D・CⅡなのはstriker's漆黒と桜花の剣士   作:京勇樹

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VIPルーム開店!

「いらっしゃいませ~」

 

「お客様、こちらにお並びくださ~い!」

 

クリパ2日目の我がクラスは、大盛況という言葉では表現しきれないほどの大盛況ぷりだった

 

昨日の混み具合なんて、混んでるうちに入らない、といった風情だ。

 

「すごいねぇ……。まさに寿司詰めって感じ」

 

「なんでこんなに……」

 

俺は、思わず呟いてしまった、すると

 

「何でも、昨日来てくれたお客さんからの口コミらしいよ。特に沢井さんのお寿司が人気…」

 

と、茜が教えてくれた

 

「口コミねぇ……」

 

女子達のコスチュームもさることながら、リーズナブルな値段で、価格以上の味の寿司が食えるとなれば、そりゃ混雑もするか

 

「義之くん、渉くんたちの方、手伝ってきてくれないかな?」

 

「廊下で列整理か、了解……」

 

俺は茜の指示に従って、整理券を持って廊下に出た

 

こりゃ、今日はクリパを見て回る暇なんて、ないかも知れないな………

 

俺は内心、委員長とのクリパの休憩時間の約束が守れないのを残念に思った

 

◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇

 

「では、整理番号の順番に並んでくださーい!」

 

俺は今、列の最後尾に立って列の整理をしている

 

「あの、すいません」

 

列の整理をしていると、クリパを見物していた他校の生徒に声をかけられた。

 

「はい?」

 

見たことない制服だな………

 

本島のほうから、わざわざ見に来た連中かもしれんな。

 

「これって、今並ぶとどのくらい待つんすか?」

 

「そうですねぇ………」

 

俺は列を見て

 

さすがに、俺でも正確なところは分からないけど、さっきまでの感じだと………

 

「だいたい30~40分待ちって、とこですかねぇ」

 

俺がそう答えると

 

「どうする?」

 

「並ぶしかないだろ、すいません、整理券をください」

 

「はい、わかりました、どうぞ」

 

俺は整理券を2枚取り出して、他校生に渡した

 

ってか、並ぶのかよ

 

俺なら、待てて、大体15分………いや、10分が限界だな

 

「義之」

 

気付いたら杏が教室から出てきてて、俺に声をかけてきた

 

「どうした?」

 

正直、杏の格好はかなり刺激的過ぎるので、並んでいる他校生や、生徒達の視線が集中する

 

因みに、こいつのパジャマはセーターのみである

 

そんな杏の姿を写真に収めようと、携帯やデジカメを構える連中が居たが、蓮華が睨んで黙らせた

 

「ちょっと、ここじゃ話しづらいから、こっちに来て」

 

と、杏は着替えに使っている空き教室を指差した

 

「わかった、ヤマモト、蓮華。悪いけど、後頼んだ!」

 

俺は、列整理をクラスメイトのヤマモトと蓮華に頼んで、教室に入った

 

「うん、わかった」

 

「おう、任せろ! って、そこ! 横入りすんじゃねー!」

 

頼もしい奴だよ

 

すると、教室内には既に先客が居た

 

「委員長? 顔色悪いけど、大丈夫か?」

 

そこには委員長こと、沢井が居た。けど、顔色が悪く、蒼白と言える

 

「ちょっと、フラフラするけど……、大丈夫……」

 

確かに、委員長はフラフラしている、これは……

 

「杏、どういうことだ?」

 

俺は、理由を杏に尋ねた

 

「ええ、お客の数が予想以上で、沢井さんに結構負担が掛かってるのよ。それで、強制的に休ませたんだけど……」

 

「大丈夫よ、少し休めば……また、握るから……」

 

と、委員長は気丈に言うが

 

「正直、沢井さんの負担を減らしたいのよ」

 

「なるほどね」

 

確かにな、俺もずっと列整理をやっているからわかるが、列が途切れたことがないのだ

 

休む暇すらないからな

 

「一応、俺達の方で回転を下げることも出来るが、焼け石に水だな……」

 

「ええ、だから」

 

俺が唸っていると、杏は笑みを浮かべて

 

「沢井さん、”あれ”持ってきたわよね?」

 

と、委員長に聞いた、なんだ?

 

「? ええ、一応持ってきて、って、言われたから………って、ええ!? まさか”あれ”をやるの!?」

 

なんだ? 委員長はわかってるみたいだが………

 

「何をやる気だ?」

 

俺が聞くと、杏は笑って

 

「VIPルームの開始よ」

 

と、言った

 

VIPルームだぁ?

 

◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇

 

「VIPルームって、ようするに、特別料金制か」

 

俺達は、もう一つの教室に居た

 

内装は3年3組と同じになっている

 

「よく借りれたわね。教室って、競争率高いのに」

 

「フフフ、そこは少しコネがあってね、特別に借りれたわ」

 

と、杏は笑った

 

どんなコネかは聞かねーよ。直感でヤバイと感じる

 

因みに、2人の姿はと言うと………

 

「まさか、水着とはな」

 

そう、水着なのだ

 

因みに、杏が所謂スク水で、胸元には何故かひらがなで<ゆきむら>と書かれている(しかも、なぜか旧スク水)

 

そして、委員長は……

 

「ちょっと、恥ずかしいから、あんまり見ないでくれる?(テレ)」

 

競泳水着である

 

「いやいや、似合ってるぞ」

 

「ありがとう………(顔真っ赤)」

 

俺が褒めると、委員長は顔を真っ赤にした

 

「で、杏よ、これで本当に客は来るんだろうな?」

 

俺は値段設定を見ながら言った

 

だって、向こうの5倍だぜ?

 

こんなんで、来るのかよ

 

「大丈夫よ、お客は選ぶから。これで沢井さんの負担は減るし、売り上げも増える、一石二鳥ね」

 

と、杏は笑うと

 

「さ、VIPルームの開催よ!」

 

と、高らかに宣言した

 

 

さてさて、どうなるのやら


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