東方饅頭拾転録 【本編完結】   作:みずしろオルカ

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 久々にこっちを更新。

 実際の日付で書きました。年末年始の海原家です。

 忙しそうにいちゃついてます。

 羨ましい。


外伝 海原参護の日記 いつかの年末年始

12月29日

 

 もう少しで一年が終わる。

 

 年末年始の準備は着々と整いつつある。

 

 今日は、年末年始に使う物や食料を買ってきた。

 

 月末から少しずつ買い揃えて来ていたが、今日で全部買い揃えたことになる。

 

 掃除用具はこの時期売り切れるので早めに買い揃えておくのがミソだ。

 

 明日にはしめ縄や門松なんかを飾らないといけない。

 

 大体、28日か30日に飾りを出すのが一般的で、今日は29≒二重苦に通じると避けられ、31日は例外もあるらしいけど、一夜飾りと言って葬儀と同じで縁起が悪いと言われているらしい。

 

 家も13日に『松迎え』や『煤払い』、『針供養』は終えている。

 『煤払い』、大掃除なんだけどその時は、ゆっくり達は大活躍してくれた。

 

 Yパチュリーは魔法で、Y咲夜は元々が家事万能、Y幽香やY霊夢は金物磨き、YレミリアやYフランは高所のホコリを落としたり狭い所のホコリを掃除してくれた。

 

 YチルノとY大妖精はY小悪魔の面倒を見ていてくれたし、Y美鈴は玄関方面での清掃を担当してくれた。

 

 みんなテキパキしてて、俺や阿求様なんかが手を出す隙が無かった。

 

 そんな訳だから、料理の分野では負けられない。

 

 美味い年越しそばと、美味いおせち料理を食べさせてあげなくちゃね。

 

 

 

 

 

 

12月30日

 

 門松やしめ縄、鏡餅なんてあっちの世界だと、なんとなくで準備してたし、それで済んでいた。

 

 幻想郷は、神様が居たり、妖怪が居たりするからなのか、現代よりも圧倒的に風習の細かい決まりなどが根強く残っている。

 

 しめ縄は、太い方が右に来るように飾るなんて、俺は知らなかった。

 

 YレミリアとYフランがフラフラと飛びながら玄関先に頑張って飾り付けてくれたのだ。

 

 お疲れ様っと、声をかけてあげたら本当に嬉しそうに両肩に乗ってスリスリと頬を寄せて来てくれた。

 

 門松は俺と萃香で作った。材料提供に鈴仙さんが協力してくれた。

 さすが、迷いの竹林産の竹だ。しっかりとした良い竹を持って来てくれた。

 

 鏡餅は、沢山作った中で成形したものがある。

 ミカンは自家製の奴がある。

 

 萃香が何かを思いついたらしく、俺に内緒で別室に行った。

 

 そして、呼ばれて行ってみると、Y霊夢・Y小悪魔・ミカンと並んで、鏡餅ならぬ鏡ゆっくりが出来ていた。

 

 思わずフイてしまった。

 

 まぁ、ミカンサイズのゆっくり妖怪は今居ないしね。

 Y小悪魔が生まれたばかりの頃は、丁度そのぐらいだったか?

 

 今はYフランに近いぐらいまで大きくなってきている。

 

 こうして見ると、成長を感じられてうれしいものだね。

 

 

 

 

 

 

12月31日

 

 あれだ、一年の終わり。

 年越しそばを下ごしらえして、皆で命蓮寺に鐘を突きに行く。

 

 事前にこういう妖怪を連れて行きますと説明はしていたけど、快く受け入れてくれた。

 さすがに、阿求様には絶対に俺か萃香かパチュリーさんを付ける様にしていたけど。

 

 ゆっくり達は、全員で撞木に乗って突いていた。

 

 衝撃でプルプルと震えていたのが可愛かった。

 

 家に帰って年越しそばをすすり、初詣に向けて出発する。

 

 年越しそばは、諸説あるが切れやすいそばで細く長くすする。

 という部分で縁起を担ぐものであるらしい。

 

 幸い晴れているし、良い朝日が見れそうだ。

 

 博麗神社から見られるらしいから、これから向かおう。

 

 

 

 

 

1月1日

 

 博麗神社の屋根を借りて、日の出を全員で見ることができた。

 

 そのまま、初詣に移行。

 

 キチンと賽銭をして、二拝二拍手一拝で参拝する。

 

 ちなみに、神社の通り道。

 中央は神様の通り道だと言われているが、本来は一番偉い人が通る道であるという話だ。

 

 神様は降りてくるのであって、道を通るわけではないらしい。

 

 守矢神社の様に、神様が普通に顕現(けんげん)している時点でおかしいのだと言う。

 

 一応、新年のあいさつと料理のお裾分けを渡して帰ってきた。

 

 寒かったのか、ゆっくり達は薪ストーブの横で集まって温めあっている。

 

 俺や阿求様、萃香とパチュリーさんでゆっくり達を一人一人抱き締めてあげて、温めてあげる。

 

 YパチュリーとY幽香、Y大妖精を温めてあげる。

 

 Yチルノは寒いのが平気らしく、温まった子達と遊んでいる。

 

 パチュリーさんはYパチュリー相手になにやら揉みしだいていた。

 

 それを見る阿求様と萃香は苦笑気味。

 なんだろう?

 

 

 

 

1月2日

 

 餅は危険である。

 

 子供やお年寄りが食べる時は十分に気を付けなければならない。

 

 飲み込む能力が衰えるかららしいけど、ゆっくり達の子供にも気を付けなくてはならない。

 

 Yレミリア・Yフラン・Y小悪魔。

 彼女達には、一口サイズに切り分けた餅を与えている。

 

 くっ付かない様にきな粉や醤油なんかを付けて食べやすくしている。

 

 口の周りにあんこを付けながら食べている姿は微笑ましいものがあった。

 

 俺が作ったおせちは好評だった。

 海産物が無いから大分代用品になってしまったけど、おいしいと言ってくれたので満足だ。

 

 数の子や昆布、エビなんて幻想郷では手に入らないから山の幸や川と湖の幸で代用した。

 

 見た目や単純においしい料理で代用している。

 

 カマボコは魚の練り物だから、川魚や湖の魚で作ってみた。

 

 形こそ悪かったけど、食紅で二色に出来たのもそれっぽい形になった。

 

 明日は祖父母の家で食べた料理を試してみようかな?

 

 

 

 

1月3日

 

 阿求様も知らないらしい、家の祖父母の所で食べた料理を作った。

 

 あつべ汁。

 

 材料を均等に切り分けた汁物になる。

 

 山の幸がメインで作られているから、幻想郷でも再現は可能だった。

 

 具だくさんで、満足度の高い汁物。

 

 焼いた餅にかけて、具だくさんの雑煮にするのも悪くない一品だ。

 

 阿求様も知らない料理のようで、とても気に入ってくれた。

 

 具材一つ一つも細かく切り揃えているから、子供にも安心だ。

 

 

 

 

1月4日

 

 この幻想郷に来て、何度目の正月だったか?

 

 今回は、飾り付けや料理をがんばった。

 

 飾り付けなんかはきちんと終わったら、神社で燃やしてしまわなくてはならない。

 

 だから毎年手作りなんだけど、やっぱり家族全員で何かをするってすごく楽しい。

 

 しめ縄を編むゆっくり達とか、掃除をがんばるゆっくり達とか、それらが終わった後にきな粉餅を幸せそうに食べている姿とか。

 

 こういう日常から癒しを見つけられるって幸せだなっと思う。

 

 ゆっくり達は可愛いし、阿求様達も笑いながら話している姿は心が温かくなる。

 

 居間でまったりと寝転がっていると、太ももに萃香とパチュリーさんが、右腕を阿求様が枕にして寝転がっていた。

 

 すごくうれしかったのだけど、右腕と両足が痺れてしまい、皆に起き上がれないのをいいことに色々と弄られてしまった。

 

 この寒い時期に、服に手を付けるのは無しだと思うんだ。




 リアル日付です。

 年末年始感があればいいのですが。

 別視点で、阿求・萃香・パチュリーと続きます。
 一人だけ書かないと言うのも悲しいので、参護ラヴァーズは全員書きます!

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