D・CⅡなのはstriker's漆黒と桜花の剣士   作:京勇樹

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遅くってすいません!(土下座中)

仕事が忙しいんです

書く暇が無いんです!

体が痛いんです!(脊椎&肋骨ヒビ)


デート前のヤリトリ? その2

曜日は変わり、土曜日

 

朝8時半頃

 

義之は目覚ましの音で目が覚めて、すぐにカーテンを開けて外を見た

 

そして、口をあんぐりと開いた

 

理由は………

 

「一面真っ白かよ………」

 

外では雪が降っていたからだった

 

しかも、大雪と言っても過言ではないレベル

 

すると、義之は携帯を開きある番号をコールした

 

その相手は………

 

『はい。沢井です』

 

委員長こと、沢井麻耶だった

 

「あ、委員長か? 俺だ」

 

『あ、桜内』

 

「外、見たか?」

 

『うん、見た。どうする?』

 

麻耶からの問い掛けに、義之は数瞬悩むと

 

「今からそっちに行くから、そうしたら決めよう」

 

『ええ、わかった。待ってる』

 

義之は通話を終えると、私服に着替えて家を出た

 

そして、雪に滑りそうになりながらも歩いていると

 

「およ、弟くんじゃない」

 

アパートから、高坂まゆきがジャージ姿で現れた

 

「あ、まゆき先輩。これからランニングですか?」

 

「そそ。大会も近いしね!」

 

義之に返答しながら、まゆきはストレッチをしていた

 

それを見た義之は、途中で足が滑りそうになったのを思い出し

 

「雪が結構積もってるので、滑らないように注意してくださいね?」

 

それを聞いたまゆきは、まるで猫みたいな顔をしながら

 

「おやおや~? あたしを心配してくれてるのかにゃ~?」

 

と、義之に聞いた

 

すると、義之は肩を竦めながら

 

「そりゃ、音姉の大事な友人ですし。俺にとっても、大事な先輩ですからね」

 

と、義之は返した

 

まゆきは義之の返しが予想外だったらしく、一瞬驚くが

 

「ありがとうね。でも、安心しなさい。実は、靴に摩擦力の強化の魔法が掛けてあんのよ」

 

と、まゆきは靴を見せた

 

「なるほど、それなら安心ですね」

 

義之がうなずくと、まゆきはストレッチを終えたのか視線を義之に向けて

 

「弟くんは、沢井に会いにきたんでしょ? 早く行ってあげなよ」

 

「よくわかりましたね?」

 

義之はまゆきには用件は言ってないのにな、と思って軽く驚いた

 

「そりゃあ、アパートの前に沢井んとこの小さい弟が待ってたしね」

 

「なるほど……そりゃ、早く行かないとな……」

 

まゆきの言葉に、義之は頭を掻いた

 

「そゆこと、じゃあね! 弟くん!」

 

「気をつけて!」

 

まゆきと別れると、義之はアパートに近寄った

 

アパートの前には、確かに、勇斗と麻耶が待っていた

 

義之はそのことに苦笑いしながら近づき

 

「わざわざ外で待ってなくてよかったのに……」

 

と、二人を見た

 

「私もそう思ったんだけど、勇斗が……」

 

と麻耶は苦笑いしながら、隣に立っている勇斗を見た

 

「だって、待ちきれなかったんだもん!!」

 

勇斗は眼を輝かせながら、はしゃいでいた

 

初めての遊園地だから、はしゃいでいるのだろう

 

だが、義之と麻耶は視線を合わせて

 

「この大雪だぜ? アトラクションが動いてるかどうかも、怪しいぞ?」

 

「やっぱりそうよね……」

 

と、話していると

 

「無理なの?」

 

と、勇斗が少し悲しそうな表情で聞いてきた

 

「この天気だからね、動いてるかわからないんだ」

 

「そうなんだ……」

 

義之の言葉に、勇斗は少し悲しそうに俯いた

 

(なあ、委員長)

 

勇斗の悲しそうな顔を見た義之は、麻耶に念話を飛ばした

 

(なに、桜内)

 

(さすがに、このまま解散は味気ないだろ)

 

義之の念話に、麻耶は頷き

 

(さすがにね……それに、桜内に悪いし)

 

と、後半は黙考して

 

意を決して、麻耶は視線を上げた

 

「桜内、どうせだから家に上がって」

 

「は? いいのか?」

 

「ええ。さすがに、この雪ですぐに帰って。なんて言えないし、勇斗の遊び相手になってくれると嬉しいし」

 

麻耶の言葉を聞いて、義之は視線を勇斗に向けた

 

勇斗は子供故の純真そうな目で、義之を見ていた

 

それを見た義之は、微笑んで

 

「遊園地は今日は無理だけど、一緒に遊んでやるよ」

 

と、勇斗の頭を撫でた

 

すると、勇斗は目をパアッと輝かせて

 

「ありがとう! お兄ちゃん!」

 

と、義之に抱き着いた

 

義之はそんな勇斗を見て微笑み

 

麻耶は慈しむような目で、弟を見ていた

 

その光景は他の人から見れば、まるで夫婦のようであった

 

◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇

 

場所は変わり、時は進んで喫茶翠屋

 

「裕也くん。フェイトちゃんは誘えたの?」

 

「それが、まだなんです………」

 

桃子からの質問に、裕也は苦い表情をしながら返答した

 

すると、桃子は頷いて

 

「そんなことだと思ったわ」

 

と、頭を左右に振ってから、なのはを見て

 

「なのは、お願い」

 

「はーい」

 

返事をするとなのはは、バックヤードに入っていき

 

出てきた時には、一人の少女と一緒に出てきた

 

それを見た裕也は思わず

 

「なんでさ……」

 

と、呟いていた

 

その理由は、至極単純

 

なのはと一緒に出てきたのは、喫茶翠屋のエプロンを着けたフェイトだったからだ

 

「朝起きたら、母さんから『喫茶翠屋のお手伝いをしてね』って、言われて……」

 

フェイトはそこで黙ったが、裕也には予想できた

 

エプロンを着けて出たら、なのはと桃子に捕まったのだ

 

「というわけで、今ここで言っちゃいなさい」

 

「どういう晒し者ですか」

 

裕也は抗議するが、桃子は何処吹く風であった

 

せめてもの抵抗に裕也は、視線を士郎に向けたが

 

「…………」

 

士郎は両手を合わせて、頭を下げていた

 

(つまりは、無理ってわけですか……)

 

裕也はそう思いながら、視線を上に上げてため息を吐いた

 

「ゆ、裕也?」

 

フェイトが訳が解らないとばかりに、視線を裕也に向けた

 

「あー……フェイト、明日空いてるか?」

 

「え? う、うん……空いてるけど……?」

 

裕也からの問い掛けに、フェイトは一瞬キョトンとしながらも答えた

 

フェイトの返事を聞いた裕也は、一回深呼吸すると

 

「明日、さくらパークに行かないか?」

 

と、聞いた

 

「え? え? それって、つまり……デー」

 

「頼む、皆まで言うな」

 

裕也はフェイトの言葉を途中で遮った

 

「それで、いいのか?」

 

裕也が改めて聞くと、フェイトはしばらく沈黙してから

 

コクリとうなずいた

 

裕也はそれを確認すると、視線を桃子に向けて

 

「これで満足ですか? 桃子さん」

 

と、聞いた

 

すると、桃子は満面の笑みを浮かべて

 

「もちろん♪」

 

と、うなずいた

 

◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇

 

第三者sideEND

 

義之side

 

俺と委員長が勇斗くんと遊んでいた時だった

 

「麻耶ちゃん。誰か来てるの?」

 

と、奥の部屋から女性の声が聞こえてきた

 

「うん! 友達が来てるの!」

 

委員長は大声でそう返すと、俺を見て

 

「ねえ、お母さんに会ってくれるかしら?」

 

と、言ってきた

 

って、待てい

 

俺が会うのかよ……

 

よしっ! 男は度胸じゃ!!

 

「わ、わかった……」

 

ドモってるよ、俺……

 

義之sideEND

 

第三者side

 

義之は麻耶に案内されて、ある部屋に入った

 

そこには布団が敷かれていて、一人の女性が上半身を起こした状態で寝ていた

 

それを見た麻耶は、慌てて駆け寄り支えると

 

「もう、お母さん。無理しないで……あ、桜内。私のお母さんの」

 

「こんな格好でごめんなさいね? 沢井綾(さわいあや)です。よろしくね、桜内くん」

 

女性、沢井綾はゆっくりとした動作で頭を下げた

 

その雰囲気は、ほんわかした空気を纏っていて、顔は似ているが、麻耶とは正反対の印象だった

 

「桜内義之です。娘さんにはお世話になってます」

 

義之は頭を下げると、綾は微笑みながら

 

「あなたが桜内くんね? 麻耶からいろいろ聞いてるわ」

 

綾の言葉に義之が首をかしげていると、麻耶が少し慌てた様子で

 

「もう、余計なことを言わないでよ。お母さん」

 

と、綾を制した

 

「ごめんね。麻耶。そういえば、今日はお出かけする筈じゃなかったかしら?」

 

話しておいたのだろう、綾が家に居る理由を聞いてみた

 

「あのね、お母さん。外は大雪なの。だから、明日になったの」

 

「え? ……あら本当」

 

綾は麻耶に言われて外を確認すると、それで初めて雪が降ってるのに気付いた様子だった

 

そして、綾は姿勢を正すと

 

「勇斗を遊園地に誘ってくれて、ありがとうね。これからもうちの子達と仲良くしてね、桜内くん」

 

と、軽く頭を下げた

 

「こちらこそ、よろしくお願いします!」

 

と、義之は緊張した様子で頭を下げた

 

そして、部屋を出て義之が緊張したとこぼしたら

 

「なんで、うちのお母さんに会うのに緊張するのよ。変な桜内」

 

と、言われた義之だった


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