IS~ブルー・ブライト・ブロンドガール~   作:鈴ー風

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まず一つ。

遅くなりすぎだろ……orz
いやね、リアルが忙しすぎたんですよ。そう、ボクワルクナイ(棒)

はい、私が悪いです。分かってます。

もし待っていてくれた方がいらっしゃいましたらありがとうございます!初めて読む人は綺麗なセッシーにご期待ください!
では壱話目、どうぞ!


一章 邂逅編
第壱話 worst meeting again~最悪の再会~


 

 

 

 

「ち、チェルシー。ちょっと、よろしくて?」

「……外見に特に変なところは見受けられません。大丈夫ですよ、お嬢様」

「何故考えていることが分かるんですの!?」

 

 朝方。セシリアお嬢様の質問に、掃除を中断することなくお答えします。そりゃあ分かりますよ。この三十分でもう六度目ですもの、その質問。

 

「緊張されるのは分かりますが、落ち着いてください、お嬢様」

「なっ!?べ、別に、緊張なんてしてませんわ!」

 

 そう仰るお嬢様。全く……どの口が仰っているのでしょうか。朝からずっとせわしなく動いて、さっきから鏡と(わたくし)を行ったり来たり。これで本当に緊張されていないのであれば、私はお嬢様の奇行の心配をしなければなりません。

 

「それよりもお嬢様、お時間は大丈夫ですか?」

「へっ?………きゃあああっ!!」

 

 時計を見ると、時間は朝の七時を回ったところ。IS学園へ向かうには、少し急がなければいけない時間ですね。

 

 

 そうです。今日は大事な入学初日。遅刻するわけにはいきません。

 

「も、もうこんな時間……チェルシー、行きますわよ!?」

「はい、お嬢様♪」

 

 焦るお嬢様とは対照的に、私はにこやかに笑います。

 丁度、掃除も終わったところですし。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 所変わって、モノレールの中。

 

「うう……チェルシーぃ……」

「はあ……お嬢様、動かないでください。やりづらいです」

「揺れるのですから仕方無いでしょう……」

 

 急いでいたとはいえ、流石にボサボサの髪は駄目です。マズイです。代表候補生としても、貴族としても、一人の女性としても。なので、学園に向かうモノレールの中で、お嬢様の髪型を整え中です。が……揺れてやりづらいです。ああ、またはねっ毛が……

 私、今から少々先行きが不安です……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やっと着きましたわ……」

「そうですね、お嬢様」

 

 小一時間後。IS学園に到着しました。髪型のセットも何とか間に合いました。お嬢様はげんなりしておりますが。

 

「では、お嬢様は入学式へ。私は教師の方々にご挨拶を」

「ええ。ではまた後で」

 

 そうして、入学式に向かうお嬢様と一旦別れ、教員室へ向かいます。

 何故、生徒ではない私がIS学園に来ているのか……それは、お嬢様の入学に合わせ、お嬢様をサポートするために特例でIS学園の『メイド』として常駐させていただくことになるからです。ですので、お先に教員の方々にご挨拶をしようと思います。これから何かとお世話になることも多いでしょうし。

 ……と、思ったのですが……

 

「ありませんね、教員室……」

 

 案内板に、教員室の文字がありません。…参りましたね、どうしましょう。これでは場所が分かりません。

 

「どうかしたのか?」

 

 うーん、うーんと唸っていると、後ろから誰か声をかけてくださいました。振り返ると、見事な黒髪で、スーツを完璧に着こなしている女性が立っておりました。お綺麗な方……教師の方でしょうか?

 

「……?顔に何かついているか?」

 

 あら。つい見とれてしまいました。

 

「あ、いえ……あの、教師の方でしょうか?」

「ああ、そうだが。そういうそちらは新入生…というわけでは無さそうだな」

「はい。私、セシリア・オルコットの専属メイドをしております、チェルシーと申します。教員室に行きたいのですが、迷ってしまいまして…宜しければ、案内をお願いしてもよろしいでしょうか?」

「ああ、かまわない」

 

 そう言って、ついて来いと言わんばかりに歩き出すお方。かっこいいです。ええ、それはもう殿方顔負けの。

 

「…そういえば、チェルシー。お前、さっき『オルコット』と言っていたが、それはあの『オルコット家』で間違いないか?」

「あの、と言うのが何かは存じませんが……恐らく、ご想像通りの『オルコット家』で間違いないと思います」

 

 お嬢様の継いだ『オルコット家』の名は、それなりに大きな家名であり、同時に世界有数の大企業グループでもあります。なので、恐らくこのお方の考えている『オルコット家』も、そういった家名のことでしょう。

 

「そうか……あの時の小娘が、もうそんな歳か」

「はい……?」

 

 黒髪の女性の呟きは、最後のほうがよく聞き取れませんでした。

 

「いや、何でもない。…さて、着いたぞ」

 

 そう言われて、見えたのは「教員室」と書かれたプレート。いつの間にか着いていたようです。

 

「ありがとうございました。それでは手続きの方を……」

「ああ、大丈夫だ。ついでに私がやろう」

「え、いや、ですが……」

 

 ご迷惑では?という言葉は、口に出す前に収められてしまいました。

 

「遠慮するな。他の先生方は皆入学式に出払っているし、元々オルコットの担任になるのは私だ。この程度迷惑にもならん」

 

 そう言いながら、女性の方は机から引っ張り出した書類にさらさらと何かを書き込んでいき、そのペンを静かに置きました。

 

「詳しい書類はこっちで作成しておく。チェルシー、だったか。お前は、明日までにこの書類に必要な項目を書いて窓口まで提出してくれ。何なら私のところへ持ってきても構わん」

「分かりました。いろいろとありがとうございます。…え、と……」

 

 書類を受け取って黙ってしまう私。そういえば、私まだこのお方の名前を存じ上げておりませんでした。

 

「…ああ、そういえばまだ名乗っていなかったな。私は織斑千冬。名前くらいは聞いたことがあるだろう?」

「なっ、織斑千冬様!?」

 

 驚きました。まさか、嘗てISの世界大会モンド・グロッソで優勝したブリュンヒルデが目の前にいるだなんて、夢にも思っていなかったのですから。

 

「ふっ、まあそう身構えるな。今はただの一教師だ。学園内でそれなりの敬意と礼節を守ってくれればそれでいい」

「は、はあ……」

 

 ふっ、と柔和な笑みを浮かべる織斑先生は、それはそれはお綺麗で、世界最強の面影など微塵も感じさせないものでした。

 

「さて、話は以上だ。それと、これを渡しておく。お前とオルコットの部屋の鍵だ。特例として、実質オルコットの個室にしたんだ、ありがたく思えと伝えてくれ」

「…はい。ありがとうございます」

 

 妖艶な、ともすれば悪戯が成功した子供のような笑みを浮かべる織斑先生から鍵を受け取り、そのまま教員室を後にします。

 

「……はぁ」

 

 廊下を歩きながら、不意に溜め息がこぼれます。まさか、あの織斑様が教員に、しかも担任としてお嬢様に教鞭を取っていただけるとは。お嬢様にとって、世界を経験した方から教われるのはまたとない大きなチャンス。

 確かに、ありがたく思わなくてはいけませんね。

 

「お部屋の方は……ここですね」

 

 渡された鍵に記されたナンバーと同じ数字の記された扉を見つけ、鍵を使います。……開きましたね。

 

「まぁ……」

 

 部屋を見渡すと、二人で過ごすのには丁度良い広さのお部屋でした。家具などは後程取り寄せるとお伝えしたからか、最低限しかありませんでしたが。まあ実質お嬢様の個室となるのですし、そう考えると少し物足りない気もしてきましたね。

……天蓋つきのベッド、入るかしら?

 

「とりあえず……」

 

 お茶にしましょうか。

 色々やるのは、その後で。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふう……」

 

 お茶の後、何も無いなりにお部屋の掃除を始めてみたものの、日が傾き出した頃には終わってしまいました。

 

「そろそろお嬢様が帰ってくる頃ですね」

 

 簡単なものでも用意しておこうかしら。

 そう考えていると、お部屋の扉が雑に開く音が聞こえました。顔を向けると、いつものお嬢様が立っていました。

 

「お帰りなさいませ、お嬢様。もう、いつもお部屋に入るときは一声かけてからとーーーー」

 

 と、お嬢様は足早に私の隣を通り、備え付けのベッドに倒れこんでしまいました。明らかに、今朝とは様子が違います。

 

「お嬢様、クラスの方で何かございましたか?」

「………」

 

 何かあったようですね。

 …そう言えば。

 

「そう言えばお嬢様。例のあの方(・・・)にはお会いできましたか?」

 

 ピクッ。

 反応がありましたね。

 

「その様子ですとお会いできたようですね。どうでしたか?久し振りに会われたご感想は」

 

 少し悪戯っぽい笑みを浮かべながら問いかけます。

 すると、お嬢様は全身をわなわなと振るわせながら…あら?想像していた反応と違う……

 

「……になりましたわ」

「はい?」

 

 お嬢様の言葉がよく聞き取れず、もう一度聞き直そうとした矢先、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ですから、決闘することになりましたわ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ガバッと顔をあげ、涙目のお嬢様はそう叫びました。

 え?決闘……?何故?

 

「はい?」

 

 ただ、そう問い返すしかありませんでした。

 

 

 




・後書き談話
えーまずは、前書きにもある通り時間かかりました。かかりすぎました。
次こそは早く!と言いつつ遅れそうなので、気長にお待ちください。流石に一年も更新できないなんてことは、ははは…は……

で、ではご意見ご感想お待ちしております!

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