D・CⅡなのはstriker's漆黒と桜花の剣士   作:京勇樹

48 / 109
クリスマス・パーティー  2日目その1 sideS・Y

………

 

「……きて、……ってば」

 

む? なんだ?

 

「……くらいってば」

 

暗い? そりゃそうだ、目瞑ってるからな

 

あっれ? なんで目瞑ってるんだっけ? まぁ、いいや。

 

今は、素敵な睡眠を………

 

「起きなさーーい!!」

 

「うおぉ!?」

 

いきなり、耳元で大声を出されたので、俺は慌てて跳ね起きた

 

なんだ!? 敵襲か!? それとも、なのはの砲撃か!!??

 

「な、なんだ!?」

 

そして、周囲を見回すと…

 

「…………」

 

何故か、委員長が居た

 

「あ、起きた?」

 

チッチッチ・ポーン!

 

「なんだ、夢か……」

 

俺はそう思って、再び布団にもぐりこんだ

 

「あー、こらこら、夢じゃないってば起きなさい」

 

「大抵の夢は、みんなそんな反応なんですー、・・・って、夢じゃない?」

 

俺は、いやにリアリティがあったので起き上がった

 

「夢じゃないわよ、大声だしちゃったのは謝るから、起きなさい」

 

そこには、確かに委員長が居た

 

「なんで、委員長が居るんだよ」

 

俺は素直な疑問を、ぶつけてみた

 

「桜内に用があるからに決まってるじゃない、なに言ってるのよ」

 

「だったら、電話すればよかっただろ?」

 

「かけました。でも、出ないから来たのよ」

 

「家には? さくらさんが居たはずだぞ」

 

「家にもかけたわよ、それなのに、出ないから気になって見に来たのよ」

 

俺は手元の携帯の画面を見ると

 

不在着信 14件

 

と、なっていた

 

「あー、それは悪かった。だったら、どうやって中に入った? 鍵が掛かってたはずだが……」

 

俺は気になっていた質問をした、すると

 

「開いてたわよ?」

 

「は?」

 

なんですと?

 

「だから、開いてました」

 

「マジで?」

 

おいおい、なんでだ

 

「嘘言ってどうするのよ。扉開けたら鍵が掛かってなくって、怪しんで中に入ったら、あんたがグースカ寝てるから、無用心にもほどがあるわよ……」

 

委員長は、呆れながらため息を吐いた

 

嘘は言ってないみたいだな

 

これはようするに、今日は珍しく、さくらさんが早起きして出たときに鍵をかけ忘れたってことか?

 

やれやれ、勘弁してほしいぜ……

 

と、俺が額に手を当てて唸っていると

 

「ほーら、それよりも制服に着替えて、遅刻しちゃうでしょ」

 

「ああ、そうだな」

 

確かにな、飯の時間を考えると、ギリギリだな

 

俺は委員長に言われて、上に着ていたセーターを脱いだ

 

すると

 

「ちょっと、いきなり脱がないでよ!」

 

しまった、委員長の目の前で脱いでしまったな

 

気付くと、委員長の顔は真っ赤だった

 

「ああ、悪い」

 

「もう……」

 

委員長が部屋から出たのを確認した俺は、今度こそ着替え始めた

 

◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇

 

「で、用って?」

 

俺は、家から出てから隣を歩いている委員長に聞いた

 

(俺が手早く作った料理を食った委員長は、かなり驚いてたが)

 

「え?」

 

おいおい、忘れたのかよ

 

「俺に用件があったから、来たんだろ? で、その用件ってのはなんだ?」

 

「ああ、そうだったわね。用件は、今日の休憩時間なんだけどね」

 

「休憩時間?」

 

なんざんしょ?

 

「ええ、折角だから……時間合わせて休憩しない?」

 

……なんですと?

 

「なんでまた、俺と?」

 

これは、予想外だな

 

俺が聞くと、委員長は顔を赤くして

 

「さ、桜内と一緒に居たほうが、いろいろ都合がいいのよ!」

 

「さいですか…そんな用件だったら、電話で話してくれればよかったのに」

 

「電話に出なかったから、家に行ったんでしょ……」

 

「そうでした。もしくは学校で待ってればよかったろ? 態々ウチに来なくても、学校で会えるんだし」

 

「ギリギリに来るつもりだったでしょ? それじゃあ、ダメなんです」

 

むぅ

 

「確かにな、で、何時ごろにする?」

 

俺は、委員長の希望の時間帯を聞くことにした

 

「そうね、それじゃあ・・・・・・・・」

 

 

 

こうして、俺と委員長は休憩時間を決めた後、学校に着くまで取りとめも無い会話を続けたのだった


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。