どうも、通算UA11万 お気に入り2千2百 となりました。
ありがとうございます!
本当は別視点日記を投稿するべきなのでしょうが、諸事情で本編に入れられなかったネタを投稿します。
存在しなかったり、別次元の話だったり、過去話だったりですので、興味がなければ飛ばしてもらっても全く問題ありませんので!
ではどうぞ!
01.ジョジョの存在しない世界なんです……
Yパチュリーをそっと抱きしめると、壁に寄り掛かる様に座り込む。
「パチェ……君の言うように、僕らはやはり二人で一人だったのかもしれないな。奇妙な友情すら感じるよ……。今、二人の運命は完全にひとつになった…。そして…船の爆発で消える…」
「ゆ!?(参護…!? こ…こいつ……死んでいる……!)」
少しの沈黙の後に、二人は勢いよく体を起こすと
「イェーイ!」
「ゆーー!」
ハイタッチの要領で手とYパチュリーの髪を合わせる。
ゆっくりと暮らしているうちにふと、あの名シーンを再現したくなったのだと参護は語る。
ゆっくり妖怪もJOJOの漫画を読んでから非常にノリノリで再現に協力してくれた。
しかし、ノリノリが過ぎて、全ゆっくり達とこのシーンをするハメになったのは別の話だ。
02.喋れないんだよなぁ……
Y小悪魔もだいぶ成長してきた。
ほんの少しだが、モノを認識してるようで、お菓子を与えてみると
「おかち!」
と嬉しそうにしゃべるし、分からないものは首をかしげている。
「……」
俺をじっと見てどうした?
「おとーちゃん!」
ぐはぁ!?
なんと……いう……破壊力だ……!!
03.ライダー好きなんです
以前に片腕を砕かれた恨みを持つ妖怪は、人里へ復讐にやってきた。
入り口で目的の男が立っていた。
その姿はまるで気負うことなく、畏れることなく、こちらを倒すべき敵と認識している目だ。
屈辱に他ならない。たかが人間に腕を砕かれたばかりか、勝てると思われていることが何よりも許せなかった。
その怒りが彼が腰に付けている奇妙な銀色のベルトと手に持っている小箱の様な物体に気づくことをさせなかった。
「親父に感謝だな。魔術と科学の融合、その試作機がこいつだ」
参護はポケットから折り畳み式の携帯電話を取り出すと開いて構える。
『5・5・5……Standing By』
「変身!」
携帯電話をベルトに縦に差し込むとそのまま横に倒す。
『Complete』
その音声と共に、男の身体にベルトから赤いラインが伸びて鎧のような形を作っていく。
完成した時にはその姿は、仮面ライダー555となっていた。
「悪いが、速攻だ。あまり長引くと、ゆっくり達や阿求様と慧音さんが起きてきちゃうからな」
バックルについている携帯電話の表面。カード状になっている部品を外すと、腕に付いていた似たようなカード、色が違うものに差し替える。
その途端、全身が赤と黒とシルバー、目が黄色の姿からシルバーと黒、目が赤い姿に変わる。
「十秒だ……!」
腕のタイマーの様な装備のスイッチを入れた瞬間、世界が変わる。
『Start up』
音が鈍り、妖怪の動きが遅くなり、自身はその中でいつも以上に速く動ける。
足にポインターと呼ばれる装備を付けるとすぐさま駆け出しながら、腹、足、顔面と幾度も無くその拳や蹴りを叩き込んでいく。
ある程度ダメージを与えられたと感じた参護は、複数の紅い鏃を展開。
無慈悲に幾度となく、クリムゾンスマッシュと呼ばれる飛び蹴りを何度も妖怪に打ち込んだ。
その腕は一撃でヒビが入った。
『3』
二撃目で完全に砕け、皮膚が破れる。
『2』
三撃目で肉が裂け、皮のみが腕をつなげているような状態になる。
『1……Time Out』
その音声とともに、加速した世界は元の世界に戻る。
目の前には両腕を砕かれ、フォトンブラットの毒で少しずつ体が灰になっていく妖怪がいるのみ。
妖怪はすぐに里に背を向けると逃げ出した。
最期ぐらいは妖怪らしく、屍を人間にさらすなんて無様を晒すわけにはいかない。
特にこの男の前では。
妖怪は最後の力を振り絞り、森の中へと消えて行った。
04.兄貴の登場予定は無いからね、仕方ないね。
海原曹護。
海原参護の兄であり、参護が知る中で最強の人間だ。
寡黙で不良のように振る舞い、190㎝を超える身長とガッチリとした体格は初対面では確実に恐怖を与える。
しかしのその実、その寡黙さの中に思慮深さが、不良のような振る舞いの中に兄弟や仲間への面倒見の良さが隠れている。
参護はその彼の優しさに救われたのだ。
参護の持つ『十秒の加速世界』は、曹護の使っていた技だ。
彼の場合は波紋と気、霊力と魔力と参護よりも多くの力を組み合わせているため、加速世界とは言えないほどの速度になる。
時間の概念を一つ飛び越えている感じだろう。
しかし、参護がその力を手に入れたおかげで、その後に妖怪を撃退できたし、その力の応用である程度妖怪にあらがう術が出来たのだ。
「参護。テメェ、加速の世界は十秒だと言っただろう! テメェの身体と感覚がまだその技に付いて行けねぇんだ」
「だって、こうしないと曹兄に勝てねぇし……」
「同じ土俵に立ったところで勝たせねぇよ。俺はな、最強の龍の隣に立つんだ。ここで負けるようじゃ笑い話にもならねぇからな」
曹護は幼少のある日を境に、このような目標を掲げ、常に鍛え続けてきた。
最近だって修業で世界を回って帰ってきたばかりなのだ。
「それに、オメェはオメェの物語があるらしいぜ?」
そう言った兄は俺の後ろ、何もない空間を睨んでいた。
どう見ても道場の屋根しか見えない。
「何もないよ?」
「いや、近々オメェも旅立つかもしれねぇだろ? その時がオメェの、海原参護の物語だ。……そうだな、今一度体験しておけ。『加速世界』は成長で時間が伸びるだろう、今のうちに俺が鍛えてやる」
やばい、組手コースだ……。
「構えな。十秒間だけの、濃厚な組手の時間だぜ!!」
言葉と同時に『加速世界』を発動させる。
その世界の中で曹護はまるで水を得た魚の様なスピードで迫ってくる。
通常の組手でさえ勝てたためしが無い。
それなのに、加速の世界での戦いだ。
十秒の間に効率よく加速できる方が先手を取れる。
「ウラァ!!」
曹護の拳が俺を数センチ後ろに下げる。
負けられない。
その一心で構え直すと、何度も曹護に殴り掛かる。
「ほぅ、悪くないな。次だ! ウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラ……ウラァ!!」
反則である。
ラッシュと曹護は言っているが、これを防げた
最終的には、ボロボロになって地面に転がることになった。
八秒
すぐに立ち上がると、波紋を全力で練り上げる。
残り少しなのだ。
全力で行かなくては笑いものになるだけだ。
九秒
「「
全身全霊の波紋を込めた拳。
その拳に曹護の拳が合わさる。
当然強い方の波紋の力が相手に流れる。
十秒
「うわぁぁ!!」
電気の様な痺れを全身に味わい、床に転がった。
完膚なきまでに負けだ。
いつもの事過ぎて悔しさしかわかない。
「……」
曹護はぶつけ合った方の手をじっと見つめている。
「なるほど、成長したな参護。オメェはこれで一人前だ」
その言葉を聞いた途端、俺の意識は途絶えた。
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「助けないのね?」
「助かりたいなら参護自身が足掻いて助かるべきだ。あいつは一人前なんだからな」
「少し厳しくないかしら?」
「いや、一人前になったんだ。テメェの面倒はテメェで見るのが筋だろ」
「弟が可愛くないのかしら?」
「かわいいぜ? だからこそ、あいつは自分で探す時なんだよ」
「……何をかしら?」
「自分が命を懸けても護りたいものだ」
「貴方にもあるのかしら?」
「ああ、おそらく世界一有名なドラゴンだよ」
「無限龍オーフィスかしら?」
「さすがだな」
「人間には無理よ」
「その無理を通すために修行してるんだ」
「そう。じゃあ彼は幻想郷に責任を持って送り届けるわ。そこから先は自己責任よ」
「ああ、あいつが死ぬならそれまでだ。だがな、あいつが何かを護りたいって言うのを邪魔したら、結界ぶち破ってでもそこに行ってテメェをぶん殴ってやるからな?」
「……ッ。了解よ」
いかがでしたでしょうか。
ゆっくり達をしゃべられるように設定しなかった事に少しだけ後悔。
ライダーはネタですね。
父親がデルタギア、長男がカイザギアを所持してます。次男は無くても強いという反則です。もし与えるならカブトゼクターかな?
最後のは参護が幻想入りした時と、その後の会話です。
曹護は霊光波動拳の継承者だったり、幽助から手ほどきを受けてたりする裏設定がありますが、それは曹護主人公の小説を書くことが出来たらですかね?
ゆっくりの方は、きつね様というゆっくりキャラクターの素材を作っていらっしゃる方のイラストから引用させていただきました。
彼のイラストは私の原点ともいえるほどの破壊力がありますよ。