度とあんな無理をしないで頂戴」
咲夜は涙目で優の顔を見る。
「すみません、咲夜さん・・・」
優は咲夜を慰める。
「ほっといて置こう」
俺はそう呟き、部屋を後にする。
「はーい、そんじゃみんな幻想郷に戻るはよ」
そう言って皆をスキマの中に戻す。
「そんね、今回は平行世界の住民を仲間する為に色々したけれども、この事については他の所に記録するのは無しにしておいてね。
それじゃ、寝ると忘れるようにしておいたし、記録も消えるようにしておいたから」
そう言ってスキマの中に消えてしまった。
寝ると忘れるって言うことは、また境界を弄られたのか。
別に覚えてとくもないしな。
「失礼します。
お連れの方は?」
中に入ってきた民宿の人が聞いてくる。
「あぁ、ついさっき帰って行ったよ」
俺は、そう答える。
「そうですか(これは来た来た来たーーー!)」
「どうしたんですか?」
俺は表情が可笑しくなった民宿の人に聞く。
「いえいえ、何もないです」
って言いながら部屋を出ていった。
そう言えば、優とか言う人、前にも会ったような気がするんだけれどもな?
気のせいならば良いのだけれども。
「あれ?」
さっきまで霊夢達がいた部屋に何か落ちているのが目に入った。
「これって優のやつじゃん!」
俺は部屋に落ちていた鍵を拾う。
「どうしようか、幻想郷に行く・・・。
あ、平行世界の住人だから無理か」
紅魔館
「あっ、咲夜さん、スペアキーって在ります?」
優が、ポケットに手を入れたまま咲夜に聞く。
「一応聞くけど、何故かしら?」
咲夜が鍵棚を見ながら聞く。
「すみません、鍵無くしました」
優は涙目で言う。
「はぁ、全く。
これで予備が無いから、今度からは気付けてよ」
そう言いながら鍵を渡す咲夜。
しかし、その鍵束の中にナイフが混ざっていたので、鍵を受け取った時に手を切ってしまったが、それ以上言うと恐ろしいことに成りそうなので諦めた優だった。
一方湖南は・・・
「これ、どうしようか」
鍵束を見ながら考えていると突然、床が消えた。
「ちょ『雷符 雷流放電』」
しかし、既に落ち始めていた。
此でコラボは終わりとでも思っていたのか?
此処から無限ループだZE☆